【映画「きみの色」公開記念】「人と分かり合えない部分があっても、別の部分で共鳴し合えれば」山田尚子監督 × 寿美菜子(八鹿スミカ役)スペシャル対談
「映画けいおん!」(11年)、「たまこラブストーリー」(14年)、「映画 聲の形」(16年)、「リズと青い鳥」(18年)と、長編劇場作品をコンスタントに世に送りだしている山田尚子監督の最新作「きみの色」が、2024年8月30日より全国公開される。
本作のアニメーション制作は、TVアニメ「平家物語」から引き続きサイエンスSARU。主要スタッフ陣も、脚本の吉田玲子さん、音楽の牛尾憲輔さんなど、「平家物語」から引き続き参加している顔ぶれが多い。
人が「色」で見える高校生の日暮トツ子は、同じ学校に通う美しい色を放つ少女・作永きみと、音楽好きの少年・影平ルイと出会い、3人でバンドを組むことになる。「きみの色」は、悩みを抱えながらも、音楽を心から楽しみ、心を通い合わせる3人の姿に感動する、すがすがしいアニメ映画だ。
今回は、トツ子のルームメイトで、友達思いのギャル・八鹿スミカを演じる寿美菜子さんと山田尚子監督の対談が実現。映画「きみの色」について語っていただいた。
──「きみの色」は、上海国際映画祭でアニメーション部門の最優秀作品賞“金爵賞”受賞するなど、高い評価を得ましたが、山田監督は、海外での反応を実際に感じて、いかがでしたか?
山田 想像以上に前のめりに作品を楽しもうとしてくださっている感じがしました。そして、すごく笑ってくださったんです。「あれ? コメディを作れちゃったかしら」と思うくらい、うれしい勘違いをしてしまいました(笑)。そのくらい笑ったり、真剣なシーンでは見入ったりしながら、楽しく鑑賞されてたし、海外の方は、反応がすごく早いんだなと思いました。
──リアクションが素直なイメージがあります。監督が制作しているときに想定していなかったところで笑いが起こっていたのでしょうか?
山田 はい。ここ、面白かったんだ!?っていううれしい発見はありました。
──寿さんは、完成した映画を観られていかがでしたか?
寿 今日のジャパンプレミアに向けて、完成した映画を観させていただいたんですけど、もう一度劇場でちゃんと観たい!と思わせてくれる作品でした。私の演じているスミカとトツ子が関わるシーンは、アフレコでお芝居を聞くことができたのですが、他の方のお芝居はまったく知らない状態だったので、スッと作品に入っていくことができました。だから、観ていると「きみの色」のキャラクターたちの仲間になったような気持ちで、最初から最後まで観ることができたし、終わったあとに温かさとやさしさを受け取ることができました。
映画を観たあとって、「スッキリした!」とか「めちゃ泣いた!」とか、いろんな感想があると思うんですけど、この多幸感って何だろうなって思ったんです。それは山田さんの作品からしか得られない何かがあるのだと思ったし、初めての境地に連れて行ってもらえた気がしました。
山田 ようこそ!(笑)うれしいです。
──山田監督作品は、どの作品も本当に素晴らしいのですが、今回はTVアニメの続編などではない、初のオリジナル映画になりますね。
寿 本当に、どの作品が好きかなんて選べないほど、良い作品ばかりですよね! その中でもオリジナル作品である本作には、どこからこのアイデアが湧いてきたんだろうって、私もインタビュアーさんになりたいくらい、聞きたいことがたくさんあります!
──では質問を引き継いで(笑)、どこからイメージが湧いてきたのでしょうか?
山田 シンプルに、音楽を奏でる人たちの作品を作りたいというのが、一番大きかったと思います。
──音楽が軸にある映画なので、音楽の話は後ほどたっぷりうかがいますが、「きみの色」というタイトルから、色も大きなテーマになっていると思ったのですが、色についてはどのような意識で設計していったのでしょうか?
山田 この作品にとっての色というのが光であるということで、光を分解したものというイメージで作っていました。なので、メインの3人も光の3原色(【赤】【緑】【青】)で成り立っているし、それらがひとつに重なると白になる。そこに無限を感じたので、3人もそういう関係性であったらいいなと思いました。
あと、光がポイントだったので、印象派の絵画などもイメージしていて、光を分解してたくさんの色を置くことによって、ひとつの色に見せていく。たとえば緑に見えているけど、近くで見たら、そこにはピンクも赤も入っているようなものをイメージしながら、色彩設計の小針裕子さん、美術監督の室岡侑奈さん、美術総括の島田碧さん、撮影監督の富田喜允さんと話し合って作っていきました。
──ということは、色の表現に関しては、いつもの作品よりもこだわられて?
山田 もちろん、色を扱うのであればということで、こだわりはしました。
──また、山田監督作品のカメラで人物を捉えるときに、どこに人物を置くのか、その構図が好きなのですが、どんな意識で画作りを考えているのでしょうか?
山田 切り取り方でいうと、被写体がいて、被写体を囲む世界の形がある。白と黒にしたとき、被写体以外のものもすごく美しい形であるように、というのはすごく考えています。あとはやはり色ですね。無意識に受け取る情報として、強いものでありたいということは、すごく大切にしています。
──キャラクターについてですが、まず八鹿スミカという役を、寿さんに演じてもらった経緯を教えてください。
山田 最初、音響監督の木村絵理子さんから「寿さん」という名前が出てきたんですよ。
寿 えぇ〜!!! 絵理子さんから!
山田 そのとき私は「いいんですか!?」という気持ちでした。こちらからしたら「やった!」という気持ちだし、自分から言わなくても、木村さんから寿さんの名前を出してくださったので、シンパシーを感じました。
──ということは、意見が一致していたということだと思うのですが、どのあたりが寿さんだと思ったのでしょうか?
山田 一見、ギャル風で今っぽい感じのノリを持っている子なのかな?と思いきや、実はすごく責任感が強い、しっかりした子というのがスミカにはあったので、なんだかとてもピッタリ!というイメージだったんです。
寿 うれしい!
──寿さんはお話を受けて、スミカをどうやって演じていこうと思いましたか?
寿 スミカは“森の三姉妹”と言われているうちの一人なんですけど、その三姉妹のキャストが、やす子さん(百道さく役)と、悠木碧ちゃん(七窪しほ役)だったんですね。これは、楽しさとほほえましさがあるなと思って安心したんですけど、収録は別々だったので、後日碧ちゃんとは、「この作品の中で求められている私たちの役割は、共演者の皆さんになじみつつ、繋いでいくポジションになることだよね」って話したんです。それこそやす子さんも、トツ子役の鈴川紗由さんも声優初挑戦だと聞いていたので、みんなを繋いでいくポジションであるというのは、何となく感じていました。
そのうえで、アフレコのときに山田さんからは、「ギャルで、一見ちょっと怖いとか、今風だと思っていても、根は熱い人っているじゃないですか」と言われて、一瞬で、「あぁ、わかるわかる!」って思いました(笑)。ギャル感っていうのは、他の子たちとの差別化で出たらいいなと思いつつ、「私ギャルやってまーす!」って感じじゃなくて、ギャルに憧れがあるけど、地元で育ってきたいい子ではあるというナチュラルさを大事にして、だからこの子たちは友達なんだろうなっていうのを大切にして演じたいと思いました。
──トツ子のことを大切にしているのは、すごく伝わってきました。
寿 トツ子のこと、みんな大好きですよね! それが温かいんです! みんながトツ子のことを好きで、クラスでもなじんでいるっていうあの空間が、すごくやさしい世界だと思いました。
──メインの3人はオーディションで選ばれたそうですが、その理由を教えていただけますか?
山田 この作品って、トツ子がお話を引っ張っていくので、まずはトツ子が決まらないとって思ったんです。なので、まずはトツ子を探すことに重点を置いていました。その中で鈴川さんは、テープのときから、鈴が鳴るようなかわいらしいお声を持ってらっしゃって、見ている世界がすごく楽しそうだったんですね。音からそういう世界を想像できる方で、実際にスタジオオーディションをして、いろいろな方の声を聞かせていただいたんですけど、やっぱり鈴川さんが心の中から離れなかったというか。そこは初志貫徹で選ばせていただきました。
そうすると、自然と作永きみが髙石あかりさんに決まって、影平ルイが木戸大聖さんに決まっていったんです。こうやって取材をすると、どなたがいいかと悩んでいたことも思い出すんですけど、今となっては、ぴったりハマっているので、悩んでいたことが不思議なくらい、最初から決まって生まれてきたんじゃないかと思っています。
──トツ子の声のイメージがあって、それが鈴川さんだったのですね。
山田 はい。ただ、いろんなトツ子像は想像できたので揺れはしました。でもいろいろ考えた結果、本能に素直になろうということで、鈴川さんにお願いしました。
──寿さんは、メインの3人のお芝居はいかがでしたか?
寿 素敵すぎました! 3人のバランスも素晴らしくて。もし、自分にこの3人の役のオーディションが来たら、きっとバランスで考えるところもあったと思うんです。声優として仕事をさせていただいているからこそ、自然と自分の役割をとっさに考えてしまうんですね。でもそれも、ある意味テンプレートにハメてしまっていることなのかなって思ったんです。
トツ子ときみとルイだって、テンプレートにハメようと思えばハメられるんだけど、キャストの3人が、見事に“ハマりそうでハマらないところ”に存在してくれていたから、もう、これはキャラクターを超えて、生きているんだなって感じました。
その生きている感って、アニメから受け取る部分もあるし、お芝居から受け取る部分もあるので、アニメーションって本当に総合芸術なんですよね。そう思わせてくれるくらいのお芝居だったことが衝撃で、概念として凝り固まっている部分が自分にもあったんだなと、いろいろな気づきをくれました。だから、どこかで、この3人に会えそうな気もするんです。
──実在感がすごくありますよね。物語では、この3人がバンドを組むのですが、なぜ男女3人にしたのでしょうか? 学校的に、女子3人でも、と思ったのですが。
山田 何でなんでしょうね(笑)。(物語を作っていた)当時の自分を想像すると、きっと性別が違ってもフラットな関係みたいな風にして描きたかったんだろうなと思います。男の子がいるからって、片意地を張らないように、3人のシンプルなフラットな関係を目指したからなのかなぁって思います。
──フラットな関係という言葉が、ものすごくしっくり来ました。音楽を楽しむのに、そんなことは関係ないんだなと、映画を観て受け取っていたので。
寿 楽器の担当は、自然と決まったんですか?
山田 それもなんとなく。
──確かに、ギターは男子が弾きそうなイメージもありますよね。
山田 あとはドラムいないのか?みたいな。
寿 テルミンって、どこから出てきたんだろう?って思いました。
山田 そこは絵コンテを描きながらも悩んでいたところで、ごねごねごねってして、音楽を担当する牛尾憲輔さんに「こんな感じの構成だ!」って言って投げたりしたので(笑)、本当に悩みながらできていった編成でした。
──きみがリッケンバッカーのギターを使っているのが最高なのですが、これはなぜですか?
山田 設定としては、お兄ちゃんが使っていたギターで、きみちゃん自身がすごくこだわりがあってとかではないんです。本人は周りから見えている自分と、自分が思う自分とのギャップに悩んでいて、まだまだはっきりと自分が見えていなかったりする子なんです。お兄ちゃんを見て、自分を作ろうとしている子というイメージで、Tシャツなどライブ衣装もお兄ちゃんのお下がりをそのまま着ている感じです。
で、なぜリッケンバッカーだったのかというと、シンプルに見た目がきみちゃんに絶対似合うと思ったからです(笑)。
──カッコいいから選んだのかな?と少し思っていました(笑)。
山田 ギターって、見た目の良さとかで選んだりするのがひとつの正解だったりするのかなと思うので。
──ギターは見た目が大事って、実際に選ぶときに言われますからね(笑)。また、高校生バンドでテルミンは、なかなか出てこないアイデアでもありますよね。
山田 バンドを組むとなると、ドラムがいて、ギターがいて、ベースがいるというのがパッと浮かぶと思うんですけど、むしろそういうところではないところに目を付ける子たちが集まっている、という感じが出せればいいなと。これでも共鳴し合える人たちと会えるってすごくいいよね!って感じたんです。
“好きなものを好きと言えるつよさ”というのをスローガンにこの作品を作っていたので、人とわかりやすく分かり合えない部分があっても、別の部分で共鳴し合えるっていいなと思ったんです。
──ルイくんは、音楽的スペックが高いですよね。アレンジ能力も高いですし。
山田 ルイくんの好きが炸裂していましたね。
──ルイくんは、環境的に時間があるから、あんなにテルミンがうまいのかな?と思ったりしたのですが。
寿 確かに(笑)。練習しまくっている気がする。
山田 現実的にはものすごいことだと思います。ルイくんのテルミンを演奏してくれたのは、フランスの音楽家グレゴワール・ブランさんなんですが、私がこの方のテルミンじゃないとヤだ!と思ったんです。自分が思っていたテルミンの概念を覆されました。しっかり音程を当てにいって、メロディを奏でることができることに本当にびっくりしたんですね。テルミンってもっと効果音的で、メロディを奏でても不安定さを楽しむ印象があったので、あんなに楽器を演奏しているようになるとは思っていなかったんです。
寿 弦楽器みたいな感じでしたよね。
山田 これは特別だと思ったので、彼がいたからルイくんのテルミンが生まれたのだと思います。
──寿さんは、この作品の中の音楽の印象はいかがでしたか?
寿 そういう意味で、私は山田さんと「けいおん!」でご一緒させてもらっていて、その時もバンドをやっていて、あれから15年経って、山田さんがまた音楽を描くということで、どういうふうな音楽が奏でられるのかな? どういう編成になるのかな?って楽しみにしていたんです。そしたらその斜め上を行く音楽で! でもスッと入ってきて、置いてけぼりにもされない感じがすごくよくて、感動していました。
──皆さん、劇場から出たときに「水金地火木土天アーメン」が頭から離れないと思います(笑)。
寿 ほんとに! 私も家で歌っちゃいました(笑)!
山田 うれしいです。戸田恵子さん(作永紫乃役)がアフレコにいらっしゃったときに、歌いながらブースから出てきて、そのまま木村絵理子さんと走って戸田さんのところまで行って、「歌ってました? 今!」って思わず聞いちゃいました(笑)。あれは、すごくうれしかったです。
──ちなみに、寿さん的に好きなキャラクターはいるのですか?
寿 スミカ的には、トツ子が大好きで、守ってあげたい存在なんですけど、私としてはシスター日吉子(CV.新垣結衣)が大好きでした。「けいおん!」のときにさわ子先生がいたように、見守ってくれる存在って、身近でいるようでいなかったり、いないようでいたりするんですよね。その人がすごく影響して、これからのみんなの人生が変わっていくのかな?って思うと、また、5年後10年後のみんなも見たくなりました。
──山田監督が、どのキャラクターにも愛がすごくあるというのは、他の作品を観ても感じるのですが、自分に似ていたり、自分に重ねたりすることができるキャラクターはいるのですか?
山田 私のひとつのポリシーとして、作品の中に自分が存在しないというのがあるんです。監督によっては自分がキャラクターに入っていたり、作品のどこかに忍ばせたり、そういう魂の入れ方もあると思うんですけど、私は逆に、見ている存在であるというのがずっと抜けないんですね。もっともっと歳を重ねて、もっともっといろんなことを考え始めて、いろんなことが変わってきたら、もしかしたら作品へのアプローチが変わってくるかもしれないんですけど、今はまだ、人の目を借りて、人がどういうことを考えているのかとか、そういうものを覗かせてもらうほうに興味があるので、私は作品にいないんです。
──では最後に、映画をどういった方に、そして映画のどういうところを観ていただきたいですか?
寿 私が偉そうなことを言えるものでもないのですが、先程監督がおっしゃっていた、“好きなものを好きと言えるつよさ”というスローガンって、すごくわかったし、だからこの映画を観たときに、肯定された気がしたのかなって思い出したんです。
自分はこれでいいのかな?とか、自分の感覚って大多数と違うのかな?って思って、後ろめたくなったりする人もいるかもしれないんですけど、それでもいいんだよ!って言ってくれるのがこの作品だと改めて思ったので、ぜひ劇場で、ほんのりやさしく背中をさすられて、ポンと劇場の外の世界に出たくなるような感覚になっていただけたらなって思います。
山田 素敵な言葉をありがとうございます。この作品を作るときに強く思っていたのは、人として、他の人が気になったり、自分を形にはめなければいけないという不安があったり、私はこれじゃない!といって自分のことを嫌いになったり、見た目だったり性格だったり、結構カテゴライスされることが多いと思うんです。
なので、そういったところに不安を感じていたり、当てはまらなかったらどうしようと思っているような方たちに、リラックスして観ていただけたらうれしいなと思います。そんなに何でもかんでも名前を付けなくてもいいんじゃないでしょうか?というところで作っていたので、いろんな方に観ていただけたらうれしいです。
(取材・文・撮影/塚越淳一)
【寿美菜子STAFF】
・ヘアメイク:中畑薫
・スタイリスト:嶋岡隆、北村梓(Office Shimarl)
・衣装:
ケープ、ノースリーブカットソー、スカート すべてAOIWANAKA
パンプス 銀座かねまつ
イヤリング COTOMONO MARCHE/COTOMONO MARCHEハンズ新宿店
【山田尚子STAFF】
・ヘアメイク:宮本愛(yosine.)
作品情報
■きみの色・監督:山田尚子 「映画 聲の形」「リズと青い鳥」「けいおん!」「平家物語」
・声の出演:鈴川紗由、髙石あかり、木戸大聖、やす子、悠木碧、寿美菜子、戸田恵子、新垣結衣
・脚本:吉田玲子 「猫の恩返し」「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」「若おかみは小学生!」
・音楽、音楽監督:牛尾憲輔 「映画 聲の形」「チェンソーマン」
・主題歌:Mr.Children「in the pocket」(TOY'S FACTORY)
・キャラクターデザイン、作画監督:小島崇史
・キャラクターデザイン原案:ダイスケリチャード
・製作:「きみの色」製作委員会
・企画、プロデュース:STORY inc. 「君の名は。」「天気の子」「すずめの戸締まり」
・制作、プロデュース:サイエンスSARU 「夜は短し歩けよ乙女」「映像研には手を出すな!」「平家物語」
・配給:東宝
・公開日:2024年8月30日(金) 全国東宝系公開
<ストーリー>
わたしが惹かれるのは、あなたの「色」。
高校生のトツ子は、人が「色」で見える。
嬉しい色、楽しい色、穏やかな色。そして、自分の好きな色。
そんなトツ子は、同じ学校に通っていた美しい色を放つ少女・きみと、街の片隅にある古書店で出会った音楽好きの少年・ルイとバンドを組むことに。
学校に行かなくなってしまったことを、家族に打ち明けられていないきみ。
母親に医者になることを期待され、隠れて音楽活動をしているルイ。
トツ子をはじめ、それぞれが誰にも言えない悩みを抱えていた。
バンドの練習場所は離島の古教会。
音楽で心を通わせていく三人のあいだに、友情とほのかな恋のような感情が生まれ始める。
周りに合わせ過ぎたり、ひとりで傷ついたり、自分を偽ったり―
やがて訪れる学園祭、そして初めてのライブ。
会場に集まった観客の前で見せた三人の「色」とは。
©2024「きみの色」製作委員会
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