Steam新作ゲーム6月オススメ3選!ダンジョン系からバニーガール、夜のプール脱出ゲームまで

アキバ総研をご覧の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。ゲーム買い過ぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。待ちに待ったゴールデンウイークも瞬く間に過ぎ去ってしまい、いよいよ2024年も折り返しの6月。暑かったり雨だったりで、なんとなくやる気が出ないという方も多いかもしれませんが、今回はそんな皆さまの気分転換にオススメしたい新作タイトルを、4月~5月発売の中から厳選してご紹介していきたいと思います。

Steam新作オススメゲーム

不思議のダンジョン入門にもオススメ!1,「東方Project」キャラが活躍するダンジョン探索RPG「不思議の幻想郷 -FORESIGHT-」


皆さま、いわゆる「不思議のダンジョン」系のRPGはお好きでしょうか? 
「風来のシレン」などに代表されるこのジャンル、ハマるとどっぷりハマりますが慣れるまでちょっと時間がかかるもの。ご紹介する「不思議の幻想郷 -FORESIGHT-」は、そんなダンジョンRPG系のタイトルの中でも遊びやすさに突出した作品です。

本作は、「上海アリス幻樂団」制作の弾幕シューティングゲームを中心とする作品群「東方Project」を題材にしたダンジョン探索RPGです。
「東方Project」の二次創作作品という立ち位置である本作には、博麗霊夢(はくれい れいむ)や霧雨魔理沙(きりさめ まりさ)といったおなじみのキャラクターが多数登場するため、「東方Project」の知識があればより深く楽しむことができますが、原作に詳しくない方でも問題なく遊べる作りとなっているのでその点はご安心ください。

まずは、本作の物語からご紹介しましょう。

主人公は、幻想郷と外の世界の境にある博麗神社に住む巫女・博麗霊夢。あるとき、彼女は何者かとの戦いに敗れて気を失ってしまいます。目が覚めると、そこはいつもの博麗神社。自分が何をしていたのか何も思い出せない霊夢は、友人の霧雨魔理沙と共に、異変解決へと向かいます。はたして霊夢は、何者かの手から幻想郷を救うことができるのでしょうか……?

強大な敵とのバトルといういきなりのクライマックス、記憶喪失、発生する異変と、なにやら謎の多い物語となっており、思わず先が気になってしまうこと間違いなしの導入部となっています。セリフにはしっかりとボイスがついていて、物語をにぎやかに彩ってくれるのもうれしいポイントです。

ゲームは、見下ろし型視点の2Dスタイルとなっています。プレイヤーの目的は、敵を倒したりアイテムや装備品を発見したりしながら、入るたびに構造が変化するダンジョンを踏破すること。行動はターン制となっており、プレイヤーが行動すると、次にダンジョン内の敵たちが行動し、またプレイヤーが行動して……というのを繰り返していきます。
また、プレイヤーにはHP以外に、ターン経過で減っていく「満腹度」というパラメーターがあり、空腹になる前に食べ物系のアイテムを食べる必要があります。

このあたりのシステムやプレイ感は、総じて「不思議のダンジョン」系タイトルとしてはオーソドックスな作りとなっており、同ジャンルを遊んだことがある方はもちろん、未プレイという方でもすんなりと入っていける遊びやすさです。

そんな本作ならではの特徴はいったい何かというと、それはずばり「遊びやすさ」です。
ダンジョン探索RPGを知らないユーザーも気軽に楽しく遊べる“ローグライト”を追求したという本作には、遊びやすく快適なシステムが盛りだくさん。たとえばダンジョンの途中でやられて、出発地点である博麗神社に戻されてしまったとき、ストーリーダンジョン内では所持しているアイテムや現在のレベルが失われることなく継続されます。

さらに、すでに通過した特定地点までファストトラベルで移動することも可能。このシステムによって、ダンジョン探索RPGやローグライト初心者のプレイヤーでも安心して楽しむことができるのです。とはいえ、罠や空腹で一気にピンチにおちいったり、手に汗握る強力なボス戦があったりと、不思議のダンジョン系ならではの緊張感もしっかりと作り込まれているので、初心者にも安心でありながらゲームとしての遊びごたえが損なわれていない点は大きな特徴といえるでしょう。

遊びやすさだけではなく、本作にはやりこめる要素もたっぷりあります。そのひとつが「ボード」。これは異変を解決したりキャラクターの悩みを解決したりといった、幻想郷の住人との出会いに応じて獲得できる、いわゆるスキルツリーのようなもので、基礎ステータスを底上げしたりとキャラクターの強化をできる要素。これにより、遊べば遊ぶほどどんどん強くなっていくので、攻略の手助けになってくれます。

ほかにも、ボロボロになった博麗神社で建物や設備に投資して復興させていき、旅の利便性をアップさせていく拠点要素もあり、こちらもガッツリやりこめるものになっています。さらに最新のアップデート(ver1.0.5)では、持ち込み不可能の99F古井戸ダンジョンが新たに2種類追加されました。ストーリー後半まで遊んだユーザー向けの、アイテム未識別の高難易度ダンジョンになっておりやりこみ要素も増えています。

遊びやすいシステムあり、やりこみ要素ありの本作ですが、筆者的オススメポイントはずばり同行者の存在。本作では霊夢と共に、パートナーキャラクターをダンジョンにつれて探索することができ、パートナーは「同行」や「応戦」などの指示を設定することで、それに応じて自動的に行動してくれます。攻略がはかどるだけでなく、探索中にボイスつきでしゃべってくれることもあり、ゲームを盛り上げてくれるのも魅力です。



遊びやすさを追求したシステムが多数搭載されており、不思議のダンジョン系RPGの入門編にもぴったりな「不思議の幻想郷 -FORESIGHT-」。「東方Project」ファンはもちろん、「東方Project」に詳しくない方にもぜひ遊んでみていたきたいオススメのRPGです。

  • 「不思議の幻想郷 -FORESIGHT-」(AQUASTYLE, ankaa studio)
  • ジャンル:RPG
  • 発売日:2024年5月15日
  • 価格:4,400円(2024年5月27日現在)

©上海アリス幻樂団 ©Phoenixx Developed by AQUASTYLE × ankaa studio

バニーガールとドキドキの恋を楽しもう!2,妙にリアルでちょっとえっちな恋愛アドベンチャー「バニーガーデン」


バニーガール。……なんともドキドキする魅力的な響きだと思いませんか? というわけで、ご紹介する「バニーガーデン」は、そんなバニーガールが大活躍(?)するタイトルです。



本作は、これまでアキバ総研でも取り上げた「NinNinDays」や「メイド・オブ・ザ・デッド」などを手掛けたqureateによる恋愛アドベンチャー。数々の紳士向け(?)タイトルを世に送り出してきたqureateのタイトルということで、登場する女の子キャラクターのかわいさは折り紙付きです。

というわけで、まずはストーリーをご紹介。
物語は、主人公・乾田杯人(かんだ はいと)が、会社での重大なミスが原因で解雇され絶望に包まれるところから始まります。しょぼくれた表情の杯人でしたが、そんなとき、彼はひとりの女性に声をかけられます。彼女についていくとそこは、バニーガール風の衣装に身を包んだかわいらしい女性たちが接客するお紳士様の憩いの場「バニーガーデン」だったのです。この出会いによって、杯人の人生に変化が訪れるのでした……。



女の子の接客を受けながらお酒を飲んで癒やされる、いわゆるガールズバー風のお店が舞台の恋愛アドベンチャーという一風変わった設定が面白い本作。主人公との物語を織りなすヒロインは全部で3人登場します。

まずは、主人公に最初に声をかけてくれた少女、花奈(かな)。天真爛漫で明るくやさしい性格の彼女は、ある夢をかなえるために父親の反対を押し切って上京したという背景を持っています。ちょっと天然でドジなところもかわいらしいヒロインです。



続いて凜(りん)。お客さんに対して最初からタメ語で話す自由奔放でフレンドリーな彼女は、ちょっと小悪魔なところがあるギャル系のヒロイン。実は見た目に反してアニメやマンガが大好きという一面を持っており、いわゆる「オタクにやさしいギャル」の体現者といったところで、刺さる人にはブッ刺さるタイプなのではないでしょうか。



3人目は美羽香(みうか)。クール系で口数が少ない、ちょっとミステリアス系のヒロインですが、思ったことをズバズバ口に出す性格で、その言葉の刃で主人公の心を切り裂くことも……。こちらも凜とはまた違った角度で、刺さる人にはブッ刺さるタイプのヒロインです。



恋愛アドベンチャーゲームということで、女の子と会話をしながら仲を深めていくのがプレイヤーの目的となりますが、本作はお酒を楽しむ社交場が舞台なので、女の子と会話をするためにはメニューからお酒やおつまみを注文する必要があります。
女の子が好きなお酒やおつまみを注文すると好感度がアップすることがあるほか、ひととおり会話を終えたあとは最大2回まで延長をすることもできますが、注文や延長にはしっかりお金がかかるので残金には注意が必要。無計画に高いお酒をバンバン頼むと、お会計のときにショックを受けることになってしまいます。ちなみに、お金は毎週、定期的に増えますが、会計時に残金が足りないと借金を背負うことになってしまい、さらに借金を返せないままだと大変なことに……。

恋愛を進めるために「お金」が絡んでくるこの妙にリアル(?)なシステムが本作最大の特徴であり、そして唯一無二の面白さになっているのです。



女の子との会話の中では、以前話した内容を覚えているかどうか試される場面も登場。表示されるキーワードを組み合わせて質問に答えます。何気ない会話だと思ってなんとなく読み流していると、いざ質問されたときに間違った答えをしてしまう可能性があるので要注意。「前に話したあれ覚えてる?」「え、聞いてなかったの?」みたいな場面は日常でもあるあるですが、それを恋愛アドベンチャーに落とし込んだ本システムは、非常にリアルでなかなか面白い試みだなと感じました。



女の子と仲良くなると、女の子が酔っ払ってしまって物理的にも精神的にも距離が急接近したり、はたまた女の子からお店が終わったあとのアフター(デート)に誘われることがあったりと、お酒を楽しむ場ならではのドキドキする要素も満載。本作には好感度のパラメーターや数値のようなシステムはなく、ヒロインと親密になってきたという感覚はこういった要素で直感的にプレイヤーが感じられる仕組みになっています。これもまた、本作ならではのリアルかつ面白いポイント。



これまであまたの紳士なタイトルを世に送り出してきたqureateが手掛けた作品ということで、気になるのはやはり紳士な要素の存在。もちろん本作にもいろいろと用意されています。そのひとつが、ヒロインとのお遊び。女の子にポーズをとってもらって撮影するチェキ撮影や、ルーレットの指示通りに女の子が手足を動かすバランスゲームなど、仲良くなった女の子とお店でのミニゲームができることがあります。どのミニゲームも、詳しくは言いませんがなんともお紳士な雰囲気がたっぷりとなっており、ドキドキすること間違いなし。もちろん、お遊びをするにはお金がかかるため、お財布には注意しましょう。



そして、本作最大の衝撃にして醍醐味といえるかもしれないのがPTAシステム。PTA=「パンツ・たくさん・ありがとう」と名付けられたこのシステムは、女の子にお酒を注文したときにその効果が発揮されます。なんと、女の子が注文されたお酒を取るときに、アクシデント的に(!)下着が見えてしまうのです。ちなみに、カメラの移動やズームができたり、下着やストッキングをプレゼントしているとそれをはいてくれていたり、高めのお酒を注文すると位置的に下着がさらによく見える風になっていたりと、さまざまなこだわりが詰め込まれているのもポイント。PTAシステム……すさまじいシステムです。



お酒を楽しむ場を舞台に、リアルな駆け引きの要素やちょっとえっちな要素がふんだんに盛り込まれ、独自性の高いタイトルに仕上げられた「バニーガーデン」。システムや見た目のインパクトが先行してしまいがちな本作ですが、女の子との会話やイベントの種類がとても豊富で、かつていねいに作られており、恋愛ゲームとしての完成度が高い点は大きな魅力です。気になる方はぜひ、バニーガーデンに入店してみてください。ハマりすぎには要注意!

  • 「バニーガーデン」(qureate)
  • ジャンル:アドベンチャー
  • 発売日:2024年4月19日
  • 価格:Steam版3,480円(税込)、Switch版2,980円(税込)(2024年5月27日現在)

(C) 2024 qureate

不気味なプールへようこそ……。3,ビックリ要素やモンスター要素のない不思議な3Dホラーゲーム「POOLS」


夏が近づき、ホラーゲームが恋しい季節となりました。ご紹介するのは、そんな季節にぴったりのちょっと変わったホラーゲーム「POOLS」です。

本作は、その名のとおり「プール」を舞台にした一人称視点の3Dゲーム。とはいえ、ただのプールではなく、プレイヤー以外に誰もいない、静かな無人の室内プールです。本作は、夜の学校や誰もいないお店など、怖い場所ではないのになんとなく不気味さを感じる場所という意味の「リミナルスペース」というミームを題材としたタイトルとなっており、自分以外誰もいないガランとしたプールは、まさにリミナルスペースど真ん中のロケーションとなっています。



ゲームを開始すると、プレイヤーは白いタイルに囲まれた空間で目覚めます。わけもわからないまま、ひとまず歩き回ってみると、そこには手すりに囲まれたプールがあったり、階段や通路があったりと、迷路のように通路同士がつながった広大な室内プールであることが判明。中には先の見えない薄暗い通路もあったり、息が詰まりそうなほど狭い空間もあったりと、なんとも不気味で独特の緊張感がある場面も登場します。さらに、ウォータースライダーがあったり、巨大な穴があったりと、ユニークなロケーションも多数あり、思わず心を奪われます。



本作はホラーゲームでありながら、音や演出でビックリさせるいわゆるジャンプスケア要素や、プレイヤーに襲いかかってくるモンスターやクリーチャーなど、わかりやすいホラー要素はいっさいありません。ではいったい何が怖いホラーゲームなのかというと、それは「ずっとうっすら漂う不気味な雰囲気」や「何かが出てきそうな空間」です。ずばり、これこそが本作最大の特徴。ともすれば迷ってしまいそうになる、延々と続く不気味な室内プール空間を、ひたすら歩き続けるというこの非現実的な体験をどっぷりと味わうのが本作の面白さ!



さらに本作には、体力やスタミナのようなステータス要素もなければ、時間制限もなく、ストーリーやチュートリアルも存在せず、操作やシステムに関する説明文などもありません。また、BGMもなく、聞こえるのは自分の息づかいと足音、水の音や蛍光灯の音、そして時折どこからか響く謎の声(!)などだけです。この、極力余計な要素をそぎ落とし、「不気味な場所を歩き回る」というゲーム性に特化させているのが本作の大きなポイント。リアルで美しいグラフィックとも相まって、本当に自分がこの不思議なプールを探索しているかのような高い没入感を味わえます。



不気味な室内プールを歩き回って探索するホラーゲームという、ほかにはないユニークなコンセプトが魅力的な「POOLS」。複雑な迷路やパズル要素もなく、難しい操作も必要ないので、ゲームを普段あまり遊ばない人でも楽しめる点もポイント。本作が醸し出すこの独特の雰囲気にグッとくるものがあった方は、ぜひ実際に遊んでみていただければと思います。

  • 「POOLS」(Tensori)
  • ジャンル:ウオーキングシミュレーター
  • 2024年4月26日発売
  • 価格:1,250円予定

(C) 2024 Tensori

新作のオススメSteamタイトル、気になるものはあった?


というわけで、Steamのオススメ新作タイトルをご紹介しました。

今回は、ダンジョンRPG、恋愛アドベンチャー、ホラーゲームと、ジャンルが異なるバラエティ豊かな3タイトルをチョイスしてみました。どれも魅力的な作品ばかりとなっていますので、気になるタイトルがあった方はぜひ、チェックしてみてくださいね。

百壁ネロ

百壁ネロ

ゲーム買いすぎちゃう系ライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「轟運探偵の超然たる事件簿 探偵全滅館殺人事件」(星海社)、「ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話」(PHP研究所)など。
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