【Anime Japan2019】次世代を担うアニメ企画はこれだ! 「Project ANIMA」第3弾「キッズ・ゲームアニメ部門」大賞授賞式レポート

2019年3月23日(土)に、東京ビッグサイトで開催された「Anime Japan2019」のKILLER PINKステージにて、「Project ANIMA」第3弾「キッズ・ゲームアニメ部門」大賞授賞式が行われた。

「Project ANIMA」は、プロ/アマ、個人/ユニット・企業問わず、マンガ・小説・イラストから企画書まで、あらゆるチームが、あらゆる形式で参加することが可能という一風変わったプロジェクト。大賞受賞作品は100万円の賞金に加え、アニメ化もなされる。そのほか、書籍、漫画、ゲームなどさまざまなメディアでの展開も検討されるという、まさに夢のプロジェクトである。

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すでに第1弾「SF・ロボットアニメ部門」、第2弾「異世界・ファンタジー部門」の授賞は発表されており、今回の「キッズ・ゲームアニメ部門」でいったんコンテスト自体は終了となる。

会場の壇上には、ラジオ番組「豊永・小松・三上の真夜中のラジオ文芸部」にも出演する豊永利行さん、小松未可子さん、三上枝織さんのほか、「ProjectANIMA」総合プロデューサー・上町祐介さん、アニメ制作会社・動画工房の平松岳史さんが登場した。

まずは豊永さん、小松さん、三上さんが登場。今回の審査メンバーである平松岳史さん所属する動画工房といえば、三上さんの代表作「ゆるゆり」を制作したアニメーションスタジオでもある。そんな事情もあり、「同窓会みたい」とどこかウキウキした様子の三上さん。

そんななか、上町さん、平松さんも登壇し、全体的な総評が発表された。

まず上町さんは、第3弾の印象として「相当仕上がってきたという印象。1弾から3弾まで通じてクリエイターの成長もある、珍しいコンテストになった」とコメント。平松さんが「キッズものとしての数が少なかったような。そのなかでも、ゲームとしての展開が広がりそうなものもあったので、数時間かけて白熱した選考を行った」と語ると、上町さんより「最後は強面の上司が感動して泣く」というエモーショナルな場面があったことが明かされた。

そんな今回の選考の決め手となったのは「アニメ化適正」とのこと。「アニメ作品として実際にありそうな作品」を選び、また作品として完成度が高かったり、文章力があれが通るというわけではなく、「審査員の感情に訴えかけるもの」がある作品が選考に残ったそうだ。

そんな熱い選考を通過し、大賞を受賞。みごとアニメ化が決定したのは、品川一さんの「メビウス・ダスト」。品川さんが登壇し、楯と賞金が授与された。ストーリーはハードなSFアクションといった雰囲気の作品だが、品川さんが女性だったことに豊永さん、小松さん、三上さんらはびっくりの様子だった。

なお「メビウス・ダスト」のあらすじは以下の通り。

2000年2月29日、地球にメビウス隕石群が降り注いだ。この隕石群が地球に齎したメビウス・ダストという新物質。それは地球の大気に溶け込み、ある奇跡を起こす。隕石群の降った日は通称2.29と呼ばれ、この日を境に日本の経済格差は加速。やがて格差に不満を持つ血戦同盟がテロ活動を始める。そんな中、警察は対RC特殊機動部隊と、その隊員の早期養成のための対RC部隊員養成総合学校を設ける。

このあらすじを改めて読んだ小松さんは、「動画工房と言うとゆるやかな日常ものの印象なので、この作品をどう描くのだろうか」とアニメ化に期待を寄せた。

これを受けて平松さんは「ゲーム化も含めた画面映えを考えました。アクションシーンの魅力を出せそう」とコメント。上町さんは「アニメでありそうだし、劇場版とかもありそう。なんならグッズが店頭で並んでそう。いろんな広がりを感じさせてくれる作品。動画工房らしくない作品というギャップもあり、これがどんないい作品になるのか楽しみ」と語った。

ちなみに「メビウスダスト」とは、地球に飛来した隕石に含まれている「奇跡の物質」で、欠損した身体を修復・再生させることができる。その部位は己の意志で変形させたり、特殊能力を持つ「ラムス」と呼ばれるものとなることから、豊永さんはさっそく「隕石型のカプセルの中からラムスがでてくるグッズはどうですか?」とアイデアを提案し、ステージを盛り上げた。

なお前2回同様、豊永さんたち声優陣は、今回もコンテストに参加。オリジナル企画を応募していた。これまでは惜しくも選考に残ることはなかった声優陣の企画書だが、今回は豊永さんと「豊永・小松・三上の真夜中のラジオ文芸部」放送作家の諏訪勝さんのユニット「SWAT」による、お金を題材にした「ふぁい&なんす」が佳作に入選を果たしていた。(小松さんと三上さんのユニット「みつこし」による「エドマジョ・マジョリカ」は残念ながら落選)

平松さんは「インパクトが強くて、社長も短編で作れないかと言っていました。5分ごとのショートなアニメとかいいかも。どのような商品展開をしていくかという点で、通貨を擬人化したキャラがいたりとか、もう一押しあればよかったかも」とアドバイス。ワンチャンでショートアニメ化もあるかも!?とにわかにテンションのあがる豊永さんであった。

最後に上町産は「今回でコンテストは一区切りですが、大賞受賞者以外の作家さんも、アニメ業界で活躍できる作家さんになれればいいと思っていて、寄り添ってアニメ業界をよりよくできるプロジェクトにしていきたい」と今後も引き続きクリエイターたちとともにProjectを展開していくことを誓い、また豊永さんら声優陣も「豊永・小松・三上の真夜中のラジオ文芸部」番組内でアニメの進捗具合などを報告していくことが明らかになった。

そして、最後に三上さんは「これからは声優として仕事を取っていきたいです!」と「Project ANIMA」作品への出演に対する強い意欲を語り、ステージは終了となった。

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