【インタビュー】成熟の時期を迎えた瀧川ありさ。「わがまま」は、今だからこそ書けた曲です
TVアニメ「ドメスティックな彼女」のエンディングテーマ「わがまま」を、2019年3月6日にリリースするシンガーソングライター・瀧川ありさ。思春期の恋愛ならではの、自己矛盾に満ちた気持ちを表現した「わがまま」は、作品を読んだ印象を素直に曲に落とし込めたという。そこには、ライブなどの経験を通して得た、精神的な成熟があった。本作のミュージックビデオ(MV)でも、今までよりもぐっと大人な表情を見せてくれる彼女に話を聞いた。
「わがまま」では、思春期の矛盾に満ちた恋愛を表現したいと思いました
──アキバ総研で瀧川さんにお話をうかがうのは、5thシングル「色褪せない瞳」(2016年9月7日リリース)以来となります。その間、アルバム、6thシングル、コンセプトミニアルバムとリリースしてきて、今回が7thシングルになります。まず、2018年は瀧川さんにとってどんな年でしたか?
瀧川 コンセプトミニアルバム「東京」を出しつつ、弾き語りの全国ツアーをやったりという年だったんですけど、身近な人には「大人になったね」って言われましたね。考え方が変わったりして、中身が成熟した1年だったなと思います。
──考え方が変わったというのは、たとえば、どういうことですか?
瀧川 自分ではあまり意識していないんですけど、物事のとらえ方とか、人前に立つことに対する気持ちとかで、主体性が出てきたと言われました。たしかに思春期からあった心のバランスの悪さがやっと抜けてきた感はあって、細かいことに振り回されず、フラットに考えられるようになってきたような気がします。
──年齢とともに、自然に変化してきたと。
瀧川 そうだと思います。前はこうだったよねって言われたときに、ああ、そうだったかもと。そうやって気づくことがいくつもありました。前は自分の世界だけで生きていたのが、ちゃんと外側に開けてきて、人と繋がれるようになってきたというか、人と一緒に生きていけるようになったと思います。ちっちゃい頃って、自分以外は全部、ニセモノなんじゃないかって感覚があったじゃないですか。あれが大人になっても、ずっと残り続けていたんです、私(笑)。それが人の人生に自分が関わっているんだと、相手のことを想像できるようになって、やっと子どもから大人になれたのかなと思うんです。
──そういう気持ちの変化は、曲作りにも影響を与えたりしたのでしょうか?
瀧川 そうですね。「わがまま」のようなまっすぐな曲は、今まで書けなかったので。それがなんの引っかかりもなく、スッと書けたということは、マインドが変わったということだと思います。
──「わがまま」は、TVアニメ「ドメスティックな彼女」のエンディングテーマです。楽曲作りは、まず、作品を知るところからですよね。「ドメスティックな彼女」を、どう思いましたか?
瀧川 タイトルから想像したよりも、ずっと純粋な気持ちを描いている作品だと思いました。メインキャラ3人の全員に共感できましたし、彼ら以外の脇のキャラクターも全員生きている実感があって、自分自身があのストーリーを体験したかのような気持ちになれました。だから、曲もごく自然に生まれてきました。
──キャラクターをていねいに描いている作品ですよね。
瀧川 表情にしろセリフにしろ、お芝居の間にしろ、すごくリアルな感じなんです。みんなが実写のドラマみたいと言ってるのがわかるなって思いました。心の機微が感じ取れたので、「あぁ君にだけわがままになっていく」というサビ頭のメロディと歌詞がすんなりと出てきました。
──主人公の夏生(ナツオ)が、陽菜(ヒナ)と瑠衣(ルイ)という2人のヒロインに挟まれるというお話ですが、夏生にも共感できたんですか?
瀧川 できました。はっきりしろよって感じる人もいるかもしれないんですけど、しょうがないよねって(笑)。2人ともかわいいし。男の子らしくて、すごくいいなと思いました。こんな状況でちゃんとできる人間なんて、なかなかいないと思います。振り回されている感が、「わかるよ!」という感じでした。
──ヒロイン2人に関しては、どうですか?
瀧川 もちろん共感するんですけど、私はどちらかというと男子目線で作品を見ている感じです。かわいいなあ、どうしようかなあって(笑)。
──「わがまま」は、自然に作ることができたとおっしゃっていましたが、最初にどんな曲にしたいと考えましたか?
瀧川 現在進行形の想いを描きたいなと思いました。正論を振りかざされても、どうにもできない感情が恋愛にはあって、自己矛盾というか、そういうときって自分で自分のことが説明つかないんですよね。もうひとりのほうを見てほしくはないんだけど、別に自分にふり向かせたいわけでもないというか、でも外の誰かのものになるのはイヤという思春期の気持ちの矛盾を、ていねいに描けたらいいなと思いました。気持ちの説明のつかなさ、がテーマです。
──ということは、歌詞は瑠衣の視点がメインということですか?
瀧川 いや、3人全部の視点を入れました。だから、誰かひとりの歌というわけではないです。それで話数を追うごとに誰の視点にも当てはまって、1話ごとに違う曲に聞こえるようになったらいいなと。
──サビの終わりの一節が印象的でした。オンエアでも聴ける1番は「そっちを見ないで」で、その後に出てくる2番は「こっちを見ないで」なんですよね。まさに自己矛盾です。
瀧川 普通だったら歌詞を揃えると思うんですけど、こういうことだと思ったんです、思春期の恋愛というのは。「だったら、どうしたいの?」って聞きたくなるんですけど、本人にもわかってないんだろうなと思うんです。答えを見つけたいとか、恋を成就させたいという気持ちよりも、もっと複雑な何かがそこにあるんだろうなって。
──1番から2番に行くに従って、歌詞に微妙な変化があるように感じました。
瀧川 1番はすごくピュアな気持ちから始まって、2番は想いがこんがらがっていった先というか、危うさが増していると思います。なので、楽曲のアレンジも1番と2番では違っているんです。
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