【Steam】残暑はお家でのんびり!Steam新作インディーズゲーム8月オススメ3選!

アキバ総研をご覧の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。お盆休みも終わり、仕事が始まった方も多いのではないかと思う今日このごろ。体力的にも精神的にも夏バテしやすい時期ですが、そんなときだからこそゲームで息抜きも重要です。というわけで今回は、のんびり楽しめるオススメインディータイトルを、7月発売の中から厳選してご紹介していきたいと思います。

1、キュートなちびオグの大冒険!圧倒的大ボリュームの手描き風アクションパズルアドベンチャー「オグと秘密の森」


皆さま、最近「冒険」しましたか? 
行ったことのない場所へ旅行をする、ちょっとお値段の高いものを買っちゃうなど、日常の中にも冒険はいろんな形で転がっているものですが、ご紹介する「オグと秘密の森」はそんな冒険心を存分にくすぐられるタイトルです。

本作「オグと秘密の森」は、2D見下ろし型視点のアクションアドベンチャーゲームです。特徴は、やはりなんといってもそのグラフィック。手描きイラスト風のキュートなビジュアルは、絵本のようなほのぼのとしたあたたかみがあり、キャラクターを動かしてあちこち動き回っているだけでも癒やされ、そして魅了されてしまいます。

本作の主人公は、白くてぽってりとした体が特徴のかわいらしいカモノハシ「ちびオグ」。いつものように帽子をかぶり、虫取り網を手にして近所へと冒険に出発したちびオグでしたが、ふと見かけた不思議な鳥について行くと、奇妙な扉の先で謎の世界にたどり着きます。そこでちびオグは、未知の声から虹色の羽毛を受け取り、「壊れてしまった世界を助けてほしい」と伝えられることとなります。いつもの日常から突然、不思議な世界に迷い込んでしまうという昔話や童話を感じさせるストーリーは、手描きグラフィックともマッチしていて自然に引き込まれていきます。

ちびオグの基本となるアクションは大まかに、移動と「虫取り網を振る」のふたつ。虫取り網は、もちろん虫を捕まえることができるほか、草花を刈ったり敵を攻撃したり、はたまたギミックのスイッチを起動させたり魚を獲ったりと、実にさまざまな使い方ができるスグレモノ。道具でありながら武器でもあるという設定は非常にユニークで、あたたかくゆるやかな世界観にもマッチしています。

ほかにもちびオグは、ストーリーを進めていくと物を動かしたり持ち上げたりといったアクションも習得していきます。どんどんできることが増えていき、それによって行ける範囲や解けるギミックが増えていくので、やればやるほどプレイのモチベーションがぐんぐん上がっていきます。

本作の特徴のひとつが、パズルの豊富さです。マップやダンジョンを歩いていると、ちびオグは至るところでパズルに遭遇します。

スイッチを起動させブロックを上下させて進路を作るものや、石を押して穴に落とすことで通路を作るもの、ゴールを目指して入り組んだ迷路を進んでいくもの、与えられたヒントから何をするか推理するものなど、バリエーションもとにかく豊富で、毎回新鮮な試行錯誤と驚きが楽しめます。

しかも、どのパズルも無理難題ということはなく簡単すぎもしないちょうどいい難易度設定になっているので、解けたときの達成感も十分。いっぽうで、アクション要素として敵やボスとのバトルもほどよく配置されているので、飽きることなくプレイし続けられる作りになっています。

グラフィックや世界観、良質なアクションやパズル要素など、にさまざまな魅力あふれる本作ですが、そんな本作を語るうえで欠かせないポイントは、筆者的にはずばり「ボリューム」です。

本作はクエストシステムが採用されており、基本的には表示されるメインクエストを追跡し、達成していくことで物語が進展していくのですが、いっぽうで、NPCキャラクターたちからの依頼をこなすサブクエストがたっぷりと用意されているので、寄り道要素には事欠きません。さらに本作は、マップがなんと200以上も用意されているという広大さも特徴。序盤は一本道の進行ですが、ある程度まで進むと冒険できる範囲やできることがググッと一気に広がり、ワクワク感が止まらなくなります。

さらにさらに、本作には圧倒的な収集要素も存在しています。釣った魚や獲った虫を博物館に展示したり、いろいろな料理を覚えたりなど、やりこめる要素がこれでもかと詰め込まれていて、遊び始めると止まらなくなること必至です。

やさしい雰囲気の手描き風グラフィックと謎めいたファンタジックなストーリーに、アクションとパズルとアドベンチャー要素がバランスよく融合し、さらに充実のやりこみ要素とゲームボリュームが加わった「オグと秘密の森」。細部に至るまでていねいに作り上げられており、遊んでいてどんどんもっと遊びたくなってくるタイトルです。気になる方はぜひ実際にプレイして、ちびオグと一緒に大冒険へ出かけてみてくださいね。

  • 「オグと秘密の森」(Moonlab Studio, Sinkhole Studio)
  • ジャンル:アクション
  • 2024年7月29日発売
  • 価格:2,950円(2024年8月14日現在)
  • コピーライト:(C) Moonlab Studio, Sinkhole Studio

2、見知らぬ惑星で農業体験!?宇宙が舞台のSF農場シミュレーション「惑星開拓 - ファーランド」


ついつい時間を忘れて遊び続けてしまう農場シミュレーションゲーム。そろそろやめようと思っているのについ「もう少しだけ!」となってしまいがちな時間泥棒ジャンルの代表格ですが、ご紹介する「惑星開拓 - ファーランド」は、そんな農場シミュレーションゲームの新作です。なお、本作は記事執筆時点でアーリーアクセスとなっていますので、その点はあらかじめご留意ください。

本作「惑星開拓 - ファーランド」は、2D見下ろし型視点の農場シミュレーションゲームです。まず目を引くのは、やはりそのグラフィック。90年代あたりのレトロゲームをイメージさせるような色鮮やかなドットグラフィックは、どこか懐かしさを感じつつ新しさも感じさせます。レトロゲーム好きの方にも刺さるものがあるのではないでしょうか。

本作の主人公は、とある惑星の所有者となった“あなた”。過密状態の大都市での忙しくストレスの多い生活に疲弊し、ライフスタイルの変化を求めていたあなたは、惑星を丸ごと1個無料同然のバーゲン価格で手に入れられるというオトクな(あやしい)オファーを目にします。実はその星、銀河の片隅で何年も放置されてきた、古い農耕用の惑星だったのです。こうして惑星を手に入れたあなたは、使い古された宇宙船と個人支援用アンドロイドを頼りに、スローライフを送ることになったのでした……というのが本作のストーリー。田舎でのスローライフという農場シミュレーションゲームの王道シチュエーションに、宇宙を舞台にしたSFテイストの壮大な設定が組み合わさったユニークなストーリーに、思わずワクワクしてしまいます。

ゲーム開始後にまずやるべきことは、荒れ果てた惑星の開拓です。木や石など、そこらじゅうに転がる資源をどんどん集めて回りましょう。木には斧、草には鎌といったように、それぞれの資材に適した道具に持ち替えながら辺りをキレイにしていきます。この黙々と無心でできる作業が好きで農場シミュレーションゲームをプレイしているという方も多いのではないでしょうか。

ある程度、土地が整地できたら次は農園の開墾。クワで土を耕して種を植え、じょうろで水やりをして成長を待ちます。できた作物は収穫して専用のボックスに納品することで収入が得られます。道具には耐久値などがなく、どれだけでも使い続けることができる点はとてもストレスフリーですが、プレイヤーにはスタミナがあり作業をすると減っていくため、作業はほどほどにしてベッドで寝て回復しましょう。

ちなみに、木が青かったり草が紫色だったり、聞いたこともないような作物を育てられたりと、いろいろなものが地球と異なっている点は、宇宙が舞台の本作ならではのおもしろいポイントです。

ここまでは農場シミュレーションとしては比較的オーソドックスな作りと言えますが、本作には宇宙が舞台ならではの大きな特徴が存在します。ずばり、それは「宇宙船」。本作では、宇宙船に乗って太陽系のほかの惑星へと移動して降り立ち、その地で資源集めや住人との交流、ショップでのアイテム購入などができるのです。惑星が変われば獲れる資源も変わるので、好奇心を刺激され、いろいろな惑星に行ってみたくなります。農場シミュレーションゲームは、町や村などの比較的小さなコミュニティが舞台であることが多い印象ですが、本作は惑星間を移動できることで、箱庭ゲームでありながら壮大な世界観を楽しむことができる、画期的な作りになっているのです。

しかし、宇宙船は際限なく使えるわけではありません。ほかの惑星に移動するためには燃料が必要となり、さらに移動距離に応じた時間もかかります。燃料は石炭や木材などの集めた資源を宇宙船内のボックスに入れて処理することでためることが可能。時間は、夜遅くまで起きていると疲労してしまうため、自宅に帰ってくるまでの時間を考えた上で計画的に惑星移動を行う必要があります。ちなみに、宇宙船内に簡易ベッドがありそこで寝ることもできるのですが、スタミナの回復量が少ないので、可能なかぎり自宅のベッドで寝たいところ。宇宙探検の前にしっかりとした準備や計画が必要となるこのシステムは、リアルな冒険感が強く味わえます。

農場経営や宇宙探検のほかにも、各星で動物や植物を収集したり、宇宙船をアップグレードしたりとやれることは盛りだくさん。さらに、ゲームを進めていくと、なぜこの惑星が無料同然で売られていたのかの理由が判明するといったストーリー要素も存在。アーリーアクセス中ということで、正式リリース時にはさらなるボリュームアップとクオリティアップが期待できる「惑星開拓 - ファーランド」。シミュレーション好きの方も冒険好きの方も、ぜひプレイしてみてください。

  • 「惑星開拓 - ファーランド」(JanduSoft, Eric Rodríguez)
  • ジャンル:シミュレーション
  • 2024年7月24日発売(※早期アクセス)
  • 価格:1,400円(2024年8月14日現在)
  • コピーライト:(C) 2024 JanduSoft, Eric Rodríguez

3、すごろくで東海道五十三次を制覇せよ!ゲーセン気分が味わえるマルチ対応デジタルメダルゲーム「古銭プッシャーフレンズ参」


皆さま、ゲームセンターのメダルゲームはお好きですか? お子さんがいるゲーマーの方は、夏休みシーズンはお子さんと一緒に遊びに行くこともあるかもしれませんが、ご紹介する「古銭プッシャーフレンズ参」はゲーセン気分を自宅で味わえるタイトルです。

本作「古銭プッシャーフレンズ参」は、江戸時代を舞台にした、和風のデジタルメダルプッシャーゲームです。以前、アキバ総研では「古銭プッシャーフレンズ弐」をご紹介しましたが、本作はその続編で、プレイ感はそのままにさまざまな新要素が加わったタイトルとなっています。

操作やルールは前作「弐」同様に単純明快。射出機を左右に移動させ、古銭(メダル)を発射して、ステージ上のプッシャーで古銭やアイテムなどを落として獲得していきます。

ちなみに、盤上から古銭やアイテムを落としただけでは獲得したことにはならず、射出機に付属する箱でキャッチする必要があるのでその点は要注意。このプレイ感は、基本的に前作や前々作と同じで、シンプルで遊びやすいものになっています。また、文章ではその魅力を十分にお伝えできませんが、古銭のジャラジャラというリアルな音やキラキラした輝きもとても心地よく、楽しい気分をより一層盛り上げてくれます。

そんな本作の最大のポイントはというと、ずばり画面の上半分に表示されている「すごろく」です。本作には歌川広重の浮世絵や、弥次さん喜多さんの東海道中膝栗毛でおなじみの「東海道五十三次」をテーマにしたすごろくが常設されていて、古銭に混ざって盤上に転がるサイコロを獲得することで自動的にサイコロが振られて出目に応じて駒が進み、止まったマスによってさまざまなイベントが発生する仕組みになっています。

江戸の日本橋から出発し、目指すは東海道五十三次の最終地点である三篠大橋で、ゴールすれば報酬が獲得できます。実際のゲームセンターのメダルゲームでも、本作のようなすごろくシステムを備えたものは人気作が多い印象がありますが、その楽しさがこうして自宅で味わえるというのは非常に魅力的ですね。

すごろくのマスには、古銭がたっぷりと入った箱からジャラジャラと古銭が降り注ぐものや、篭屋を利用して先のマスに進めるものなど、さまざまなイベントが用意されています。中でもユニークなのは、宿屋マスに止まった際のショップイベント。このマスではRPGのショップのようなメニューが展開され、所持古銭を消費してさまざまな効果を購入することができます。盤上にサイコロを数個出現させたり、ジャックポットを増加させたりなど、うまく活用すればすごろくを有利に進めたり古銭をガッポリ稼ぐことが可能。また、道中にはイベントだけでなく、アイテムが登場することもあります。

獲得するとサイコロの目が常時+1されたり、次のサイコロで2倍進めたりなど有利な効果が発動するので、こちらもうまく活用していきたいところ。また、敵に古銭を当てて倒すバトルミニゲームなども複数種類用意されており、総じて、デジタルなメダルゲームならではのイベントによって遊んでいて飽きがこない作りになっていると筆者は感じました。

そして「フレンズ」シリーズで忘れてはいけないのがマルチプレイです。
今作は、最大4人でのオンラインマルチプレイに対応しており、フレンドとだけのマッチングはもちろん、見知らぬ誰かと気軽に楽しめるランダムマッチングも楽しめます。落ちる古銭やアイテムはほかのプレイヤーと非同期ですが、プレイヤーが射出した古銭は同期されるので、ソロプレイよりも古銭やアイテムを稼ぎやすい印象。特に敵とのバトルミニゲームは、マルチプレイのほうが圧倒的に勝利しやすいように感じます。コミュニケーション手段は、テキストチャットではなく簡易的なスタンプのみとなっているので、見知らぬ誰かとのマルチプレイもハードルが低めで気軽に楽しめます。

能力を向上させる強化要素がある点も本シリーズの特徴です。本作では、古銭を使用するアップグレードと、道中やゴール時に獲得できる勾玉を消費するアップグレードの2種類が存在。古銭やアイテムの受け皿である箱を拡張したり、自機の移動速度を上げたり、特殊なマスに止まったときのボーナスを強化したり、自機に追加の射出機を設置したりと、にさまざまなものが用意されています。遊べば遊ぶほど、どんどん遊びやすくなっていくため、やめどきを失ってどっぷりハマってしまうこと必至。やりこみ要素としても機能している自強化要素ですが、本作ではさらなるやりこみ要素として勾玉で変えるすごろくの駒も用意されているので、前作や前々作よりもさらにたっぷり遊べるタイトルになっているように感じました。

イベント盛りだくさんのすごろくが付いたゲーセンさながらのメダルゲームがソロでもマルチプレイでも楽しめる「古銭プッシャーフレンズ参」。小判を集めることで発生するジャックポットの快感は、まさに脳汁ドバドバで一度味わうとやみつきになってしまいます。難しい操作は必要なく、お値段もワンコイン以下というお手頃設定なので、ゲームを普段あまり遊ばないという方にもオススメできるタイトルです。

  • 「古銭プッシャーフレンズ参」(STP WORKS)
  • ジャンルアーケード
  • 2024年7月26日発売
  • 価格:470円(2024年8月14日現在)
  • コピーライト:(C) 2024 STP WORKS

新作のオススメSteamタイトル、気になるものはあった?


というわけで、Steamのオススメ新作タイトルをご紹介しました。

今回は、アクションアドベンチャー、農場シミュレーション、メダルゲームというジャンルのまったく異なる3作をピックアップしてみました。気になるタイトルがあった方はぜひ、チェックしてみてくださいね。

百壁ネロ

百壁ネロ

ゲーム買いすぎちゃう系ライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「轟運探偵の超然たる事件簿 探偵全滅館殺人事件」(星海社)、「ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話」(PHP研究所)など。
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