低価格で手に入る携帯型ゲーム機「abxylute」をレビュー! クラウドゲーミング&リモートプレイに特化したデバイス!
2023年3月29日から発売中の「abxylute(アブソルート)」は、クラウドゲーミングやリモートプレイに特化したゲーム機器。
最初はキックスターターでのみ取り扱っていたが、7月中からは一般販売が始まり、いまでは手軽に購入できるようになった。公式サイトに掲載されている主なスペックは、以下のとおりだ。
- abxylute:スペック表
- OS:Android12
- CPU:MT8364
- RAM:4GB(LPDDR4)
- ストレージ:32GBor64GB
- ディスプレイ:7インチ(1920×1080)/60Hz/タッチ機能
- インターフェイス:USBB Type-C/オーディオジャック/microSDカードリーダー
- バッテリー最大稼働時間:8時間
- サイズ:幅約250mm/高さ約115mm/厚さ約30mm
- 重量:約410g
本体はかなり薄型かつ軽量で、値段も手ごろ
Abxyluteを手に取ってまず印象的だったのはその重さだ。公式によると約410gで、約398gのNintendo Switchとほぼ同じだ。それでいて厚みは、Switchが約13.9mmなのに対してabxyluteが約30mmなので、Switchの倍以上の厚みがありながら重さはほぼ変わらないということになる。
とはいえ、ディスプレイが埋め込まれている部分の厚さは約15mm。カタログスペックの30mmというのはスティックやグリップのある左右部分のもので、実際に握ってみると、グリップとディスプレイで厚さの違いが如実に感じられる。Switchとほぼ同じ重さということもあってか、寝転びながら遊んでもあまり腕は疲れなかった。
ディスプレイの大きさは7インチ。従来モデルのSwitchと比べるとやや大きく、有機ELモデルとは同じサイズになる。ただし、abxyluteの場合は解像度が1980×1080なので、画質はすぐれている。画面の情報を更新する頻度を示すリフレッシュレートは60Hzなので、フレームレートを60まで出力できるゲームとは相性がいい。
SwitchやSteam Deckも同様だが、abxyluteにはLボタンとRボタンに加えてそれぞれにトリガーボタンがあるのもポイント。コントローラーでは可能だった操作の一部をタップなどに代替する必要がなく、家庭用ゲーム機を遊んでいるときの感覚をそのまま応用しやすい。
以降では、本機の強みであるクラウドゲーミングとリモートプレイのうち、リモートプレイを実際に試した結果を掲載する。今回はSteam LinkとPS5 Remoteを使い、それぞれでいくつかのタイトルを遊んでみた。
Steam LinkとPS5 Remote Playでリモートプレイを試遊
Steam Linkは、Steamのゲームを、スマホやタブレットなどのPC以外のデバイスで遊べるようにするアプリ。Steamを起動中のPCと接続すれば、PC側の映像を特定の機器にそのまま出力できる。
まず試したのは、8月17日にSwitch版が登場して注目を集めている「Vampire Survivors」。全方位から襲い来るおびただしい数の化け物を倒し続け、30分間生き残るのが目的というゲームだ。
装備やアイテムの構成にもよるが、本作では1回のプレイで1万以上の敵が出現する。さっそく30分間遊んでみたが、最初から最後までabxylute側の画質はほぼ変わらなかった。28分前後から画面を埋め尽くしそうなほどの大群が押し寄せたため、少しだけ画面が乱れたものの、気になった点はそれくらい。ほかのステージで試しても結果は変わらず、動作は安定していた。
次に試したのは「Apex Legends」。個性的な能力を持ったレジェンドたちを操作し、最後の生き残りを懸けて戦うバトルロイヤルゲームで、一人称視点のシューティングでもある。
敵の位置の予測や有利な地形を取るための立ち回り、相手と戦っているときの操作など、本作は全体的にスピード感が速い。0.1秒の差が勝敗を分けるFPSでは、そもそも遅延が発生すること自体が厳しい。
ただし、2回目の試合はスムーズに進めることができた。abxyluteは無線接続が基本なので、1回目に見られた若干の遅延は無線特有の不安定さが出たのだと思われる。激しいアクションゲームを遊ぶ際は、PCやルーターの近くで遊ぶなど、遅延への対策を講じたほうがいいかもしれない。
次に試してみたのは「ロケットリーグ」。車に乗りながらボールを蹴ってゴールに入れる、ドライビングゲームとサッカーを融合させたような作風が特徴だ。チュートリアルを始め、AIとの練習試合やカジュアルなどを数十分遊んでみたが、フレームレートの低下や通信の遅延などはまったく見られなかった。コートの中をブーストで走り回ったり、意味もなく跳んだりドリフトしたりもしたが、プレイは終始快適だった。
複数人が入り乱れて競うシーンでは、ほんの少し処理が遅れることもあったが、それもごくまれ。とはいえ、リモートプレイの具合は通信状況に依存するので、abxyluteを使う際はなるべくPS5に近づくことで、この手の遅延は防止できるだろう。
ドット絵の「Vampire Survivors」にFPSの「Apex Legends」など、作風やジャンルも異なるタイトルをリモートプレイで遊んでみたが、いずれも遅延はほとんどなく快適にプレイできた。数値は確認できなかったが、体感ではフレームレートは60を維持できていたし、家庭用機やPC側が処理を済ませてくれているおかげか、本体からは発熱もあまり感じられなかった。なお、PS5やPCは有線でインターネットに接続したほうが、リモートプレイ時の画質はよくなるようだ。
ゲーム機やPCなど、なにかしらのデバイスを経由する必要はあるものの、abxyluteでは処理の重いゲームも比較的快適に遊ぶことができる。寝転びながらゲームをしたい人、クラウドやリモートといったサービスを利用したい人には特にオススメだ。
- ●おもなスペック
- OS:Android12
- CPU:MT8364
- RAM:4GB(LPDDR4)
- ストレージ:32GB/64GB
- ディスプレイ:7インチ(1920×1080)/60Hz/タッチ機能
- インターフェイス:USBB Type-C/オーディオジャック/microSDカードリーダー
- バッテリー最大稼働時間:8時間
- サイズ:幅約250×高さ約115×厚さ約30mm
- 重量:約410g
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