ミリタリーモデルやガンプラにリアルなダメージ表現を! タミヤ「チッピング液」レビュー&テクニック講座【工具道!第24回】
こんにちは、カリヤスです! 気づけばもう3月、花粉症の季節がやってまいりました……。窓はなるべく開けたくないけど、模型製作中はしっかり換気を忘れずに!
さて、今回ご紹介するのは、タミヤから発売中のチッピング液。ダメージ表現に挑戦したい方、必見です!
The工具道!第24回 タミヤ「チッピング液」
40ml角ビン入りで、安全な水性タイプ。 ラベルの説明をよく読んでから使用しましょう! タミヤ公式サイトにも詳しい使い方が載っているので、そちらもあわせてチェックするのがオススメです。
そもそも、チッピングって?
チッピングは、塗装がはがれた状態を再現する技法です。戦車や戦闘機などのミリタリーモデルでよく使われますが、陸戦系のメカ、ガンプラとの相性もバツグンです。
チッピングには何種類かやり方があり、
1.スポンジや筆、鉛筆などで、露出した部分の色を乗せていく(はがれを描き込む)
2.離型剤のシリコンバリアーを使って、実際に塗装をはがす
3.チッピング専用液や市販の整髪スプレーを使ったあと、水で濡らして実際に塗装をはがす(今回はこれをやります)
の3つが主流です。以下、チッピングを使用した作例をご紹介します。
オリジナル設定の旧ザクのシールド部分(1+2の組み合わせ)。
ヒートペンで再現した被弾痕(えぐれた部分)やシールドのエッジをダークアイアンで塗ったほか、シリコンバリアーで下地をはがれやすい状態にしてから水色で塗装し、ガリガリと表面を削って黒い下地を露出させています。最前線で戦い抜く、ベテランパイロットの機体という設定です。
経年劣化で、冬季迷彩がはがれつつあるバレンタイン戦車(3のパターンです)。
下地をグリーンで塗装した後に、チッピング液と同じ効果のある市販の「ケープ」(整髪スプレー)を吹き付け、上からホワイトで塗装。乾燥後に水で濡らして、爪楊枝や不要になった歯ブラシでひっかき、ランダムな塗装のはがれを表現しました。
……といった具合に、チッピングを駆使すれば、戦場で使い込まれたリアルな機体、兵器を再現可能なんです!
今回紹介するチッピング液以外にも、チッピングに使えるアイテムはいろいろあります。また機会があれば紹介するのでお楽しみに!
実験してみた!
チッピングについて学んだところで、さっそくやってみましょう。やり方はいたってシンプルで、
1.下地にラッカー系塗料を塗り、乾燥させる
↓
2.チッピング液を塗り、乾燥させる
↓
3.上から水性塗料(アクリル塗料)を塗り、乾燥させる
↓
4.はがしたい個所を水で濡らし、少し待つ
↓
5.爪楊枝や歯ブラシ、筆などでこする
↓
6.下地が出てくる!
という手順です。今回は、プラ板に
・タミヤラッカー ダルレッド(つや消し)
・タミヤラッカー メタリックオレンジ(つやあり)
・水性ホビーカラー つや消しレッド
の3種類の下地を塗り、それぞれ違いが出るかどうか実験してみました。
まずは不要なプラ板に、それぞれの塗料を筆塗りします。今回はチッピングの実験なので、塗りムラは気にせずにざっくりと塗っています。
塗料が乾燥したら、チッピング液を筆塗りします。濃すぎる場合は、水で薄めることができます。
チッピング液が乾燥したら、上から水性塗料(あるいはアクリル塗料)を塗ります。上塗りに使う塗料は、ラッカー系やエナメル系だとチッピングできなくなってしまうので、注意しましょう!
今回上塗りに使用したのは、水性ホビーカラーのダークイエロー(つや消し)。差を確認するため、筆塗りとエアブラシの両方で塗っています。
乾燥したら、全体をまんべんなく水で濡らしていきます。こうすることで、水に反応したチッピング液が溶け出して、上塗りした塗料も一緒にはがれるという原理なわけです。
少し放置したら表面がふやけてくるので、ひっかいて下地を露出させましょう。作業が終わったら、ティッシュなどで水気をとるのを忘れずに!
結果を確認!
さっそく結果を見てみましょう。プラ板の上半分がエアブラシ、下半分が筆塗りです。
ダルレッド。公式で推奨されている、つや消しラッカー系の下地にしたこともあってか、一番チッピングしやすかった気がします。特に、エアブラシで塗った上半分は塗膜が薄いため、歯ブラシでこすっても簡単にチッピングできました!
メタリックオレンジ。注意書きには、「メタリック系やつやありの塗料はチッピング液をはじく」と書いてありましたが、いちおう問題なくチッピングできました! とは言え、やはりダルレッドを使用した時に比べて、少しだけはがしづらさがあったような気がしました。
水性つや消しレッド。下地が水性だと、そもそもチッピングできないのでは?と思いましたが、いちおう問題なくチッピングできました! ただ、メタリックオレンジ同様、少しはがしづらいかな?という感じがありました。
まとめ
・下地はつや消しラッカーが一番オススメ。メタリックやつやありラッカー、水性アクリル系でもひとまずチッピングは可能ですが、公式的には推奨していないので、あくまで自己責任でお願いします!
・上から塗る塗料は水性(アクリル系)以外NG。筆塗りよりもエアブラシで塗るほうが、塗膜が薄いのでチッピングに適している。
動画はこちら!
以上、実験でした。続いては、実際のプラモデルにチッピングを施して、リアルなウェザリングを表現してみたいと思います!
ドラム缶をリアルにしてみよう!
チッピングの手順を覚えたら、ミニサイズのプラモで練習するのがオススメです。というわけで、今回はタミヤの1/35スケールのドラム缶をチッピングしてリアルにしてみました!
パーツ数は少なく、組み立ては一瞬で終わります。本格的に作る場合は合わせ目を消しますが、今回は割愛します。
下地に、Mr.カラーのつや消しブラックを筆塗りし、乾燥させます。下地ですので、ムラができても気にせずに。
チッピング液を塗ったのち、上から水性ホビーカラーのダークイエロー(つや消し)を筆塗りしました。もちろん、エアブラシでも大丈夫です。
乾燥後に水に浸して、表面をふやけさせます。ある程度放置したのち、金属ツールや硬めのブラシを使ってチッピング。チマチマと、ランダムにダメージ表現を入れていきます。
チッピングは終わりましたが、ここからさらにウェザリングをしてリアルに仕上げます。タミヤのスミ入れ塗料(ダークブラウン)で全体にスミ入れしつつ、エナメル溶剤で薄めて全体にフィルターをかけていきます(ウォッシング)。
チッピングを施した部分から、サビが浮いている状態を表現します。サビを表現する際は、エナメル系塗料やピグメント(ウェザリング用の粉)を使用することが多いですが、今回はお手軽にサビ表現ができるMr.ウェザリングライナーのマットブラウンで、茶色いサビを描きこんでみました!
最後に、市販の4B鉛筆をエッジの部分にこすり付け、一部の露出した金属が光っている状態に仕上げました。この技法は、冒頭で紹介した1のチッピングになります。
完成! 長い間、現場で使われ続けているドラム缶の雰囲気が出せたんじゃないかと思います。ちなみに、ここからさらに、土汚れや油汚れを入れたりすればよりリアルになるのですが、今回はこのへんで。ほかの技法は、また別の機会にご紹介できればと思います!
動画はこちら!
いかがでしたでしょうか? チッピングは、少し練習すればすぐに習得できる技法ですので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。それでは、またお会いしましょう~♪
【商品情報】
■メイクアップ材シリーズ No.225 チッピング液
・発売中
・メーカー:タミヤ
・価格:495円(税込)
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