【Anime Japan2019】主演の松山ケンイチと早乙女太一もサプライズで登壇! 今石洋之監督×中島かずきタッグの新作映画「プロメア」スペシャルステージレポート
世界最大級のアニメイベント「AnimeJapan 2019」が2019年3月23日、24日の2日間にわたり、東京ビッグサイトにて開催された。その2日目となる3月24日、東4ホール・COBALT BLUEステージでは、期待の新作劇場用アニメ「プロメア」のスペシャルステージが催された。
「プロメア」は、「天元突破グレンラガン」(2007)、「キルラキル」(2013)のTVシリーズを手がけた監督の今石洋之さんと脚本の中島かずきさんコンビによる完全オリジナル作品。
アニメーション制作をTRIGGERが、製作をXFLAGが担当するとして進められてきたが、2人のコンビとしては、ファン待望の、初の劇場長編作品となる。
キャラクターデザインはディズニー映画「ベイマックス」のコンセプトデザインを手がけたコヤマシゲトさん。音楽は「キルラキル」も手がけた澤野弘之さん。美術監督には「メアリと魔女の花」の久保友孝さんがそれぞれ担当。また、多くの話題作を生み出したサンジゲンが3DCGパートを制作することが発表されている。
⇒グレンラガン、キルラキルの今石洋之監督×中島かずきコンビが贈る劇場アニメーション「プロメア」が2019年公開決定!
そんな世界規模の話題作のステージということで、会場には国内メディアのみならず多くの海外メディアの記者が来場。その期待の高さがうかがえる。
ステージには、事前告知どおり今石洋之監督、脚本・中島かずきさん、アイナ役の佐倉綾音さん、バリス役の稲田徹さん。そしてサプライズとして主人公・ガロ役の松山ケンイチさん、リオ役の早乙女太一さんが電撃登壇。会場はどよめきの後、盛大な拍手と歓声に包まれた。
「グレンラガン」「キルラキル」といった今石監督×中島タッグによるアニメが大好きという松山さんは「Anime Japanに来るのは初めて。客として来たかった」とコメント。早乙女さんも、ステージから見え隠れする各企業ブースの様子が気になるらしく「うずうずします」と語り、笑いを誘う。
そんな中でスタートした「プロメア」ステージは、まず今石監督と中島さんによる、制作秘話から始まった。「プロメア」は、2013年の「キルラキル」の制作が終わった直後から制作がスタートしていたらしく、完成まで実に6年もの年月がかかっている。このことからもうかがえる通り、「難産だった」と語る今石監督と中島さん。「3本目なのでうまくいくかと思った」そうだが、お互いに相手の手の内をわかってしまったがゆえに、新たなアイデアにたどり着くまでがひと苦労だったという。しかし、「炎」というテーマが出てきてからは、順調に進み始めたそうで、中島さんいわく「今の形になって、やっといけるなと思えたのが2年前」とのこと。「過去最高に手間暇がかかっている」(今石監督)、「その分、密度の濃いものになったのでは」(中島さん)と、作品の仕上がりに自信をのぞかせた。
そんな本作だが、主人公のガロ・ティモス役に松山ケンイチさん、リオ・フォーティア役に早乙女太一さん。さらにクレイ・フォーサイト役に堺雅人さん、ビニー役にケンドー・コバヤシさん、デウス役に古田新太さんを起用するといった具合に、個性豊かな俳優陣が数多くキャスティングされている。
この配役について中島さんは「せっかくの劇場版なんで。『劇団☆新感線』でご一緒した役者さんとやれればいいなと思った」と理由を語ると、今石監督は「中島さんの脚本をちゃんと読めるのは新感線経験者だろうと思った。芝居もばっちりだったので、あとは絵を作るだけ!」と非常に刺激を受けたことを明かした。
現在も鋭意制作中という「プロメア」だが、キャスト陣はすでに未完成のラフ状態ながら、声入りの映像をチェックしているという。それを観た稲田さんは、「古田さんの演技は、威厳がありつつ、茶目っ気が出ている。それが出てくるタイミングが読めず、思わず笑ってしまった。僕ら(声優)がやる時は狙ってやるところを、さらっとやっている。声優では出せない演技が魅力」と、本職の声優とはひと味違う舞台俳優たちの演技を絶賛。佐倉さんも、そんな彼らの生々しい演技に聞き入ってしまったそうだ。
いっぽう、松山さんは堺さんの演技を絶賛。「堺さんの演技の幅が広すぎる。マイクの前に立つと、堺さんはニコニコしているんだけど狂っているんじゃないか、というすごい顔をしていた。同じ役者として、見たことのないタイプだからびっくりした」とアフレコ時の想い出を語ると、早乙女さんも「堺さんの叫んだ顔がすごかった。誰が一番声が出るか選手権みたいな現場で、すごく怖い迫力が出ていた。自分の演技も、それに引っ張られました」とコメント。
今石監督は、「堺さんは、こういう演技をするだろうという期待を何倍も上回ってくるので、この演技にどういう絵を乗せればいいんだろうと悩んだ」と、堺雅人さんの演技が作画にも影響を与えたことと明かす。
もちろん声優陣の気合いの十分で、作品のパワーに影響を受け、日を追うごとに覚醒していくキャストの様子もトークの中で多く語られた。
そんな現場のトークの締めくくりに、今石監督は「残り時間をすべて作って仕上げようと思っています」と、公開に向けてのラストスパートを誓った。
最後に、松山さんは「『グレンラガン』、『キルラキル』と観てきて、懐かしい要素も、新しい要素もあります、ガロは熱血バカで子どもっぽいところもあるが大人の部分もあるキャラクター。子どもになっちゃダメな部分。大人になっちゃいけない部分。そのバランスが取れているキャラなので、そこを見てもらいたい」と作品の見どころを語り、ステージは幕を下ろした。
【作品情報】※敬称略
■「プロメア」
2019年5月24日 全国ロードショー
<STORY>
世界大炎上
全世界の半分が焼失したその未曽有の事態の引き金となったのは、突然変異で誕生した炎を操る人種〈バーニッシュ〉の出現だった。
あれから30年――攻撃的な一部の面々が〈マッドバーニッシュ〉を名乗り、再び世界に襲いかかる。
対バーニッシュ用の高機動救命消防隊〈バーニングレスキュー〉の燃える火消し魂を持つ新人隊員・ガロと〈マッドバーニッシュ〉のリーダー・リオ。熱き魂がぶつかりあう、二人の戦いの結末は――。
<キャスト>
ガロ・ティモス:松山ケンイチ
リオ・フォーティア:早乙女太一
クレイ・フォーサイト:堺 雅人
アイナ・アルデビット:佐倉綾音
レミー・プグーナ:吉野裕行
バリス・トラス:稲田 徹
ルチア・フェックス:新谷真弓
イグニス・エクス:小山力也
エリス・アルデビット:小清水亜美
ヴァルカン・ヘイストス:楠 大典
ゲーラ:檜山修之
メイス:小西克幸
<スタッフ>
原作:TRIGGER・中島かずき
監督:今石洋之
脚本:中島かずき
キャラクターデザイン:コヤマシゲト
美術監督:久保友孝(でほぎゃらりー)
色彩設計:垣田由紀子(T2スタジオ)
3DCG制作:サンジゲン
3Dディレクター:石川真平(サンジゲン)
撮影監督:池田新助(サンジゲン)
編集:植松淳一
音楽:澤野弘之
音響監督:えびなやすのり
タイトルロゴデザイン:市古斉史(TGB design.)
クリエイティブプロデューサー:若林広海(TRIGGER)
アニメーションプロデューサー:舛本和也(TRIGGER)
アニメーション制作:TRIGGER
製作:XFLAG
配給:東宝映像事業部
(C)TRIGGER・中島かずき/XFLAG
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