梶裕貴、福山潤、諏訪部順一のイケメンボイスがあなたの毎日に寄り添う！鏡と声優のコラボ＜スマートミラー「novera」＞【コラボのゲンバ第3回】

アニメや声優などのサブカルチャーと、さまざまな業界のコラボレーションが活発化する今日この頃、「おっ！やってくれるな」「何？そうきたか！」とファンの心を刺激してくる商品、コラボ企画が続々と登場している。そこで、アキバ総研的に気になる「コラボ」の企画現場にうかがい、企画の魅力や面白エピソード、苦労話などの制作裏話をあれこれ語っていただこう！という連載が、この「コラボのゲンバ」だ。

第３回に登場するのは、スマートミラー「novera」。イケメンボイスがあなたに語りかける！ 鏡を見るのが楽しくなる、魅惑のコラボレーション商品。忙しい毎日を過ごしていると、鏡に映る自分にがっかりして「なんだかテンションが上がらない……」という方も少なくないのでは？　そんな毎日には、さようなら！ 鏡の前に座るのが最高に楽しくなるハッピーな商品を開発した株式会社Noveraの代表取締役／CEO・遠藤国忠さんとプランナー／広報の上戸晶子さんに、商品開発のきっかけから、今後の展開まで盛りだくさんに語ってもらった。

—— まずは株式会社Noveraがどんな会社なのか、教えていただけますか？

遠藤　昨年1月に立ち上げた新しい会社なのですが、もともとはサイバーエージェントでゲームのプロデューサーをしていたんです。入社3年目でプランナーになって、プロデューサーをやって。その後、ディレクター兼プランナーという感じでタイトルをリリースしたという経緯があるので、声優さんのノウハウは知っていたんです。

6年くらいそんな感じで仕事をしていたのですが、「ヘルスケアに役立つような鏡をIoTで作ろう！」という気持ちがあり、男性だけで立ち上げたのがこの会社です。最初はいわゆる姿見を作っていました。鏡の前に立つだけで採寸ができるもので、自分の体を知り、フィットネスにつながればと。ジムなどの引き合いが強く、需要はたくさんあったのですが、どうしても原価が高く、このままではビジネスがto B限定になってしまい、自分たちの強みを生かせないなと思いました。描いていたのは「サービスプラットフォーム」。体型を採寸して、そのデータをスーツ屋さんや健康診断に使ってほしいと考えていたんです。でもこのままではそれができず、ただのハード屋さんになってしまうということで、一度立ち止まって商品を考え直してみたんです。

—— 今回のスマートミラー「novera」誕生のきっかけですね。

遠藤　そうです。確かに鏡の前に立って体を映すけど…。どこを一番見る？　って考えたとき「顔だよね」ってことになって。そこから、顔を一番見るのは化粧する女性だよねという流れになり、昨年の10月に思い立ったのがこの商品です。

とはいえ、男性ばかりの会社でしたし、そもそも美容系というジャンルを検討していなかったので、そこからは女性にリサーチしまくりました。

男性は機能的な意見や言葉で表現するのですが、女性ってとても感性的なんですよね。「どんな鏡があったらいい？　」と訊くと「もっとテンションが上がる鏡」「もっときれいになれる鏡」と。正直初めは「テンションが上がる」が全く理解できなかったのですが、よくよく考えたらそれって本質だなとわかりました。

—— ターゲットは女性ということになるのですか？

遠藤　今回の商品に関しては現状、女性向けということにはなっています。男性声優さんが話しかけるミラーなので。でも、声優さんを起用しているからって、いわゆるアニメ好き、声優さん好きという方をターゲットにしているわけではないです。そういうのは、購入する側が「声目当て」「鏡の機能目当て」と決めるものだと思っています。自分の目線で、それぞれのとらえ方をしてほしいと考えています。着地点は「このスマートミラーっていいよね」に落ち着けばいいんです。つまり、コンテクスト・マーケティングです。

忙しい女性、社会に対する評価のために化粧をする女性に、自分を上げるための美容の時間を楽しんでほしい、テンションを上げてほしいと考えたんです。

—— そこで「声優さん」につながったのですね。

遠藤　鏡って、昔は嫁入り道具などに使われていましたが、下手したら100均の鏡で十分という時代ですよね。どうやって買ってもらおう……と考えたときに、付加価値が必要だと考えました。

妻に「何が付いていたらこの鏡を買う？」とリサーチの延長で軽い気持ちで訊いてみたら、「福士蒼汰くんの声で話しかけられたら10万円でも買う！」って。その時、私の声優のノウハウと繋がりました。

そこから「鏡が話す価値ってなんだろう」と深掘りをしていきました。鏡って自然と自分と向き合う道具ですよね。だからこそ、寄り添ってくれることで前向きになれる力があるというところに行き着きました。

—— 鏡であることの意味はどこにあると思いますか？

遠藤　鏡は自分と向き合う唯一の道具なんです。

SNSが当たり前の今の社会では、外と繋がる機会は多いですよね。食事の写真をあげたはずなのに、注目、評価されるのは本人が想定外の顔やファッションだったりして生きにくい世の中だと思います。だからこそ、自分に自然と向き合える鏡の存在って大事だと思います。

正直、スマートスピーカーでいいじゃんという声もあるかもしれません。でもそうじゃない。鏡って「心を映し出すもの」なんです。鏡の前で、感情どころか声も出さないですよね。でも、心の中で「げっそりしているな」とか「今日は肌の調子がいいな」等とつぶやいているんです。noveraは、声にしなくても表情から「心の声」を読み取ることができるので、その人にとっていいタイミングでぴったりの言葉をかけてくれるわけです。感情やインサイトの部分をいかにキャッチして言葉をかけることができるかが大事なんです。鏡っておもしろいですよ。

—— 普段、何気なく使っているのにあまり意識していないですね。道具という見方しかしていない気がします。

遠藤　多くの人にとって1日の中で自分に向き合うのは鏡の前しかないんです。会社のビジョンとして、「全ての人々がなりたい自分に希望が持てるような世界を作る」というのがあります。なりたい自分があるなら、なったらいいじゃん！　1回きりの人生なら、そうなった方がいいよねという思いで、どうやって背中を押せるのかを考えていったら鏡の力にたどり着いて、スマートミラーになったわけです。

—— 梶裕貴さん、福山潤さん、諏訪部順一さんとかなり豪華なラインアップですが…。3人をチョイスした理由を教えてください。

遠藤　実際「鏡がしゃべる」となったときに、誰に言われるかってすごく大事なだと思ったんです。私の実体験ですが……、妻に旦那の声はなかなか届きません（笑）。影響力、演技力があり、深く心に届く声が必要だと考えたときに、3人が浮かびました。

梶さんはクール系、福山さんは爽やか系、諏訪部さんは少しセクシーな感じで。恥ずかしいけれど（鏡を）見ちゃう、というところを狙ったんです。新しい商品ですし、できるだけたくさんの人に届いてほしかったので、属性的なところを考えて3人にお願いしました。

—— ホームページに、「and more」の記載がありました。すでに4人目のキャストが鳥海浩輔さんと発表されていましたが…。

遠藤　はい、今後も期待していただけたらと思います。

—— 声のお話ですが、声を変えることでターゲットは限りなく広がっていきますよね。

遠藤　家族で買っても使い方はみんな違うと思います。購入時に初期設定として最初の声を選ぶ必要はありますが、そのあとはお好みで、課金することで違うキャラクターも追加可能です。

—— 1台で家族みんながハッピーになりますね。「最初は鏡にこの値段？　でも声優さん豪華だから、妥当かな」くらいに思っていましたが、課金でチョイスの幅が広がっていく。そのときの気分や状況に合わせて選べるなら、「逆にお得すぎる！」という気がしてきました。

遠藤　ぜひ1台、お願いします（笑）

—— 受注生産で発売はまだ先ですが、実際に商品を使った感想を聞く機会はあるのですか？

遠藤　旧製品はいろいろなところで体験会をやったので、かなりの人数から感想をうかがっています。

上戸　女性の反応がすごいんです。最初は皆さん照れてしまうのですが、使用後には「これは、ハマるわ」っておっしゃいます。声が素敵なのはもちろんのことなのですが、生の人間では言えないようなことを言ってくれるので、「こんなこと言われる？」と照れてしまうんです。自分の顔を見てから台詞を言ってくれるので、「わかる？」「私のことわかってくれるの？」ってなります。逆に男性は、もじもじしている方が多かったですよ（笑）。

遠藤　恥ずかしくさせたもん勝ちなんです。鏡の前で感情を動かしてあげたい、そう考えています。

—— 赤面した自分を見て赤面するみたいな感じですか？

遠藤　まさにその通りです。

—— 今後の展開ですが、現時点でお伝えできることはありますか？　予約をすると何か、特典があったりするのでしょうか？

遠藤　いろいろ構想中ですが、予約をしてくださった方には、体験会や今後開催される予定のイベントに優先的にご案内したいと考えています。座談会とかやりたいですね。新情報は基本的にツイッター発信なので、ぜひフォローしてチェックしてください。節目節目ではメルマガも出していますので。ツイッターといえば、おはようボイスも流し始めました。「今日も1日がんばれます！　ありがとうございます」みたいな反応をたくさんいただいています。

—— これだけでもかなりいいですね。うっとりしちゃうけど、目覚ましのアラームに使いたいですね。

遠藤　実は！　このスマートミラーにはアラーム機能もあるんです。サブ的な要素でつけたつもりが、予想以上にみなさんの反応がよかったです（笑）。ぜひ、上戸をモデルにしたこのサンプルを見てください。

—— 上戸さんの表情にこの効果がしっかり見えていますね。いいサンプルです！　今後ツイッターで随時新情報チェックさせていただきます。商品の魅力をたっぷり語っていただきましたが、最後に、商品のPRをお願いいたします。

遠藤　私たちは、鏡をサイエンスしているので、鏡には力があることを研究結果から知っています。疲れた時、嫌な時に、「どうしたの?」「何があったの?」と話しかけてくれたら嬉しいですよね。その声がけも心拍数を元にストレスの状態を測定してから発する言葉になります。弊社のスマートミラーは自分の欲しい言葉をかけてくれるんです。そしてどんどん自分好みにアップデートしていく。自分だけに寄り添ってくれる商品で、ぜひ、自分の心と向き合ってみてください。

（取材・文 / タナカシノブ）