「ゾンビランドサガ」Blu-ray第2巻発売記念! 神エピソードの第5~8話をメインスタッフとともに振り返るスペシャル座談会!

日本中をゾンビィブームに巻き込み、今もなおパンデミック拡散中の「ゾンビランドサガ」。そのBlu-ray第2巻が、先日発売された。

第2巻は、「ドライブイン鳥」「ガタリンピック」といった佐賀県名物をフィーチャーした第5話。昭和と平成のアイドル観について言及しつつ、愛のトラウマを乗り越え感動的なライブを成功させた第6話、第7話の前後編。そして、リリィの意外な秘密と家族愛に泣き笑いの第8話と、いずれも見ごたえ満点の神エピソードを収録!

そこで、今回はBlu-ray第2巻の発売を記念して、境宗久さん(監督)、村越繁さん(シリーズ構成)、ますもとたくやさん(脚本)、竹中信広さん(プロデューサー)に集まっていただき、改めて「ゾンビランドサガ」中盤の制作裏話を語っていただいた。

みなさんのゾンビィ愛あふれる、1万字オーバーのインタビューになってしまいました!


ーー現在の「ゾンビランドサガ」熱を、どう感じていますか?


 先日、「ゾンビランドサガ」のロケ地を巡礼するバスツアーというのをやったんですけど、一緒に回った方もそうだし、行く先々でお会いするファンの方々と話したりすると、本当にゾンビ愛がすごいんです。神社の絵馬にもイラストが描かれていたり、ありがたいなぁというのを実感してきたところです。


ーーここまでの盛り上がりになるとは思っていましたか? もちろん目指して作っていたとは思いますが。


 目指してはいましたね。毎回毎回が勝負だと思って作っているんですけど、実際に現場も、シナリオの打ち合わせ段階から「これ、面白いよね?」っていう話はしていたんですよ。


ますもと ト書きで爆笑するとか、なかなかないですよね。


村越 そこに至るまでの妥協がなかったですよね。


 もうひと味もうひと言、何かないかって。


村越 限られた時間の中で、妥協せずに「これは面白い」となるまでやりきれたことは本当に幸せでした。このチームだからこそできたと思います。


ーーこのチームだったからこそ、シナリオ打ちが充実してたんですね。


ますもと シナリオの尖り具合の調整とかは結構難しかったですけどね。尖り過ぎてもいけないし、もうちょっと何か欲しいというのもあったりして。だから“ナイスバード”とかが通ったのは嬉しかったです。



ーーその5話もそうですけど、ネタがやたらと多いんですよね。きっと多くの人のアイデアが入っているんだろうなと思いました。


村越 まさにそうですね。僕の目線からだと、自分以外の皆さんは瞬発力がすごいんです。その場で面白いアイディアや指針を示してくれて、僕は瞬発力がないほうなので、持ち帰ってちょこちょこネタを入れたりするんですけど。とにかく皆さんに圧倒されました。


ますもと 村越さんにお会いする前に台本を読ませていただいてたんですけど、会ったらものすごく普通の方で驚いたんですよ(笑)。もっと尖った、やばい感じの人だと勝手に思っていたから、すごく気さくでやさしい方で、逆に狂気を覚えましたよね(笑)。そのギャップが毎回楽しくて。


ーー竹中さんはプロデューサーとして、現場をどう見てました?


竹中 現場に関してはとてもよいチームとして見ていたんですよ。監督と村越さんはすごく真面目で、当たり前なんですけど、お2人には作品を形にする責任があるじゃないですか。僕は手作業としてはやることはないので(笑)、MAPPAの大塚学さんとふざけたことを言ってたんです。それは、もっと柔軟に考えてもらいたいということでもあったんですけど。あとはキャラクターデザインの深川可純さんも枠からはみ出たアイディアを投げていたかな。ますもとさんは意外と変化球を投げてきて、一度みんなで考えるという(笑)。


ーーそのアイデアをうまくまとめていたのが監督と村越さんだったんですね。今回はBlu-rayに収録の5~8話について振り返る取材なのですが、全体の中でこの4話はどういう位置づけにあるのでしょうか?


村越 5~8話というより、7話で一度盛り上がりを作ろうという話だったんです。ここは初めての前後編だったので、最初からここで盛り上げないと後半にいけないという意識はずっとありました。で、8話からは個人のことに焦点を当てつつ、最後の盛り上がりに行くという流れでした。


 7話で盛り上げなければ、この作品はダメだなというのはありましたね。


ーーでも実際は、1~2話から盛り上がっていましたけどね(笑)。


竹中 1話は正直何かわからないものを見た!という感じで終わるんですけど、2話では方向性を示さないといけなかったので、それはすごく意識していました。


ーー音楽もデスメタルからヒップホップという追い打ちが本当に効いてたんですよね。デスメタルだけでは、まだ想像できるけど、その後のヒップホップの本気さというか。あれはすごかった。


 2話でやっとほかのメインキャラクターがしっかり出てくるので、そこをバランス良く見せて引き込んでいかなければいけないというところがあったんです。それで、最後のラップの瞬発力が生きたんじゃないかなと思うんですけど。


村越 音楽に関しては僕が参加する前の段階から、境さん、竹中さん、大塚さんのお三方で、こういうことをやりたい、こういう物語をやりたいというという指針の中にあったので、それをどう物語にしていくかを、みんなで話し合っていった感じですね。



第5話  君の心にナイスバード SAGA

ーー4話でご当地話が出てきますが、5話もガッツリご当地ネタで、こちらはますもとさんが脚本を書かれていますね。


竹中 ここはもともとご当地ネタにする予定ではあったんですけど、キャラクターの個性を見せようということで、ひとりひとりの競技参加などをていねいに描こうと思った記憶があります。


ますもと そういう“やらなきゃいけないリスト”があったんです。あとは今まで出てきた笑いの部分の幅を試すような回だった気がします。ここまではOKだけど、ここからはナシという大きな枠が決まっていった気がしました。


ーー先ほども言いましたが、ネタの詰め込み方がハンパないですよね。


 5話は作っていてもよくわからなかったんですよ。これで合ってるのかな?っていうのは考えながらやってて。


ますもと 正解がわかんなかったですよね(笑)。


竹中 大丈夫です! 5話はできあがってからも、これでいいのかわかってなかったですから(笑)。


 AパートとBパートは同じ話じゃないか?くらいの感覚で……。


ますもと そこは完全に2本立てでした。


ーー幸太郎の登場ネタって、ここからでしたよね?


ますもと あの野球とかサガジェンヌのくだりって、何度かプロットを書いているうちに、そういうルールになってきたんですよね。


竹中 毎回違うネタをやろうかみたいなところでしたよね。そしたらますもとさんがぶっこんできた。


村越 そうですそうです。流れがあった中でぶっこんできたネタでした。あれは急にどうしたんですか(笑)?


ますもと 考えすぎて、どうかしていたんだと思います。気がついたときには、幸太郎さんが全力でバット振ってたという。


竹中 全力で野球はやってないんだけどね(笑)。


村越 あそこが予告で流れたから「次回は野球回になる」と視聴者さんから言われてたんですよね(笑)。でも冒頭だけで終わるという。



ーー脚本も面白いんですけど、それを映像にする段階でさらに面白くなっていくんですよね。しかもそこに宮野さんの演技も加わるから、足し算がすごい。


ますもと ボールののめり込みも面白かったし、宮野さんの演技もやっぱり最高でしたよね。


竹中 「土、土~」はアドリブでしたからね。あの絵はあったんだけど、間に入れてくれて。結構口パクがないところをアドリブでかなり埋めてもらってましたし、そのほとんどを使っています。


ーー映像にするうえで、ギャグの演出も相当考えたのではないですか?


 ガタリンピックも見に行って、どういうことをやっているのかというのを見たうえで、それをまんまやっても、色も1色だしおとなしいから、面白い動きをさせないと普通になっちゃうねと、演出の佐藤健くんと相談して、いっぱい遊んでとお願いしたりはしました。


ーーたえがバラバラになったあとの、泥の中を這いつくばるフランシュシュとかも?


 それも佐藤くんがこうしたいんですけど、ということだったので。この作品は、そこでダメと言うと負けな気がしたので、やってもらって、最終的に竹中さんが見てダメだったらまた考えようという感じでした。


竹中 でも、ギャグの部分でダメと言った記憶はないんですよ。演出で相談はいろいろしましたけど、カットの作りに対して何か言うということはなかったと思います。


境 それだけ懐深い作品ではあったんですよね。何をやってもハマるというか。


ーー逆に言うと、何をやっても大丈夫なくらい設定がしっかりしていたということなのかもしれないですね。


 それもあってのことかなと。キャラクターとかもしっかりできていたから、何をやってもハマったし、1~2話で何でもありなところを見せられたから。


竹中 何なら最初の2分で見せたからね。


村越 実際設定は細かく作られていて。出すかはわからないけど……という部分はたくさんあるんです。

竹中 でも、それをちゃんと記したメモがあるかと言われると、実はそうでもなく、4年間の中でみんなと話し合ったことの積み重ねなんです。名言化されてないけどなんとなくこういう設定だよねというのが、みんなの中にあるという。


ーーいつかゆうぎりのことも教えてください。個人的には警察官Aの吉野裕行さんが大好きなんですけど、ガタリンピックでの「ムツゴロウに平和を」が面白くて……。


 あれはもっとセリフがあったんですよ。「ムツゴロウの平和を守りに来ました」って言い切るセリフだったのに、吉野さんが(笑)。


竹中 溜め過ぎちゃってて(笑)。


ますもと あははは(笑)。


 しかもMCの子が「はい!」ってぶつ切りにする感じになって、面白いからそれで!っていう。


竹中 アフレコのときも、吉野さんは「全然入ってないや……」って言ってたんですけど、こっちは「オッケーです」みたいなことを言ったんですよね。


ーー監督がいるブースのほうは、結構爆笑しながらやっていそうですね?


 僕は録っているので、なるべく聞かなきゃと思って大声で笑ったりはしてないんですけど、後ろのこの人たちが爆笑してるから……。


竹中 あれはちょっとふざけすぎてて、人様には見せられないですけど……(笑)。




第6話 だってセンチメンタル SAGA
第7話 けれどゾンビメンタル SAGA

ーーそして6~7話で、やっと真面目な話が来たと思いました。


 ここではしっかりとアイドルとしての熱血ドラマをやろうということでした。


竹中 シリアスというか、ドラマの部分ですよね。そこを見せたかった。


 だから6~7話で画を作っていくときに、どれだけギャグを忘れないようにするかというところは考えていました。登場人物やストーリーは真面目に熱血しているんだけど、その中にちょっとしたふざけも忘れないよという。


竹中 見やすさのテンポみたいなことは話してましたよね。バランスよくギャグを入れて、全体的な印象を重くならないようにしようみたいな。それと、もともと昭和と平成のアイドルの話にしようというのはあったんです。


村越 そこをやりたいというのは言われていましたね。



ーーここは村越さんの脚本になりますけど、いかがでしたか?


村越 昭和と平成のアイドルの違い、軋轢に関しては不安もありました。僕の中で「こう感じるのだけど」「こういうことじゃないか」というものを提示して、ひとつひとつ皆さんに確認していただきながら書いていったというか。


竹中 僕は最初の段階で、ピンとグループというのが軸になるというのは伝えていたんですね。


 そうですね。対比としては一番わかりやすいので。


竹中 あまりドロドロしたところには行きたくないと言っていて、お互いの主張が正しい感じでいければいいよねというところで、村越さんがうまくまとめてくれました。


村越 実際にどちらかが間違えているという話ではないので、それをちゃんと伝えられたらいいなと。ファンとの距離感など時代とともに変わってきたものを、チェキ会のエピソードなどを通してうまく出せたらと思いました。


ーーその思いは、7話のAパートの幸太郎のセリフに全て詰まってるんですよね。あそこがすごくよかったです。


村越 急に語りに入るとこですね。


竹中 あそこは結構何度もやりましたよね。セリフ量が多いということもあって、これで本当に演出上いけるのかというところはかなり話していたと思います。監督はどう思っているのかはわからないけど、僕はダビングするまで不安でした。


村越 確かに。僕もアフレコにおじゃました際、実際にしゃべっていただいているのを聞いて、自分が書いたセリフにも関わらず、視聴者さんが最後までしっかり聞いてくれるだろうかと一瞬思ったんです。ここまでがすごくテンポのいい作品なので。


 でもああいう長セリフってあるし、見せ方とか演技の方向性なのかなと思っていました。あとは曲の付け方。そこはシナリオを読んだときからイメージできたので、そんなに不安はなかったです。


竹中 そうですね。音楽が付いたときに、これはスルッと行けそうだなと思えたんですよね。



ーー監督には、最後の画が見えていたんですね。宮野さんの演技もすごかったですよね。


竹中 すごくよかったですね。


 ああいうところは変にキャラクターを動かすよりも、役者さんに芝居をしてもらったほうがちゃんと届く言葉になるので、演出の仕方としては一番いい形で見せられたんじゃないかなと思います。


ーー真剣なことを言うときの幸太郎って、ウソがないんですよね。そこはいいなぁと。


 幸太郎はただただふざけているときもあるけど、こういう時は真面目に気持ちを伝える人なんですよね。


ーーその他に、監督がこの話数で表現したかったことは何ですか?


 ドラマのほかにはキャラクターを掘り下げる回だったのかなと思います。なので6~7話を見たあとに、見ている人がフランシュシュを応援したくなっているようにしたいと思っていたんです。


竹中 でも、最終的なフックがないなとは思っていたんです。何かフックが欲しいなと思っていたところに、村越さんが「●●●●●(某テクノポップ系アイドルユニット)」というアイデアを持ってきてくれて。あれが来たことで、この2話は絶対に行けると思いました。もともとよかったんだけど、さらにこの作品ならではのものにできたという感じ。


村越 彼女たちが死んでしまったということは、もちろん悲しいことなんですけど、ゾンビであるということをマイナスには捉えるのではなく、プラスの要素としてどう面白くできるのかというのは常に考えていました。7話を考える際、まず落雷で死んでしまった愛にもう一度雷が落ちてトラウマを克服するという流れを思い付いたのですが、そこまでは何となくあるような気がしたんです。もう一押し何かが欲しいと考えていた時に、どうせなら某アイドルのようになったらどうだろうと。そこから放電とかしたら面白いかも、なんて話も出てきたんです。完成した本編では放電どころか指先からビームを出してて、「うわぁ~やり切ったー」って思いました(笑)。



ーー「●●●●●(某テクノポップ系アイドルユニット)」っていうのは、声がケロってるということですか?


村越 そうですね。痺れたことで地声に某アイドルユニットのようなエフェクトがかかるというのは、アイドル作品としてこれまでなかったものになるのではないかと。僕がこの作品に貢献できていたとしたら、ここだけですね(笑)。


竹中 いやいやいや(笑)。


ますもと そのシーンだと、幸太郎の「これがアイドルの橋……。始まったな」というセリフが面白くて、メールを読んで爆笑したんですけど……。


村越 あれも謎ですよねぇ。言ってみよう言ってみようっていう感じで。


竹中 でもそこ、僕らが思っていた以上に引っかかってないんですよね(笑)。


村越 そうなんですよね。


竹中 感動が強すぎて、本のときは爆笑だったんだけど、実際映像で見るとサラッとしてたんです。


ーー僕もスルーしてました……。だってあの2曲はどうしたって感動しますよ。


竹中 そうなんですよね。本当にいい話だったので。


村越 物語と楽曲がどういう繋がりを見せるかというところは、脚本時にはわからなかった部分でした。実際にでき上がったものを見て、僕も感動しました。


ーー「アツクナレ」でずっと「フォローする」と言っていた愛が歌えなくなって、純子が「フォローする」と言ったところは涙なしでは見れないし、そこからの「目覚めRETURNER」という流れですからね。


ますもと 「目覚めRETURNER」は3話で、さくらが歌えなかった曲でしたっけ。


 あの時はまだ歌い方もたどたどしく、踊りも拙い感じでやっていたけど、ここではやり切るっていう。


ーー愛の顔がめちゃめちゃよくなっているんですよね。


 そうなんです。「カットイン♪」のときの表情がすごくよくなっているんですよ。そこは差をつけようという話をしていたので。


竹中 確か深川さんの修正で。最後のあのワンカットで愛がトラウマを克服したのを見せないとダメだからと、修正を入れてくれた感じでしたよね。



ーーしかもそこで終わりではなく、平成と昭和のアイドルの間に、アイドルになりたくてもなれなかったさくらが「アイドルは笑顔を届けるものですよ」と教えられてるシーンとかはグッと来ました。で、雑誌に載って伝説になるところまでやってるから、もう詰め込み過ぎなんですよね(笑)。


村越 ぎゅうぎゅうですよね(笑)。


竹中 だいたいがぎゅうぎゅうか、はみ出てましたからね。


ーーますもとさんは、この2話で好きなところはありますか?


ますもと 僕はさっきの7話で幸太郎がすごくいいセリフを言ったあとに、純子を車で跳ね飛ばすところが本当に好きですね。あれだけ泣かせて感動させたあとでどう見ればいいんだ?っていう。


村越 あのアイデアを出したのは、大塚さんと竹中さんなんですよ。


竹中 僕は「立て、純子」だけだったかな。


村越 大塚さんが跳ね飛ばしちゃえ!と言ったところに、さらに竹中さんがアイデアを足してくるという。この作品ではそういうことがすごく多かったですね。この場面を考えていた時も、ギャグを入れるという頭はなく、すごく真面目な場面になりそうだったんですが、ここでちょっと「ゾンビランドサガ」っぽいことを入れ込むべきだと、お2人が俯瞰で見てくれていて。まとまり過ぎているところにアイデアを入れてくれるんです。


竹中 自分で言ったかどうかも覚えてないから、ふざけてるだけなんですけどね……。


村越 でも結果、あれが「っぽさ」になるんですよ。これ、どういう感情で見ればいいの?っていう。


ますもと 確かにあそこには「っぽさ」があったんで、だから好きだったのかもしれない。


ーー僕は死にませんというか、もう死んでますからね……。個人的にはバリケードを壊した幸太郎が、ドアを直しておけと言うところは、「ドアはお前がっ!」って思いましたけど。


村越 その後で純子が本当に直してるから面白いんですよね。



ーー直してるカットを入れるところも、妥協がないなと。


村越 シナリオでは金槌で直していたんですけど、映像では工具を使って本格的に直してたんですよ。


 あれも演出の清水さんが「こっちのほうが絶対に面白くないですか?」と言ってきたので(笑)。


ーーちゃんと工具のケースも置いてある細かさですよね。


村越 そうやって演出のみなさんの遊びがキャラの幅を広げてくれているので、相乗効果がすごいなと、僕も見てて思いました。



第8話 GOGO ネバーランド SAGA

ーー8話(脚本:村越繁)はリリィ回になりますが、実は幸太郎の登場ネタも続いていて、法螺貝……(笑)。


村越 そうですね。あのアイデアを考えるのはホント大変なんですけど……。


ますもと でしたよね。毎回……。


竹中 もうこちらも止めてなかったから、どうなるかもわからないという。でも台本ではSEと書いてあったんですけど、「自分で言っていいですか?」と宮野さんが言ってくれて。最初、みんなどういうことだろう?って思ったんですけど、「ぶおおおおん」って言い出したので、みんなでゲラゲラ笑ってました。


 宮野さんは、毎回違う「おはようございます」にするのが大変だとも言ってましたね(笑)。


ーーリリィが実は男の子だったというのが明らかになる展開でしたけど、伏線もあったようですね。


村越 2話で重機の本を読んでいるところや、4話で温泉の話が出た時に硬直したりするところですね。


ーーこのネタは誰発信なのですか?


村越 これは僕が参加する前からありました。


竹中 結構最初のほうですね。どちらかと言うと男の子からというよりは、死因からなんです。そもそも悲しいことなんですけど、雷が落ちるとか、重たくならなければいいなというところから考えているんです。飛行機事故とかも僕らが思っていた以上に重たくて、映像化してすごく反省したんですけど。


 コンテでは墜落するまで描いていたけど、それはやめようということになったんです。


竹中 なので「死因を軽くしたい」という中で、リリィをどうするかとなったときに、男の子で毛が生えて死ぬとか、声変わりして死ぬとかがあってもいいよねという流れの中から決まった感じですね。話の中で、ポジティブにゾンビを捉えているキャラがいてもいいよねということで、そういうのを全部ひっくるめて固まっていった感じでした。



ーー髭に驚いて死ぬというのは確かに面白いんですけど、話的にはやたらと感動するんですよね、残念ながら(笑)。


 これは感動話にしようということで進んでいったんです。笑ってライブをやって泣く!というジェットコースター感を味わってもらおうと。


竹中 話的には企画の時点で決まっていたんです。ゾンビがアイドルをするという中で、身内が来て、自分の正体を言い切れずに、思いを歌で伝えるみたいな話をやりたいんだ!ということは伝えていて、それをだいたい8話くらいでやりたいと。で、大塚さんは大塚さんで1話のおふざけをやりたくて、結構シナリオの構成もその1話から8話をどう繋いでいくかというのが最初のスタートでした。だからすごく明確にやりたいこととしてあったんですよね。その中で実は男の子だったみたいな変更はありましたけど、テーマ自体は変わってないんです。


 でも男の子というのは、オンエアのときは心配でしたけどね。結構7話まででいい感じに盛り上がってくれてたから……。


竹中 そうね。期待されてない球かもしれない、みたいな(笑)。


(一同爆笑)


竹中 でも、早い段階で、(アイドルアニメの)既定路線に乗っかってきてるのが逆に駄目だ!っていう気持ちがあったから、むしろ男の子のほうが「ゾンビランドサガ」っぽくていいのかなと思ってました。話としては絶対に感動できるから、大丈夫だと。


 そうですね。話はしっかりしているし、キャラクターも実はぶれないんですよ。男の子だとわかっても、それを前向きにとらえて活躍してるから、大丈夫じゃないかなと思って作っていました。


竹中 ふざけてやったらダメだけど、真面目にやってたからね。



ーー新曲「To my Dearest」も素晴らしかったです。


村越 あの歌には僕もビックリしました。歌詞のぴったり感と語りっぽく入る感じ。僕はそれまで白箱(スタッフ確認用の完成映像のこと)的なものをもらっていなかったんです。


竹中 それはそれで問題(笑)。


村越 いや、これは決して文句ではないですよ(笑)。でも8話で初めて大塚さんから白箱をもらったんです。


 あははは(笑)。


村越 すごくいいものができたから、ちょっと見て、と。


竹中 渾身だったんだ(笑)。


村越 それで見て、実際に自分も感動するという。


竹中 あれは僕だって、すごく感動しましたよ。


村越 やっぱり歌ですよね。あのメロディと歌詞とボーカルがよかった。


 シナリオでは歌い切ったあとにリリィのセリフがあったんですよ。でもあの曲を聴いて、間奏であのセリフをどうしても入れたいと思って、音楽制作の佐藤宏次さんにショートバージョンを作ってもらっていたんですけど、ロングバージョンもお願いしたんです。そこにセリフを入れたら絶対にこっちのほうがいい!と思ったので、尺的には厳しかったんですけど、ほかを削って入れ込みました。



ーーあの曲間のMCは感動でした。で、その4話が収録されている2巻には、河瀬茉希さん、衣川里佳さん、田中美海さんが挑戦したガタリンピックの映像も収録されます。あとはその「To my Dearest」が収録されるCDも付きますね。


 その前年にますもとさんとガタリンピックに行ったんですけど、河瀬さんたちが行ったとき、僕はガッツリ制作中だったから行けなかったんです。まだ僕も映像を見てないので楽しみです。


竹中 ゼッケンの番号も監督のほうで合わせてくれたんですよね。リリィは、田中さんが付けていた番号を付けてて。


ーー「誰でも参加できるよ」ってリリィが言ってるのもよかったです。


 「誰でも2位になれるよ」にすればよかったですかね。


竹中 まぁ、なれないけどね(笑)。


 ますもとさんが参加したときは、八つ墓村みたいになってたしね。(※5話の実写映像はますもとさんだそう)


ますもと 司会にもイジられました(笑)。


ーー特典CDはいかがですか?


竹中 なぜか「ドライブイン鳥(フランシュシュver.)」が入ってるんですよ。


 「To my Dearest」はバスツアーで初めてフルバージョンを流したんですけど、聴いてるファンの皆さんのテンションがものすごかったです。


ーー17日にはイベントでのライブもありますが、2巻を買ってくださった方、買いたいと思っている方にメッセージをお願いします。


竹中 まず手に取ってくださった方に感謝したいです。決して安くはないので。しかし、劇中の楽曲も入っていて、そこでは彼女たちが伝えていたメッセージがよりじっくりと味わえると思いますので、ぜひ聴いてもらいたいです。僕らもフルで使いたいくらいだったんですけど、なかなかそれも難しくて。そして、イベントでのライブも盛り上がってくれたら嬉しいなと思います。


村越 とにかくフランシュシュを応援してもらえるよう、キャラクターのセリフを組むのが僕の役割でもあると思っていたので、引き続き応援いただけたら嬉しいです。


 本編は何回も見返してほしいですね。あとは竹中さんも言っていた通り、フルコーラスでの楽曲を満喫してほしいです。「To my Dearest」はフルで聴くと本当に泣いちゃうし、「特攻DANCE ~DAWN OF THE BAD~」(第9話で披露された楽曲。こちらも第2巻CDに収録)も熱くて、本編を見ればじわっと涙がにじむ曲になっていますので。あとはパッケージ絵がかわいいんですよ! 深川さん、やってくれたなと。


竹中 本気を出してきましたよね(笑)。


 なので、外見も中身も隅々まで楽しんでいただけたらと思います。


――最後にますもとさん、よろしくお願いいたします。


ますもと 第3巻も外も中も本気です。ぜひよろしくお願いします。


(取材・文/塚越淳一)

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・応募期間:2019年3月18日(月)~2019年3月25日(月)23:59

・当選人数:2名様

・当選発表:賞品の発送をもって発表にかえさせていただきます

・賞品発送:2019年5月末までに発送予定

・応募方法:以下の専用応募フォームにて受付

<注意事項>

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