【本日発売】「ステラーブレイド」レビュー!自由な探索、TPSや謎解きなど楽しめるアクションアドベンチャー

2024年4月26日より発売となった「ステラーブレイド」。本作は、異形の化け物に支配された地球を解放するべく、地上へと降り立った主人公・イブの戦いを描くアクションアドベンチャーだ。本稿では、本作のレビューをお届けしよう。

人類を救うため、空挺部隊員のイブは地球に降り立つ


舞台となるのは遥か未来の地球。「ネイティブ」と呼ばれる化け物たちによって地上を占領されてしまい、生き残ったわずかな人類は、宇宙コロニーへの撤退を余儀なくされていた。主人公のイブは、地球にはびこるネイティブを一掃して人類を救うべく、空挺部隊員のひとりとして降下作戦に身を投じる。というのが本作のあらすじだ。

ゲーム中に訪れる場所のほとんどは荒廃し、「ザイオン」と呼ばれる一部の拠点を除いて生きている人はほぼおらず、遺体が散乱しているというありさまだ。地上を支配しているネイティブという化け物は、臓器のようなものが体から飛び出し、人間やほかの生物の部位をつぎはぎしたような不気味な見た目をしていて、イブたち人類側とはかけ離れた容姿である。こちらの常識がまるで通用しない、未知の生物だというのがひと目でわかるので、プレイ中は文明の発達した社会や、便利で安全な暮らしはこいつらに奪われ、もう戻ってこないという絶望感が強く感じられた。

ストーリーでは、本作の世界そのものが大きな謎となる。ステージを攻略していくと「最終戦争」などの重要な単語が多く登場し、ネイティブが支配する前の地球の状況や、ネイティブたちの正体を始め、さまざまな疑問が浮かび上がる。先の気になる展開の連続で、大小さまざまな謎が牽引力となり、プレイヤー側を引っ張っていく。本作は寄り道要素として多くのサブクエストがあるが、とくにやり込む予定がないのなら立ち寄る場所はあまりなく、メインのストーリーをテンポよく進められるだろう。

とはいえ、可能ならサブクエストもこなしていきたいところ。地上に残された人類の拠点であるザイオンでは、掲示板を通して多くの依頼が舞い込んでくる。特定の場所に行って物資を見つける、行方不明の人を見つける、あるいは提示された数字から問題を解くなど、バリエーションは多い。

メニュー画面のデータベース内にある人物からの依頼をこなすと、その相手とのやり取りやその後の顛末(てんまつ)が対象の新たな記録として追加され、情報を補ってくれるのもポイントだ。プレイヤーが助けたという証しになるのと同時に、依頼人への愛着も湧いてくる。

サブクエストの報酬は内容によって変わるが、基本的には後述のスキルを覚えるための経験値や装備を強化するために必要な素材が得られる。なかにはイブが覚えられるスキルそのものや作中で利用できる機能を増やす報酬もあるため、サブクエストを攻略するメリットはなにかと多い。

TPSや謎解きなど、ストーリーを追うかたわらでさまざまな要素のステージやギミックを楽しめる

本作は基本的に1本道。資材が詰まったコンテナやデータを持った遺体がある分かれ道などはあるが、進むべきルートはあらかじめ決まっている。デュアルショックのタッチパッドを押すと、イブに同行しているドローンが周囲を分析して地形や目的地への方角を示してくれるので、とくに迷うことはなさそうだ。

パスワードが必要な箱も。パスワードは基本的に同じフィールドのどこかにある

1本道とはいえ、本作のフィールドは種類が多い。物語冒頭の廃墟だけでなく、植物もろくに生えていない広大な荒野や、薄暗い地下施設など、プレイヤーはさまざまな場所を訪れる。

景色や構造が大きく変わるのもうれしいが、攻略の方法自体が変化するパターンもある。先述の荒野はちょっとしたオープンワールドのようにも思えるほどに広く、巨大な塔や打ち捨てられたコンテナ船、スクラップが集められた広場などフィールド内の施設を自由に探索可能だ。

いっぽうで、照明もほとんどない地下を進みながら、遠距離武器のみでネイティブたちと戦うという、シューティング系のサバイバルホラーのような展開があったり、クレーンを操作して足場を作る、機材を動かしてレーザーを目的地の場所に誘導したりといった謎解きも随所にある。

ネイティブと戦うアクション要素が本作の軸ではあるが、フィールドを探索するアドベンチャー要素にも力が入っているため、新たな要素がつぎつぎと出てくるのでプレイヤーが飽きる暇もない。アドベンチャーゲームとしてもなかなかのクオリティだ。

パリィを駆使して戦う緊迫のバトル

イブのアクションでは、出が早い弱攻撃と、動きは少し遅いが威力の高い強攻撃が基本となる。弱攻撃2回→強攻撃、強攻撃→弱攻撃など、2種の攻撃でコンボをつなげていく。

ザコ敵ならコンボ攻撃だけでも倒せるが、場合によってはダメージなどお構いなしに反撃してくるタイプもいる。そうした敵には防御で対処するのも悪くないが、「ジャストパリィ」というアクションをお勧めしたい。相手が攻撃をくり出す直前にL1を押すことで、通常ならガードになる動作が「ジャストパリィ」となり、敵の攻撃をはじくことができるようになる。

攻撃をはじかれた敵は「バランス」にダメージが入り、これがゼロになると大きく体勢を崩し、プレイヤーは致命傷を与える大技がくり出せるようになる。さらに攻撃系スキルを発動させるために必要な「ベータエネルギー」も回復。ジャストパリィを使いこなせば、敵の攻撃を無傷で受け流せるだけでなく、スキルを使った反撃にもつながる。相手の攻撃をジャストパリィで連続にさばき、スキルで反撃したときの爽快感は格別だ。

ほかにも、敵の攻撃をギリギリで避ける「ジャスト回避」、特定の攻撃に対してカウンターを叩き込む「ブリンク」など、敵の攻撃への対抗手段が豊富に用意されているため、これらを使いこなせば絶え間なく攻めることもできる。

ただし、本作は敵から受けるダメージが総じて多い。そこらの路上にいるザコ敵のちょっとした攻撃もバカにできない。ボスともなれば一挙手一投足が致命的になる場合もあり、間違ったタイミングで攻撃、防御、回避、カウンターをくり出すと一瞬で窮地に追い込まれてしまう。

ゲームオーバーの画面

ジャストパリィの強さはすでに説明したとおりだが、決して無敵の技というわけでもない。ジャストパリィに失敗すると相手の攻撃をモロに受けるため、下手をすればそのまま死んでしまう可能性も。成功時の恩恵は大きいがリスクも無視できない、ハイリスク・ハイリターンなシステムだ。


ジャストパリィは本作ではほぼ必須と言っていいくらいに重要なシステムなので、拠点を見つけたら近くの敵と戦い、パリィの感覚をつかんでおくといいだろう。拠点で休息を取ると、通常のネイティブは必ず復活するので、これを利用すればいくらでも実戦での練習ができる。

挑んでは死ぬをくり返す、いわば「死にゲー」に近い難易度が高めのバランスにはなっているが、リトライ時のペナルティは少ない。何度も死ぬことになるであろうボス戦の手前には回復のための拠点が必ずあるし、ゲームオーバーになってもそこからやり直せる。また、それまでに得た経験値を失うといったマイナス要素もないので、気兼ねなく死ねるのはありがたいところだ。

スキルを習得したり装備を付け替えたりしてイブを強化

試行錯誤こそが本作における上達への近道だが、スキルを使えばプレイヤーの一部能力を底上げできる。スキルは「ベータ」や「サバイバル」といった種類別にわけられており、ベータスキルやジャストパリィの強化を始め、主に戦闘で便利なものがそろっている。とくにジャストパリィは本作の根幹に関わる要素なので、関連するスキルは優先して習得したいところ。

スキル習得画面からは「トレーニング」も利用できる。こちらでは敵を相手に好きなだけ技を試せる。ジャストパリィの練習をこちらで済ませるのもできる

スキルを習得するために必要なSPは、敵を倒したりクエストをこなしたりすることで手に入る経験値が一定に達するとひとつたまる。とくにクエストで得られる量はなかなかで、今回のレビューではひとつのクエストを達成しただけでSPが一気に3、4ほどもらえるときもあった。世界観への理解や物語への没入感を高めるだけでなく、SPを増やすためにも人々からの依頼は積極的に受けるといい。

スキル設定は、各地にある拠点のなかでのみ行える

ほかにも、装備するとイブの性能が大きく変化する「エグゾスパイン」や、細かくステータスをカスタマイズできる「ギア」もあり、組み合わせ次第で攻撃重視、防御重視などを決められる。高難易度の本作においてイブの強化は重要なので、こちらも手に入れたらどんどん利用しよう。

エグゾスパインなどの強化素材は、敵を倒したりコンテナから入手したり、ショップで買ったりもできる

過酷な世界観でくり広げる戦いやストーリー、一撃が致命傷になりうるなかでパリィを中心とした技でしのぎ、反撃するバトル、場所やシチュエーションが頻繁に変化することでプレイヤーを飽きさせないプレイ体験など、本作はアクションアドベンチャーとして非常に練り込まれている。アクションの腕に覚えがある、あるいはやり応えのあるアクションゲームを遊んでみたいという人は、ぜひ触れてみてほしい。

  • 【タイトル情報】
  • ■Stellar Blade
  • 対応機種:PS5
  • 価格:8980円(税込)
  • メーカー: ソニー・インタラクティブエンタテインメント
  • ジャンル:アクションアドベンチャー
  • https://www.playstation.com/ja-jp/games/stellar-blade/

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