「MODEROIDガルビオン」レビュー! 大胆な差し替えで3形態のプロポーションはバッチリ! 声優・泰勇気が作例に挑戦

社会人ともなると忙しい毎日の中で積みプラが増えてしまいがち……。そんなあなたに代わって、ロボット&プラモデル大好き声優の泰勇気がプラモデル製作に挑戦するのが、この連載!

コンセプトは「忙しい社会人でも、週末の休みを使えばここまでできちゃうよ」。ルールは素組みで、1~2日の制作期間の2点のみ! この連載を読めば、きっとあなたの作ってみたいプラモデルと出会えるはずだ。

というわけで、「声優・泰勇気の週末プラモ!」第87回スタート!

声優・泰勇気の週末プラモ 第87回 MODEROIDガルビオン

今回は「メカスマインパクト2023」のムービーで、まさに視聴者にインパクトを与えた、あのロボットをご紹介します。印象的なオープニングテーマが記憶に残っているという方も多いだろう「超攻速ガルビオン」より、主役メカのガルビオンです。ガルビオンは六輪のスーパーカー「サーカスI」からロボット型のロードファイター、そして中間形態のロードアタッカーへと三段変形するメカです。

「超攻速ガルビオン」は大畑晃一氏デザインのメカと、たがみよしひさ氏デザインのキャラクターたちが実に魅力的に動き回る痛快なSFアクション作品!だったのですが、メインスポンサーのタカトクトイス倒産が直接の原因となり、全22話で打ち切りとなってしまったことも有名です。

ただ、本作の魅力的なメカは今も根強い人気を誇り、放送当時にはプラキットが発売されただけでなく、21世紀に入ってからも特に主人公メカのガルビオンは、何度か立体化の機会を得ています。

そんなガルビオン久々のキット化は、グッドスマイルカンパニーのMODEROIDで実現しました!

今回のキットは複雑な変形機構をあえて完全再現せず、思い切った差し替え変形により各形態時のプロポーションを重視したアイテムとなっています。

そのこだわりのプロポーション、ぜひご覧ください。

こちらはパッケージ。後ろにはサーカスII、サーカスIIIの姿も。え、もしや?

こちらがストレートに組んでシールを貼った状態。パーツ分割と的確なシール配置、そして一部の塗装済みパーツのおかげで、素組みでここまでの配色を再現。スマートな印象のスタイル再現もばっちりです。シールの精度が高いので「C」「1」など、この画像ではシールであることに気づかなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

バックパックに隠れていますが、背面部分にはサーカスI形態時の配置に対応したシールも。脚部エアーノズルは展開式。

肩のミサイルポッドは開閉可能。

こちらがミサイルポッド展開状態。ここは展開時にちょっと分解しやすい印象だったので可動部に気を付けて接着してもいいかと思います。

フェイス周りは塗装済みパーツが多数用意されています。この独特の顔の再現も、なかなかですね。胸部の黄色い色分けもシールによるもの。

肩の下と、二の腕の下の二か所でロール回転が可能な腕。前腕のボリュームがいいバランスです。

脚部は太ももブロックの上下2 か所の軸接続で、ロール回転が可能。股関節部分も軸接続です。

鮮やかなブルー、淡いスカイブルーの色の再現が特に見事。

足首はボールジョイントなので回転やスイングが可能です。接地性も割と良好。

背面にはコクピットブロックを背負っています。コクピットハッチの黒い部分はシールです。ウイングは展開が可能。

脚部側面の曲面がガルビオンの重要な部分のひとつ。ここの面を誤るとすべての形態でかっこ悪くなってしまいます。

胸部パネルは稼働します。前方へはここまで。

羽根のようなパーツもここまで開閉可能です。

股関節の付け根は珍しく内側に倒れるように可動。これにより股関節の前後開脚がやりやすくなります。

足首は、脚部との接続部部分以外にもつま先が上下に可動します。

別売の「THE シンプルスタンド」を使ってポージング。腰は軸接続でロール回転が可能です。ハンドガンとシールドを装備させてみました。武器持ち手は左右とも付属します。細身なガルビオンは軽快なアクション再現がよく似合いますね。

シールドは腕部に固定することも可能。表情ありの手首も左右ともに付属。

ハンドガンも腕にマウント可能。

そして、頭部と足首の一部のパーツを交換し、背部のウイングを左右に広げれば浮遊走行形態を再現可能。

股関節の独特の可動を使い、足をクロスするようなポーズも簡単です。

続いてはロードアタッカーへの変形を見ていきましょう。

ロードアタッカー形態

まずロードファイター形態のガルビオンを、ここまで分解します。

画像右にあるパーツを、画像左にあるブロックのように組み立てます。

手首をシャッターパーツと交換し、ミサイルポッドブロックもロードアタッカー、サーカスⅠ用のものと交換し、画像左側のブロックのように組み立てます。

ハンドガンは分割し、折りたたんで……

シールドの裏にマウント。

本体部分はまるっと置き換えて、先ほど変形させたブロックを組み付けていきます。

こちらが高速戦闘形態のロードアタッカーモード。ガルビオンとサーカスIの中間形態にあたります。劇中には未登場なのですが、当時のプラキットでは再現されていたため覚えているという人もいらっしゃるかと思います。この形態までちゃんと再現できるようにしてくれているMODEROID、最高です。

後方から。どんな活躍をするはずだったのか……、未登場に終わったのはちょっと残念ですね。

前方から見ても独特な形状のメカです。強行突破に使われる予定だったとか。

固定にするなら、肘にジェットノズルを追加してもいいかもしれません。

底面には「THEシンプルスタンド」に対応したジョイント穴があります。車体底面にシールドをマウントしているのが確認できます。

アニメ放映当時のプラキットでは、この形態からロードファイターへの変形が可能でした。今思うと、結構なオーバーテクノロジーだったような気もします。

車高が高く、走破性も高そう。

この形態のまま腕だけ変形させての格闘戦なんかもあり得たのでしょうか。

それではもうひとつの形態への変形です!

サーカスIに変形!

再びパーツを分解します。

腕部と胸部のブロックは、二の腕を収納してコンパクトに変形。

そしてサーカスⅠ用の外装で包み込みます。

シャーシは厚みを増やすパーツを重ねるように取り付けます。そして各ブロックを組み付ければ……

サーカスⅠの完成です。最高のフォルムです。これが全ての形態を差し替えにすることで再現したこだわりの答えです。

本来は変形ギミックが詰まっている車体後部も、思い切った差し替えパーツにより非常にスマートな仕上がりに。

当時、サーカスⅠ固定のキットも発売されており、この形態が一番好きだという方も多いでしょう。

余裕があったら、テールランプやマフラーは塗装したいところです。

サイドから見たこのグラマラスな感じ。たまりません。「CIRCUS-1」の部分はシール再現です。なお変形などの都合上、車輪は全て固定となっています。

差し替え変形にしたからこその、すっきりした底面。美しい。

車体底面にはシールドをマウント可能。これでもタイヤはちゃんと六輪とも接地します。

脚部エアーノズルはリトラクタブルライトのように開き、劇中で見せた火炎放射状態を再現可能。

ここで、差し替えをしたことによりどのようにプロポーション確保が行えたのか確認していきましょう。赤い矢印で示した個所同士が、変形前後で対応している部分。明らかにその形状や大きさが異なっていることがわかります。

運転席付近の大きさや形状も違ってきています。差し替え変形と割り切った結果、それぞれの形態でベストなプロポーションを実現できたわけですね。

プラスひと手間!

今回は手軽にPIGMA0.03mmペンでのスミイレのみにとどめました。明るい色のためディテールがぼんやりしがちな場合は、スミイレをしたほうがデザインの魅力が引き立つかと思います。

ホイール周りが引き締まったと思います。

サーカスⅠ形態でも、それなりにスミイレが映えます。

あとは、テールランプなどに部分塗装を施してみるのもいいかもしれません。

「超攻速ガルビオン」よりMODEROIDガルビオン、いかがでしたでしょうか。

この記事を書いている時点では、まだグッドスマイルカンパニーの「メカスマインパクト2024WINTER」配信前なのですが、この記事が公開される頃には一体どんな新作が発表されているのでしょう。毎回驚きのラインアップとなるその配信。今頃皆さんはどのようなアイテムの発表に心を躍らせているのでしょうか。その心躍らせるアイテムは、いずれこの連載でご紹介していきます!

今後もどうぞお楽しみに!

商品情報

MODEROID ガルビオン

・発売:発売中

・価格:7,500円(税込)

・メーカー:グッドスマイルカンパニー

泰勇気

泰勇気

「無敵超人ザンボット3」放送開始2日前生まれ。幼少期より玩具(特にロボット)を愛し、小学生からプラモを組むようになる。声優となってからもロボット玩具・プラモ好きは変わらずアキバ総研でライターデビュー。

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