【プラモレビュー】成型色を生かして、手軽にジオラマを完成!「PLAMAX MF-75 minimum factory 機首コレクション 泉野明 with アルフォンス」に、声優・泰勇気が挑戦!
社会人ともなると忙しい毎日の中で積みプラが増えてしまいがち……。そんなあなたに代わって、ロボット&プラモデル大好き声優の泰勇気がプラモデル製作に挑戦するのが、この連載!
コンセプトは「忙しい社会人でも、週末の休みを使えばここまでできちゃうよ」! 記事のルールは素組み仕上げることと、かけられる製作期間は1~2日の2点のみ! この連載を読めば、きっとあなたの作ってみたいプラモデルと出会えるはずだ。
泰勇気の週末プラモ 第95回 PLAMAX MF-75 minimum factory 機首コレクション 泉野明 with アルフォンス
今回は1/20スケールという迫力のボリュームで展開している「PLAMAX minimum factory機首コレクションシリーズ」から「機動警察パトレイバー」の「泉野明withアルフォンス」をご紹介いたします。
「機首コレクション」とあるように、これまでは主に「マクロス」シリーズに登場するバルキリーの機首をキット化していたシリーズなのですが、今回は「パトレイバー」に登場するアルフォンスの胸像をキット化。搭乗者である泉野明と並べてディスプレイできるすてきな構成になっております。
パッケージイラストは天神英貴氏。格納庫の天井からのぞく青空も鮮やかで、手前の泉巡査とアルフォンスが美しく爽やかに照らされています。
このキットは接着剤を必要とするキットということもあり、今回は素組みの作例は省き、週末2日間を利用してできそうな範囲での、ひと手間を加えた状態での作例をご覧ください。
ストレートに組み立てて一部成型色を生かして塗装、付属の水転写デカールを貼った状態がこちらになります。デカールの乾燥時間も必要なので、週末の土日で完成させるにはこのくらいが限度かなという想定で作業を施しました。
まずは、箱のイラストとは逆サイドからの画像です。足場ごしにアルフォンスを眺めることで、肩や胸部のボリューム感が強調された、迫力のあるディスプレイモデルが完成します。
足場の形状は手すりを含めて劇中ものをばっちり再現。実はこの足場の裏側にも、こだわりのディテールが詰まっています。足場を支える鉄骨部分がアルフォンスの胸像の台座と接続されていますね。ディスプレイとして、いいアレンジだと思います。
主な塗装は以下のとおり。
ホワイト部分はほぼ成型色のまま。アルフォンスの後頭部のみ接着し、合わせ目を消した際に汚してしまったので、ガイアカラーのピュアホワイトで汚れをカバーしました。
その後にGSIクレオスのウェザリングカラーマルチグレーでスミ入れ。黒は成型色のままだとほんの少し明るい気がしたので、ガイアカラーEXブラックで塗装しました。
関節カバーは、ガイアカラーのメカサフヘビー塗りっぱなし。足場と台座は以前、別キットのために調色した青っぽいグレーをベタ塗り。
塗装後、アルフォンスには半光沢でクリアコート。台座はシルバーのドライブラシと、タミヤウェザリングマスターの「煤」と「サビ」でゴシゴシ汚し、つや消しでコートしました。
泉野明を立たせる前に、今度はパッケージイラストと似た角度から。どちらから眺めてもおもしろいです。このアングルのポイントは、左肩のメカ部分でしょうか。
頭部周辺。前述のとおり後頭部のみ合わせ目消しの都合で塗装を施したものの、ほかの白やグレーの部分は無塗装でこの仕上がり。額、ゴーグル、HUDのパーツは無色クリアパーツが付属しているため、クリアカラーで塗装して使用。胸部には「ALPHONSE」のデカールが。
右側から見たところ。ボディに対して頭部がやや小型に見えるかもしれませんが、レイバーらしさとしてはこのくらいのバランスもありだと思います。このあたりのバランス取りはメーカー、キットごとにアプローチが違うので、チェックしてみるとおもしろいですよ。
左側。襟元から伸びる2本のアンテナは、この大きさだからできる繊細さ。組み付けたり運ぶときは注意しましょう。
さらに近寄ることでわかるのですが、こめかみ五つの丸い穴(いわゆるブチ穴)もしっかりマイナスモールドになっています。レーダー部分にも「AV-98 INGRAM」のデカールが。この大きさだからこその見所が盛りだくさんなのも、このキットの魅力。
頭部を支えるアクチュエーター周辺は、いったん黒いメタリック系塗料でベタ塗したあと、伸縮する部分にシルバーのシートを貼り、メッシュパイプ部分にはシルバーでドライブラシを施しました。関節カバーで覆われる箇所ですが、見えるところのみ手を加えるだけでも十分に雰囲気が増すポイントです。
胸部の長方形のウインドは、無色のクリアパーツをそのまま接着。胸部の黒い部分の頂点のみ、水転写デカールになっています。ここはディテールもあるので無理にデカールを貼らずに▲部分を黒く塗装してもいいでしょう。
胸部のマークは金メッキパーツ。猛烈に目を引く、ナイスなアクセントになっています。両サイドのダクト内もウェザリングカラーマルチグレーでスミイレ。ほかの部分はともかく、ここだけは何かでスミイレをしたほうがそれらしくなるかなと思います。ウインカー部分はキットだと無色透明なのでクリアオレンジで塗装。組み込む部分が黒色パーツの窪みになるので、そのまま組み込むと暗く沈んだ色になってしまいます。そのため、クリアパーツの裏側にシルバーのシートを貼り、光が反射して明るく見えるようにしました。
左肩のメカ部分は、内側の可動部と枠になっている部分とで素材感を変えたいと思い、異なるメタリック塗料で塗装。役割によって素材が違うかな、というのは妄想でしかありませんが、色を変えて塗装する理由付けにはなるかと思います。
腰部、ナンバープレートとそのうえの「篠原重工」の表記部分、そして黒いラインも水転写式デカール。ウインカーはやはり無色クリアのパーツだったのでクリアオレンジで塗装。ウインチはシルバーで簡単に塗装しました。ここには正面から見たときに合わせ目がありますが、足場を取り付けた状態だと目立たないので気にしないのもひとつの考え方です。
後頭部に左右の合わせ目が生じますが接着後にヤスリをかけ、仕上げにピュアホワイトでヤスリ汚れを隠しました。
実は左耳のレーダーパーツも左右の合わせ目が生じていたのですが、きれいにヤスリで削ることで汚すことなく合わせ目を消すことができたので、ピュアホワイトによるフォローは施していません。後頭部もちゃんと新品の紙ヤスリでてていねいに削っていれば、塗料でフォローする必要はなかったかも。
背中にも見せ場はあります。「警視庁」のデカール! 下半分の黒い部分のダクトのパーツ、中央の上あたりに切り欠きがありますが、きっと整備のときはここに手をかけてダクトパネルを開けるんでしょうね。
肩のパトライト用に、クリアレッドのパーツが付属。内部には回転灯のパーツもあります。このあたりも1/20という大きさだからこそできるこだわり。
肩アーマーにもデカールを貼り付け。上腕への接続部のベルト部分は筆塗りです。
上腕の取り外された接続部には、保護パーツが取り付けられています。また、完成させてしまえば肩アーマーの内側は半分以上が隠れますが、ちゃんと内部も造形されているので、どこまで塗り分けるか検討してみるのもいいでしょう。
手すりごしに見るアルフォンス。クリアパーツの塗装はマッキーなどの油性マーカーでもできるので挑戦してみてください。
足場部分は接着しないと少しだけ不安定ですが、接着しなければ外すことも可能です。
台座にも五つの丸いモールドがありますね。ここもタミヤウェザリングマスターをこすりつけてあります。
そしてこのキットの、もうひとりの主人公・泉野明。パーツ分割が巧みで、接着が必須ではありますが合わせ目消しの必要はなく、塗り分けやすい親切設計。瞳や肩のワッペン、胸部の階級章は水転写デカールが用意されています。そのほかの部分は、不慣れながらも筆塗で挑みました!
キットのままだと真っ白なので、できれば塗装しておきたいですよね。
ものすごくギリギリのバランスで自立できますがきわめて不安定なので、このようなスタンドパーツも用意されています。この板に靴底を接着してしまえば、ボードゲームのコマのように安定して立たせることが可能となります。うれしい配慮です。
パッケージイラストに似せた角度で一枚。今回は一律に背景が黒になっていますが、何かそれらしい写真をうしろに配置したり、モニタに映したりして見るのもすてきかもしれません。
やさしげな表情を見せるアルフォンスと、それを眺める泉野明のうしろ姿。
アングルを変えて眺めてみました。
お向かいの足場から、アルフォンスとの記念撮影をお願いする泉野明のイメージ。
その足場ですが、ちゃんと滑り止めのディテールも足元に施されています。連結部分で可動しそうなディテールがありますが、キットでは固定です。おそらく実物だと、向かって右側の部分が上に跳ね上げられるのでしょう。
裏を覗き込むと蛍光灯、エアダクト、配線などのディテールが施されています。配線や蛍光灯部分などを少し塗り分け。足場の裏側ということもありお掃除が行き届いてるとは考えにくいため、GSIクレオスのウェザリングカラーグランドブラウンで少し汚れた状態を表現してみました。いかがでしょう。
しかしこの箇所、よほど覗き込まないと見えないのですが、ここまでこだわるとリアリティがグッと増しますね。
というわけで、「PLAMAX MF-75 minimum factory 機首コレクション 泉野明 with アルフォンス」のレビューをお届けしました。およそ2日間の作業の中で特に時間がかかったのは、泉野明の塗装とデカールの貼り付けだったかもしれません。細かい塗り分けにはつまようじも活用しました。瞳のデカールの貼り付け位置はなかなかの悩みどころで、角度や目の間の距離でキャラクター性が変わって見えてしまうので、何度かやりなおしました。なお、目のデカールなどは予備があるので、多少貼り間違えても安心です。
昔はジオラマ作例に対して「せっかくあんなによく動くプラモデルを、なんで固定してしまうのだろう」と思ったりもしていました。ですが、いろいろなプラモデルを作ったり、たくさんの作品を見ていくうちに「ジオラマも、いいな」と思うようになりましたね。ゼロからジオラマやビネット(小型のジオラマ)を製作するのは、それはそれでまた難しかったりもします。でも今回のキットは、組み立ててちょっと手を加えるだけで、現実感あふれる完成品に仕上がってくれます。
組み立てている最中もキットとしての発見がいくつもあって楽しく、完成後もいろんな角度から眺めて楽しい、そんな一粒で何度もおいしいキットですので、皆さんもぜひ手に取っていただき、この感想を味わっていただきたいと思います。
それではまた!
商品情報
■PLAMAX MF-75 minimum factory 機首コレクション 泉野明 with アルフォンス
・初版:発売中 / 再販:2025年1月発売予定
・価格:13,200円(税込)
・メーカー:マックスファクトリー
「無敵超人ザンボット3」放送開始2日前生まれ。幼少期より玩具(特にロボット)を愛し、小学生からプラモを組むようになる。声優となってからもロボット玩具・プラモ好きは変わらずアキバ総研でライターデビュー。
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