【インタビュー】フライングドッグ10周年。その軌跡とアーティストとの関わりを、佐々木史朗社長が語る!
アニメ音楽の大手レーベルのひとつであるフライングドッグ。今年、会社設立10周年を迎え、さまざまな企画が実現化している。まず、2019年1月23日にリリースされたのが、ビクター時代から現代までの100曲を繋いだMIX CD「NON-STOP FlyingDog MEGA MIX DOG RUN!!」。そして、2月2日は所属アーティストが多数登場するライブイベント「犬フェス!」が待ち受ける。
30年以上もアニメ制作畑を歩み続けてきた佐々木史朗社長に、フライングドッグの軌跡について、そして「犬フェス!」出演アーティストについて、たっぷりと語っていただいた!
フライングドッグの理念は、世界に通じる町工場
──佐々木社長は、入社以来一貫してアニメ制作の部署に所属してきたとうかがっています。
佐々木 1982年にビクター音楽産業(当時)に入社して、3年ほど営業職をやった後、ディレクターになったのが1985年です。それからはずっとアニメの制作ですね。会社でも、僕みたいな形態は珍しいと思います。
──ビクター音産からビクターエンタテイメントと社名が変わり、アニメの部署は続いていきます。そして2007年にレーベルとしてフライングドッグが立ち上がり、2009年には子会社化されました。今年は会社としてのフライングドッグ誕生から10周年ということになります。そもそも、フライングドッグというレーベル名、社名の由来は、何なのでしょうか?
佐々木 僕が学生時代のことなんですけど、ビクター内にフライングドッグというロックのレーベルがあったんです。それがなくなって久しく経ち、アニメの部署でレーベルを立ち上げようとなったときに、レーベル名の候補としてあがったひとつがフライングドッグでした。ビクターのトレードマークは犬なので、ビクターの遺伝子を継ぐという意味で社名にDogという言葉を入れたかったんですね。それともうひとつ、僕も含めて、社員に戌年生まれが多いという理由もありました(笑)。
──そんな裏話が(笑)。
佐々木 検討していく中で、フライングドッグというのは、やっぱりキャッチーでいいなと。オリジナルのフライングドッグに関わっていた方々にお許しをいただいて、付けさせていただいたという次第です。
──誕生してから10年。それ以前のビクター時代も合わせて、さまざまなアニメ作品やアニメ音楽を生み出してきました。フライングドッグというレーベルの特色について、佐々木さんはどのように捉えていますか?
佐々木 自分がもともと制作の人間だったということもあって、「下町ロケット」じゃないですけど、音楽を作る町工場みたいなレーベルだというイメージが、僕の中にはずっとあるんです。巨大なラインがあるプロダクツではなく、最初から最後まで手作りで行う町工場ですね。よく考えていたのは、サッカーのワールドカップに使う審判用ホイッスルを作る町工場のことです(注/野田鶴声社。2016年に廃業)。見た目は普通の町工場なんだけど、世界中に知られている会社で、それにならいたいという思いを、ずっと持っていました。アニソンは世界中に親しまれている音楽なので、こぢんまりとしたレーベルに見えつつ、実は世界に通じている、というのが理想ですね。これはあくまで僕個人の思いですが。
──佐々木さんとしては、そうありたいと。
佐々木 レーベルの色というのは、中にいる人間によって変わっていくものだと思うんです。僕も先輩たちの作る音楽とは違うものを作りたいと思って仕事をしてきましたし、そんな僕がじじいになった今は、佐々木がやったことはもう古いんだよと思いながら、若い人たちが自分のやりたい音楽をやっていけばいいと思っています。それによってレーベルカラーが変わるのは、全然ありだと思うんですけど、町工場というマインドは持ち続けていってほしいと思いますね。
──漠然とした印象ですが、フライングドッグならではの作品というのはあると思います。キャッチーさがある中に、どこかマニアックなこだわりが潜んでいるというか。
佐々木 同じクリエーターでも、フライングドッグで制作したときは違う音になる、という仕事をしたいと考えています。もちろん作り手のやりたいことを大切にするのは第一なんですが、ほかでやった音と同じだよね、ということになるとつまらないなと思うんですよね。クリエーターがヒットを生み出すと、「前の○○のような曲を作ってください」というふうに、制作側は同じ傾向の音楽を求めてしまいがちなんですよ。でも、もしかしたらそれはクリエーターにとっては面白くない発注であるかもしれないし、得意とすることはもっとほかにあるかもしれない。そういうときに、たとえば明るい曲でヒットを飛ばしたクリエーターに、「今度は暗い曲を作ってください」と言うと、興味を持ってもらえるんです。そうやってほかにはない音楽が生み出せれば、自然とレーベルカラーになっていくでしょうし、型にはまらないというのは大事なことかなと思います。それに我々は、唯一無二の存在である方々と一緒に、お仕事をさせていただいているという思いがありますね。
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