【Zenfone 10 試遊レビュー】ハイエンドなスマホゲームとライブ配信を同時にこなす、快適ゲーミングスマホ登場!
ASUSからAndroid OS搭載のハイエンドスマートフォン「Zenfone 10」が、2023年9月8日(金)に発売された。
本機は、SoCにQualcommの「Snapdragon 8 Gen 2」を搭載しており、ディスプレイには5.9インチのAMOLED(有機EL)を採用している。ボディカラーは、ブルー、グリーン、レッド、ブラック、ホワイトの5色が用意され、スペックタイプも「CPU 8GB+ストレージ125GB」「CPU 8GB+ストレージ256GB」「CPU 16GB+ストレージ512GB」の3タイプから選ぶことができる。
今回、発売前に試作品を使う機会を得たので、このハイエンドスマートフォンを触ったインプレッションをお伝えしよう。
10万超えのスペックは伊達じゃない
今回使用できたのは、ブラックの「CPU 16GB+ストレージ512GB」タイプ。さっそくパッケージを開封すると、本体と本体カバー、そして急速充電対応のUSB Type-Cアダプターが付属していた。高級感が感じられながらも、滑りにくい手触りとなっている背面が心地いい。また付属のカバーも、本体と同じ手触りでシンプルなデザインで、本機の高級なイメージを損なうことはない。なお本機は、裸の状態ではカメラレンズが出っ張っているが、付属のカバーを付けることで段差問題を解消できるので、すみやかに付属のカバーを付けることをお勧めする。
なお、この「Zenfone 10」の価格だが、一番下のクラスの「CPU 8GB+ストレージ125GB」が99,800円(税込)。一番上のクラス「CPU 16GB+ストレージ512GB」が134,800円(税込)となっている。
最新のQualcomm Snapdragon 8 Gen 2が搭載され、ストレージには高速なUFS 4.0が採用されているので、この高価格も当然といえるのだが、貧乏この上ない身の上の自分としてはいつもであれば指を加えて見ているしかない。だが、今回レビューのためにサンプルを数時間いじくり回しているうちに、本気で購入しようかどうか悩み始めている。やはり高スペックは正義である。
本機の大きさは、高さ約146.5×幅約68.1×奥行き約9.4mm。重さは172gと、筆者が普段使っている「iPhone SE2」と比べても幅は同じくらいで、高さはむしろ小さいくらい。日本人の小さな手でもしっくりとくる大きさと軽さで、非常に持ちやすい。立ち上がりも速いため、ストレスなく操作ができるだろう。また、最近のスマートフォンでは廃されることの多い有線イヤホン、ヘッドホンが接続できるのも、こだわり派のユーザーには嬉しいところだ。
カメラについては、背面に5000万画素の広角カメラと1300万画素の超広角カメラ、フロントに3200万画素のカメラを搭載している。起動も非常に速いので、とっさの撮影にも対応できる。
筆者の室内にあるフィギュアでテスト撮影をしてみたが、ズームしても画質の劣化はそこまで気にならないレベル。これなら旅行先の思い出なんかも鮮明に残せそうだ。
↑同じ立ち位置から最大の8倍ズームで寄ったもの
ハイエンドゲームを余裕でこなせる処理性能
本機の処理性能を確認するため、「3DMark」というベンチマークアプリを試してみたところ、筆者私物の「iPhone SE2」が終始30FPSレベルだったのに対して、こちらの「Zenfone 10」は、60FPS超えは当たり前。最高で90FPSを叩き出すというものすごい結果で、圧倒的なスペックを見せつけてくれた。ここからのレビューが俄然楽しみになってきた。
↑「Zenfone10」のスコア
↑筆者が使っている「iPhone SE2」のスコア。これはもう買い替えたい!
まずはテストがてら、3Dオープンワールドゲームの「原神」と、ガンシューティングアクションの「NIKKE」をプレイ。さすがに「NIKKE」のほうは3Dグラフィックが多用されていないため「iPhone SE2」と比べても違いは感じられないが、リッチなグラフィックを多用した「原神」では圧巻のゲーム体験を味わわせてくれた。ゲームスペックの設定が「中」程度なら、画質もほどよく、かつフレームレートも30FPSを安定して維持していたので、ゲームをストレスなく楽しめた。
画面も有機ELのAMOLEDによる鮮やかな発色で、ゲーム画面に見入ってしまうほど。改めて過去にプレイしたスマホゲームも再インストールして、ムービーなどを見直したいと思った。
また、最近発表されて話題になっているソニーの「PlayStation Portal」に対抗して、本機にリモートプレイ用アプリ「PS Remote Play」を入れてみるとどんな感触なのかを試してみたが、こちらも遅延やコマ落ちもなく快適にプレイすることができた。特にこういったリモートプレイが難しいのが「パワプロ」のような反射神経を要求するスポーツゲームだが、こちらも難なく遊ぶことができた。
リモートプレイでは、どれだけ遅延なく、ホスト側のゲーム機からの映像を受信して映し出すかが大事だが、そういう意味でも、本機の映像処理性能は大変高いということがわかる。もちろんこの映像処理能力は、「Netflix」や「Amazonプライムビデオ」などのストリーミングサービスでもいかんなく発揮されるということになる。
なお本機には「GAME GENIE」という機能がインストールされている。このアプリには、快適なゲームプレイのためにデバイスのパフォーマンスを向上させる機能や、操作を記憶するマクロ機能などが搭載されている。こうしたマクロ機能は、アプリゲームのデイリー周回をするのに大変役立つ。
ゲームだけじゃない。配信機としてのスペックも高い!
昨今のスマートフォンはゲームをプレイするだけなく、スマホアプリからライブ配信を行うためのツールとして活用されることも多い。
ひと昔前なら、ノートPCにポケットWi-Fiを携えて配信を行っていたが、それももう昔の話。ハイエンドスマホである本機の場合、こうした配信に活用する人も多いだろう。
そこで本機を使用しての配信テストも行ってみた。さすがに発売前のサンプルを持って外をウロウロするわけにはいかないので、エアコンの効いていない30℃の室内で1時間ほどのテスト配信を行った。夏の屋外での配信における外気温と仮定するには十分な暑さだろう。果たしてどのくらいこのスマホは耐えられるのか。
今回は「YouTube Live」を使い、給電しながらの定点配信をしてみた。本体の温度は、配信前は室温と同じ30℃をマークしていたが、配信開始から15分経過すると44.4℃をマーク。最終的には46℃まで上昇したものの、最後まで途切れることなく配信を乗り切ることができた。
筆者も仕事で屋外からの配信を行うことがあるが、これまでの経験上、スマートフォン端末で配信を行った場合、高い確率でアプリそのものが40~50分くらいで落ちてしまっていた。そう考えると、今回、1時間の配信に耐えきったのは正直すごいと思った。
それでも発熱はすさまじく、とてもじゃないが素手で持ちながら配信するのは難しかった。屋外で配信するなら、グリップやアームを付けたほうがよいだろう。
また内蔵マイクを通してしゃべってもみたが、ノイズキャンセリングが働いているせいか周囲の環境音は入らず、クリアな音声で配信できた。ただその分、ほかの端末での配信時と比べるとやや音が小さくなってしまう印象なので、必要に応じてワイヤレス、もしくは有線のマイクを用意しておくとよいだろう。
最後に、「配信+ハイエンドゲームプレイ」という無茶を試してみよう。
最近はツイキャスの配信アプリからスマホゲームのプレイ動画を配信することもできる。そこで今回はツイキャスで配信しつつ、中スペック設定の「原神」をどれくらい快適に遊べるかというテストを45分ほど行ってみた。
結果としては、最後まで快適にゲームを遊ぶことができ、視聴者側からも不満が出ることなく配信を終えることができた。配信映像を見てみても、映像はカクつくことなく流れており、音声も、マイクのノイズキャンセリングが働いていることもあって、ヘッドホンなしでスピーカー音を上げても配信者である筆者の声がちゃんと乗っており、配信として成立していた。
ちなみに本機の発熱は、ゲームをしているだけなら38℃程度だったが、同時に配信を行ったところ、44℃まで上昇した。さすがに配信プレイ中は指が熱くなってきたので、ゲーム配信をされる方は別途コントローラーを用意するなり、机置きでプレイするなり工夫するほうがよいだろう。
とまぁ、ここまで軽く触った感じを書き連ねたが、本機「Zenfone 10」では、自分のやりたいことをことごとくストレスなくやれることに感激した。
一点気になった点としては、microSDカードスロットがないことくらい。カードスロットの有無は結構重要なので、次機を開発される際には検討していただきたいところだ。
正直なところ、本機に触る前は、そこまで高いスペックのスマホはまだ買わなくてもいいかなと思っていたが、いざ触ってからというもの、販売サイトを毎日眺めてしまうほど、購入を本気で考えている。特にライブ配信を行う人にとっては、スペックの高さは、配信の幅を広げることにも繋がるので、ゲーマー系の配信者の方には本機はかなりおすすめである。
【製品情報】
■Zenfone 10 (AI2302)
・本体カラー:ミッドナイトブラック、コメットホワイト、エクリプスレッド、オーロラグリーン、スターリーブルー
・サイズと質量:高さ約146.5mm×幅約68.1mm×奥行き約9.4mm、約172g
・プラットフォーム:Android™ 13 (ZenUI)
・プロセッサー:Qualcomm® Snapdragon™ 8 Gen 2 (オクタコアCPU)、Adreno 740
・メインメモリ:8GB LPDDR5X、16GB LPDDR5X
・記憶装置:128GB (UFS4.0)、256GB (UFS4.0)、512GB (UFS4.0)
・表示機能:5.9型ワイド AMOLEDディスプレイ、Corning® Gorilla® Glass Victus™2,400×1,080ドット (フルHD+) (144Hz) ※
※ リフレッシュレートは「設定」から、自動/120Hz/90Hz/60Hzを選択可能です。リフレッシュレート144Hzはゲームをプレイ中、Game Genieからのみ設定が可能です。アプリによっては、高リフレッシュレートに対応していない場合があります。
・アウトカメラ:5,000万画素 広角カメラ (35mm換算:23.8mm相当/F値1.9)、1,300万画素 超広角カメラ (35mm換算:12.5mm相当/F値2.2)、LEDフラッシュ
・インカメラ:3,200万画素 広角カメラ (35mm換算:29.4mm相当/F値2.4)
・サウンド機能:Hi-Res、Hi-Res Wireless、Dirac HD Sound、Dirac Virtuo™、デュアルスピーカー内蔵、デュアルマイク内蔵
・通信機能:NFC搭載、IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (周波数帯域:2.4GHz/5GHz/6GHz) ※
※ 5/6GHz帯をサポートしています。電波法により5.2/5.3/6GHz帯は屋内使用に限ります(5.2GHz帯高出力データ通信システムの基地局又は陸上移動中継局と通信する場合など法令により許可された場合を除く)。
Bluetooth® 5.3
・SIMカードスロット:nanoSIMスロット×2
・通信方式:5G NR:n1/n2/n3/n5/n7/n8/n12/n20/n28/n38/n41/n77/n78
※ 端末が通信事業者が提供する周波数帯に対応していても、通信事業者によっては通信ができない場合があります。
※ 5G通信可能なエリア内において、待ち受け時は「5G」の表示となりますが、データ通信中は「4G」となる場合があります。
FDD-LTE:B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8/B12/B17/B18/B19/B20/B26/B28
TD-LTE:B34/B38/B39/B40/B41/B42
キャリアアグリゲーション:7CA(DL)/2CA(UL) 対応
※ 国や地域、またキャリアアグリゲーション対応エリア外では通常のLTEでの通信になります。
W-CDMA:B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19
GSM/EDGE:850/900/1,800/1,900MHz
・センサー:GPS(GLONASS、BeiDou、Galileo、QZSS、NavICサポート)、加速度センサー、電子コンパス、光センサー、磁気センサー、指紋センサー(電源ボタンに内蔵)、近接センサー、ジャイロスコープ
・バッテリー容量:4,300mAh
・消費電力:最大30W (Quick Charge 4.0/USB Power Delivery 3.0対応) ※
※ Quick Charge 4.0/USB Power Delivery 3.0での急速充電に対応しています。急速充電は、付属のACアダプターを使用する必要があります。
・主な付属品:USB ACアダプターセット※、SIMイジェクトピン、専用ケース、ユーザーマニュアル(兼製品保証書)
※USB ACアダプターセットには、USBチャージャー、USB Type-Cケーブルが含まれています。
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