強力冷却ファン搭載のゲーミングスマホ「REDMAGIC」シリーズ最新モデル「REDMAGIC 9 Pro」レビュー
2024年1月23日、ゲーミングスマホ「REDMAGIC」シリーズの最新モデル「REDMAGIC 9 Pro」が日本に上陸した。
「REDMAGIC」シリーズは、まるでミニPCのような冷却機構を備える、本格派のゲーミングスマートフォンとして知られている。
その最新モデルである「REDMAGIC 9 Pro」は、プロセッサーに「Snapdragon 8 Gen 3」を採用し、さらに120Hzのリフレッシュレートに対応した6.8インチAMOLEDディスプレイを搭載。まさにゲームプレイの最先端をいくスペックを有した製品だが、実際のところ、どの程度のパフォーマンスを発揮するのか。レビューしてみよう。
金属とガラスで構成されたボディ
シリーズ最新機である「REDMAGIC 9 Pro」の外観を見てみよう。
ボディのサイズは163.98(高さ)×76.35(幅)×8.9(厚さ)mmで、重量は229g。搭載されるAMOLEDディスプレイは、ベゼルレスの6.8インチとなっている。
写真の3連カメラのように見えるいちばん右側が冷却ファン。その側面に見えるのが廃熱口(逆側が給気口)だ。なお、リアカメラは、5,000万画素(広角)+5,000万画素(超広角)+200万画素(マクロ)の三眼カメラだ
ボディ表面は金属製でそれだけでも廃熱性がよさそうだが、背面には、カメラの下側にシリーズ定番の冷却ファンが堂々と鎮座している。回転数22,000 RPM、プロペラ59枚のかなり高性能なファンで、このファンによって、内部の熱が強力に冷却される。なお、この空冷システムを搭載するため、本製品は防水には対応していない。この点は注意されたい。
ここで、本機のプロセッサー「Snapdragon 8 Gen 3」に関して、少し掘り下げておきたい。
Qualcommのプロセッサー「Snapdragon 8シリーズ」は、ハイエンドスマホ向けの高性能チップだが、それゆえに大きな課題もある。それが発熱問題だ。特に初期の「Snapdragon 888」と「Snapdragon 8 Gen 1」では、発熱の多さが多くのユーザーから報告されており、問題になっていた。しかし、2022年秋に「Snapdragon 8 Gen 2」が登場してから流れが大きく変わった。このプロセッサーは従来の高性能はそのままに、課題であった発熱問題を見事に改善した製品として評価が高い。
ただ、このようなSnapdragon 8シリーズの発熱問題は、結果として「REDMAGIC」シリーズの冷却システムを進化させることになる。
そのさらなる改良版である「Snapdragon 8 Gen 3」を搭載した「REDMAGIC 9 Pro」は、現状考えられる限りにおいてもっともハイスペックなスマホ向けの最新プロセッサーと、強力な空冷システムを搭載し、快適なゲームプレイ環境を実現しているのである。
リフレッシュレート最大120Hzの6.8インチAMOLEDディスプレイ
「REDMAGIC 9 Pro」が搭載する6.8インチAMOLEDディスプレイ(解像度:1,116×2,480)は、最大120Hzのリフレッシュレートに対応している。2世代前のモデル「REDMAGIC 7」の165Hzよりは劣るが、おそらく上述の発熱問題への対策として、上限120Hzに抑えているのだろう。もちろんその分、安定した長時間プレイが行えるというわけだ。なお、最大輝度は1600nitsで、こちらは前モデル「RREDMAGIC 8 Pro」の1300nitsから引き上げられた。
また、タッチサンプリングレートは常時最大960Hz。瞬間では最大2,000Hzにもなるという。これなら一瞬の操作を要求されるFPSでも、確実な操作が見込めそうだ。
そんな「REDMAGIC 9 Pro」で、実際にゲームをプレイしてみよう。
まずプレイするのは、処理が重いことでも知られる「原神」である。
Android版「原神」の推奨スペックは以下のとおり。
CPU | Snapdragon 855、Kirin 820以上 |
---|---|
RAM | 6 GB以上 |
システムバージョン | Android 11.0以上 |
ストレージ | 30GB以上の空き容量が必要 |
このタイトルは、モバイル向けのゲームにしては非常に容量が大きいことが特徴。インストールを完了させるまでの時間が非常に長く、ストレージも大容量が必要となる。
しかし「REDMAGIC 9 Pro」なら、容量不足で悩む可能性は低い。本機のメモリーとストレージの組み合わせは16GB+512GBと12GB+256GBの2種類で、今回筆者が使用したのは前者。ストレージが512GBもあれば、問題なくインストールすることができる。
それでは実際に「原神」をプレイしてみよう。
「原神」は三人称視点のアクションRPGで、序盤からアンバーという弓使いのキャラが味方になる。このアンバーの射撃を「REDMAGIC 9 Pro」でやってみたが、解像度が高く、発色のいいディスプレイと、申し分ないタッチセンサー感度のおかげで、確実なエイムを実現することができた。
なお、気になる発熱については、本機の特徴である冷却ファンがしっかり廃熱を行っているおかげか、全く気になることはなかった。
次にプレイするのは「Minecraft」だ。
「Minecraft」(Android版)の必要スペックは以下の通り。
CPU | 浮動小数点数演算に対応したすべてのプロセッサ |
---|---|
グラフィック |
OpenGL ES 2.0に対応しているデバイス |
システムバージョン | Android 4.2 |
ストレージ |
300MB(ただし、マップ保存のために最大1GBが必要) |
このタイトルを選んだ理由は、ついつい長時間プレイしてしまうため、その間にスマホのプロセッサーが過度に発熱し、パフォーマンスが低下してしまう……という状況に陥りがちだと思われるからだ。
プレイしてみた結果だが、結論から言って「REDMAGIC 9 Pro」であれば1時間ほどの連続ゲームプレイは十分余裕だった。こちらも「原神」同様、ファンを最大出力で回すことで十分な冷却効果が得られた。
なお、「Minecraft」をサバイバルモードでプレイすると「急な素早い操作」を要求されることが何度もある。視界の外から近づいてくるゾンビやクリーパーは、見つけ次第すぐさま倒さなければならない。そのような時、「REDMAGIC 9 Pro」のディスプレイのタッチ感度のよさが如実に実感できる。
急な視界の回転、そしてゾンビやクリーパーを見据えての攻撃。「REDMAGIC 9 Pro」は、これらの操作の精度・確実性を大きく向上させてくれるのだ。
なお、本機の数少ない不安要素として、バッテリーの消費速度の速さがあげられる。ファンを最大出力で回し続けると、どうしてもバッテリーを余分に消費してしまうはず。これについて、REDMAGICの販売代理事業者に問い合わせてみた。
開発社内で「PUBG Mobile」をプレイし、ファンを回している状態とそうでない状態の「REDMAGIC 9 Pro」のバッテリー消費を比較するという実験を行ったという。「PUBG Mobile」の描写クオリティー設定は「スムーズ」、フレームレート設定は90fpsである。 結果、以下のようなデータが算出されたとのこと。ファンを回した状態:30分経過で12%減
ファンを止めた状態:30分経過で10%減
何と、ファンを回した状態とそれを止めた状態では30分につき2%しか差がないというのだ。このデータを知れば、もはやこの部分を「不安要素」と言うことはできない。
そんな「REDMAGIC 9 Pro」の価格は、12GB+256GB / Sleetが10万9,800円。16GB+512GB / Cycloneと16GB+512GB / Snowfallが13万4,800円である。ただし、16GB+512GBの2機種は3月中旬からの出荷であることに注意が必要だ。
スペック
OS | REDMAGIC OS 9.0(Android 14ベース) |
---|---|
プロセッサー |
Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3 |
メモリー |
12/16 GB |
ストレージ |
256GB/512GB |
ディスプレイ | 6.8インチAMOLED(1116×2480) |
ボディサイズ | 163.98(高さ)×76.35(幅)×8.9(厚さ)mm |
重量 |
229g |
カメラ | 5000万画素(広角)+5000万画素(超広角)+200万画素 |
バッテリー | 6500mAh デュアルセルバッテリー |
ポート |
USB 3.2、Type-C、ディスプレイポート、デュアル・nano-SIM スロット、3.5mm イヤホンジャック |
スピーカー | デュアル1115Kスピーカー |
商品情報
- ■REDMAGIC 9 Pro
- ブランド名:REDMAGIC
- 価格:109,800円(税込)
- 携帯電話技術:5G
- 付属品:本体保護ケース(透明), SIMトレイエジェクター, 電源アダプター, Type-C データケーブル
- 発売年:2024/1/23
- 公式サイト:https://jp.redmagic.gg/pages/redmagic-9-pro
フリーライター。1984年10月11日生まれ。ガジェット・ハード・ソフト・海外開発メーカー情報を各メディアで手掛ける。
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