【プラモレビュー】「マクロスプラス」屈指の人気マシン「YF-19」バトロイド形態が1/72スケールキット化!声優・泰勇気が作例に挑戦!

社会人ともなると忙しい毎日の中で積みプラが増えてしまいがち……。そんなあなたに代わって、ロボット&プラモデル大好き声優の泰勇気がプラモデル製作に挑戦するのが、この連載!

コンセプトは「忙しい社会人でも、週末の休みを使えばここまでできちゃうよ」! 記事のルールは素組みで仕上げることと、かけられる製作期間は1~2日の2点のみ! この連載を読めば、きっとあなたの作ってみたいプラモデルと出会えるはずだ。

泰勇気の週末プラモ 第97回 1/72スケール YF-19 バトロイド “マクロスプラス”

飛行機模型で有名なプラモメーカー・ハセガワが「マクロス」と出逢ったことで、多数のキットが産み落とされました。

そんなハセガワより、いよいよOVA「マクロスプラス」に登場の超人気機体「YF-19」のバトロイド形態が1/72スケールで登場しました。

これまでにもハセガワからはVF-1やVF-0などのバトロイド形態が発売されてきましたが、今回、航空機模型で知られるハセガワがどのようなアプローチをしてきたのか、見ていきましょう。

まずはデカールを貼らずに素組みした状態から。組み立てるだけなら接着剤は必要ありません。パーツ分割も秀逸で、パーツの合わせ目もほぼ生じないパーツ構成となっております。そしてこのプロポーションのよさ!

変形の時には複雑な動きを見せる胴体部分も、非変形モデルだからこその組み立てやすいパーツ構成となっています。

YF-19の本体以外の付属品はこちら。キットはファストパック装備状態との選択式で組み立てることができます。組み立て方によっては、完成後も両形態を組み替えて楽しむことができます。

水転写式デカールには各種コーションマークや、色分けの補完のためのものが並んでいます。

頭部の額とゴーグル部分にはクリアパーツを採用。ゴーグル内部にもディテールがあります。首元の内部メカもしっかり再現されています。

ファイター形態時のノーズ部分が収まっている胸部ブロック。折り重なっている部分はしっかりと別パーツになっており、立体感があります。

組立ててしまえばほぼ見えなくなるノーズ断面部分にも、ディテールが施されています。さすがですね。

主翼根本の断面部分にもディテールがあります。また、バトロイド形態ではエアインテークのカバーが閉じます。

腰部センターブロックのパーツ構成にも拘りが見られます。

センターのパーツをメインに、左右にくっつく六角形のパーツが、それぞれ別パーツとなっています。

これは想像ですが、これらを1パーツで抜こうとすると、赤ラインで示した箇所が成型できないので、設定通りの形状を再現するためにわざわざ別パーツにしたのではないかと思われます。

これもさすがです。

主翼パーツは、航空機モデルらしいプラの厚みでとてもリアルです。

つま先も程よいシャープさ。各部の細かいディテールも、この大きさならではの繊細さがあります。

ふくらはぎ上面にも、ディテールの造形があります。折りたたまれた尾翼の根本には、それらしいメカのディテールも入っています。

太ももの後ろ側スリット部分も、ちゃんと開口しています。

背部上面にも、設定通りのディテールが施されています。

バトロイド形態時のメインスラスターの奥には、スリットのディテールが施されています。この背中のブロック状の部分も不自然な合わせ目の生じないパーツ構成になっているので、塗装してからの組み立ても容易です。

肩アーマーはやや複雑な構成。そのぶんスラスターやその周囲まで、細かく造形されています。

腕部のセンサーにはクリアパーツを採用。左腕にはシールドが取り付けられています。手首の造形も省略することなく、メカニカルな形状で立体化されています。

かかとパーツは2種類が用意されています。こちらは接地面積の広いバトロイド形態重視のタイプ。

こちらはファイター形態時のベクターノズルの形状を再現した、シャープな形状のタイプ。

形状が違うだけでなく、もちろんソールパターンも違います。好みで選択しましょう。

頭部は、首パーツとボールジョイント接続。根元部分は前後スイングが可能。

頭頂部のレーザー機銃も可動します。

肩の付け根は前後に若干スイング可能。

腰も軽くスイングさせることができます。

前後開脚は極めて優秀。

膝関節は二重関節になっており、ここまで曲げられます。また主翼ブロックも軸接続部分で可動。

肘は二重関節になっています。

腕は肘の下でロール回転が可能。腕は横方向に、およそ90°まで持ち上げられます。

左右開脚の可動は、太ももの途中にも可動部を設けることでここまで可能になっています。

自立させたままでも、ある程度のポージングを楽しむことができます。

付属品のひとつ「ピンポイントバリアパンチ」のエフェクトパーツ。

ガンポッドは収納状態のグリップを取り付けることで、シールドの裏にマウント可能。

手首を武器の持ち手に交換することで、ガンポッドを持たせることもできます。左手には平手を取り付けてみました。

両手で構えさせることもできます。

腰部下面のカバーパーツを取り外すと接続用の穴が露出。ここに付属のスタンドを取り付けることができます。

こうなるとYF-21のバトロイドと絡ませたくもなりますね。

ファストパックを装着させてみた!

続いてファストパック装備状態の背面。肩、脚部の一部のパーツを交換することで簡単に再現可能です。最初、ファストパック装備タイプは別キットとして発売されるのでは、と予想もしていたのですが、まさかのコンパチキットとして発売!

肩パーツは、本体側パーツの一部ごと交換。

脚部側面のパーツは、装甲の一部を交換。

ふくらはぎの増設パーツも、一部本体側のパーツごと交換することで再現されます。

デカールと簡単スミイレで、ディテールアップ!

ここまではデカールを貼り付けていない素組み状態でご紹介いたしました。

普段、この連載では週末で可能な範囲での素組み+αをご提案していますが、今回は水転写式デカールが豊富なため、慎重に作業をしていると説明書にある工程だけでも週末の土日では足りない恐れがあります。

そこで今回は軽くスミイレをするにとどめました。

水転写式デカールのこだわりぶりは必見です。たとえ組み立てると見えなくなってしまう箇所であっても、立体感・リアルさのためにしっかりと再現されていました。

もちろん製作する人によっては大きいデカールだけ貼って小さいデカールは省くなどの選択もあるとは思います。時間があるようでしたらぜひ、すべてのデカールの貼り付けにトライしてみてください。

簡単なスミイレと、がんばって説明書通りに全てのデカールを貼り付けたのがこちらになります。デカール貼り付けで処理される黒いラインの部分などは、成型色に塗装する形で処理することも難しくなさそうです。塗装環境のある方は、ぜひ挑戦してみてください。

スミイレを施すことでディテールが強調され、より緻密さが表現されています。

配色再現のためのデカールもありますが、各パーツには塗り分け時にガイドとなるディテールも入っているので、可能であれば全塗装するのも一つの方法です。

こちらはファストパック装備状態。

実は黒いラインのデカール貼りに一部失敗してしまったため、部分的に黒のマーカーでリタッチしているのですが、つや消しコートすることですっかりなじんで違いがわからなくなりました。

完成させたうえで、まず抱いた感想は「これは立派な模型だな!」でした。

このところ僕がよく触れているプラモデルは可動や変形が非常に優秀で、組み立て式の可動フィギュアとしての精度が高いものが多いように思います。

ですが今回のキットの組み心地は、「人型をした航空機模型」といった感覚。プラモデルとしてのこだわりに満ちたキットに触れることで、多くの刺激をいただきました。

ちなみに本キットは組み立てるだけなら本当に簡単で、接着をしてしまえばより安心して動かすことができるようになります。そういう点で、プラモデル初心者の方のスキルアップ向けキットと言えるかもしれません。

デカールに苦手意識のある人もいると思いますが、ここはひとつ! この「かわいこちゃん」に挑戦して一つ上のモデラ―を目指してみませんか?

商品情報

■YF-19 バトロイド “マクロスプラス”

・メーカー:ハセガワ

・ 1/72スケール

・発売中

・本体価格:5,390円(税込)

・全高:225mm

©1994 BIGWEST

泰勇気

泰勇気

「無敵超人ザンボット3」放送開始2日前生まれ。幼少期より玩具(特にロボット)を愛し、小学生からプラモを組むようになる。声優となってからもロボット玩具・プラモ好きは変わらずアキバ総研でライターデビュー。

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