【コラム】「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」公開直前! 5分でざっくり振り返る「ガンダムSEED」&「ガンダムSEED DESTINY」の世界!
いよいよ2024年1月26日の劇場公開が目前に迫ってきた「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」。実に19年ぶりの続編ということで、期待半分・不安半分という方も多いのではないでしょうか。そのいっぽうで、「当時応援していたけど、もうほとんどどんな話だったか忘れちゃった」「どんなキャラがいたっけ?」という方もけっこういたりして……。
そこで、今回アキバ総研が映画公開前にサクッとチェックできる「3分でわかるガンダムSEED」をお届けします!
これを読んで、映画館に行け! フリーダム!(ナレーションは三石琴乃で)
機動戦士ガンダムSEED
<ざっくりあらすじ>
C.E.(コズミックイラ)70。地球から独立したいコーディネーター(プラント勢力)と、それを認めないナチュラル(地球連合)の戦争を描いたシリーズ第1作。主人公キラ・ヤマトはコーディネーターでありながらナチュラル側に属し、ストライクガンダムに乗ってプラントの軍事組織ザフト軍との戦いに身を投じる。地球連合本部を目指して戦艦アークエンジェルとともに逃避行を続けるキラたちを狙うのは、地球連合のガンダムを強奪したザフトの若きパイロットたち。そのザフト兵のひとり、アスラン・ザラはキラの幼なじみで、かつての友人と戦火を交えることにキラたちは苦悩する。
しかし、お互いの友人を戦争で亡くしてしまったキラとアスランは、憎しみのおもむくままに死闘を演じる。結果的に相打ちのような形となり、生死不明となったキラだが、実は奇跡的に救助され、プラントの歌姫ラクス・クラインのもとに運び込まれていた。プラント評議会議長を父に持つラクスから、ザフトの最新MS・フリーダムガンダムを託されたキラは、地球連合から見捨てられ、ザフト軍への攻撃に巻き込まれたアークエンジェルの窮地を救う。
プラントにも地球連合にも正義がないと思い至ったキラたちは、ザフトから離反したアスランや、中立国オーブの姫カガリらと合流。やがてアークエンジェル、ラクスが指揮する戦艦エターナル、オーブの戦艦クサナギを中心とした三隻同盟を結成し、第三勢力として戦争に介入するようになる。
戦争の終局で、大量破壊兵器や核ミサイルが飛び交う中、キラは世界を滅亡へと向かわせる元凶であるザフトのラウ・ル・クルーゼと激突。紙一重で勝利したキラは、「なぜこんなところまで来てしまったのだろう」と涙するのであった。
<解説>
21世紀のファーストガンダムを標榜し2002年に制作、放送された本作は、その目標通り「機動戦士ガンダム」に続くガンダムシリーズの大ヒット作となりました。当時、やや失速気味だったガンダムシリーズを見事復活させ、現在に至るガンダム人気を決定づけた中興の祖と言えます。
物語の鍵を握るのは、遺伝子操作によって基本スペック高めにチューニングされた新人類・コーディネーターと、普通の人であるナチュラルという、異なる立場の人間同士の対立。
放送当時、MBSのa竹田青滋プロデューサー(当時)は、本作を語るうえで、混迷を深めるイラク情勢にも触れ、「視聴者が世界情勢を少しでも自分の身に引きつけて考えてもらえるようになれば」と語っていましたが、20年の時を経た今、作中で描かれた人種間対立と戦争のドラマは非常に現実味を持って我々に迫ってくるかのよう。非常に先見の明のある作品でした。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
<ざっくりあらすじ>
C.E.73。先の大戦後、地球連合とプラントは停戦条約を締結。プラントはギルバート・デュランダル議長の指導の下、ナチュラルとの融和政策をとっていた。ひとまずの平和が地球圏に訪れたが、ナチュラルへの憎しみを忘れられないザフト兵や、いまだにコーディネーター殲滅の悲願を捨てられない地球連合の一部勢力など火種はくすぶり続けていた。
そんな中、プラントに搬入された新型モビルスーツが地球連合軍の特殊部隊によって強奪されてしまう。それを食い止めるべく、かつてオーブ国民でありながらも連合とザフトの戦闘で家族を失ったザフトの若き兵、シン・アスカがインパルスガンダムに乗って出撃する。
この戦闘をきっかけに、次々と噴出する新たな衝突。徐々に世界が、かつての大戦の再来を思わせる動きを見せる中、カガリのサポート役として、名を変え活動していたアスランは、デュランダル議長との対話を経てザフトに復帰する。
いっぽう、地球で隠遁生活を送っていたキラとラクスは、ザフトの刺客による襲撃を受ける。また、デュランダル議長はラクスの偽物である歌姫ミーア・キャンベルをプロパガンダに利用し、前線の兵たちを鼓舞していることを知り、キラとラクスはデュランダル議長に強い疑念を抱くようになる。そこでアークエンジェルをともなって戦線に復帰。地球連合、プラント、アークエンジェルの三つ巴の混戦模様が展開する。
やがて戦火は世界中に拡大していき、地球連合の巨大MSデストロイガンダムによってベルリンが崩壊したことを受けて、デュランダル議長は地球連合を裏から操る軍事産業複合体ロゴスが一連の戦乱の黒幕であり、これを打倒することを世界に向けて宣言。
その過程で、シンはかつてオーブを戦火に巻き込み、今も第三勢力として戦況に介入するキラの乗るフリーダムガンダムに強い憎しみを抱き、ついに撃破する。これらデュランダル議長の強硬的な行動に疑念を抱いたアスランは、再びザフトを出奔。ザフト兵レイ・ザ・バレルから追撃されるものの、命からがらラクスたちに合流する。
その後、キラはストライクフリーダムガンダム、アスランはインフィニットジャスティスガンダムという新たな力をラクスから与えられ、戦線に復帰。ザフトと地球連合の戦闘に介入するようになる。
やがて大量破壊兵器「レクイエム」を投入したザフトは、ついにロゴスの首魁ジブリールを打倒。実質的な敵が壊滅した段階で、デュランダル議長は全ての人の人生を遺伝子によって決定する「ディスティニープラン」の施行を宣言する。さらに敵対する組織、勢力に対して掃討作戦を開始したデュランダル議長を止めるべく、キラたちは出撃。シンが乗るディスティニーガンダムなどザフトの精鋭たちをすべて撃破したキラたちは、デュランダル議長の牙城・メサイアへと到達。「ディスティニープランを否定することで世界は再び混迷の時代になる」と語るデュランダル議長に、キラはその覚悟があることを告げる。そして、遺伝子によって人生が決められる「ディスティニープラン」ではなく、みずからの意思で生きる道を決める「明日」を選んだレイによってデュランダル議長は撃たれ、崩れゆくメサイヤと運命をともにする。
この戦闘ののち、ザフトは停戦。調停者としてラクスはキラをともなってザフトに帰還するのだった。
その後、オーブの慰霊碑で対面するキラ、アスラン、シン。かつては敵同士だった彼らだが、和解を経てともに戦うことを誓った。
<解説>
大好評を博した「SEED」を受けて製作された2004年に放送された続編。「ガンダムシリーズ」の歴史において、同一主人公(公式的には本作はキラ、アスラン、シンのトリプル主人公だが)による純粋な続編として制作されたTVシリーズは、おそらく本作のみではないでしょうか。ファーストガンダムを下敷きにして制作された前作の続きということで、今回は「Zガンダム」モチーフか?と思いきや、確かにアスランがグラサンをかけて偽名で登場してみたり、前作主人公であるキラが隠遁生活を送りながらも戦線復帰したりと、「言われればそう見える」レベルの類似はあるものの、徐々に物語は本作独自の展開を見せ始めます。
毎回、気が重くなるような深刻な人間ドラマが展開し、前作以上に重要キャラが戦死しちゃうし、解決案が提示されないまま世界各地に広がっていく紛争など、とにかく「これ、本当にまとまるの……?」とリアルタイムで観ていた視聴者の多くは不安を抱えていたように思います。
しかし、そんな状況の中でもキャラクターは平和を目指して、それぞれできることをするしかない。
序盤のメイン主人公を務めたシン・アスカもそのひとり。先の大戦で家族をすべて失った経験から、全ての敵を倒せば戦争がなくなり平和になると信じ込んで、ひたすら敵を倒すことに邁進するのでです。もちろん今目の前の敵が全ていなくなっても、その原因が解決しない限り、争いはなくならないわけで、結局最終的にシンはアスランの乗るインフィニットジャスティスにコテンパンにされる形で、戦い続けることの無意味さを知ることになります。
デュランダル議長の提示した「ディスティニープラン」も同様で、確かに生き方を最初から決めて失敗のない人生を歩めたら、コスパはいいでしょう。でもそれは果たして本当に「生きている」ことになるのでしょうか。
放送当時は「こんな計画ありえないよ」という意見が多数だったように思いますが、18年の時を経て今の社会を俯瞰してみると、案外他人事じゃないことに気づかされる人も多いのではないでしょうか。
というわけで、振り返ると「ガンダムSEED」シリーズは、まるで20年先の現代社会を先読みしていたかのようなドラマ、社会性を帯びたSFドラマだったことがわかります。かつて描かれた混迷のC.E.世界と同じように、不穏な気配が漂う2024年に公開される「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」ではどんな未来が提示されるのでしょうか。
その答えは、明日公開される映画にある! ああ、早く明日にならないかなあ!
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