【2023年秋アニメおススメ3選】悠木碧の名演技が光った「薬屋のひとりごと」「アンデッドアンラック」&とにかく最高な「100カノ」!【EXILE/FANTASTICS世界が語るアニメの世界!第4回】
人気ダンス&ボーカルグループ・EXILE/FANTASTICSにおいて、アニメ好きを公言するパフォーマー・世界が、毎シーズンのアニメからオススメアニメを3作品チョイスする人気連載!
4回は2023年10~12月の秋クールのアニメ。実りの秋だけに、大豊作となった秋アニメの中から、世界さんが選んだおススメアニメは何かな!?
薬屋のひとりごと
いやーー、最高ですね。猫猫、なんて魅力的なんでしょう。壬氏、なんてイケメンで素敵なんでしょう。玉葉妃さま、なんて麗しいことでしょう。梨花妃さま、なんてお美しいのでしょう。
こんなにも魅力的なキャラクターが満載の本作ですが、ストーリーの主軸であるミステリー要素も面白い!!!!!!!!!
これはもうやばいかけ算ですね。
花街の養父と共に薬師をしていた主人公・猫猫。毒と薬に対して異常なまでの愛を持つ、絶壁肉なし体型の彼女は、人さらいに合い、何の因果か、後宮に売り飛ばされ下働きをすることになります。帝の御子たちが呪われているという噂に興味を持ち、薬学の知識をいかしてサッと問題を解決してしまったことから、壬氏をはじめとするさまざまな人から面倒事を押し付けられ、呪いや噂話に首をつっこみながらストーリーは展開していきます。
主人公の猫猫は、本当に薬や毒など興味あることには異常なまでに執着するのですが、興味がないことにはとっっっっことん無関心なんですよね。おまけにすごくリアリストな性格でとても好感が持てました。興味津々な表情はアニメーションで見ると、とてもかわいらしく、悠木碧さんの演技も輝いていて最高です。
舞台は中国っぽい架空の国。少し大人っぽい描写もあったりするのですが、そんなところも物語にリアリティを持たせる要因となっている気がして、とても面白いです。
猫猫が暮らす後宮とは、いわゆる后妃などが住む宮殿のこと。そこに暮らす后妃たちと帝の間に挟まれる宦官・壬氏と猫猫のやり取りもとても最高です。感情をあまり表に出さないというか、誰にも媚びず、誰かにすがらず、頼ることもせずに生きている猫猫と、常に感情豊かな后妃や壬氏たちとのかけあいは名シーンばかり。一歩引いた立場の猫猫だからこそ名推理が生まれるんでしょうね。
個人的には、ミステリーものに欠かせない情報通のポジションである小蘭は、とってもかわいいのに、持ってくる情報がエグいところがポイントです(笑)。
映像面もとても華やかで、きれいなシーンがたくさんある作品ですが、対比させているというわけではないかもしれないのですが、後宮以外の場面ではあまり派手な色は使われず、人々の暮らしぶりが地に足のついた描写のされ方をしているので現実感がすごいんですよね。
これもアニメーションならではの表現で、視聴者も強く感情移入できると思いました。
個人的に好きな回が、エピソード9「自殺か他殺か」です。この作品は命を扱うことが多いのですが、この9話は特に演出、アニメーション、役者の皆様の演技が素晴らしく、とても感情が伝わる描写が多いので印象的に残っています。
このエピソードで猫猫は自分の命について考えることになります。本作の時代背景、文化、風習、身分を考えると、さまざまな理由から命に関わる出来事に遭遇することが多いことは想像に難くありません。
そんな世界に生きる猫猫が興味あるのは毒。当然命に関わります。そこで自分の死について考えます。死ぬならどんな毒にしようか、と。
不本意な死や、運命というものからは逃れられない。そういう考えが猫猫の中にあるということがわかるので、話の内容もとてもシリアスです。このシーンで描かれる、お屋敷の後ろの夕日が妙にきれいで、それでいて怖く描かれていたのでとても印象的でした。いろいろな人物を診てきた猫猫の心が少しわかる、大切なシーンだと思います。
挿入歌「明日を訪ねて」(歌唱:XAI)と回想描写が尋常じゃないくらいに美しく、その後の猫猫のセリフにドキッとしてしまいました。猫猫はあくまでも平民、そして壬氏は宦官。この時代において、立場というものがもっとも大事なのか、と思わせられるシーンでした。ギャグ作品ではないのですが笑えるシーンも多く、うっかり忘れてしまっていたのですが、「こういう世界なんだよな」と改めて思わされました。
とてもいいシーンでした。
OPテーマ、EDテーマもとっても美しさにあふれ、深い情緒を持つ作品です。まだご覧になってない方は、この機会にぜひご覧ください。本当にさまざまな感情に揺さぶられる作品です。
君のことが大大大大大好きな100人の彼女
なんてやつだ恋太郎!!!!!!
観ていて、こんなにも気持ちがいいハイパー恋愛アニメは久しぶりです!
主人公・愛城恋太郎は、生後8か月で女の子に告白するぐらい彼女が欲しいという高校生。この設定からもわかる通り、とてつもないラブコメアニメなのです。原作漫画がとても好きで読んでいたので、アニメが楽しみでしたー!
なんと第1話で、恋愛の神様から「100人彼女ができる」と言われた恋太郎君。その言葉通り、速攻で運命の人に出会います! ここの音楽と効果音、最高にシビれました。
ちなみに、出会った運命の人はいきなり2人です! そうです、彼は100人に恋して恋されます!! だからこそのハイペース! うらやましい!!!!!!!!!!!!!!!!
運命の人はひとりって、誰が決めたのでしょう。運命の人は何人いてもいい!!!! 恋愛の神様!! 最高だぜ!!!!
ですが、運気がそこに集まりまくっているので、運命の人と出会った際はその相手と愛しあわなければ、自分も相手の子も死んでしまうということが発覚! なんて残酷な運命だ!!!
そこで恋太郎君は考えました。高校に入学して真っ先に告白してきた2人の運命の人──羽香里ちゃんと唐音ちゃんの告白を両方とも受け入れ、正直に2人と付き合うことを!!
2人にそれを説明する恋太郎君。そのシーンは、彼の心情と思いやりがとっても伝わってくるんですよね。皆さんもぜひアニメでご覧ください!!!
前述の通り、愛城恋太郎君は、基本的な性格がめちゃくちゃいい人なんですよね。そこがこの作品の肝のひとつになっていると思います。そんな恋太郎を表現する加藤渉さんの演技も素敵過ぎです。声だけでなく、恋太郎君のアニメーションもめっちゃくちゃ面白いんです。アニメではその豊かな表情が、原作漫画以上に表現されていてさらに楽しくなっています。
そして女性キャストの皆様のツッコミとセリフ……これがまたキュンキュンするのと同時に、めっちゃくちゃ笑えます。
恋太郎君への挙動とセリフ、ひとつひとつが本当にぶっ飛んでていいんですよね!! なんせ、この作品のタイトルは「大好き」ではなく、「大大大大大好き」なんです。なので女の子もみんなヤバいです。もはや好きを通り越しまくってます。
それでいて、各ヒロインは本当に魅力的。1人ひとりの魅力を語り始めると、とんでもなく時間がかかることになります。ちゃんと各ヒロインとのエピソードがとっても濃いのも魅力のひとつかなと思います!
花園羽香里ちゃんは王道デレデレ彼女! 院田唐音ちゃんは王道ツンデレ! 通り越してビリデレ! この2人だけでも十分濃いキャラなのですが、あと98人も運命の人がいるなんて……。さいっっっっこうですよね。
個人的に印象に残っているのは、第3話。恋太郎君の、とてつもなく真っ直ぐな想いにグッと来ました。第3話は3人目の彼女、静ちゃんに想いを寄せられるのですが、それに対する恋太郎君の言動がとてもいいんですよね。第3話を観て、「自分も恋太郎君の彼女になりたい!」と思った方も少なくないはず。原作漫画でもとてもいいシーンだったのですが、アニメならではの音楽、セリフもあいまって、非常に素晴らしかったです。
OP主題歌「大大大大大好きな君へ♡」もめちゃくちゃいいです。
「100カノ」の世界と「彼女」たちの想いが完璧に理解されている歌詞と曲調なので、本作のファンなら絶対にハマります!!
ED主題歌「スイートサイン」も彼女たちの関係性がよーく理解されている曲なので、これもまたとっても素敵です!
また、11話のEDじゃ羽香里ちゃんのお母様(CV:上坂すみれ)が歌うのですが、その理由も含めて必見です!! おそらく1度聴いたら、そして観たら、忘れられない想いにあふれた曲です!!! ちなみにタイトルは「今日のエンディングは私が買い取ったから好きにしていいわよね♡」です。
そんな感じで、いろいろとカオスなない方ではあるのですが、本当に最高な作品なのでぜひ皆様もご覧ください!
アンデッドアンラック
アニメ化、待ってました!!!! 最っ高にカッコよくできあがってて、毎話興奮しっぱなしでした。かなり原作へのリスペクトが感じられる作り方になっているように感じていました! 異能力バトルに、少女漫画のような恋愛要素がふんだんに盛り込まれている作品で、観ていて感情が激しく揺さぶられます!
生身で触れるだけで、相手に「不運」がもたらす能力を持つ風子という超絶美少女と、「不死」の能力を持つ超絶オラオラゴリゴリ系マッチョ男子・アンディが本作の主人公。「否定者」と呼ばれる能力を持つ2人の前に現れるのが、「ユニオン」と呼ばれる組織です。
アンディは最高の死を得るため、風子とともに行動することになるのですが、彼がまーなんともかっこいい超肉体系脳筋男子なんです。演じるは中村悠一さん。骨肉太な演技で、まさに原作漫画を読んで想像していたアンディの声を見事に表現していて最高でした。アンディのひと言目、「おい」にはやられますねー!!
いっぽう、風子を演じるは佳原萌枝さん。かわいらしさの中に大胆さや強さを感じる演技が素晴らしかったです! 叫び声がめちゃくちゃ面白くてかわいいんですよね。
そんなアニメ版「アンデラ」は、とにかくアクション描写がヤバかったと思います! アンディが、千切れた足を高速で再生しながら空を飛んだり、首が飛んだりと。毎回、すごい迫力で出血シーンが描かれます。その迫力を表現するうえでアニメーションはもちろん、音がこれまためちゃくちゃいいんですよね。
音楽制作は末廣健一郎さん! 数々のアニメやドラマの劇伴を手がけるお方です。後ろに流れるBGMひとつにしても効果音ひとつにしても重厚かつロックな感じが、「アンデラ」の世界観を非常にていねいに演出されていると思いました。
第1クールでは、全13話が放送されました。原作だとタチアナやリップがからんでくるいいシーンのあたりまでですね。
個人的にとても好きだった話は、ジーナが出てくる3,4話です。冒頭からジーナというキャラクターを、とてつもなく魅力的に見せてくれました。砂時計の部屋とアンディの血で描いたメッセージ。まさかこれを持ってくるとは思わなかったので、これはサプライズ的演出で嬉しかったです! 原作漫画とは異なる演出でアニメならではの楽しさがあるという点で、原作ものアニメならではのよさがとても出ていたと思います。
また3話あたりからアンディの解説が入ったり、アンディの悪知恵が働くシーンが多くなってきたりするのもとても好きです! また、冒頭でいきなり上空から船ごと撃たれるアンディ達ですが、その後のアンディが上空から落下してきて着地するシーンのギャグ感もたまらないです。
なんだかんだあって、ロシアに到着したアンディと風子。たどり着いた海岸で陽キャ感半端ない女の子に出会う風子ですが、この子がなんとアンディと因縁深いジーナだったのです。風子は彼女と海岸で絵を描き始めます。変わらないことが好きなジーナからの質問に対して、少し考えるという反応をみせる風子。完成した2人の絵がとても対照的で、ここでまずグッときます。
そして風子の答えを聞いたジーナの口調が、少しずつユニオンの能力者らしい迫力あるトーンへと変わっていきます。ここの悠木碧さんの演技、最高に好きでした。
こうしてジーナとアンディ&風子は戦うことになるのですが、このバトルの中にもジーナのかわいさがたくさん散りばめられていました。アニメで動きと声がついたことにより、ジーナの嫉妬や負の感情がよりダイレクトに伝わってとてもよかったです。見たことがない方も、ここだけでもぜひ観てほしいですね。
ジーナとアンディが戦う理由もちょっと切なかったですね。ジーナは、序盤に出てくるキャラクターとしてとても魅力的なので、今回はジーナを中心とした感想にさせていただきました!
というわけで、皆様、ぜひ「アンデッドアンラック」をご覧ください!
(文/世界(EXILE/FANTASTICS)、撮影/金澤正平)
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