夢が詰まった異能力・超能力バトル漫画10選!漫画家が作り出す独創的な世界観がたまらない

空を飛べたら……、手から火が出せたら……、といった、誰しもが一度は思い描いた空想は、漫画家が作り出す世界の中で実現されてきた。なかでも異能力者同士のバトルは壮大かつ壮絶で、手に汗握る展開と、圧倒されるような描写など、見どころが多い。

そこで本稿では、異能力や超能力を用いた世界観の漫画10作品をピックアップ。迫力のバトルに興奮したい方なら、ぜひとも目を通していただきたい。

項目
D.Gray-man
リィンカーネーションの花弁
不死の楽園-13人の異能-
あっ、次の仕事はバケモノ退治です。
ニワトリ・ファイター
黄泉のツガイ
うしろの正面カムイさん
ジャガーン
超人X
創造のリンゴ

異能力・超能力バトル漫画

D.Gray-man著:星野桂


世界を滅ぼすことを目的とした「AKUMA」を率いる千年伯爵に対抗する勢力・黒の教団に所属するアレン・ウォーカーは、唯一AKUMAを倒すことができる神の結晶「イノセンス」に選ばれた少年。

自分の意志をもつ唯一の自立型ゴーレム・ティミや、そのほかの仲間たちとともに、悪魔を倒しながらも充実していた生活を送っていた。そんな中、千年伯爵の策略により仲間に危機が訪れる。救援に向かうったアレンにも数奇な運命の歯車が動きだす。

2006年にTVアニメ化され、その後もシリーズ化されている本作。個性ある能力同士の圧巻バトルに加え、それぞれの登場人物のヒューマンドラマや、イノセンス、AKUMAの秘密など、世界観が精緻に形作られた本作は何度読み返しても新鮮な気持ちで楽しめる。

リィンカーネーションの花弁著:小西幹久


普通の高校生だった扇寺東耶(せんじとうや)は、ある日クラスメイトの灰都(はいと)が日本刀を用いた異能力でシリアルキラーと戦う場面に遭遇する。自分に劣等感を抱いていた東耶は、灰都が能力を発現するための道具・輪廻の枝を使い、前世・石川五右衛門の才能「盗人の右腕、左腕」を手に入れる。


その後、東耶は灰都に誘われて、偉人が集う「偉人の杜」に加入し、全国模試で毎回100位以内に入るほどの学力と冷静な頭脳を武器に、自分を証明するかのような数々の戦いを繰り広げていく。


石川五右衛門や宮本武蔵など歴史上の人物をモチーフにした異能バトル漫画。登場人物のほとんどの性格に歪みがあり、決して正義の戦いではない世界観は、読み進めるたびにクセになっていく。見ほれてしまうような幻想的な描写にも注目してほしい。

不死の楽園-13人の異能-著:冬坂あゆる/全12巻


超常の能力が発現した「奇跡の使徒」と呼ばれる者たちは、国によって「パライゾ」という施設に収容され、管理されていた。父と母の帰りを待ちながら、妹と夕ご飯を食べていた神代理久(かみしろりく)は、血液検査によって使徒陽性反応が検出され、パライゾに送還された。

しかしパライゾは、にぎやかな活気に満ちており、そこで理久は遠藤彩季(えんどうさき)と出会う。まだ知らない自分の能力の想像に浮ついていた理久だったが、突如使徒たちのクーデターに巻き込まれ、メンバーの彩季により殺されてしまっ…い……?

能力の秘密とクーデターを企てた使徒たちを知った理久ははたしてどんな選択をするのか。ちょっとグロめな描写が、よりリアリティを高めており、スリリングな読み応えを味わえる。

あっ、次の仕事はバケモノ退治です。著:市村基


芸能事務所に勤務しているものの、タレントをひとりも担当したことがない久保田青春(あおはる)は、芸人になりたいと連絡をくれた男と会うため、待ち合わせ場所の森に足を運んだ。そこで世界を震撼させた「バケモノ」と、異能の力を使いバケモノを退治した少年、ルカ・アーベルと出会う。


実は青春が務める神代芸能は、芸能活動をするかたわら、世界に現れるバケモノを退治しゲートを閉じる骸獣退治を生業としていた。突然の出来事に理解が追いつかない青春を置いていくように状況は大きく変化していく。

ちょっと変わったお仕事系バディアクション漫画。芸能活動が描かれることはほとんどないが、ルカと青春とのかけ合いがクスッと笑える。激しいバトルばかりではなく、読み進めるたびに深みが増していく作品だ。

ニワトリ・ファイター著:桜谷シュウ

軍隊の力も効かないほど圧倒的な力で、人類へ侵攻を始めた異形の怪物・鬼獣。家よりも大きな鬼獣に立ち向かうのは一羽のニワトリだった?

そのニワトリは、過去に妹を殺された鬼獣を探し、街から街へと旅を続けながら鬼獣を退治していた。あちこちで人間から穀物盛り合わせやウニなどのご馳走をもらい、亀やほかのニワトリとの出会いを通じて、ニワトリの過去が徐々に明らかになっていく。

ニワトリが主人公という斬新な設定と、決め台詞の「トサカにくるぜ」や、必殺技「コケコッコー」など、思わずクスッと笑ってしまうニワトリのダンディーさにも注目してほしい。

黄泉のツガイ著:荒川弘

昔ながらの農業を行っている山奥の村で、狩猟をしながら暮らしていたユル。お務めとして暗い檻の中にいる妹・アサを溺愛し、村から出ずとも暮らして行けるように狩猟の腕を磨いていた。

そんなある日、突如、村の結界が破壊され、軍隊や謎の能力を使う少女、さらにみずからをユルの妹・アサだと語る女性が現れた。

檻の中のアサは殺されるも、謎の能力が発現し、ユル自身も軍用ヘリを難なく破壊する左右様というツガイの主に。「鋼の錬金術師」を描いた荒川弘の新たな世界観を存分に感じてほしい。

うしろの正面カムイさん著:えろき、コノシロしんこ

自称「幽霊が見えるだけ」の普通の女子高生・耳塚シヅカは、わけあって有名な霊能力者・カムイの事務所で学業のかたわら、助手として働き居候(いそうろう)生活していた。男女が同じ屋根の下という展開だが、カムイは怪異にしか欲情しない変態的な特異体質。

そんなカムイに冷ややかな目を向けるシヅカだが、彼女もまた「幽霊を惹きつける」という特異体質の持ち主だった。シヅカが引き寄せ、カムイが性の力で除霊するという、これまでの幽霊を題材にした漫画とは一線を画す作品だ。

さまざまな能力を使って除霊されまいと奮闘する幽霊と、淡々としながらも情熱的な除霊を実施したいカムイとのバトルはクスッと笑えてしまう、そんなホラーバトルコメディだ。

ジャガーン著:金城宗幸、にしだけんすけ/全14巻

平凡ながらもストレスを抱えながら交番に勤務している蛇ヶ崎晋太郎は、ムカつくやつを「ぶっぱなしたい」という欲求を抱きつつ、日々耐えて働いていた。そんなある日、空から大量のカエルが降ってくるという怪事件が発生。

キチガエルと呼ばれるこのカエルは、寄生した人間を、欲望のままに暴れ回る異形の存在「壊人」へと変貌させる。ひょんなことから壊人と遭遇した晋太郎は、死を覚悟しながらも右手を銃へと変形させ壊人を撃破した。

突然の出来事に困惑する晋太郎だったが、彼女すらも壊人になってしまい……。現代らしいストレス社会と、リアルな人間模様に思わず没入してしまう。

超人X著:石田スイ

高校生の黒原トキオと東アヅマは、超人の仕業と噂される旅客機の墜落事故の処理ボランティアに参加していた。200名の生存者や、機体の損傷が少ないといった奇妙な点を不思議に感じながら帰路についていたところ、因縁の不良にからまれる。

両腕を折って返り討ちにしたはずの不良は、数日しか経たずに完治し軟体の超人へと変貌していた。命からがら海へ飛び込み逃げるトキオたちの前に、不良が超人化した注射器が。

1話目から急転直下の展開に目が離せない。「東京喰種」を描いた石田スイ氏のダークな世界観と細かな人間模様がやみつきになる作品だ。

創造のリンゴ著:薙澤なお

突如日本に現れた、街を飲み込むほどの巨大樹。その樹になる赤いリンゴは不治の病を治す奇跡の力を持ち、瞬く間に全国に拡散された。

しかしその赤いリンゴは、一定のストレスがかかると、食べた人を異形の怪物「クイーンの仔」へと変えてしまうしろものだった。

背中に木の根のようなアザを持つ男子高校生・矢島は、クイーンの仔に襲われ致命傷を負うが、「青いリンゴ」によって戦士へと覚醒を果たす。

大地の意志を持つとされる矢島のアザにはどんな力があるのか、矢島を助けた少女・姫野咲が所属する「ガイアの方舟」とは……。臆病な矢島の決意に勇気をもらえる作品だ。

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