年の初めの大舞台! 内田真礼、初の武道館ワンマンライブ「take you take me BUDOKAN!!」レポート

2019年1月1日、平成最後の元日に声優・内田真礼さんによる初の日本武道館ワンマンライブ「take you take me BUDOKAN!!」が開催された。

ソロアーティスト活動5周年イヤーであり、平成最後の元日である2019年1月1日に、初の日本武道館公演を行った内田真礼さん。不安ばかりだったという1stライブ以降数多くの舞台を経験し、思い出を更新し続け、ライブのパフォーマンスもどんどん向上。それに伴って会場も徐々に大きくなっていった。そして、ついにたどり着いた日本武道館という大舞台。そこで見せたのは、いつもの内田真礼さんらしいライブだった。

今回はそんな節目となるライブの模様をレポートしよう。

みんなで楽しめて幸せな気持ちに包まれる、それが内田真礼のワンマンライブ

元日に日本武道館でライブをすることが、どれだけ大変で勇気がいることなのか……、想像しただけでもとてつもないプレッシャーがあったと思うが、それでも彼女は、5周年イヤーを飾るにふさわしい大舞台に立った。そして、堂々たるライブを披露してくれた。

きっとそれは、これまで彼女が積み重ねてきたものが大きな自信になっていたからだろう。真礼チームを信頼し、その力を借り、さらに武道館に集まったすべての観客を味方につけての最高のパフォーマンス……。

前回のライブで、ひとつの区切りのような演出を見せてくれたが、積み重ねてきたものがなかったことになるわけではない……、そんな彼女の軌跡が強く伝わってくるライブだった。

日本武道館に用意されたのは大きな船のステージセット。これまた大きな日の丸の下で、和楽器が印象的に響くオープニングSEに対し、ギターとベースが中央でガチンコのぶつかり合いを演じている。ギターの山本陽介さん、そしてベースでバンドマスターの黒須克彦さんは、彼女のライブでの攻撃的なサウンドを司る2人と言えるだろう。

そして、主役である内田真礼さんが登場! 

「ハッピーニューイヤー!」と叫び、オープニングナンバー「高鳴りのソルフェージュ」を歌う。この曲はデビューシングルのカップリングに収録された曲で、彼女の好きな言葉が散りばめられた、とても大切にしている曲だ。そんな始まりの曲とも言える1曲を、新たなスタートである武道館ライブの1曲目に持ってきたことにエモさを感じる。最初、少し緊張しているように見えた表情もだんだんとやわらいでいき、いつもの笑顔で声を会場の隅々まで響かせていく。

さらに「take you take me BANDWAGON」で、MAAYA BANDの一体感も高まりまくる。最初にかなり強力な2曲を持ってきたことで、会場もすさまじい熱気に包まれていた。

だが、最高のステージでギアをゆるめるようなことはしない。今度はダンサーを投入。一緒にダンスをしながら「ロマンティックダンサー」を披露する。そして火柱が立ち上がる中、「クロスファイア」ではお約束のノックバッティングで客席へプレゼントを投入。さらに曲の間奏中に海賊風の衣装にチェンジして、ステージの一番上に据えられた舵の前で「aventure bleu」を歌う。ここではフロアのペンライトがブルー1色になり、海原を行く船のように見えて、すごい迫力だった。

キュートなダンスも交えての「+INTERSECT+」や「アイマイ☆シェイキーハート」。人気曲「からっぽカプセル」では、Maaya Poi Dancers(ビジュアルポイを使用し、LEDで空間に文字を浮かび上がらせるパフォーマンスをする。内田さんの代々木競技場第一体育館での2ndライブにも出演)も登場し、ステージを彩っていく。

新曲「youthful beautiful」では、若々しさと美しさ、これから進む未来への歌を高らかに歌いあげる。さらに圧巻だったのは「c.o.s.m.o.s」だ。センターステージがリフトで上昇していき、天井から紙吹雪が舞い落ちる。その中央で踊る内田さんの姿は神秘的ですらあった。

デジタルな楽曲のあとは、楽器の味わいをじっくり堪能できるアコースティックコーナー。カホンとアコースティックギターなどがぬくもりを与えつつ「magic hour」「わたしのステージ」が披露される。バンドの演奏の幅広さはもちろん、内田さんの歌声の魅力、表現力の奥深さをより感じるステージで、さらに成長した姿を感じることができた。そして、いよいよライブは終盤に突入していく。

このライブのために用意したと言っても過言ではない「君のヒロインでいるために」では、「ララララ」と歌うところで手を左右に振る。彼女の笑顔には人を幸せにする魅力があるが、この曲はその幸福感をブーストしてくれるように思える。武道館が大きな輪になったあと、そこからは一気に駆け抜けるように、ライブ定番曲をこれでもかと言うほど投下していく。

「世界が形失くしても」からは豪華絢爛な和服衣装で登場! 海賊から晴れ着風の衣装まで、その振れ幅の広さにも驚いたが、その幅広さがいかにも正月っぽいとも言えるかもしれない。「Smiling Spiral」では歌の途中でウェーブが起き、会場のテンションはみるみる上昇していく。内田さんも「最強にパワーをもらいました! 最後の曲は盛り上がっていきましょう!」と言って、「Hello, future contact!」で本編を締めくくる。客席も思い思いにペンライトを振って楽しんでいた。

大きな歓声に応えてのアンコールでは、ライブTシャツ姿で登場。「Step to Next Star!!」で客席と声をかけ合ったあと、「ライブっていいよね。みんなの声が聞こえるところがいい。ファンのみんながいるからがんばれるということに気づいたんです。だからみんなと一緒にいたい! その時間が作れるように私もがんばるし、みんなは私と一緒にいてほしい。“みんな”というか、“あなた”ですよ!」とコメント。

内田真礼さんは人を好きにさせることの天才のように思える。屈託のない笑顔でそんなお願いをされたら、もう付いて行く選択肢しかないじゃないかとも思うが、それを何のてらいもなく言えてしまうところが彼女のすごさだ。


そして、彼女を大好きな人たちが集まるファンクラブで作ったというアンセム曲「サニーデイ・アンセム」をみんなで歌い、アンコールのラストでデビュー曲「創傷イノセンス」を力強く歌う。おそらく、これまでに一番歌ってきたであろうこの曲だが、今では完全に自分のものにし、ライブでは欠かせない盛り上げ曲になった。そんなカッコいい1曲でライブを終えるかと思いきや、「もう1回!」の大合唱に、ダブルアンコールを用意。

登場するなり「みんな私のこと好きだね~(照笑)? 私も大好きだよ!」と言うと、バンドメンバーやダンサーを、絶賛しながら呼び込む。

「日本武道館公演を発表してから半年くらいなんですけど、そこで何をやろうかをずっと考えてて、結局私がやりたかったのは、いつもの真礼チームとのライブを、みんなと共有したいということだったんです。だからいつもの感じがいいよねと相談して、いつものライブをやろうと思いました。私たちってこうなんです!っていうのを『高鳴りソルフェージュ』で始まったこのライブで感じてもらえたと思っています。この景色がまた見られるように私はがんばるし、また日本武道館にも来たいよね。でも今日の武道館。平成最後の1月1日を私は一生忘れないし、宝物になると思います。2019年も内田真礼をよろしくお願いします!」

そう挨拶して、最後はバンドやダンサー、そして武道館に集まったファンのみんなで楽しめる「Shiny drive, Moony dive」と、再びの「take you take me BANDWAGON」で、平成最後の元日に初の日本武道館ワンマンライブを終えた。

(取材/塚越淳一)

【セットリスト】

01 高鳴りのソルフェージュ

02 take you take me BANDWAGON

03 ロマンティックダンサー

04 クロスファイア

05 aventure bleu

06 +INTERSECT+

07 アイマイ☆シェイキーハート

08 からっぽカプセル

09 youthful beautiful

10 c.o.s.m.o.s

11 magic hour(アコースティックアレンジ)

12 わたしのステージ(アコースティックアレンジ)

13 君のヒロインでいるために

14 シンボリックビュー

15 Applause

16 世界が形失くしても

17 Hello, 1st contact!

18 ギミー!レボリューション

19 Smiling Spiral

20 Hello, future contact!

ENCORE

EN1 Step to Next Star!!

EN2 サニーデイ・アンセム(FCオリジナルソング)

EN3 創傷イノセンス

W ENCORE

EN1 Shiny drive, Moony dive

EN2 take you take me BANDWAGON

おすすめ記事