【インタビュー】音楽家・牧野由依のたしかな足どりを感じる、セレクトアルバム「UP!!!!」

今年2019年の夏から、アーティスト活動15周年目に突入する牧野由依。それに先駆けて、今までの軌跡を振り返った2枚組のセレクトアルバム「UP!!!!」がリリースされることになった。ライブで育ててきた楽曲を、新録によるアップデートバージョンも織り交ぜて収録したDisc1、彼女がピアニストとしてもレコーディングに参加した曲を集めたDisc2。コンセプトがはっきり分かれた2枚で、歌手でもあり演奏家でもある牧野由依の「これまで」と「これから」を堪能できる。

牧野由依の「これまで」と「これから」を繋ぐ2枚組です


──今年はデビュー14周年を迎える年なんですよね。

牧野 そうですね。15周年で新たなスタートを切る前に、今までの私をまとめたアルバムを出しておきたいなと思って企画したのが、今回のセレクトアルバム「UP!!!!」です。

──牧野さんのアーティストデビューは、2005年4月の「オムナ マグニ」(TVアニメ「創聖のアクエリオン」エンディングテーマ)ととらえていいんですか?

牧野 「オムナ マグニ」はプレデビューという形で、正式なデビューは同じ年の8月18日に1stシングルとしてリリースした「アムリタ」(劇場版「ツバサ・クロニクル~鳥カゴの国の姫君~」主題歌)です。なので、2020年8月18日が、デビュー15周年の日ということになります。今年は15周年に向けて加速していきたいなと思って、アルバムタイトルを「UP!!!!」にしました。

──勢いのあるタイトルだと感じました。

牧野 ありがとうございます(笑)。セレクトアルバムを作るにあたって最初に考えたのは、どの曲をどんな形で収録するかということだったんです。自分で曲選びをしていたら、アルバムのタイトルは「UP!!!!」がいいんじゃないかなと突然ひらめいて、スタッフとの打ち合わせでライトな感じで伝えてみたんです。そうしたら、次の打ち合わせから企画書に「牧野由依ニューアルバム「UP」(仮)」と記載されていて、私の案が通ったんだと。そんな感じで、自然に決まっていったタイトルでした。

──「UP!!!!」というタイトルが発表されたとき、牧野さんの公式コメントが付きました。「show up」「grow up」「power up」などなど、たくさんの「up」でアルバムにかける想いを表現されていましたね。

牧野 はい、まさにあのコメント通りの、ストレートなタイトルになりました。4つの「!」は14周年をイメージしています。

──「UP!!!!」はCD2枚組で、Disc1、Disc2それぞれにコンセプトがあるそうですね。

牧野 Disc1はライブコンサートの中でファンのみなさまやスタッフとともに育ててきた曲を、Disc2は私の今までの軌跡を振り返る曲を並べて、牧野由依の「これまで」と「これから」を繋ぐアルバムになりました。それから、私の公演は「ライブコンサート」という言い方をしていて、なぜかというと、楽曲をみんな一緒に楽しむ「ライブ」と、ピアノを弾いている牧野由依の姿を見ていただくという2つの要素があるからなんです。このアルバムの中でもそれを表現したいということで、Disc1はライブ、Disc2はコンサートの雰囲気を持つ曲が並んでいます。

──牧野さんの「これまで」と「これから」を表現しているのと同時に、「ライブ」と「コンサート」の要素もそれぞれの盤に振りわけられているんですね。セレクトアルバムということで、収録されているのはすべて既存曲ですが、新たにレコーディングしてアップデートしたものが、全22曲のうち8曲もあります。そのほとんどがDisc1に集まっていますね。

牧野 Disc1の新録曲は7曲で、すべてCDで発売されたものとは違うライブアレンジになっています。演奏も、ライブのときのバンドメンバーによるものです。いっぽう、Disc2に収録されている曲はどれも、レコーディングのときに私自身がピアノを弾いている曲なんです。もともと自分用に、ピアノを弾いている曲だけのプレイリストを作っていたんですけど、それを地元の叔母に聴かせたときに、「こういうふうにピアノの曲ばかりを集めたCDを出してくれたら、車を運転しているときに聴きたい」って言ってくれたことがあって。その言葉がDisc2の選曲のヒントになっていきました。

──Disc1とDisc2で明らかに雰囲気が違っていて、牧野さんの2つの魅力を凝縮したセレクトアルバムになっていると感じました。

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