【これからはじめるTCG!】10周年でさらにパワーアップ! 第4回「WIXOSS」【デッキ5種&拡張パックをプレゼント】
世界初のTCG(トレーディングカードゲーム)である「マジック:ザ・ギャザリング」が世に出てから約30年。数多くのタイトルが世に登場し、今もなお新作が発表され世界中で遊ばれ続けているTCGですが、子供の頃にちょっとだけ遊んだ、または実は一度も触ったことがないという方も多いのではないでしょうか?
そこでこの連載では人気のTCGを発売しているメーカーさんに突撃取材し、TCG初心者が今から始めても楽しめるゲームの魅力や、開発チームやスタッフさんにお聞きしたTCG業界のお話を体験レポート形式でお届けします。
第4回目となる今回は、今年で10周年を迎えさらなる盛り上がりを見せている美少女キャラクターがいっぱいのタイトル「WIXOSS」をピックアップ。
前半は、タカラトミーWIXOSSチームの 方からティーチングを受けつつ実際のデッキを使って遊んでみて、「WIXOSS」が10年間で築き上げてきた魅力を体験してきました。
後半では、タカラトミーWIXOSSチームの山口さん、富田さん、清水さん、金澤さんに「WIXOSS」10周年にまつわるお話から今後の展開、TCG業界を盛り上げていくためのアイデアやこれからTCGを始めたい方へのメッセージをお聞きしました!
取材してきた人
ラビカ
新規TCGプレイヤーを増やすという使命を受けて、TCG界からやってきたデッキケースの妖精。新規プレイヤーが増えないととんでもないことになるため、今日もTCGの魅力を世界に広めるお手伝いをしている。
この体のままだとカードゲームをプレイできないので、取材中は生アバターの手を使ってプレイする。
10周年であのシステムが復活!
ラビカ こんにちはー、「WIXOSS」で遊びに来ましたー! ラビカでーす!
タカラトミー富田(以下、富田) こんにちは、ラビカちゃん。株式会社タカラトミー TCG事業部の富田逸人です! 「WIXOSS」のTCGプロデューサーをしています。
「WIXOSS」とは
2014年4月26日にリリースされた、テレビアニメ「selector 」シリーズとの連動企画で発表されたTCGタイトル。プレイヤーの分身である「ルリグ」と、ルリグをサポートする「シグニ」という2種類のキャラクターカードで攻撃し、ライフクロスが0になった対戦相手を直接攻撃したプレイヤーが勝利となる。ライフカウンターの代わりにデッキからランダムに7枚のカードを出さなければいけないため、重要なカードをライフとして伏せたままプレイしなければいけないといったような白熱した遊びが特徴。
ラビカ ラビカ、実はちょうど10年前くらいは「WIXOSS」のセレクター(※プレイヤーのこと)だったんだよ。アニメの1期でハマッちゃって、妖精仲間たちと夜通し遊んでたよー!
富田 『selector infected WIXOSS』ですね。ラビカちゃんみたいにアニメで興味を持ってくれたユーザーさんもたくさんいて嬉しいです。
ラビカ だから、今日の取材はすっごい楽しみだったんだよー! だって、今日遊べるのって……。
富田 そうなんです。今日ラビカちゃんに遊んでもらうのは、「WIXOSS」10周年を記念して発売した構築済みデッキです!
ラビカ わー、見たことあるルリグばっかり! 「selector」でも見かけたけど、こうやって並んでるとすっごい懐かしい感じがするね。
富田 ルリグたちだけじゃなくてプレイの感覚もきっと懐かしいと思ってもらえるはずですし、3人チームで戦う「DIVA」のデッキとの対戦も楽しんでもらえたらいいなと思っています。
それでは、ここからはWIXOSSチームの金澤と清水からティーチング形式でゲームの説明をさせていただきますね。
タカラトミー金澤(以下、金澤) よろしくお願いします、金澤です! ラビカちゃんには、4月27日に発売したばかりの構築済みデッキの中から、タマがルリグになった「WHITE ALT HOPE」デッキ(Selectorデッキ)で遊んでもらいますね。私がラビカちゃんのサポートをします。
タカラトミー清水(以下、清水) 清水です。私はラビカちゃんの対戦相手として、ヒラナたち3ルリグがチームになった「SUPER DIVA DECK DOUBLE HEROINES -」のデッキ(DIVAデッキ)でお相手します。ちなみに、ラビカちゃんってその手でカード掴めるの?
ラビカ 大丈夫よ。今回も生アバター連れて来てるから。
金澤 へぇ……。思ったよりリアルな手だね……。
清水 ……では、気を取り直して。まずは、ルリグデッキからプレイヤーのパートナーとなる「ルリグ」のレベル0カードを裏側に伏せて置いてください。ラビカちゃんは「selectorバトルスタイル」のデッキなのでセンタールリグのみ、私は「DIVAバトルスタイル」のデッキなのでセンタールリグ1枚とアシストルリグ2枚になります。
ラビカ わ、なるほど。ラビカの方は昔の「WIXOSS」のバトルスタイルなんだね。
清水 はい。ただ、ゲームのフォーマット自体は「ディーヴァセレクション」なので、DIVAデッキも一緒に遊べるのがポイントです。もちろん、そのふたつを混ぜた「MIXスタイル」デッキでも遊べます。それぞれに強みがあるので、ユーザーさんの好みに合わせてデッキ構築することが可能です。
ラビカ 遊びの幅が広がるね~!
清水 そうですね。さて、「WIXOSS」は1ターンにつき大きく分けて7つのフェイズでゲームが進行していきます。まず、場に出た「ルリグ」と「シグニ」を行動可能なアップ状態にするアップフェイズ。メインデッキからカードを引くドローフェイズ、エネルギーを補充できるエナフェイズ、ルリグのレベルアップを行うグロウフェイズ、「シグニ」の召喚やカードの能力を使うことができるメインフェイズ、シグニやルリグで攻撃するアタックフェイズ、ターン終了の処理を行うエンドフェイズです。こちらの7フェイズを繰り返し相手のルリグを守っている7枚のライフクロスを攻撃していきライフクロスを0にし、そこからさらにダメージを与えられたプレイヤーが勝利となります。
ラビカ えっと、「ルリグ」がパートナーで、「シグニ」はそのサポートとして攻撃したりするキャラクターってことだね。あと、プレイヤーのライフを表すライフクロスはメインデッキのカードから取って並べるっていうのもおもしろいねー。
金澤 その通り。もしかすると強いカードがライフクロスになっているかもしれないというのがポイントですね。ただし、カードによっては「ライフバースト」という、ダメージを受けてライフクロスを表にした際に発動する能力を持っているカードもあるので、ダメージを受けても一矢報いることができる可能性があります。
ラビカ 劣勢でも逆転できる要素があるんだね!
金澤 そして、「selector」ではおなじみの必殺技「アーツ」も復活していることに加え、ルリグトラッシュに「アーツ」が溜まることで使えるようになる新能力「リコレクト」の追加要素など、これまで以上に戦略的に遊べると思いますよ。
ラビカ ラビカもいろいろ思い出しながらがんばろっと。よーし、まずはやってみよっか。オープン!(ルリグを表にする時の掛け声)
~20分後、ラビカターン~
ラビカ よーし、ラビカのターン! アップして、2枚ドローして、エナ追加して……。ルリグのタマちゃんをグロウ! レベル3になったよ!
金澤 タマがレベル3になりましたので、メインフェイズでアーツカード「ドローエンハンス」を使ってみましょう。こうすることで、「selectorバトルスタイル」ならではの要素であるトークンカード「リミットアッパー」が発動します。これがあれば場に置けるシグニの合計レベルのリミットが+2されますよ。
ラビカ めっちゃ強いじゃん! よーし、ここまで清水さんのアシストルリグのせいで追い詰められてきたから、一気に逆転狙っちゃおうかな。使えるアーツは全部使っちゃって、ルリグトラッシュにカードが溜まったからリコレクト発動で相手のシグニを手札に戻すよー。そこに直接アタック!
清水 対抗手段が無いので、ライフクロスで受けます。これはちょっと、ヤバいですね……。
ラビカ ライフクロスをちょうど削り切ったので、最後にルリグで直接アタック! 「アーク・ライト・オーラ」を使っていたので、ガードする場合コストを払わなきゃいけません! ど、どうだ!
清水 なんと、ガードできません……。負けました……!
ラビカ やったー勝ったー! これでラビカも夢限少女(※)に一歩近づいたね!
(※:アニメの劇中にて「WIXOSS」に勝ち続けると願いを叶えられる夢限少女になれるという設定がある。詳しくはタカラトミーのYoutubeチャンネルで10周年記念として4/19~5/7までの期間限定で無料配信されているアニメ『selector infected WIXOSS』と『selector spread WIXOSS』を見よう!)
タカラトミー「WIXOSS」公式YouTubeチャンネル「ウィクロスチャンネル」はこちら
金澤 おめでとうございます。キレイに勝ちましたねー。
清水 たくさんドローしたのでどうにかガードできるかと思ったんですが、残念です……。ラビカちゃん、ひさびさに「WIXOSS」で遊んでみていかがでしたか?
ラビカ とってもおもしろかった! 新カードセットのデッキだったからちょっと緊張したけど、遊んだ感じは昔のタマの白デッキと共通点が多かったからすぐにプレイの感覚取り戻せたよ。リコレクトみたいな新要素があったり、相手が自分とは違うバトルスタイルだと場に出すカードも慎重に選ばなきゃいけなかったりで、最後までワクワクしながらプレイできました!
清水 当時品から再録されたカードもたくさんあるので、10年前にプレイしてくれた方なら「おっ」と思ってもらえるかもしれませんね。
続いてWIXOSS統括プロデューサーの山口朋さんにもご参加いただいて、10周年にまつわる話と今後の展開について聞いてみたよ!
タカラトミー山口朋さん、富田逸人さん、清水瑞希さん、金澤拓也さんに聞いた、10周年にまつわる話と今後の展開について
(左より)金澤拓也さん、山口朋さん、富田逸人さん、清水瑞希さん
ラビカ 今日はティーチングありがとうございました! 改めて「WIXOSS」10周年ということなんだけど、今のお気持ちを聞かせてください!
タカラトミー山口(以下、山口) あっという間に10年が経ったような感覚ですが、私が「WIXOSS」を実際に企画したのは12年前になります。最初は2年かけてアニメを作ったりしていましたので、2012年から足掛け12年という形ですね。
今の気持ちで言いますと、さまざまなTCGが立ち上がっては消えていきという市場の中で多くのユーザーさんに支えていただいたというところが一番大きいと思っています。アンケートなどでも10年続けて遊んでくれている方も多く、アニメをきっかけにプレイしていただいたユーザーさんが、「WIXOSS」の世界観に沿ってずっと遊んでくれているということをしみじみと感じている次第です。
ラビカ 今回、10周年の記念に「selector」のルリグを中心にしたカードセットを出したけど、それはどうして?
山口 もともと10年前の「selector」シリーズは白のタマ、赤の花代、青のピルルクの3人のルリグの構築済みデッキから始まり、そこから2か月後に緑の緑子、黒のウリスのデッキが加わり、今日まで展開し続けてきました。
今回10周年を迎えるにあたり、当時の『selector infected WIXOSS』というアニメを見てくれた皆さんに対して改めてアプローチをしていきたいと考えました。「WIXOSS」を始めた当初のメンバーであれば新しいユーザーさんも始めやすいのではないかと思い、5人のルリグを選んだという形です。
また、以前から当時の作品の10年後の世界という構想はすでにありました。そしてストーリー原案の岡田麿里さん、アニメーション制作のJ.C.STAFFさん、主題歌の分島花音さんたちと同窓会的に集まって改めて世界観を作ってみたいという気持ちもありましたので、10周年に合わせて『selector loth WIXOSS』という新ストーリーを制作しました。5人のルリグを選んだのも、ストーリーに組み込むことを想定したということもあります。
そのため、今年1月に解禁した当初は単純に昔の5人のルリグが装いを変えリバイバルして発売しますというように発表していましたが、実際は10年後の設定になったキャラクターたちのストーリーが背景にある商品ということになっています。
詳しい事は今後のコミカライズなどの展開で明らかになりますが、10年前のシリーズのキャラクターと10年後になった今回の『selector loth WIXOSS』のキャラクターは、名前や見た目は同じでも違うキャラクターになります。10年後の世界のタマたちだけど、まったく同じかと言えばそうではないというような。
富田 今回、4月27日に構築済みデッキと拡張パックが発売になりましたが、こちらは「selector」10周年、「WIXOSS」10周年という、あくまで10周年記念の商品として打ち出しをさせていただきました。ですが、先ほどの山口からもご説明したとおり、4月発売商品や7月に発売する拡張パック「loth SELECTOR」のキャラクターたちは『selector loth WIXOSS』の世界観を踏襲したものになります。
山口 カードイラストにもご注目いただきたいです。『selector infected WIXOSS』のキャラクターを踏襲していますが、あるアクセサリーが追加されているなどの世界観に合わせた変更点もあるので、そういったところも推測しながら楽しんでいただければと思います。
清水 カードのフレーバーテキストなども読んでいただきたいですね。10年前のカードと比べてみたり、新たな世界観を踏まえて読んでみるとさらに楽しめるかもしれません。
ラビカ 「DIVA」シリーズでもアイドルっぽくなったタマが出てたりしたからきっとそういう流れかなと思ってたんだけど、まったく違う展開っていうのは衝撃的でした!
富田 2021年のアニメ『WIXOSS DIVA(A)LIVE』の世界にタマたちがやってきたというストーリーを今年の2月まで行っていましたが、いったんその世界観から移り変わり、『selector infected WIXOSS』の時間軸の延長上にある続編が始まるという形になります。
山口 商品名にオルタナティヴ(Alternative。代替の、二者択一の、という意味)を示す「ALT」が入っているのはそういう意味があって、似て非なる物という風に捉えていただきたいと思っています。
ラビカ なるほどなぁー。ちなみに今回から新能力の「リコレクト」が出たり「アーツ」が復活したり、バトルスタイルが多様化してゲームシステムに大きな変更があったかなと思うんだけど、作るのに苦労した点はある?
金澤 理想と現実のすり合わせに苦労しました。まず課題として、今のユーザーさんはメインルリグとアシストルリグの3vs3で戦っていますが、一方で10年前のユーザーさんは、ルリグは1種類でアーツがある。まったく違うシステムなんです。この時点で矛盾していて、それを「WIXOSS」のバトルの中でどうまとめていけばいいんだという問題がまずありました。
いろいろと考えた結果、各々のユーザーさんが「selectorバトルスタイル・DIVAバトルスタイル・MIXスタイル」という3つのバトルスタイルから選べるようにしようということが決まりましたが、現実的にそれをどう落とし込んでいくのか、バランスや整合性、ルーリングなどを試行錯誤して何度もテストプレイを重ねていきました。そこが一番大変だった部分ですね。
開発を続ける中で、WIXOSS制作陣の中にも元プレーヤーである昔「WIXOSS」をやっていたメンバーが結構いて、そういった方たちにもヒアリングしていく中でアーツの復活などのアイデアを得ました。
富田 ラビカちゃんにも先ほど実際に遊んでもらいましたが、細かいシステムは違いますが異なるバトルスタイルでもしっかりとバトルが楽しめるようになっているかと思います。なので、昔遊んでた方も、現役で遊んでいる方も、これから始める方もいろんな角度から楽しめるように設計していますね。
ラビカ ちなみに、10年前のカードってデッキに混ぜて使えるの? ラビカ、イベントとかも結構行ってたから当時のカードに思い入れあるんだけど……。
富田 もちろん遊べますが、デッキのフォーマットが複数あるので、使いたいカードがどのフォーマットで使用できるか確認しながら遊んでもらえればと思います。「キーセレクション」と「オールスター」というフォーマットであれば昔のカードと混ぜて遊んでも大丈夫です。
ラビカ よかったー、安心しました! それと、現行のユーザーさんにとって対戦環境の変化ってどんな影響があると思う?
金澤 デッキの自由度が上がり、より自分の好きな戦略、より自分の好きなコンセプトで戦えるようになりました。
皆さんでぜひ自分だけのオリジナルデッキ作りを楽しんでいただけたらと思っています。
富田 「WIXOSS」の特徴として、カードのキャラクターが好きだから遊ぶというユーザーさんもいれば、真剣勝負の競技にこだわるユーザーさんもいて、結構多岐に渡っています。そのため、自分の遊ぶスタイルによって、特徴を一点突破で尖らせたり、好きなキャラクターだけでまとめたり、選択肢がすごく広がったというのは今回の商品が加わったことによる影響なのではないかと思っています。
清水 最推しルリグ1人で行くのも良し、最推しルリグの横に推しルリグ2人を並べるも良しといったような遊び方もできます。
富田 「DIVA」シーズンが始まってから、ルリグのキャラクターがシグニになったカードも多数登場していますので、やろうと思えば本当に自分の推しだけを固めてデッキを組むこともできますね。
ラビカ 「WIXOSS」って、かわいい美少女のキャラクターがたくさんいるっていうのも特徴だもんね!
山口 カードはほぼすべてが美少女のイラストというのは、10年前から貫いているコンセプトでもあります。
富田 推しキャラクターを使う最たる例が、「WIXOSS」のイベントである日本一決定戦「夢限少女杯」だと思いますね。他のTCGの大会では、例えば賞金があったり、希少性の高いカードを賞品にしていたりしますが、「WIXOSS」では日本一になると自分の好きなキャラと一緒に美少女化したカードを贈呈する、ということを行っています。
ラビカ ……え?
富田 結構な強豪プレイヤーさんが山口に「美少女化したいですか?」って聞かれて「はい、美少女化したいです!」って答えるシーンがあったりとかします。
ラビカ ある意味、原作再現なのかな……? ちなみに、10周年ということで今年はいろんなイベントがあると思うんだけど、どんなイベントを企画してるの?
富田 10周年ということで、10年間愛してくれている方にも楽しんでいただけることを意識したイベント作りを行っています。ポイントとして、真剣勝負の場もカジュアルに楽しむ場も両方準備して、日本だけでなく世界中の皆さんに楽しんでいただきたいという気持ちで運営しています。
真剣勝負の場としては、今年も一番を決める大会を行います。今年は初めて北米圏、ヨーロッパ圏、アジアを含めた、まさに世界一のセレクターを決める大会を来年の2月に行います。
一方でカジュアルな場としては、先日行われた「WIXOSS10th超前夜祭」のように大きな会場でフリー対戦を楽しめるような場を設けていきます。また、TCGの場ではなく、コミックマーケットのような「WIXOSS」を通じた創作の場を提供する「ユーザー出展」というものを実施しますので、そちらも準備を進めています。
そして、4/28に行われたイベント「WIXOSS ~10th GROW!~超10周年祭」の一番の目玉企画は「超思い出せ!FAR百人一首」でした。
ラビカ ……え? 百人一首って、あの百人一首?
富田 はい、あの百人一首です。百人一首を全力で行いました。我々は至って真面目です。
ラビカ ちょっと、ちょっと詳しく説明してもらってもいい……?
富田 今回のシリーズから、初めて「FAR(フルアートレア)」というレアリティを設けました。TCGってカードに書かれているパラメータやテキストを元に戦うと思うんですが、僕たちは素敵なイラストを前面に押し出したいという気持ちが先行し過ぎまして、テキストを消すという結論に至りました。結果として、すごくコレクショナブルなカードができあがりました。
ラビカ ちょっと何言ってるかわかんないなぁ。
富田 そして「WIXOSS」大好きなユーザーさんだったらきっとカードのイラストを見ただけで脳内にテキストが思い出されるんだろうなということを信じた上で、今回の百人一首イベントを企画してました。まず、FARのカードを置きます。そして、ゲームマスターが元カードのテキストを読み上げます。そうしたら参加者の方は「あっ、これタマのレベル4ルリグのテキストだ!」ってなるはずなので、そうしたらタマのカードを取ってもらいます。
ラビカ 参加者の理解度に依存し過ぎている……!
富田 私たち、とても真面目に会議をしまして。どうやったらこのFARの魅力を伝えられるのだろうかと試行錯誤した結果、行きついたところが百人一首でした。当日は会場にちゃんと畳も敷きましたし、本線の前には予選もあります。
山口が作ってくれた「WIXOSS」の楽しみ方を10年間貫くにあたって、こういった企画をずっと継続して行っています。「WIXOSS」の10周年をみんなで楽しんでもらえればいいと思っています。
山口 アニメのお話が暗かったので、イベント自体は明るい方がいいだろうと思って差別化した部分でもありますね。
ラビカ そういえば、10年前にラビカが参加したイベントでもカラオケ大会やってたりしてたっけ……。
山口 懐かしいですね。ユーザーさんの歌をバックにプレイヤーさんたちがバトルするイベントでしたね。TCGってわりと敷居が高いので、アニメのようなTCG以外から入ってきたユーザーさんが楽しめるイベントがあった方がいいと思っています。
ラビカ なるほどねぇー。ちなみに、「WIXOSS」では新規ユーザーを増やすために、ほかにはどんなことをしてるの?
富田 新規という意味では、やはり「WIXOSS」というコンテンツを改めて知ってもらいたいという思いがありますので、タカラトミーのYoutubeチャンネルにてアニメ『selector infected WIXOSS』と『selector spread WIXOSS』の期間限定の無料配信を行います。10年前に話題になったアニメを見ていただいて、TCGのほうにも興味を持っていただければと思っています。
また、清水の方で遊び方動画も作っていまして、そちらではアニメ版の声優さんにも声をあてていただいていますのでそちらを見ていただいて遊び方を知ってもらえればとも思っています。
初心者向けイベントとしては、大型イベントやカードショップで行われるビギナー向けイベントなどでティーチングコーナーを設けています。ひとつ特徴的なのが、講師として私たち制作側のスタッフだけでなく、一般のユーザーからも講師を募集してボランティアとして手伝ってもらっています。これは「WIXOSS」の文化として山口が作り上げたものですので、ずっと継承しています。
山口 現在ではSNSなどでメディアとお客様が関わる機会が多くなりましたが、昔はあまりありませんでした。その時、単純に消費する、プレイするという所からコアユーザーになるための条件のひとつに、発信側になるという要素もあるのではないかと考えました。そのための場をたくさん用意したという形になっています。
ラビカ じゃあ最後の質問! TCG業界全体がさらに新規ユーザーを増やして、さらに盛り上がっていくために大事なことって何だと思う?
山口 近年、新規ユーザーは増加傾向にあると思っています。いわゆる親世代だけでなく、お子さんも中学生くらいになってリテラシーが広がり、親子2世代でTCGを遊ぶようになったのも大きいのではないでしょうか。昔はどうしてもTCGは一部のマニアのやるものという印象がありましたが、一般化してきた現状から言えばテレビゲームと同じ感覚でプレイしている方も多いのではないかと思います。
長く続ければ続けるほどコンテンツと一緒にユーザーさんも成長していくという部分もありますので、「WIXOSS」というコンテンツは「大人の遊び場」みたいな形で、みんなで一緒に楽しくやっていこうよという思いはありますね。
富田 原点に戻れば、「遊び」なのではないかと思います。私たちメーカーとしては、皆さんに楽しんでいただける場を提供することが、最終的にカード市場全体が楽しく健全に成長していくことに繋がっていくと思っていますね。
新たに始めるにあたって「ルールを覚えるのが難しい」という声を聞くこともありますが、極端な話、最初ってそんなにルール通りにやらなくてもいいのではないかと思うところはあります。プレイを重ねていくうちに段々と習熟していって、楽しみを見出していっていただければいいんですよね。最初から厳密にやろうとすると窮屈になってしまいますので、まずはコレクションからでもいいですし、遊び方を限定せずに楽しんでいただきたいという気持ちがあります。
ラビカ なるほど、TCGは「遊び」こそが魅力ってことなんだね。それじゃあ、最後にユーザーの皆さんにコメントをどうぞ!
山口 「WIXOSS」は、TCGだからといってとっつきづらいということはないと思っています。「WIXOSS」は昔からプレイしてるユーザーさんが多いコンテンツですので、初心者が今から始めたいと言ったら教えてくれる先輩方がいっぱい居ます。ぜひ臆せずに始めていただけると嬉しいなと思います。
富田 「WIXOSS」は今回「selector」10周年なので、まずはぜひアニメ「selector」シリーズをYoutubeの配信でご覧いただければと思います。そこでキャラクターの魅力に興味を持っていただけたら、実際にTCGを手に取ってもらいルリグたちと一緒に楽しんでもらえればなと思います。
金澤 10周年ということですが、あまり肩肘を張らずに新しい構築済みデッキの中から見た目で気に入った物でもいいので手軽にお手に取っていただければと思っています。
清水 「WIXOSS」はとても暖かいコンテンツで、「WIXOSS」ユーザーの皆さんは初心者の方をとてもやさしく、新規の方を「WIXOSS」沼にはめたがっています。ぜひ沼に沈みに来てください。
(取材・文/吉田海、イラスト/愛來あゆ)
プレゼントキャンペーン概要
「WIXOSS」構築済みデッキ5種&拡張パックのセットを、抽選で3名様にプレゼント!
「WIXOSS」取材を記念して、構築済みデッキ5種&拡張パックのセットを抽選で3名様にプレゼント!
<応募要項>
・応募期間:2024年4月26日(金)~2024年5月3日(金)23:59
・当選人数:3名
・当選発表:賞品の発送をもって発表にかえさせていただきます
・賞品発送:順次発送予定
・応募方法:以下の専用応募フォームにて受付
<注意事項>
・応募には会員登録(無料)が必要です。
・応募はひとり1回に限らせていただきます。
・抽選結果・発送状況に関するお問い合わせには応じられません。
・当選された賞品もしくは権利を第三者に譲渡・転売することを禁じます。
・カカクコムグループ社員、および関係者は参加できません。
・賞品の発送は国内に限らせていただきます。
・梱包には細心の注意を払いますが、万が一運送中の事故により破損等した場合でも、返品・交換等は受け付けられませんので、あらかじめご了承ください。
・下記の場合は、当選を無効とさせていただきますので、ご注意ください。
同一住所または同一世帯で複数回ご当選されている場合
不正なアカウント(同一人物の複数アカウントなど)を利用して応募した場合
ご当選者の住所、転居先不明・長期不在などにより、賞品をお届けできない場合
ご登録いただいたご連絡先・ お届け先情報の不備により、賞品がお届けできない場合
賞品お届け先ご連絡締切日までに、ご連絡いただけなかった場合
ご応募に関して不正な行為があった場合
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