ASUS最新ゲーミングスマホ「ROG Phone 8」をゲームライターがレビュー!優れたゲーミング性能にカメラ機能なども加わり、より優秀で便利に
2024年5月17日発売のゲーミングスマホ「ROG Phone 8」(以下、8)。本機はASUSが手がけるゲーミングスマホ「ROG Phone」シリーズの最新作に当たる。
販売を予定しているモデルのバリエーションは、以下のとおりだ。
■ROG Phone 8のモデル一覧
●ROG Phone 8※本体カラー:レベルグレー/ファントムブラック
・メモリ:16GB/ストレージ:256GB……159,800円(税込)
●ROG Phone 8 Pro※本体カラー:ファントムブラック
・メモリ:16GB/ストレージ:512GB……179,800円(税込)
●ROG Phone 8 Pro Edition※本体カラー:ファントムブラック
・メモリ:24GB/ストレージ:1TB……219,800円(税込)
基本的には、メモリとストレージの容量によってモデルが区別されている。通常モデルとProモデルは、性能面でいえばストレージの容量が違うのみ。一方のPro Editionは、メモリが24GBでストレージが1TBと、ゲーミングスマホとしては最上級のスペックを誇る。
本稿では、そんな本機のサンプル版を触れたうえでのレビューをお届けしよう。性能面での特徴や長所に加えて、大型タイトルの動作具合などもお伝えしていく。
ゲーミング性能に優れたハイスペックスマートフォン
以前のモデルに当たる「ROG Phone 7」(以下、7)と同様、本機もゲーミング向けに特化している。まずグラフィック系については、画面サイズが6.78インチで、解像度はフルHD+(2400×1080)。有機ELディスプレイを採用しているほか、リフレッシュレートは可変で1~120Hzまで、最大なら165Hzまで出力可能。6.78インチの大画面を滑らかに表現できるため、FPSのような動きの激しいゲームでも視認性は良好だ。
「SoC」には、ハイエンドのスマートフォン向けである「Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3」を採用。SoCとは「System on a Chip」の略で、各種動作を処理するCPU、グラフィックの描写能力に関わるGPUなど、機器の主要な機能を集約させたチップを指す。「Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3」は、先代の「Qualcomm Snapdragon 8 Gen 2」と比べてCPUを30%、GPUを25%高速化。より複雑で負荷の高いゲームにも対応できるようになった。
個人的に印象的だったのは外観。USB Type-Cの端子が、本機の底部と左側面にひとつずつ配置されている。縦に持つ際は底部を、横に持つときは左側面の挿入部を利用すれば、充電しながらゲームを遊んでもケーブルが邪魔になることはない。
ちなみに画面サイズは「7」と同じだが、「8」のほうが外観はスリムで重量も軽い。「7」は縦173mm、横幅77mm、奥行10.3mm、重さが239gだったが、「8」はそれぞれ163,8mm、76.8mm、8.9mm、225g。ゲーミング系のスマホはサイズの大きいタイプが多いが、その分重量が増す傾向にあるので、少しでも扱いやすさが増すのはうれしいところだろう。
さらに、「ROG Phone」シリーズではおなじみの機能も詰め込まれている。角を押し込むことで画面内のタップ操作を間接的に行う「AirTrigger」や、本体の各種設定をいじったり、稼働中のパフォーマンス状況をリアルタイムで確認できたりする「GAME GENIE」はゲーマーにはありがたいところ。
プロセッサーを先代の「Qualcomm Snapdragon 8 Gen 2」から「Qualcomm Snapdragon 8 Gen 3」に変更したことによる性能のさらなる向上、外観のスリム化、そして「ROG Phone」シリーズではおなじみの「AirTrigger」や「GAME GENIE」といった機能も合わさり、「8」はゲーミングスマホとしてより洗練された感がある。
「原神」、「崩壊:スターレイル」、「Call of Duty: Warzone Mobile」を遊んでみた
ここからは、「8」で実際にゲームを遊んだうえでの感想を書いていく。サンプルには、「原神」、「崩壊:スターレイル」、「Call of Duty: Warzone Mobile」を選んだ。
原神
まずは「原神」。本作は中国のゲームメーカー・miHoYoが手がけるアクションゲーム。戦いの最中に生き別れとなった兄妹の行方を追って、プレイヤーはテイワットという世界を冒険する。本作はオープンワールドタイプのゲームであり、途方もない広さのフィールドを自由に動き回れるのが魅力だ。
画質設定は「最高」にしつつ、フレームレートは30から60に変更。フィールドを探索したり敵と戦ったり、水中を泳ぎ回ったりと、負荷のかかりそうなアクションをひと通り試したが、フレームレートは終始ほぼ60を維持していた。
処理落ちが発生したのはゲームを始めて直後の数秒くらいで、あとは動作も安定。「原神」はソーシャルゲームのなかでもかなり負荷が高いタイトルなので、このレベルが快適に動くならほかのアプリはほとんど問題なく遊べそうだ。
崩壊:スターレイル
つぎは「崩壊:スターレイル」。「原神」と同じくmiHoYoが開発したゲームで、「星核」と呼ばれる物質を埋め込まれた主人公が、宇宙を開拓する「星穹列車」の一員として銀河を冒険するRPGだ。バトルがアクションである「原神」とは異なり、こちらは敵味方が決まった順番で戦うターン制を採用している。
画質設定は「最高」、フレームレートは上限の60にしてプレイ。バトルスピードを上げる機能などを利用して効率よくバトルをこなしていったが、フレームレートは60を維持。本作はカメラワークやエフェクトも凝っており、そちらの負荷もそれなりのはずだが、プレイへの影響は感じられなかったほか、ボタン入力の遅延もない。「原神」のときと同じく快適だった。
Call of Duty: Warzone Mobile
最後にプレイしたのは「Call of Duty: Warzone Mobile」。2022年から配信されている「Call of Duty: Warzone 2.0」のスマホ版ともいえる作品で、多数のプレイヤーがひとつのフィールドに降り立ち、武器などの各種装備品を現地調達しつつ、最後のひとりになるまで戦うというバトルロイヤルものだ。バトルロイヤルモードにも、ひとりで戦う「ソロ」をはじめとする複数のルールがあるほか、「チームデスマッチ」や「ドミネーション」が楽しめる「マルチプレイ」モードも搭載。無料タイトルながら、バトルロイヤルとマルチプレイが遊べるお得なタイトルだ。
画質は「高」、フレームレートは「上限なし」を選び、その状態でバトルロイヤルモードを1時間ほど遊んでみた。結果、フレームレートは40~60前後で推移した。広大なフィールドを舞台にしていること、実写さながらのリアルなグラフィックで描写されているためなのか、本機にもそれなりの負荷がかかっているようだった。
とはいえ、少なくとも今回のレビューでは処理落ちは確認されなかった。また、AirTrigger機能もあって操作感はとても良好。狙って撃つという動きを、疑似的とはいえボタン操作で行えるのは、「8」を始め「ROG Phone」シリーズの大きな強みといえる。
40度前後で推移できる排熱機能は非常に優秀
今回、3つのタイトルを遊んだうえで印象的だったのが、「ROG Phone 8」の優秀な排熱能力だ。GAME GENIEの機能でパフォーマンスを確認した限りでは、どのゲームでもプレイ中の内部温度は40前後を維持。熱源である本機中央部のプロセッサー付近に直接触れても問題ないレベルだった。
公式アナウンスによると、「GameCool 8」と「360° SoC Cooling System Gen 2」という冷却機構を導入した「8」は、「7」よりも熱効率が22%上昇しているらしい。また、横向きにして使う場合、プレイヤーの両手は本体の「上下」を握る形になるため、中央部に触れることはほとんどなく、指越しに実感できる熱は実際よりもさらに低い。3つのタイトルは連続してプレイしたのだが、内部の温度に関してはまったく気にならなかった。
AirTriggerをはじめとする従来の機能はそのままに、「8」は新たなプロセッサーや冷却システムを搭載している。さらにカメラ機能などにも手が加わったことで、それまでゲーミング特化だった「ROG Phone」シリーズにさらなる利便性を実現。「7」の後継機として、じゅうぶんな進化を遂げたと言える。より快適にハイスペックを要求するソーシャルゲームが遊びたい人、ゲームも普段使いも満喫できる高品質なスマートフォンが欲しいという人には自信を持ってオススメできるゲーミングスマホだ。
活動歴約10年のフリーライター。専門学校を出た後、大手のゲーム雑誌の記事作成や編集プロダクションの攻略本作成などを経験。週刊誌での長期連載やプレスリリースのリライトも経て、最近はアキバ総研などのウェブ系でも執筆を始める。 基本的に雑食で、RPGからアクション、シミュレーションやFPSまでなんでもやる。
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