「Wo Long: Fallen Dynasty Complete Edition」発売記念開発者インタビュー!「逆境を死闘で乗り越える」同作の魅力と、進化を続けるTeam NINJAのアクションについて聞いてみた

「三国志」初期を舞台に、不老不死をもたらす「丹薬」に魅入られた人々が絡み合う高難度アクションRPG「Wo Long: Fallen Dynasty(以下、Wo Long)」が2024年2月7日に発売一周年を迎えた。ゲーム本編と有料DLC3本、「NARAKA: BLADEPOINT」「Lies of P」「仁王2」コラボを収録した「Wo Long: Fallen Dynasty Complete Edition(以下、Complete Edition)」もこの日に発売されたばかりだ。そんな「Wo Long」一周年の振り返りということで、本作を手がけたTeam NINJAのプロデューサーである山際眞晃氏と、プロデューサー兼ディレクターの平山正和氏に話を聞いた。

RPGといえば西洋テーマのものが多いが、そんな中で「Wo Long」は中国の「三国志」と中国武術の特徴である流麗な殺陣をシステム化したことで話題となった。プレイヤーはどこの勢力にも属さない義勇兵となり、さまざまな武器による武技と、超常的な力を呼び起こす仙術、そしてあらゆる攻撃を受け流す化勁を駆使して戦う。武技や仙術を使うためには氣勢という気力的なパワーが必要で、これは敵の攻撃を化勁で受け流したり、こちらの攻撃を当てたりすることで溜まっていく。

そして、敵もまた氣勢を持っている。そのためシーソーのようにお互いの氣勢が上下し、短時間で有利と不利が入れ替わるバトルが展開するのが「Wo Long」の醍醐味だ。

本作を手がけたTeam NINJAは「NINJA GAIDEN」シリーズや「仁王」シリーズ「STRANGER OF PARADISE FINAL FANTASY ORIGIN(以下、FFオリジン)」など、ハイスピードかつやりがいがあるアクションゲームを手がけてきた開発チーム。アクションゲーム好きにはTeam NINJAの名前自体が一つのブランドとなっている。「仁王」「仁王2」から「FFオリジン」、そして「Wo Long」と一連のゲームで追求されたテーマとシステム作りについても聞いているので、これらの作品のファンもぜひ読んでみてほしい。

平山正和氏(左)と山際眞晃氏

流麗に攻防が入れ替わる中華アクションを目指して


――よろしくお願いします。まずは読者に向けて自己紹介をお願いします。

山際 「Wo Long」プロデューサーの山際です。

平山 プロデューサーとディレクターを兼任している平山です。

――まずは「Wo Long」が発売されてからの、一年間の振り返りをお願いします。

平山 この一年はユーザーの皆様の状況を分析しながら毎月アップデートさせていただいていて、皆様と一緒に歩んできた一年間だったと感じています。PC版については最適化の不足で皆様にご迷惑をかけてしまった部分もありましたが、反省を活かしチェック体制を整えつついろいろな改善に努めた一年でもあります。

山際 SNSやプレイ動画などさまざまな形で情報を収集しつつ、皆様のご意見を分析することをずっとやっていた感じです。ピーク時は毎週新たなパッチを配信していたので、長いようであっという間でした。PC版の最適化不足については、いろいろな修正を行ってきましたが、ご不安の部分もあると思います。今回PC版で体験版を出したのは、まずはプレイして試していただきたいという取り組みの一環です。

――改めて「Wo Long」の魅力について聞かせてください。

平山 中華アクションらしい、流麗に攻防が入れ替わるアクションを軸とした「三国志」を舞台とした高難易度アクションRPGとなっています。「仁王」シリーズや「FFオリジン」とも異なった手ざわりやバトルを楽しんでいただけると思いますので、ぜひ直接手にとって遊んでいただきたいです。また、「三国志」に詳しくない方でも楽しんでいただけるように工夫していますのでその点もご安心ください。

山際 我々が目指したのは、Team NINJAが培ってきたゲームの手ざわりや気持ち良さ、自分が研ぎ澄まされてどんどんうまくなっていくことで、強敵や難所を乗り越える楽しさです。死にゲーが好きな方やアクションが好きな方に楽しんでいただけるゲームになっていると思います。

平山 「仁王」シリーズでは「静と動」のイメージの日本のサムライアクションを扱いましたが、「Wo Long」では激しい剣戟とスピーディな攻防の切り替わりを実現することがコンセプトになっています。また「三国志」における戦いの戦場を制圧していくイメージを落とし込むために「士気ランク」というシステムを導入しました。敵を倒していくことでプレイヤーの士気が上がり、そのステージでのみ強くなっていく補正がかかるというものです。強敵を乗り越えたことに対して、RPGの長期的な成長とは異なる戦場独自の成長があるイメージです。

――ワールドワイドで展開した「Wo Long」ですが、テーマになっている「三国志」への印象は国によって違ってくる部分があるかと思います。実際に発表してみていかがでしたか?

山際 欧米では「三国志」がそこまで一般的ではありません。そこで受け入れていただくため、世界観設定の時点でダークファンタジーを軸に、オリエンタルな部分と融合したものを考えていきました。最初にダークなキーアートを出した時も、欧米の皆様がすごく反応してくださいました。

――不老不死をもたらす丹薬や、絶脈攻撃を受けた相手に経絡が浮かび上がる表現など、全体的にオリエンタルな設定や表現が多い印象ですが、この辺り欧米圏にはどういった受け入れられ方をしたのでしょう?

平山 アジア圏以外の地域の方には珍しく感じられる設定も多くあったと思いますので、要所でカルチャライズを行っています。例えば丹薬も、英語版では「elixir」と訳すなど、世界観が理解しやすいようなアプローチもしていきました。

山際 反応に地域差があったことは確かですね。中国の方々からは「三国志」の時代考証をしっかりやったところを評価いただいたりもして、嬉しかったです。欧米の方々からは妖魔やボスのキャラクターデザイン、ゲームのシステム面について評価いただくことが多かったですね。

――アジア圏での反応はどうでしたか? 例えば、日本では最強の武人として大人気の呂布も、中国では裏切りを繰り返したことが響いて日本ほどの支持は得られていないと聞きます。

山際 本作の開発には中国人スタッフもいるので、日本と中国での評価の違いは聞いています。一方で当社の「三國志」シリーズや「真・三國無双」シリーズの知名度は高く、呂布に関しても、強い敵、看板キャラクターとして人気があり、歴史上の呂布とはあまり同一視されてはいなそうです。そうした背景もあって、当社が開発する「Wo Long」であれば、ひと味違う切り口で呂布を描けるのではないかと現在の形になっています。

平山 私自身も「真・三國無双」シリーズの呂布には何度も倒されてきました…。「Wo Long」では、制作の初期から強者や裏切り者といった一般的な見方とは別の切り口で作りたいと考えていて、ダークヒーローをテーマとした仮面を付けた「Wo Long」の呂布となりました。


――中華アクションということで、モーションキャプチャも大変だったのではないでしょうか?

平山 そこもこだわったポイントです。映画「るろうに剣心」のアクション監督を担当された谷垣健治氏に監修いただきつつ、中国武術を扱える方を実際にお呼びして撮影させていただき、収録したデータをゲーム的にアレンジしていくことで、アクションゲームとしての手触りを追及しつつ、武術的なケレン味を取り入れていきました。実際の収録の際も、動きながら日本の刀と中国の刀の違いなど、いろいろなアドバイスをいただくことができた点も良かったです。

――ゲームシステムといえば、あらゆる攻撃を受け流せる化勁が分かりやすい特徴かと思います。化勁についての反応はいかがでしたか?

平山 攻防を一瞬で切り替える起点が化勁です。攻守が入れ替わるだけでなく、成功させると氣勢も上がって仙術や武技が使えるようになるため、より選択肢が増えてアグレッシブに戦うことができます。「Wo Long」が目指す中華アクションの肝ともなるシステムなので、苦戦しつつ何度も何度も作り直しをしていました。

――苦戦したのはどういったところでしょう?

平山 流麗なアクションという言葉を目標には掲げていましたが、単にモーションを滑らかにするだけではアクションゲームとしての手ざわりにメリハリや気持ちよさが足りないんです。そこに化勁を入れることで、抑揚にメリハリを付けつつ一連の流れとしての流麗な手ざわりを感じていただけるようにブラッシュアップしていきました。

――見るだけの映像作品ではなく、プレイするゲームであるがゆえに、ただの滑らかなモーションでは不足だった。そこにシステムとしての化勁を取り入れたことで、リスクを冒して化勁からの逆転を狙うという、ゲーム展開としてのメリハリも加わったということですね。発売前に配信された体験版では厳しかった受け付けタイミングが、製品版で決めやすくなっていたりと、試行錯誤も感じられました。

山際 「東京ゲームショウ2022」が初めてプレイヤーに触っていただく機会でしたが、完全新規IPかつ試遊の場ということもあり、化勁の受け付けタイミングを少しやさしくしていたんですが、クリアーされた方が想像以上に多かったです。簡単過ぎて、「Wo Long」のコンセプトである「逆境を乗り越える」という醍醐味が体験しづらいのではないか……と考え、その後配信した体験版では厳しくしました。そうすると、今度は「難しすぎる」というお声をいただくことになったわけです。そこからユーザーテストも繰り返し、製品版のバランスになりました。数フレーム(60分の数秒)単位での調整ですが、よいバランスに落ち着いたのではないかと思います。

――まさに職人芸ですね。

平山 敵に攻め込みつつも反撃されたら化勁で取る。攻めて攻めて取って、攻めて攻めて取って……という動きを続けられるような体験をしていただきたいと考えていました。その上で、化勁の受け付けのウィンドウが厳しすぎると、被弾のリスクを恐れてチャレンジもしにくくなってしまいます。そこで、気持ちよく化勁で取ってもらうことを優先し、受け付け自体は緩和しつつ、ゲームバランスが崩れないよう得られる氣勢をその分抑えるといったバランス調整を進めていきました。

――ある程度理解できると気持ちいいシステムですよね。例えば倀鬼(虎)なんかも、最初のうちはやられるばかりだったのが、攻撃のリズムを掴めると連続で化勁を決められる。「1、2、3、4、ここからディレイをかけて5発目が来る!」といった感じで、全部化勁で取れれば気持ちいいし、氣勢もすごくアップする。

山際 リズムを掴むまでの過程でチャレンジができるように被ダメージも調整しています。うまく化勁を決められるようになると、反射神経が研ぎ澄まされていく、スポーツでいうところのゾーンに入ったような感覚を味わえるはずです。

――ゾーンに入ったような感覚、というのはTeam NINJA製アクションゲームにおける重要なキーワードだと思います。「仁王」シリーズの怨霊鬼や柴田勝家、「FFオリジン」のティアマットやギルガメッシュなど、最初はなす術もなく叩きのめされていたのが、ある一瞬から乗り越えられるようになり、攻防のやり取りを楽しめるようになる。

山際 そうした感覚を味わっていただくため、ゲームの手ざわりをすごく大事にしています。プレイヤーが思い描いた動きがそのままゲーム内でできる直感性があることで、ゾーンに入ったような感覚がある。思ったように動かせないと「ゲーム側にイジワルされてミスさせられた」と感じてしまい、上達するよりも別の所に原因を探してしまうようになってしまいますから。

平山 開発メンバーの中では「自分と敵の攻防がフェアであるかどうか」という表現が使われていますね。ミスした際も、その中に気付きがあって次のプレイに活かすことができる。その上で、「Wo Long」はアクションRPGですから、アクションの攻防だけでなく、レベルを上げてパラメータを伸ばし、装備品などを見直すことでも強敵を越えられるようになっています。難所で躓いてしまった場合も、装備の見直しやオンライン協力プレイなど様々な手段を試してみていただきたいです。

「ディシディア ファイナルファンタジー」から「Wo Long」へ。進化と深化を続ける、Team NINJAのアクション作成術

――「仁王」シリーズから「FFオリジン」、そして「Wo Long」。Team NINJAのアクションRPGを順々に見ていくと「攻防の中で敵が出してくる大技を、リソースを使った特殊な防御で防ぐ」というテーマを一貫して追及しつつ、システム面で洗練が進んでいることが分かります。「仁王2」には気力と妖力という2つのリソースがあり、通常攻撃、そして敵の大技を受ける特殊操作である特技に使っていました。これが「FFオリジン」では気力が廃されてリソースがブレイクゲージ1つになり、大技を受けるのもボタン1つでできるようになっています。そして「Wo Long」では、大技をボタン1つで受けられるシステムを化勁として続投しつつ、プラスにもマイナスにも振れ幅がある氣勢というリソースで優勢と劣勢が表現されました。また、魔法的な特殊攻撃のリソースについても工夫が凝らされていて、「仁王」シリーズでは回数制限、「FFオリジン」では通常攻撃を当てると増えるMP、「Wo Long」の氣勢はMPを踏襲しつつ、マイナスになることを覚悟で仙術を使うという博打もできるようになり、攻防がより奥深くなっています。こうしたシステム作りの苦労話をお聞かせいただけますか?

山際 いわゆる「死にゲー」「ソウルライク」(※)と呼ばれるジャンルでは通常攻撃にもリソースを使うことが通例ですが、攻防に集中していただくため、リソースやゲージを集約していったというところはありますね。

※「ソウルライク」

フロム・ソフトウェアの「DARK SOULS」を始めとする、高難度アクションRPGのジャンル。「DARK SOULS」はゲーム業界に大きなインパクトを与え、「ソウルライク(=ソウルのような)」と呼ばれるさまざまな作品が発表されている。「仁王」も「ソウルライク」の1つであり、2016年の「仁王」発売前イベントでは、フロム・ソフトウェアから発売された「ソウルライク」である「Bloodborne」のスタッフが登壇するなど、ポジティブな意味での「ソウルライク」リスペクトが表明されている。ちなみに、このスタッフとは、本インタビューにも登場している山際氏。同作はフロム・ソフトウェア開発、ソニー・コンピュータエンタテインメント販売という座組みだったが、当時の山際氏はソニー側のプロデューサーを務めていた。

平山 システムの構築には試行錯誤もあり、仙術も、時間経過で再使用が可能になる、いわゆるクールタイム的なシステムや、MP的なリソースを別に用意するなど、いろいろでしたね。ただ、我々が目指していた攻防の入れ替わりが速いバトルを実現する上で、いろいろなリソースを示すゲージを見なければならないと攻防に集中することができず、煩雑になってしまったんです。そこで、最終的には様々な要素のリソース管理を氣勢に集約してアクションに集中できるようにしていきました。そして氣勢は、勢いに乗ったり、敵の勢いに押されたりといった、瞬間的に変化する戦況を表現したいと考えていたため、プラスとマイナスの両方に振れていくようにしていきました。「仁王」シリーズや「FFオリジン」など、今まで開発したタイトルのノウハウを活かしつつ、さまざまな取捨選択を行って独自要素を進化させる取り組みを続けています。

山際 氣勢ゲージについては「マイナスになっても仙術や化勁を使える」ところが肝要だと思います。マイナスになることを覚悟しつつ、敵にあと一撃を食らわせるために、挑戦的な選択を採れる。これは「逆境を死闘で乗り越える」という「Wo Long」のコンセプトにも繋がっていくものであり、うまく化勁を取ることで状況がプラスに傾くように調整をしています。これは開発にとって大事なコンセプトで、平山は開発中もずっと「逆境を乗り越える!」といっていました(笑)。こうしたコンセプトをお客さんにどう伝えるかはずっと取り組みを続けていましたね。

――「逆境を死闘で乗り越える」というのは印象的なフレーズですね。

山際 逆境を乗り越えるにしてもいろいろな選択肢があるけれど、ゲーム内ではどんな手段を使ってもいい……というコンセプトを示しています。

平山 「Wo Long」を作るにあたり、「三国志」の魅力をいろいろと考えていきました。その中でも“士気が上がることで、戦の流れがガラッと変わる瞬間”に「三国志」の魅力を感じていました。例えば「三国志」の序盤、反董卓連合軍が窮地に陥った時も、関羽が一人敵陣に乗り込んで親玉を倒したことで、一気に士気が上がって押せ押せという雰囲気になるじゃないですか。こうしたロマンをアクションゲームに落とし込みたくて士気のシステムを考えていきました。

――確かに「三国志」で人気があるのは、士気の力で戦の流れが変わるシーンが多いですね。「Wo Long」で士気が上がると有利になるのはこうした部分がベースになっているわけですね。

平山 氣勢の増減でも武器種ごとの特徴を付けています。例えば、ある武器種は氣勢を得やすいけれど、奪われやすいといった感じですね。こうしたシステムは、私がかつてアーケード対戦ゲーム「ディシディア ファイナルファンタジー」を担当していた経験も活かされているかもしれません。常に攻撃に用いるリソースを保つ緊張感を持って戦うという点では、「Wo Long」の氣勢システムを考える起点にはなっていると思います。

――戦いの中で増減するリソースがあり、多い少ないで攻め時や守り時といった展開が生まれる。「ディシディア ファイナルファンタジー」「仁王」「仁王2」「FFオリジン」「Wo Long」といったTeam NINJA作品が一本の線で繋がった感があります。「Lies of P」「NARAKA: BLADEPOINT」「仁王2」といった作品とコラボしているのも「Wo Long」の特徴ですが、効果はいかがでしたか?

山際 Xbox Game Passでのリリースも同様ですが、本作は完全新規IPなので、いろいろな機会から「Wo Long」に興味を持っていただきたいと思っていました。コラボさせていただいたのはその一環です。「Lies of P」は同じジャンルの死にゲー、「NARAKA: BLADEPOINT」は同じ中国モチーフの作品ということでシナジーがあり、お互いのユーザーからも好意的な反応をいただけたので、コラボとしてはよい効果があったと思います。

平山 コラボコンテンツの開発は楽しんで進めることができました。お互いのユーザーの皆様が楽しんでいただかなければ意味がないので、「Wo Long」のシステムに落とし込む検討は刺激になりました。例えば、「Lies of P」にはエチケットという傘のような武器が存在しますが、コラボがなければ「三国志」の世界観では出せませんので。開閉するギミックもあわせて、先方に「面白そうなので作らせてください」とお願いしたりもしました。

――「Complete Edition」のプレイ時間はどれ位になるのでしょう?

山際 一番苦手な質問ですね(笑)。メインストーリー部分であれば一周30~40時間。セットになったDLCは3つで、それぞれ5時間ほど遊べるようになっています。エンディングを迎えても周回を重ねていくことができ、ここでは難易度が上がると同時に、より強力な装備や特殊効果、武器の強化段階がアンロックされていきます。また、「魔境千里行」というエンドコンテンツが用意されており、ここではルート選択でどんなバフ(強化)がかかるかが変わってくるため、戦略的な考え方も求められます。

平山 レベルが最高にまで上がった後も「大成者補正」というものがあり、経験値を使って主人公を成長させ続けられますので、終わらない強化を楽しんで欲しいです。また、正確にはコンテンツではないのですが、「克己鎮心」というシステムがあり、士気ランクの上限や、ダメージ補正などに制限をかけることで、高レアリティの戦利品を手に入れやすくすることができます。制限をかけていくことで敵も手強くなっていき、同じミッションでも異なる体験を楽しむことができますので、チャレンジが好きな方はぜひ楽しんでみていただきたいです。

――「Complete Edition」をきっかけに「Wo Long」を買った初心者が、ゲームに慣れるためにはどの武器種を使って、誰を相手に練習し、どのパラメータを伸ばせばいいのでしょう?

平山 使いやすい武器種は、最初から装備している直刀でしょうか。双剣も隙が少ないので、化勁を狙いやすいと思います。練習相手のおすすめは最初のステージのボスである張梁です。「Wo Long」の基本を学べるように設計したボスなので、慣れたころには基本システムが習熟できていると思います。最初に上げるパラメータは、体力が上がりやすい木徳や、重装備を着込めるようになる土徳あたりがおすすめでしょうか。

山際 逆境に立ち向かうのが好きな方でしたら、倀鬼で練習するのもいいでしょうね。最初のステージで寄り道に士気の高い倀鬼を配置しているのもそのためです。オンラインで協力プレイもできるようになっていますので、他のプレイヤーに頼るという手もあります。すでにプレイされている方々は、ぜひ「Complete Edition」から始めるプレイヤーを助けてあげてほしいです。

――先ほどXbox Game Passで展開しているというお話もありましたが、Xbox Game Passで「Wo Long」をプレイしている人が「Complete Edition」を買った場合、セーブデータはそのまま使えるのでしょうか?

平山 はい、引き継いでお使いいただけます。また、話は変わりますがSteamとMicrosoft Storeでは現在、体験版を配信しており、こちらのセーブデータも製品版に引き継ぐことができます。

――なるほど。まずはこれらの体験版で感触を確かめるのもよさそうですね。では最後に、読者に向けてメッセージをお願いできますか?

平山 まずは、すでに「Wo Long」を購入していただいた方に向けて、本編から3つのDLCまで長い間遊んでいただいたことを感謝申し上げます。誠にありがとうございます。また、未プレイの方に関しても、「Complete Edition」は、全てのDLCとコラボレーションを含んだボリュームのある内容となっていますので、これを機に手にとって遊んでみていただけると嬉しいです。

山際 「Complete Edition」が発売できたのも、ずっと遊び続けていただいた皆様のおかげですから、非常に感謝しています。「Complete Edition」から始められる方もおられるので、ぜひアドバイスをしたり、マルチプレイで助けたりして一緒に盛り上がっていただけると嬉しいです。

――ありがとうございました。

ハイペースなアクションと、奥深いシステム。Team NINJAのアクションゲームは作品ごとに進化と深化を続けている。一連の作品を“線”として見ることで、新たなものが見えてくるのだ。同チームの新作オープンワールドアクションRPG「Rise of the Ronin」の発売日も2024年3月22日に迫っている。遊び始めれば終わらない「Wo Long」を楽しみつつ、「Rise of the Ronin」の進化と深化に期待するのも楽しいはずだ。

(取材・文・撮影/箭本進一)

タイトル情報

■「Wo Long: Fallen Dynasty Complete Edition」

(ウォーロン フォールン ダイナスティ コンプリートエディション)

ジャンル:ダーク三國アクションRPG

メーカー:コーエーテクモゲームス

対応機種:PlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X|S/Xbox One/Xbox Game Pass/Steam/Microsoft Store

発売日:2024年2月7日

価格:ダウンロード版 各7,480円(税込)

CERO:D(17歳以上対象)

©コーエーテクモゲームス All rights reserved.

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