夏アニメ「下の階には澪がいる」坂本真綾(如月澪役)、大久保瑠美(桃井真珠役)、沼倉愛美(三国紗羅役)インタビュー!リアリティのある大学生の恋愛ドラマをアニメで
2024年7月3日(水)よりフジテレビ×bilibiliによるアニメ枠「B8station」にて、アニメ「下の階には澪がいる」が放送スタートする。(※初回は7/3(水)25:40〜放送予定)
本作は、韓国のwebtoon「イドゥナ」を原作とし、中国でアニメ化され6千万再生のヒットを記録した青春ラブストーリーの日本語吹き替え版。主人公である大学生・杉浦陽と3人のヒロイン(如月澪、桃井真珠、三国紗羅)を中心とした青春もようが描かれる。
放送を目前に控え、アキバ総研ではヒロイン3人を演じる坂本真綾さん(如月澪役)、大久保瑠美さん(桃井真珠役)、沼倉愛美さん(三国紗羅役)に集まっていただき、演じるヒロインたちや陽の印象について語っていただいた。
イントロダクション
憧れの先輩・桃井真珠を追いかけて青葉大へ入学した杉浦陽。真珠先輩と過ごす楽しい大学生活を思い描く陽だったが、ある日下宿先の前で、元人気アイドル・如月澪と出会う。彼女は芸能界引退後、陽と同じ下宿先の1階で、人目を避けて暮らしているという。
陽に対し攻撃的な態度をとったかと思えば、今度は「友達になりたい」と接近してくる、謎の多い澪。笑顔で接しながら陽と一定の距離を保とうとする真珠。さらに、合コンで出会った彼氏と別れたばかりだという先輩の三国紗羅。3人のヒロインと陽の青春の結末は…?
キャラクター紹介
■如月澪(CV.坂本真綾)
人気アイドルグループ・ドリームスイートの元メンバー。ある理由から芸能界を引退し、陽と同じ下宿先の1階で、人目を避けて暮らしている。誰もが振り返る美女だが、不安定な部分があり、時に突拍子もない行動に出ることも。
■杉浦陽(CV.河本啓佑)
ごく普通の大学一年生。高校時代から憧れている先輩・真珠を一途に思い続け、彼女を追いかけて同じ青葉大へ入学した。やや優柔不断なところはありつつも、純粋でやさしく、誰からも好かれる。
■桃井真珠(CV.大久保瑠美)
陽の憧れの先輩。明るく人懐っこい性格で、友達も多い。澪ともすぐ仲良くなり、陽と3人で一緒に遊ぶようになる。勉強熱心で、成績もほぼオールA+と優秀だが、ある問題を抱えている。
■三国紗羅(CV.沼倉愛美)
陽が参加した合コンで出会った先輩。青葉大服飾学科の学生で、ファッションにはこだわりがあるが、一見派手な雰囲気とは裏腹に、ピュアな性格の持ち主。失恋したばかりで新しい出会いを探しており、陽のことが気になっている。
澪に見つめられ、知りたいと思ったら……もう終わり!?
――本作は韓国のwebtoonを原作とする青春ラブストーリーで、中国でのアニメ化も人気を博しました。世の中に青春ラブストーリーはあまたありますが、本作の魅力はどこだと感じましたか?
坂本 すごくリアルで生活感のある、普通の大学生の生活ってこんな感じなのかなと思えるドラマだと感じました。ラブストーリーではありますけど、登場人物1人ひとりが人生の課題みたいなものを抱えていて、読者や視聴者は自分と近いキャラクターに共感しながら、彼らの青春を見守れる作品なんです。演出や見せ方で日本のアニメとは少し違うなと思うところも多く、新鮮に見られるのも魅力だと思います。
大久保 韓国ではドラマ化もされていて、主人公の陽くんを演じている河本さんはそちらでも吹き替えされていますからね。日本のライトノベルでも学園ラブストーリーは流行っていますけど、最初に本作の原作漫画を読んだときに、ヒロインたちはそれ(ラノベのヒロイン)よりちょっと大人でリアルな女性だなと感じました。陽くんもちゃんと好きな人がいるところからスタートしていますし、大人になりかけの普通の男性と女性によるラブストーリーを楽しめる作品なのかなと思いました。
沼倉 アニメも、そういうリアリティのある原作をそのまま持ってきている印象がありますね。劇伴も大人っぽい曲が多く、コミカルなシーンでも(テンションを)上げていくような曲よりも、色っぽいものが多いんです。日本にも恋愛アニメはたくさんありますけど、そのあたりはちょっと違う印象を受けました。
――皆さんが演じるヒロイン3人の印象を聞いていきたいと思います。まず、澪に関してはどう感じましたか?
坂本 正直、私にもわからないところがいっぱいあります。“女心”とひと括りにするには特殊な人なので、なにを考えてその行動に出ているのか、見ている人は「???」ってなると思います。でも、そのミステリアスさに惹かれて、どんどんハマってしまうんですよね。
ちょっとあざとかわいい自分をわかっていろいろ行動しているんだろうけど、陽のことが本気で好きでそうしているわけでもない。最初は試しているようでもあり、人付き合いの下手さから、コミュニケーションにおける距離感の取り方が独特な人なのかなって感じます。スキンシップが多すぎるし、陽に対してもかなり気を持たせるような行動する割には、本気の恋愛とは思ってないようなスタートで。若いのにどうしてこんな感じなんだろうと思うんですよね。それって、アイドル活動をしていた時期にいろいろな人と出会い、挫折感を味わったことで心を開けなくなったのかな、と。
――実際にこういう女性って周りにいますか?
坂本 いや、見たことないです(笑)。
大久保 さすがに現実にはいないですよね(笑)。
沼倉 なかなか出会わないですけど、こんなにもまっすぐ見つめられたら、そりゃドキッとするよなって思いますね。紗羅も真珠もちょっと目線をそらす感じなのに、澪はまっすぐ見てきて。そうやって見つめられたら終わりでしょ! って(笑)。
大久保 すごくミステリアスだから、たぶん読者も視聴者も「澪のことを知りたい!」ってなると思いますが、そう思ったらもう終わりなんですよ(笑)。「知りたい!」がずっと続く子なので、それが積もり積もったら「好き」になりますから。これはなかなか抗いがたいですよね。元アイドルってだけでも相当なインパクトですし、魅力的すぎるのも問題だなと思います。
――こういう自然と気を持たせる行動をしちゃう子とか、いそうですけど案外いないのですね。
大久保 実際に学校にいたら、結構ヤバい先輩ですよね(笑)。サークルクラッシャーになりそう。サークルの男の子みんな澪のことが好き……とかありえそうで。
坂本 でも、陽以外の男に対する態度は結構ひどいので(笑)。そういう意味では、誰にでもそうするタイプのあざと系ではないというか。
大久保 確かに。一途だから余計沼にハマりやすい、視聴者も沼にハマっていくんじゃないかなと思います。
沼倉 それに、陽くんが「ちょっと寂しそうな顔をする」と言っていたように、いろんな表情をちょいちょいのぞかせるんですよ。守ってあげなきゃ感みたいなのもあるから、澪からは本当に逃げられないなって思います(笑)。
――ちなみに、女友達として見たらいかがでしょうか。
坂本 女の子同士のときはかわいいですよね。お酒を飲んですぐに打ち解けてくれるし。
大久保 怒ったと思ったら笑っているフリーダムなところがあって、振り回されることはあるかもしれないですけど、適当なわけじゃないから女の子同士は割りと仲良くなれると思います。
沼倉 そうですね。
真珠や紗羅に対する率直な印象は?
――真珠についてはいかがでしょうか? 陽がずっと好きでいた先輩ですけど、陽に対する態度とか心情とか、女性目線から思うところもあるのでは?
坂本 いい子すぎますよね。陽が好きになるのもわかります。
大久保 真珠は陽のことが好きだけど、自分の周りのことで陽に迷惑をかけたくないから一線を引いていて、自分本位になれないんです。序盤で、真珠が陽にちゃんと「好き」って言ったらそこで話が終わるぐらい、すぐくっつけると思うんですよ。でもそうしないのは、陽のことを思ってですし。
普段は人懐っこくてお友達も多いです。最初は澪にちょっと怒られちゃうんですけど、お酒飲んで「さっきはごめんね、大好き」「やっぱり嫌い」「やだやだ」とか言ってすごく仲良くなりますし。そういう男女ともに仲良くなれる良さがあるからこそ、他人のことを大事にしすぎて、自分のことをないがしろにしがちなのかなと思う瞬間がありますね。
沼倉 作品が作品なら、王道なド真ん中のヒロインでもおかしくないですよね。大体の男性は好きになるんじゃないかと思うぐらい、とてもいい子です。原音(中国語版の声優の音声)ではちょっといたずらっぽい印象を受けたんですけど、瑠美ちゃんがやるとヒロイン感やかわいさがすごく増されていて。一番人気が出るのでは? と勝手に思っています。私から見ても、とってもかわいいです。
坂本 私も「真珠かわいい、真珠かわいい」ってずっと言っています(笑)。真珠が1番かわいいです。あまりにもいい子だから、真珠がつらそうな表情をしていると、見ているこっちもつらくなっちゃいます。幸せになってほしいなって思いますね。
大久保 嬉しい! ありがとうございます。
沼倉 最初は、陽と真珠を応援する人がすごく多いんじゃないかな。
――そして、紗羅は3人の中だと一番普通の大学生のような印象を受けました。
沼倉 そうですね。関係性的に0から陽くんと出会い、しかも合コンの席で酔った勢いでしでかしてしまうから、紗羅も個性が立っているのかと思いきや実は一番普通で。「2人(澪、真珠)に振り回される陽くん。陽くんの言動に一喜一憂する紗羅」みたいな図ですね。陽・澪・真珠の三角関係に食い込めるの? 本当に? ここからは難しくない? って私は思っちゃうんですけど(笑)。そのぐらい、陽くんは紗羅のことが眼中にないです。でも、眼中にないからこそ、気になっている人にはできないことを紗羅に対してするから、ドキッとしてしまったり、ちょっと勘違いして空回ったりするんです。そういうところがかわいく見えたらいいなと思っています。
――坂本さんや大久保さんは、紗羅の印象はいかがですか?
坂本 女の子に1番好かれそうな気がするよね。
大久保 そうですね。かわいいのはもちろんですけど、損な役回りも紗羅ちゃんは多くて、ある意味一番大人だから、「あれ? この子を一番幸せにするべきなんじゃないの?」「一番幸せになってほしい」って気持ちになります。
あと、ギャップがすごく見える子なんですよ。外にいるとき、大学にいるとき、合コンのとき……そのときによってメガネをかけたり、髪型を変えたり。ヘアクリップで適当に留めているのもリアルだなと思っています。たぶん男の人たちは、そのギャップがかわいいってなるんじゃないかな。
沼倉 でも、見た目に反してグイグイいかないんですよね。もっとグイグイいけば全然チャンスはあるんじゃないの? って応援してもらえたらうれしいですね。
3人が陽と同世代だったら、陽のことを……?
――3人の印象をお聞きしましたが、演じる際にはどのようなことを意識したのでしょうか?
坂本 澪はちょっと掴みどころがないので、特に序盤は陽に対してどの程度気を持たせる言い方をするのか。「色っぽさを何%増やして」「減らして」といったパターンをいろいろ試しました。年上のお姉さんという雰囲気も欲しいけど、意外とアニメならではのコミカルなシーンもあって、そこはガラッと変えてみようとか。シリアスに自分の本音を漏らす場面はすごく静かにしっとりとしますし、急に酒瓶で人を殴ろうとするシーンはすごく強気ですし、ひとりの役ではありますがいろいろな役をやっている印象があります。
大久保 真珠は基本的に色っぽさを“まったく作らないように”しています。“陽といい感じにならない”ことが最初の課題というか。気持ちはあってもそういう雰囲気になっちゃいけないので、別れ際もすごくさっぱり「バイバイ」と言うようにしました。とにかく「真珠先輩かわいい!」と思ってもらえるように、なるべくかわいく、だけどさっぱり、を念頭に置いてお芝居しています。
ただ、会話に重きを置いた青春ストーリーなので、「このシーンはもうちょっと陽を振り回してほしい」とか「このシーンはあえてもっとさっぱりいてほしい」という風に、結構細かくディレクションいただきました。先ほど原音の話がありましたけど、原音にはないアドリブを入れてみて、それが採用されることもありましたね。いろいろ挑戦させていただいたと思います。向こうの声優さんのお芝居があるうえで、自分たちもアレンジしていく。それが吹き替えの面白いところですし、真珠を演じるうえでも大事にしました。
――アニメであり吹き替えでもありますからね。沼倉さんは演じるうえでどのようなことを?
沼倉 大学生ってこの先の人生を考える時期だと思うのですが、一瞬一瞬がとてもキラキラ輝いていて、夢中になっている時期かなとも思うんです。あまり深く考えずにその日をとにかく楽しむ気持ちというか、軽やかな気持ちというか。紗羅も言葉は悪いですけど“行き当たりばったり”なところがあって、驚いたりドキッとしたりするリアクションが多いので、そういう一瞬一瞬を感じているのを入れていこうと思いました。
それに、お芝居は常にそうですけど、(現場で)聞こえてきたものに対する反応もありますよね。私はあまり外画(外国映画)の録り方に慣れていないので、胸を借りるつもりで、その場の空気感を一生懸命感じていこうと思って臨みました。
――最後に、陽についてもお聞きします。皆さんご自身の、陽の印象はいかがですか?
沼倉 よくできた人だな、とは思います……でもやっぱり20歳だな、大人になりきっていない子供っぽさもあるなと。女性の髪を気軽に触るのも、たぶんそこから来るんだと思うんですよ。
大久保 すごく女性慣れをしているか、まったくしていないかじゃないとやらない行動ですよね。そして陽くんの場合は、まったく慣れていないっていう(笑)。
沼倉 そうそう。マナーを知らないみたいな(笑)。海外の若者にとっては、もしかしたら普通のことかもしれないけど、ナチュラルにいろいろな女性と相対するってすごいことだなって思いますね。そう考えると、すごくバランスが取れた人なのかな?
大久保 20歳って良くも悪くも大人であり子供な年齢で、自分の行動にまだ完全に責任が取れない年頃ですよね。真珠としては、陽がもっと自分の行動やこの先のことに責任が持てるぐらい大人で、真珠の事情を知ったうえで「俺が守るから大丈夫だよ」と言ってくれたら、たぶん付き合えていると思うんです。
でも、そこまでの積極性のないところがリアルというか、まだ学生なんだなって。それでもやっぱり真珠のことが好きで、澪がどんなに魅力的でも真珠を好きな間は本当に真珠のことしか見ていないんです。だからこそ、澪もフラットに接することができるし、自分に興味のない人だから信頼できる。そう考えると、どの場面も陽くん次第なんですよ。そういう、すごく普通なように見えて普通じゃないところが、陽くんのいいとこかなと思います。
坂本 本当にどこにでもいる普通の大学生って感じだけど、一番普通じゃないのかもしれないです。そうじゃなければ、これだけ彼に惹かれる人が出てこないでしょうし。サークルの面倒くさい男の先輩に絡まれそうになったときも、場の空気を悪くせずにうまいこと先輩をあしらったりして、実はすごく対応力がありますよね。生まれ持った“人を嫌な気持ちにさせない”素質がある人だなって。人としてみんなに好かれて、みんなが壁を作らずに付き合える――その特別さをみんなどこかで感じて、人が集まってくる稀有なタイプなんじゃないかなと思います。
――皆さん、かなり陽の評価は高いですね。
坂本 そうですね。モテるのがわかる気がします。
――では、もし皆さんが彼らと同年代だったとしたら、陽を好きになりそうですか?
坂本 それはまた別の話かな(即答)。
――あれだけ褒めていたのに!
大久保 出会い方によるかなぁ。
沼倉 うん。澪と真珠がそばにいる陽は好きになれない。
大久保 積極性がもうちょっとプラスされている陽くんだったら、もしかして……?
坂本 結局、私たちは「(陽のことを)好きにならない」ということです(笑)。
――しっかりオチがつきましたね(笑)。ありがとうございました!
(取材・文/千葉研一)
作品情報
■TVアニメ「下の階には澪がいる」
<放送情報>
2024年7月3日(水)より フジテレビ「B8station」にて毎週水曜25時25分~放送
2024年7月9日(火)より BSフジにて毎週火曜24時30分~放送
※初回は7/3(水)25:40〜放送予定 ※放送時間は変更の可能性あり。
<配信情報>
Amazon Prime Video、ABEMAプライム、dアニメストア、DMM TVなどで配信
<スタッフ>
原作:ミンソンア
監督:董易(ドン・イー)
脚本:江狐工作室
総演出監督:キム・シニョン
総作画監督:パク・ヨノク
音楽:楊秉音(ヤン・ビンイン)
アニメーション制作:RED DOG CULTURE HOUSE
日本語吹き替え版
演出:太田信乃
翻訳:鳥居怜子、本多由枝
音響制作:東北新社
日本版製作:フジテレビジョン、bilibili
<主題歌>
オープニング主題歌 SWEET REVENGE「Might Just」
エンディング主題歌 Nornis「夜が明けるまで」
<日本語吹替版キャスト>
如月澪:坂本真綾
杉浦陽:河本啓佑
桃井真珠:大久保瑠美
三国紗羅:沼倉愛美
原作:ミンソンア『下の階には澪がいる』(「LINEマンガ」連載)©bilibili
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