俺は今、猛烈にプラモを作っているッ!「MODEROIDキングスカッシャー」を声優・泰勇気が徹底レビュー
社会人ともなると忙しい毎日の中で積みプラが増えてしまいがち……。そんなあなたに代わって、ロボット&プラモデル大好き声優の泰勇気がプラモデル製作に挑戦するのが、この連載!
コンセプトは「忙しい社会人でも、週末の休みを使えばここまでできちゃうよ」。ルールは素組みで、1~2日の制作期間の2点のみ! この連載を読めば、きっとあなたの作ってみたいプラモデルと出会えるはずだ。
第92回 MODEROIDキングスカッシャー
1990年から1991年まで放映していた、ギャグあり、シリアスあり、アクションありのアニメ「NG騎士ラムネ&40」より、守護騎士の2体がグッドスマイルカンパニーのプラモデル「MODEROID」シリーズにて復活!
「ラムネ&40」シリーズはTVシリーズのほかにも、OVAの「EX」「DX」、ラジオドラマの「EX2」。さらに2021年に書籍としても発売されたweb小説「FX」などがあります。書籍版「FX」には、特典としてグランスカッシャーやアウトサイダロンという新メカのプラキットが付属しておりました。そちらもレビューさせていただいておりますので、よろしければあわせてご覧ください。
今回は、シリーズの始祖であるTVシリーズの主人公・熱血勇者のラムネス(馬場ラムネ)が駆る黄金の騎士「キングスカッシャー」をご紹介!
TV放映当時も玩具の「Q極変形」シリーズのほかに、プラモデルと食玩のプラキットが発売。その後も各社から可動フィギュアが発売されるなど、意外と立体化の機会に恵まれていましたが、組み立てキットは当時以来の製品化となります。メカスマインパクトでの発表動画を見たときは涙ぐんだことをおぼえています。
それではその感動のキットをご紹介いたしましょう。
パッケージのデザインは、当時発売された玩具「Q極変形」のパッケージを意識しているように感じました。「Q極変形」のパッケージは製品の写真の合成でしたが、「MODEROID」版パッケージはキングスカッシャーとサムライオンの描き下ろしイラストとなります。
「シュパーン!!」
いつもは記事の最後に「素組+ひと手間」をご紹介しておりますが、今回はウェルドラインの目立つ金と銀のメタリック成型のパーツのみ、あらかじめシルバーとゴールドの塗装を施した状態でご紹介させていただきます。それ以外はすべて素組です。
その2色の塗装を施したうえで、ここまでおよそ4時間で完成してしまうほどの組みやすさ!
二の腕と太ももが細く、ほかの部分はボリュームがあるという特徴的なスタイルを完璧に再現。
シールドはジョイントパーツを介して、左肩にのみ装備可能。
両目と肩の赤と緑の丸パーツ、その周辺の黒い部分は塗装済みパーツ。額の緑色のカメラ部分と脇の可動部周辺にある黒い部分は付属のシールによる色分けになっています。
塗装もシールの大きさも、とても精度が高いです。
腰の金色のディスク部分の中央の赤い丸、腰部中央とつま先の黒い帯状の色分けがシールによる色分け。つま先両端の青い丸部分は別パーツによる色分けです。
手首は見栄え重視の握り拳を取り付けてあります。
シールドの金色部分は、本来はシールによる再現。今回は他の金色部分と同じ色で塗り分けています。形状はキットのまま。
可動部をピックアップしてご紹介。頭部はボールジョイント接続ですが、デザインの都合上可動範囲は狭め。それでもポージングにニュアンスを付けられるくらいには動かせます。
つま先の青い部分は、先端を持ち上げたり伸ばしたりすることが可能。
つま先は追従しませんが、踵のブロックは内側に傾けることが可能。このおかげで接地性は良好です。
ボディ側の肩関節には、前方と上方向へのスイング関節を内蔵。肩をいからせたり、腕を大きく前方に持ってくることができます。
二の腕の上部でロール回転。肘は二重関節で、上画像の右腕位置まで曲がります。
横方向の開脚は、左右それぞれ外側におよそ45°可能。太ももの上に、ロール回転軸があります。
シールドはボールジョイントなので、可動のじゃまにはならないようになっています。
股関節の前後開脚範囲はかなり広く、膝も90°ほど曲げられるので片膝立ちのポーズを取らせることもできちゃいます。
付属の武器一覧。左からメイス、剣、ブーメラン。剣の赤い丸はシールです。こちらも青と黄色の部分以外はサッとアイアン、シルバー、ゴールドで塗装してしまいました。
武器持ち手に交換してメイスを装備。「騎士」と言うと剣の印象がありますが、こういった打撃系の武器も意外と似合います。
左手を平手に交換してみました。こういった平手のパーツは指と指の間が埋められて強度を増したりすることがありますが、キングスカッシャーの平手の指の間はすべて分割されており、見た目が非常にいいです。
その代わり、手首を付け替える時に力の加え方を誤ると、破損しやすくなってしまうため、気を付けて手首を交換してください。
もうひとつの武器である剣。武器持ち手首の穴は、剣の柄に合わせた四角形になっているので、剣が手の中で回転してしまうことを防いでいます。
剣にパースはついていませんが、このくらいの迫力のある写真を撮影することができます。
両手持ちさせることもできます。
胴体は、少し上体を反らした状態(……しまった! ダ・サイダーが降臨してしまった……!)で固定することもできます。
上体を反らした状態(ダジャレではなく)で、別売の「THEシンプルスタンド」を使用すれば、こうして大きく剣を振りかぶったポーズも再現可能。
ダ・サイダー「俺を差し置いて面白いダジャレを自然に言ってんじゃねぇ!」
今となってはすっかり親友(悪友?)同士のイメージが強いラムネスとダ・サイダーも、TVシリーズの途中までは敵同士だったんですよね。特に「DX」での「マウンテン・デュー」絡みに関する息のぴったりさ(主に下心)は印象的。
クイーンサイダロンについては、別記事にてご紹介いたします。
シールドを展開し……
ウイングを取り外して、別パーツになっているブーメランを平手に持たせることもできます。
第1話では、一撃で2体のモンスカーを撃破していました。
さて、ここまでは見栄え重視の拳パーツを使用しておりましたが、ここからは変形用の、小ぶりな手首に交換して「サムライオン」への変形をご紹介いたします。
「俺は今、モーレツに熱血してるぅ!」
「チェィンジ! サムライオォォォン‼」
股関節を左右に広げます。
脚部のアーマーを太ももの方へ移動させます。
前腕を展開してサムライオンの前足を出し、キングスカッシャーの手首を収納。
前腕を閉じて、腕の変形は完了。正直言って、ここは差し替え変形かと思っていたのでめっちゃ感動しました!
後頭部のカバーを開いて頭部アンテナを収納。
再びハッチを閉じます。
胸部の装甲を前方へ引き出し、背面のパネルを開きます。
キングスカッシャーの頭部とサムライオンの頭部を、どんでん返しで入れ替えます。
背中のハッチを閉じ……
胸部パネルは、上体を反らした状態で押し込みます。
サムライオンの顔を展開。
サムライオン後頭部のジョイント部を展開。
シールド上方の黄色い部分を、サムライオン形態用のものに差し替えます。
サムライオン後頭部にシールドを接続。ウイングを開いて変形完了!
こちらがサムライオン形態になります。変形はシンプルなようで、大胆なパーツ移動によりシルエットがガラリと変わっています。
尻尾のパーツは細いので、こちらも破損しないように気を付けて取り扱いましょう。
全身の可動部については、基本的にキングスカッシャーに準じます。サムライオン特有の可動部としてはアゴが可動するため、口を開くことができます。
真上から見たところ。キングスカッシャー形態で、肩部を上に持ち上げるスイング機構はサムライオン形態では前方へのスイング可動として使用が可能。
真下から見たところ。実は足裏には、左右に一基ずつロケットノズルのような造形があります。
赤い光に包まれて、敵に突進していく圧倒的な強さは爽快でした。
キングスカッシャーにおける肩の前方向へのスイング機構は、サムライオン形態では下方向へのスライド機構となるのですが、これを利用すると正面から見た時に前足をそろえたポーズにすることも可能。
ちなみに、変形の際に交換したシールドのパーツは、サムライオン用のものを取り付けたままでもキングスカッシャーに装備できます。ただしサムライオン形態への接続ジョイントが見えてしまいます。
完全変形にこだわるか、見栄えにこだわるか、お好きな方を選んで組み立ててください。
最後に、プライベートで製作した当時のキットとのツーショット(向かって左)。メーカーも、作られた時期も、価格も違うのですが、シリーズ開始から30年以上たってもこうして新たな商品が展開されることに感動をおぼえませんか?
今のところ、同時発売となったクイーンサイダロン以外の守護騎士の発売予定ありませんが、セイローム型もシルコーン型もバリエーション展開可能ですし、ブレンドンの合体もかっこよかったので、せめてそのあたりまで展開してもらえたらうれしいな~と思うのですが、メカスマのスタッフの皆さまいかがでしょうか!?
え? 「EX」のキングスカッシャーEX? ねぎし監督が2020年にツイートしていた「EXキングスカッシャー&EXクイーンサイダロン」?
そんな贅沢、言いたくても言いませんよ~(今はまだね……)
【商品情報】
■MODEROID キングスカッシャー
・発売中
・メーカー:グッドスマイルカンパニー
・価格:5,500円 (税込)
・ノンスケール
・全高:頭頂高約125mm
・原型制作:Mr.田(GOD BRAVE STUDIO)
・設計:瑞穂町デザインチーム
「無敵超人ザンボット3」放送開始2日前生まれ。幼少期より玩具(特にロボット)を愛し、小学生からプラモを組むようになる。声優となってからもロボット玩具・プラモ好きは変わらずアキバ総研でライターデビュー。
©ASHI PRODUCTIONS 1990
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