映画館オープン! 上映作品の元ネタを探しても楽しいかも!?「バミューダトライアングル~カラフル・パストラーレ~」ゆるふわ感想文第5話「びっくりワクワク」

アニメ「バミューダトライアングル~カラフル・パストラーレ~」第5話はキャロ回であり、5人ががんばって修復してきた町はずれの映画館がついにお披露目される回でもありました。

どんな映画を上映するかで楽しく意見を出し合う5人ですが、いざ映画館を復活させるとなると、上映する演目を決めて、上演日を決めて、観客を招待したり、ポスターやシェル放送で宣伝をしたりとやるべきことはたくさんあります。

村の機械担当・コーダさんの助けを借りながら、5人はそれぞれが上映したい映画を探します。フィナの映画の好みがやたらとダークな感じなのが意外です。最後まで自分が流したい映画を決められないキャロですが、ソナタががんばる姿を見て、悩みながら答えを探していきます。「ヒジキサンドは、みんなで食べるからおいしい」。そんなフィナの言葉を通して、キャロは自分が伝えたいものが、最初に5人が映画館とキネオーブを見つけた時のドキドキとワクワクであることに気づきます。

5人が名付けた映画館の名前は「シネマカラフル」。ゆったりとした客席は人魚仕様で、子供たち3人が仲良く並んで映画を見られるようになっています。

新月の夜、村中の人たちが集まった映画館で、5人が最初に見つけたキネオーブに込められた映画が上映されました。上映機の修理前はくるくると踊る人魚の様子が流れるだけだった映画は、きちんと修理してみれば2人の人魚の友情を歌とダンスと幻想的な映像で描く大作映画でした。プラネタリウムのようなドーム状の空間に、自在に泳ぎ回る人魚たち、色とりどりのクラゲや光が立体的に舞い踊ります。

おそらくこのキネオーブのモチーフのひとつは、1939年のミュージカル映画「オズの魔法使」の中で主演のジュディ・ガーランドが歌った「Over The Rainbow」ではないでしょうか。特徴的な旋律を連想させるBGMと、雲を渡る色とりどりの虹。そして映像に映る親友の人魚の少女は、ジュディが映画で演じたドロシーに似た風貌です。モノクロからカラーへの移行期の戦前の映画、パーレル村でも忘れられかけた映画館に残されたフィルム、もとい、キネオーブの題材としてはぴったりな時代感ですね。空を飛ぶ傘といえば……ですし、映画好きな人が見ればいろいろなモチーフが散りばめられているのかもしれません。

映画を最後まで見届けて、無事上映をやり遂げた5人の気持ちはキラキラの瞳と、憧れの余韻にひたる5人の背中から伝わってきました。

そういえば、「バミューダトライアングル~カラフル・パストラーレ~」のエンディングテーマ「シャボン」は、5人のキャストが歌うソロバージョンを順番に流してきましたが、今回のキャロバージョンで一巡。新人声優さん中心のキャストですから、歌声でそれぞれの自己紹介をしている感じがよいですね。キャロ役の新藤あまねさんは、なんと14歳。この作品がデビュー作なのでこれがどのぐらいキャラクターに寄せることを意識しているのかもわかりませんが、歌声に力があって、のびのびと歌っている感じがしてとてもよいと思いました。

(文/中里キリ)

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