ご当地ヒーローの礎となった大御所! パワーシティオーイタ、見参!!【ご当地ヒーロー超大全 第11回】

今回11回目に登場するヒーローは!?

今ご当地ヒーローがいちばん熱い九州地方発、大分県を守っているご当地ヒーロー

「パワーシティオーイタ」だ!



ご当地ヒーローファンを自称する者なら、必ず知っていると言っても過言ではない西の大御所「パワーシティオーイタ」。彼が登場したのは今から15年前の2004年頃です。

当時の特撮事情を振り返ると、テレビでは「仮面ライダー剣(ブレイド)」、「特捜戦隊デカレンジャー」、「ウルトラマンネクサス」といった御三家だけでなく、東宝×コナミ製作の「幻星神ジャスティライザー」が放映されていたほか、映画では「CASSERN(キャシャーン)」、「デビルマン」、「キューティーハニー」、「ULTRAMAN(ウルトラマン)」が公開されていました。世の中が特撮人気に沸いている中、パワーシティオーイタは大分の地に登場したのです。

九州地方・大分県

九州地方の北東部にある大分県の人口は1,142,943人(推計人口、2018年10月1日)。

県の木は「豊後梅(ブンゴウメ)」、県の花も「豊後梅」、県の鳥は「めじろ」、県庁所在地は大分市。

九州の東部に位置し、山地が占める割合が大きく、九重連山の中岳は九州本土で最高峰の

高さ標高1,791mを誇っています。別府温泉や湯布院温泉、鉄輪温泉、長湯温泉など有名な温泉地が数多くあり、地熱発電の発電量も日本一とたいへんホットな県です。別府温泉のある別府市は国際観光文化都市という観光・文化・親善を促進する地域として国から指定されていて、別府温泉郷は源泉数、湧出量ともに国内1位です。

パワーシティオーイタが主に活動している地域・大分市は県庁所在地であり、中核市(政令指定都市)でもあります。観光スポットとしては高崎山自然公園や大分マリーンパレス水族館、大分市内を一望できる大分市美術館があります。大分スポーツ公園総合競技場通称「大銀(だいぎん)ドーム」があり、このスタジアムをホームにしているサッカーチーム「大分トリニータ」があります。


地域限定のパイオニア

パワーシティオーイタはご当地ヒーロー界に君臨しているパイオニアのひとりです。

その誕生のきっかけは、2004年、インディーズヒーローのアクションチームと自主制作ヒーロー映像を撮っていたサークルの出会いまでさかのぼります。彼らの地元である大分で自由に活動できるヒーローを作ろう、と両者が意気投合したことがきっかけとなり、このプロジェクトはスタートしたのです。

活動開始当時、すでに「ご当地ヒーロー」という言葉は存在していたそうですが、まだジャンルを指す言葉ではなく、地方を活動範囲とする各ヒーローを指す言葉として使用されていました。ご当地ヒーローブーム以前から活躍する秋田県の「超神ネイガー」や茨城県の「イバライガー」もまだ登場していない頃です。ちなみにこの頃、一番活動的だったヒーローは鹿児島県の「離島閃隊タネガシマン」だったそうです。

そんな中、「パワーシティオーイタ」チームは新たなヒーロー像を模索し手探りで活動を開始します。ヒーローコスチュームのデザインはマスクのゴーグル部分に大分の「大」の字を配し、胸のシグナル部分にも大分の頭文字となる「O」の字のイメージがデザインされています。デザインコンセプトは非常にスマートで、ヒーロー然としたビジュアルでまとまっています。現在、ご当地ヒーロー達のコアデザイン部分になる郷土名産や土着風俗モチーフは、より地元に密着する「ご当地ヒーロー」像を確立するために、デザインとして取り込まれてきたように思いますが、「パワーシティオーイタ」はその先駆けだったと言えます。

2004年当時、商業ヒーローが全国で華々しくテレビや映画を席巻していたいっぽう、「パワーシティオーイタ」チームは地方の持つ独自のエッセンスで、新しいヒーロー像を提案していたのです。

パワーシティオーイタは、「キョ―ドアイ」という大分県民の「大分を愛する心」が集まって発生する超エネルギー体が大分のためにがんばる人々に宿ることで、変身できるようになります。

この条件に当てはまる大分県民のみなさんは、パワーシティオーイタに変身できる資格があるのです。パワーシティオーイタに変身したい人は大分県に住民票を移しましょう。宿主は老若男女問いませんが、変身後は大分の人々や自然を愛し、大分弁でしゃべる熱血漢というヒーロー人格が前面に出てきます。ちなみにパワーシティオーイタの好きな食べ物はトリ天だそうです。

ヒーローリーグ・インフィニティ

大分を中心に人々の平和を守るべく活躍していたパワーシティオーイタは、その活動が他地域にも刺激を与え、近県に新しいご当地ヒーローを生み出すきっかけも作りました。

パワーシティオーイタの活動をモデルに誕生したヒーロー、パワーシティオーイタに弟子入りした後、各地で活躍するヒーローなどと、その影響は枚挙にいとまがありません。

2007年には地元大分県にて、九州で活躍するご当地ヒーローが集まるイベント「九州ローカルヒーローフェスタ2007in OITA」が行われました。今でこそ近隣のヒーローが集まって、大きな悪と戦う、というイベントは数多く開催されていますが、まだこの頃はこういったクロスオーバーは非常に斬新でした。

そして、同時多発的にご当地ヒーローはだんだんと増加していき、2009年頃になるとご当地ヒーロー達が集うイベントが、全国各地で開催されるようになりました。

この時すでに全国区で活動が知れ渡るようになっていたパワーシティオーイタは、岩手県の「岩鷲護神(がんじゅごしん)ハチマンタイラー」が中心となって開催された「八幡平ダイナマイト」に出演します。このイベントに出演したヒーローが中心になって、日本初のご当地ヒーローチーム「ヒーローリーグ・インフィニティ」が結成され、パワーシティオーイタもそこに名を連ねます。そう、マーベルコミックスのアヴェンジャーズ、DCコミックスのジャスティス・リーグよろしく地域の異なるヒーローが集まったチームが誕生したのです。シビレます!

ただ、「ヒーローリーグ・インフィニティ」加盟ヒーロー全員が揃ったイベントは、2011年の秋葉原で行われた震災復興イベントの1度きり。いつの日か、再びヒーローが一堂に会することを期待して止みません。

ご当地ヒーローというジャンルを切り開いてきたパワーシティオーイタは、現在も新世代のヒーローたちと共闘したり、ヒーローのよき先輩として活躍中。古参から新規ファンにまで絶大な人気を誇っているのです。

パワーシティオーイタのスペックはこちら

左「パワーシティオーイタ」ヒーロー 

スペック

・身長:変身者により異なる、が、基本あまり大きくない。

・体重:変身者により異なる、が、基本あまり軽くない。

・必殺技:真羅神拳(しらしんけん)

・武器:PCソード(Aの形のソード)PCロッド(Iの形ロッド)Oシールド

・ビークル:チクラッサー

・変身前:大分県民 

職業:さまざま

緑あふれる豊かな人間都市、大分。その大分を脅かす悪が現れた時、大分を愛する心が集まり変身する大分の郷土愛戦士、パワーシティオーイタが大分を守るために戦う!

右「ダークシティオーイタ」アンチヒーロー

スペック

・身長:不明

・体重:不明

・必殺技:蒼邪拳(そうじゃけん)

・武器:DCソード

・変身前:なし

大分の悪い心が集まって発生するダークパワーから生まれた大分の悪の結晶。実はPCOと同じ大分の郷土愛戦士だが、現在の複雑な人間社会の環境下で善と悪に分離した。PCOを倒す事を宿命とする永遠のライバル。

次回は、パワーシティオーイタの門戸を叩いたヒーロー、熊本県の「グランパワーヒノクニ」をご紹介いたします。

(テキスト/ヒセキGFX)

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