嵐の中でLUNA SEA、西川貴教、澤野弘之らが熱演!「GUNDAM 40th FES.“LIVE-BEYOND”」DAY2レポート
初代TVシリーズ「機動戦士ガンダム」放送から40年を迎えたガンダム初のオールタイムベストフェス「GUNDAM 40th FES.“LIVE-BEYOND”」が2019年9月7日~8日、幕張メッセイベントホールにて開催された。今回は8日のDAY2をレポートする。
DAY2には伊藤由奈さん、澤野弘之/SawanoHiroyuki[nZk]、BACK-ON、BiSH、May J.、森口博子さん、LUNA SEA、シークレットゲストのT.M.Revolution/西川貴教らが出演した。
⇒ガンダム40周年の祝祭は深紅に染まったLUNA SEAのステージで開幕! 「GUNDAM 40th FES.“LIVE-BEYOND”」DAY1レポート
2日目は前夜より台風15号が接近。各種交通機関の減便や運転見合わせが予告される中、状況を見ながらぎりぎりの判断での開催となった。
ガンダムシリーズ歴代作品を散りばめた映像の後、スクリーンには「ガンダムビルドファイターズ」の映像が。「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」シリーズの印象が濃い立ち上がりだった初日とはかなり雰囲気が変わる。トップバッターとして登場するのはもちろんBACK-ONだ。「ガンダムビルドファイターズトライ」オープニングテーマ「セルリアン」でライブの幕を開けたBACK-ONは、炎が渦巻くバトル映像とともに燃え上がるようなパフォーマンスを見せた。
続いて「ガンダムビルドファイターズ GMの逆襲」主題歌「Carry on」へ。映像にSDガンダムが姿を見せるのが新鮮で、これはガンプラバトルをモチーフにした作品ならでは。客席の声を積極的に呼びこみ、飛び跳ねながら会場を盛り上げた。彼らのステージを締めくくった「ニブンノイチ」はBACK-ONメンバーが周囲にコンセプトを反対されながら意志を通して作った曲とのこと。「今は僕らにとって大切な曲になりました」(ボーカル・KENJI03)。
アイドルグループ・BiSHからはメンバーのアイナ・ジ・エンドさんが登場。アイナさんは「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」エンディングテーマ「光の涯」をSUGIZO feat.アイナ・ジ・エンドとして歌唱担当している。スクリーンに映し出されるのは、宇宙を独りさまようララァ・スンの姿だ。やがてスポットライトの中に、深紅の衣装に身を包んでバイオリンを奏でるSUGIZOが現れる。広大な宇宙の映像に彼のシルエットとサウンドが重なっていく様は幻想的だ。アイナさんは、その音と光の世界をのけぞるような姿勢で身を揺らしながら味わっているようで、名状しがたい独特の空気をまとっていた。
「Ash Like Snow」は「機動戦士ガンダムOO」でthe brilliant greenが歌唱した歌。ここでBiSHのメンバー全員が登場し、個性豊かなボーカルとともに没入度の高いダンスパフォーマンスを見せつけた。ヘッドバンギングあり、時に地面にひざまずき、転げまわるようなダンスの表現に入りこむ様子はプリミティブな祭事の舞踏のようだ。BiSH揃ってののパフォーマンスは1曲限りではあったが、彼女たちの表現と魅力の一端が確かに感じられた。
真紅のドレス姿のMay J.さんは、まずは「∀ガンダム」ED「月の繭」をカバー。さすがカバーの女王、ステージに現れて歌う最初のワンフレーズから違いを感じさせる。ステージに「月光蝶」が舞う中で歌う歌姫の姿は、幻想的であった。続いて「ガンダム Gのレコンギスタ」より後期OP「ふたりのまほう」を披露。新しい物語のはじまりを感じさせる、心浮き立つようなステージだった。
森口博子さんは前日に続いての登場。「水の星へ愛をこめて」を歌い始めた時の会場の真打登場感、この曲を待っていたという空気がすごい。思わず聞き入ってしまう歌唱力と熟練のトークは、バラドルとしてシンガーとして彼女が重ねてきた時間を感じさせる。「台風が来てます、トーク巻き目にいきます!」と宣言した森口さんは、富野監督や関係する全ての人への感謝を語っていた。
今年発売したカバーアルバム「GUNDAM SONG COVERS」で、28年ぶりにオリコン週間アルバムランキングトップ10入りするという記録を打ち立てた森口さん。「34年の時を超えて『Z・刻を越えて』!」と高らかに宣言すると、同アルバムの収録曲から「Z・刻を越えて」を歌った。さらに森口さんは「Amazon Music」でカバーを配信中の「暁の車」を披露。鮎川麻弥さんから南里侑香さんまで、時代を超えた「ガンダム」の歌姫たちの名曲をオリジナルな表現で聴かせる実力は本物だ。
森口さんのラストナンバーは「ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~」。イントロ代わりのハミングから一気に歌の世界に観衆を引きこんでいく。歌い終えた森口さんは「ガンダムは私の人生を変えてくれた運命の作品です」と語っていた。
伊藤由奈さんは色とりどりの光を浴びながら「機動戦士ガンダム00」EDテーマ「trust you」を披露。歌い終えた伊藤さんは会場いっぱいのサイリウムを驚いたように見回して、深々と一礼した。「普段はロサンゼルスに住んでるんですが、このフェスのために日本に帰ってきました」と語った伊藤さんは「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」EDテーマ「オルフェンズの涙」を披露。転調後、さらに歌唱の圧を上げていくパフォーマンスに合わせて、目もくらむほど強い照明がステージをまばゆく照らす。光に溶けていくような圧巻の歌声の余韻を、繊細なピアノの音色が包みこんだ。
澤野弘之さんはカジュアルな軽装で登場してファンの歓声に応えると、グランドピアノの前に座る。Tielleさんのボーカルとともに、「機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096」OPテーマ「Into the Sky」を披露。普段着のまま奏でられる壮大な音色は魔法のようだ。mpiさんの力強いボーカルが加わると、「機動戦士ガンダムNT」より「Vigilante」を披露。黒と白の衣装をまとったmpiさんとTielleさんの絡み合うボーカルが印象的だった。
澤野さんの「澤野ムジーク連邦軍の新型の性能を見せる」という謎めいた前振りで、ステージ前方のポップアップから飛び出したのはT.M.Revolutionの西川貴教さん! 前日、西川さんのステージに澤野弘之さんがサプライズ登場したお返しの登場だ。澤野さんが奏で、西川さんが歌う「ビギニング」は、ゴージャスで壮大な生音によるこの日限りのコラボだった。
続いて「機動戦士ガンダムSEED」シリーズ挿入歌「Meteor-ミーティア-」のイントロが奏でられると、会場から驚きと喜びの声が上がる。西川さんが壮大に歌いあげる名曲が、澤野さんが奏でる音でさらなる広がりを見せた。それに応えるように西川さんのロングトーンの伸びも最高だ。スクリーンにはキラが「種割れ」して視界いっぱいのMSを薙ぎ払うシーンや、アスランとキラの激闘などの名シーンの数々が映し出されていた。「俺がガンダムだ!」と宣言した西川さんと澤野さんは、今後また一緒に音楽を作りたいと誓うと、がっちり握手をかわした。最後はスモークが立ちこめる中、Tielleさんのボーカルで「実物大ユニコーンガンダム立像」テーマソング「Cage」を披露し、正調澤野ワールドを見せつけてステージを締めくくった。
2日間のフェスの大トリを務めたのはLUNA SEA。「宇宙の詩 ~Higher and Higher~」は「機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星」の映像に歌詞の言の葉が落ちていく独特の演出が印象的だ。RYUICHIは「僕らの大好きなガンダムの世界と融合しながらみんなに届けられて光栄です」と語ると「悲壮美」へ。赤い炎の花の中が咲く中、悲しいほどに美しい歌唱を響かせた。
ガンダム40周年を祝ったRYUICHIは「LUNA SEAとガンダムの世界がここまで融合できるとは」と驚きと喜びをこめて語り、「BEYOND THE TIME~メビウスの宇宙を越えて~」を披露。LUNA SEAという確固たる世界観を持ったバンドが、ガンダムの世界に寄り添っていく姿勢と敬意を感じさせた。RYUICHIは台風が近づく中、会場まで来てくれた観客への感謝を伝えると、ラストは 「機動戦士ガンダム」40周年楽曲「THE BEYOND」。伸びやかで美しい歌声を響かせたRYUICHIが、観客に大きく手を振る姿を印象に残して、「ガンダム」40年の歴史と音楽を包括した特別なライブは幕を下ろした。
(取材・文/中里キリ)
【セットリスト】
●BACK-ON
M01:セルリアン
M02:Carry on
M03:ニブンノイチ
●BiSH
M04:光の涯 / SUGIZO feat.アイナ・ジ・エンド(BiSH)
M05:Ash Like Snow
●May J.
M06:月の繭
M07:ふたりのまほう
●森口博子
M08:水の星へ愛をこめて
M09:Z・刻を越えて
M10:暁の車
M11:ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~
●伊藤由奈
M12:trust you
M13:オルフェンズの涙
●澤野弘之 / SawanoHiroyuki[nZk]
M14:Into the Sky / Vo.Tielle
M15:Vigilante / Vo.mpi&Tielle
M16:ビギニング(T.M.Revolution / 西川貴教コラボ)
M17:Meteor-ミーティア-(T.M.Revolution / 西川貴教コラボ)
M18:Cage / Vo.Tielle
●LUNA SEA
M19:宇宙の詩 ~Higher and Higher~
M20:悲壮美
M21:BEYOND THE TIME~メビウスの宇宙を越えて~
M22:THE BEYOND
おすすめ記事
-
「FW GUNDAM CONVERGE:CORE」から、ガンダム試作3号機 デンドロビウムが復活!!
-
新人さん、いらっしゃい! 第1回 ロックなサウンドとPOPなメロで、「コンビニカレ…
-
「カウボーイビバップ」から、主人公の“スパイク・スピーゲル”とヒロインの“フェイ・…
-
「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」より、チョバム・アーマー装備&オリジ…
-
PS5「デビル メイ クライ 5 スペシャルエディション」、パッケージ版の発売が11月12…
-
「爆上戦隊ブンブンジャー ブンブン収納BOX」レビュー! おかたづけもディスプレイも…
-
放置でどんどん強化! 2000超のステージを冒険する本格ファンタジーRPG「バハムート…
-
【AnimeJapan2019】「なんでここに先生が!?」、DVD付き限定版コミックの発売情報も公…
-
有線LANポート搭載のOTG対応USBハブ「Y-2175」がUNITEKから!
-
「アソビストアgame スプリングキャンペーン」スタート! 「Tales of ARISE」や「GOD…
-
今度はミュージカル! ブシロード×ネルケプランニングが放つ新プロジェクト「少女☆歌…
-
TVアニメ「映像研には手を出すな!」×アドビ×ワコムのコラボコンテストが本日12/3よ…