「バミューダトライアングル〜カラフル・パストラーレ〜」ゆるふわレビュー! 第1話「パーレルへようこそ」

アニメ「バミューダトライアングル~カラフル・パストラーレ~」がスタートしてちょっとたちました。

バミューダトライアングルとはなんぞや、と思う方もいるかと思いますが、この作品は長年愛されているトレーディングカードゲーム「ヴァンガード」に登場する人気クラン「バミューダ△(トライアングル)」をモチーフにしたスピンオフアニメです。バミューダ△は「海洋国家・メガラニカに所属する人魚のアイドル集団」と設定されていますが、カードとして登場するキャラクター全員が美しいマーメイド、そしてアイドルということで大変に人気があるクラン(集団・チーム)なのです。

ですが第1話を見る限りでは、このアニメから「バミューダ△」の世界を見る人も、そのことはあまり意識しなくてもいいような気がします。田舎の海域の村に住む人魚の少女たちが、おつかいのご褒美にもらったスイーツに目を輝かせたり、ちょっとした出来事で大騒ぎしたりする、ふわふわゆらゆらした日常系アニメとして楽しむのが正解な気がします。

第1話では、この作品における「人魚」という存在と、彼女たちを取り巻く世界がふわっと紹介されました。海の中のようであり、そうでもない部分もある不思議な世界観です。海の底なのにお茶を入れ、村の名産品のひじきを干す人がいて、といった描写は象徴的ですね。人魚たちは泳いで移動するのが基本だから建物に階段はないし、ソナタたちがカフェの入口で騒いでいると「(店の)入口でたまって浮いてないの!」と叱られたりします。新茶の香りを楽しむアルディさんが、ゆったり揺れるしっぽで感情表現しているシーン、好きです。

そしていつもと同じ日常を送っていたパーレル村の少女、ソナタ、フィナ、セレナ、キャロたちの元に「アザラシ郵便」で送られてきたのが、都会からやってきた5人目の主人公・カノンでした(アザラシ郵便は、文字通りアザラシが荷物を運ぶ郵便屋さんです)。

都会生まれで「何もないんですね、ここ」とショックを受けたカノンの目線を通して、パーレル村が何もない、だけどのどかで平和な場所であることが描写されていきます。携帯電話が圏外だったり、ブラウン管(?)のテレビがほとんど何も映らなかったり。カノンもお気に入りの新ひじきのサンドイッチがどんな味なのか、怖いもの見たさで気になりました。

そしてカノンがやってきたのと時を同じくして、大海流、地上における台風のような自然現象が起こります。大海流で珊瑚の並木が倒れた奥でソナタたち5人が見つけたのは、打ち捨てられた映画館と古い映写機・キネオーブでした。

……というあたりから第2話へとつながっていくのですが、第1話はお話としては本当にのんびりした、おだやか~な内容でした。なんとはなしに5回ぐらい流しっぱなしにしているのですが、人魚たちの水中ならではの動きをぼんやり眺めたり、少女たちの声と海中のSEをBGMがわりに聴いていたり。個人的にはアニメ「ARIA」シリーズのような環境アニメとして楽しんでいます。

あとは「バンドリ!」好きとしては、オープニングテーマを歌うアーティストがアニメ「BanG Dream! 2nd Season」にも登場するPastel*Palettesの「Wonderland Girl」なのもポイントが高いです。作品の世界のパスパレが芸能の仕事として日常アニメの主題歌を担当しているような、メタっぽいイメージですね。第1話の冒頭、レジェンドアイドルとして登場したイリーナ(CV:尾崎由香)、アネシュカ(CV:西本りみ)、ラウラ(CV:大塚紗英)という組み合わせにもちょっとニヤリとしました。

(文:中里キリ)

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