Windowsポータブルゲーム機「AYANEO KUN」最速レビュー! 現行最強GPU&迫力の8.4インチモニターを堪能せよ!
近年、Windows OSを採用したポータブルゲーミングPCが続々登場している。Steamで配信されるPCゲームを手軽にプレイ可能な点が、人気の大きな理由のひとつだろう。
そんな群雄割拠のポータブルゲーミングPC市場において、8.4インチの大画面を搭載し堂々たる存在感を放つのが「AYANEO KUN」だ。そんな「AYANEO KUN」をレビューする機会を得たので、さっそくそのインプレッションをお届けしよう。
8.4インチの大型ディスプレイと豊富な操作機構
2023年の東京ゲームショウにも登場した「AYANEO KUN」だが、実物を見ると、その大きさに誰もが驚くだろう。
搭載される8.4インチ1600Pディスプレイ(2,560×1,600)のたたずまいは、貫禄すら漂わせるもの。「AYANEO KUN」の本体サイズは312.4(幅)×132.5(縦)×37.6(奥行)mm(コントローラー部分含む)で、重量は約950g。1kg近い重さではあるが、実際に持ってみると、そこまで重いといったような印象はない。
「AYANEO KUN」は、豊富な操作機構を有しているのも特徴だ。まずは本体上面にある左右トリガー脇に3つずつ設置されたボタン。
このボタンは主にFPS/TPSでの射撃・攻撃や給弾(リロード)、防御動作などの用途に使うといいだろう。
さらに左右背面に2つずつボタンを用意。このボタンは背面の曲面に沿うように設置されており、さまざまな人の手にフィットしそうだ。
格闘ゲームのプレイには正確なコマンド入力が欠かせないが、それを実現するため、左側下部にはフローティング8方向Dパッドも搭載されている。ジョイスティックでは細かいコマンド入力ができないという場合も、大いに重宝するはずだ。
現時点最強のGPUを搭載
「AYANEO KUN」は、メモリーとストレージの組み合わせによって、16GB/512GB版と32GB/2TB版の2種類が用意され、今回レビューするのは後者となる。
今時のSteam配信のゲームは100GBに迫るデータ容量のものも珍しくないが、ストレージが2TBもあれば十分ゆとりをもってゲームを楽しめる。筆者の所有するゲーミングノートPCよりも大容量で、やや悔しい思いはあるが……。
搭載されるプロセッサーはAMD「Ryzen 7 7840U」で、グラフィックはこれに内蔵される「AMD Radeon 780M」。「AMD Radeon 780M」は、現時点では「最強の内蔵GPU」という声もあるほどの強力なGPUだ。
コロナ禍前に開発されたエントリークラスのゲーミングノートPCにベンチマークテストで対抗できるという評価もあるほどで、スペース的に限界のあるポータブルゲーミングPCには、まさに最適なグラフィック性能と言える。
マルチプレイ西洋騎士アクションゲーム「MORDHAU」をプレイ
では、実際に本機でゲームをプレイしてみよう。
最初に選んだのは、マルチプレイ西洋騎士アクションゲーム「MORDHAU(モルダウ)」。ファンタジー要素は一切なく、剣や槍や投擲武器といった物理攻撃のみで戦うリアルなFPSだ。
このゲームの特徴は「重量感」である。攻撃ボタンを押すと武器をスイングするが、その動作ゆえに剣が敵に当たるまで当然ながらタイムラグが生まれる。「武器を振り回す動作とそれに要する数秒の間」を正確に再現しているため、動き回る敵にダメージを与えるのがかなり難しいのだ。
そんな「MORDHAU」の推奨プレイ環境は、以下の通り。
OS | Windows 10 64 Bit (latest update) or Windows 11 64 Bit (latest update) |
---|---|
プロセッサー | Intel Core i5 - 6600k or AMD equivalent |
メモリー | 16 GB RAM |
グラフィック | NVIDIA GTX 1060 or AMD equivalent |
DirectX | Version 11 |
ネットワーク | ブロードバンドインターネット接続 |
ストレージ | 40 GB の空き容量 |
実際に本ゲームをプレイしてみたが、動作のカクつきや致命的な遅延などは一切感じられなかった。ジョイスティックの入力感度は初期設定のまま遊んでみたが、十分に楽しむことができた。
「AYANEO KUN」を使った初めてのプレイではあったが、敵軍の騎士を倒すことに成功した。このゲームは敵ひとりを倒すだけでも非常に難しく、仲間の足を引っ張るかもしれないと重いながらプレイしたが、最終的には敵を3人も討ち取ってしまった! 操作性は通常のゲームパッドとそん色ない印象だ。
また、グラフィックの質の高さにも言及しなければならないだろう。「MORDHAU」は雪山から砂漠の中にある集落まで、さまざまな舞台で戦闘が繰り広げられるゲームだが、「AYANEO KUN」の2,560×1,600という高解像度を再現できるディスプレイが、本作のどこまでも広がる自然の光景を美しく再現してくれた。
マルチプレイファンタジーバトル「Warlander」をプレイ
次は「Warlander(ウォーランダー)」というゲームを、初期設定のままで遊んでみた。
本作は「MORDHAU」と同じく、常時オンライン接続が必要な多人数バトルゲーム。違うのは、「Warlander」には魔法使いがいるという点だ。王道ファンタジー世界でのマルチプレイTPSということで、リリース直後は日本でも大きな話題となった。
そんな「Warlander」の推奨スペックは、以下の通りだ。
OS | Windows 10 64-bit |
---|---|
プロセッサー | Intel Core i7-8700 @ 3.20Ghz / AMD Ryzen 7 2700 |
メモリー | 12 GB RAM |
グラフィック | GeForce RTX 2060, 6 GB / Radeon RX 5700 XT, 8 GB |
ネットワーク | ブロードバンドインターネット接続 |
結論から言えば、こちらも「AYANEO KUN」で難なくプレイすることができた。
「MORDHAU」が「剣や鎧の重量感」を表現しているのに対し、「Warlander」は「高威力の魔法」と「軽快な物理攻撃」が特徴のゲームである。つまり、「Warlander」は「MORDHAU」よりもキャラの動きが速いのだ。キャラの目まぐるしい動きをちゃんと描写し、快適なプレイを可能としている点は、大いに評価したい。
また、「Warlander」には攻城塔という巨大な建造物が登場する。これを間近で見上げた時の迫力は、ある程度大きなディスプレイを使っているからこそ。映像のアラも、少なくとも肉眼では一切見受けられない。
もうひとつ、本機が搭載するボタンの多さに助けられた事実にも言及すべきだろう。本作では、プレイヤーは物理攻撃、各種魔法、特技とさまざまな能力を使いこなす必要があるが、これらの能力を使いこなすには、それぞれがプリセットされたボタンがあったほうが有利。本機のボタンの豊富さは、本作を遊ぶうえでプラスに働いたのは言うまでもない。
製品出荷は1月27日を予定
「MORDHAU」も「Warlander」も、1プレイにつき十数分はかかる。その間に、重量が1kg弱もある「AYANEO KUN」を、両手で保持してプレイするのはいささかつらい……と最初は考えたが、いざ遊んでみるとそれは杞憂であった。
長時間の保持を可能にするグリップ形状。
それを可能にしているのは、写真のような合理的なグリップ形状ではないだろうか。手のひらが親指とそのほかの4本指を隔てるラインにしっくりなじむため、重量がうまく分散されるのか、本体を保持しても、重さのストレスはほとんど感じられなかった。約950gという重さが、信じられないほどだった。
「AYANEO KUN」は、上述のグリップに加えてすぐにリーチできる位置に搭載された各種ボタンや丸型タッチパッドなど、あらゆる個所に細かい配慮が行き届いた製品と言えるだろう。緻密に設計されたグリップ型のボディ形状と、操作機構の配置のよさが、1kg近い重量を軽減させているのもすばらしい点だ。
現在、「AYANEO KUN」は、予約を受付中で、製品出荷は1月27日を予定している。
<スペック>
・OS:Windows 11 Home (64 bit)
・プロセッサー:AMD Ryzen 7 7840U
・グラフィック:AMD Radeon 780M
・メモリー:16/32 GB
・ストレージ:512GB/2TB
・ディスプレイサイズ:8.4インチ1600P(2,560×1,600)
- 【商品情報】
- ■AYANEO KUN 16GB(ブラックフェザー)
- 主な仕様:AMD Ryzen™ 7 7840U/ 16GB/ 512GB
- 予約価格:169,800円
- 通常価格:188,900円
- ■AYANEO KUN 32GB(ブラックフェザー / シルクホワイト)
- 主な仕様:AMD Ryzen™ 7 7840U/ 32GB/ 2TB
- 予約価格:208,800円
- 通常価格:229,800円
- 公式ストア:#
フリーライター。1984年10月11日生まれ。ガジェット・ハード・ソフト・海外開発メーカー情報を各メディアで手掛ける。
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