伝説のライダー俳優の言葉が誕生のパワーを与えた! ハクジャオー、登場!!【ご当地ヒーロー超大全 第13回】

今月は、山口県のご当地ヒーロー「清流光神ハクジャオー」をフィーチャーするゾ!

山口県を守るご当地ヒーロー「清流光神ハクジャオー」は、山口県岩国市の天然記念物「白蛇」の化身です。ハクジャオーが姿を現したのは2008年3月のこと。山口県内のテレビ局、新聞社、メディア関係者を招いてのお披露目会が開かれました。そして翌4月に、初のステージショーデビューを飾り、瞬く間に人気は地元住民の間で鰻登りに。その人気に後押しされ翌2009年から山口県内のケーブルテレビ「アイ・キャン」で、テレビドラマシリーズ「清流光神ハクジャオー」1stシーズンが放映開始されます。さらに2010年には2ndシーズン「清流光神ハクジャオーSTONES」が放映されました。ドラマの放送によって知名度は県外へと広まっていき、その後、山口岩国市観光大使にも委嘱され、2014年には劇場版「清流光神ハクジャオーTHE MOVIE」も制作、公開されました。下関市のご当地ヒーロー「海峡戦士タイガーフーク」をサポートしたり、後進ヒーローの育成にも意欲的に取り組んだりと、ご当地ヒーローの理想形ともいえる順風満帆な活躍をみせるハクジャオーですが、ここに来るまでに大変な紆余曲折を経てきました。

次はハクジャオーが誕生するまでの経緯を紹介したいと思います。

何度でも立ち上がるヒーロー

ハクジャオーのプロジェクト代表は、かつては北九州市で歯科技工士をしていた河口久彦さん。特撮ヒーローが大好きで、特に「何度でも立ち上がる」勇気を教えてくれた仮面ライダーの大ファンだった河口さんは、とある特撮ヒーローファンイベントで仮面ライダー2号を演じた佐々木剛さんに出会い、一線で活躍する俳優人生から不慮の火災による転落、そこからの復活劇と、佐々木さんの壮絶な人生体験に感銘をうけます。そこで、自分も何かできないかと試行錯誤しながら始めた企画が、北九州市のご当地ヒーロー「環境戦士アースマン」でした。2004年に登場したアースマンは、ご当地ヒーロー黎明期の草分けの古参ヒーローです。歯科技工士のスキルを生かしアースマンのヒーロースーツを自作し、仲間を集め、NPO法人化して活動の規模を広げて、たくさんのステージで子供たちに勇気と感動を与えていきました。

この時期にアースマンの活動を通して、河口さんは大分のプロレスラーと知り合います。今度はプロレスにシンパシーを感じ、新団体を旗揚げ、リングアナとして活躍します。。しかし、そのスケジュールは多忙を極め、ついには無理がたたって身体を壊し、ヒーロー・プロレス活動、そして本業の仕事すらままならなくなってしまいます。その結果、仕事を廃業し、実家のある山口県岩国市に帰ることになります。失意に沈む河口さんでしたが、ある時、以前イベントで佐々木剛さんからもらった色紙の言葉「わが人生最良の時、まだまだ夢の途中」が目に留まり、再び立ち上がる決意を固めます。

自分ができること……それはヒーローを作ること。 自分を奮い立たせてくれたヒーローを通じて、今度は故郷の子供たちに勇気と感動を与えたい! その思いを胸に、今までの経験や特撮の知識をふんだんに使って山口県のご当地ヒーロー「清流光神ハクジャオー」を生み出したのです。

清流光神ハクジャオーの誕生

「清流光神ハクジャオー」のストーリーは以下の通り。

はるか昔、岩国の人々は世を乱す鬼にたいそう苦しめられていました。

そこで人々は岩国の地に住む神の使いである白蛇を崇め、鬼の調伏を願います。

すると白蛇神が降臨し人々のために鬼と死闘を展開。その長い長い戦いのため、大地は荒廃し、人々は恐怖により心をすさませてしまいました。最終的に見事鬼を調伏した白蛇神は荒れ果てた世を憂い、涙を流しました。その涙が錦川に落ちると、その涙の力で大地が蘇り、やがて人々に笑顔が戻りました。この涙は錦川の清流を転がる石となり、蛇の涙と呼ばれるようになります。蛇の涙は岩国を愛する心の清らかな者の前に現れ、その者に白蛇神の力を授けると言われています。その力を受け取った者は、白蛇神の戦士として、何度も岩国の危機を救ってきたといわれています。

時は流れ、現代。山口県の平和を脅かす新たな影が迫ります。

その名はカイザー・アント率いるアリの化身・アントヴェイダー。彼らは強力な繁殖力をいかし、山口県に侵略を開始します。

古代から何度も危機を救った白蛇神の戦士の降臨を願う人々の思いは通じ、山口県を愛す心の清らかな青年・倉光セイの前に蛇の涙が出現。セイは清流光神ハクジャオーに変身するのです。

ハクジャオーは打撃系の技を得意とするインファイターです。武器を使わず、岩をも砕く

ハードパンチと真空を作る鋭い回し蹴りを得意としています。

アントヴェイダーの脅威に立ち向かうのは、ハクジャオーだけではありません。県内の警備会社・セブンセキュリティーサービス(通称「SSS」)は伝説の戦士ハクジャオーの目撃情報、録画映像を元にハクジャオーを模したパワードスーツを開発。開発番号「ADS01」(Anti-Ant-vader Defending Suit:対アントヴェイダー・防御スーツ)こと「装着機神アオダイショウ」をロールアウトし、ともにアントヴェイダーとの激戦を繰り広げていくのです。熱い! 熱い! 非常に熱い展開です。特撮好きのポイントを痛いほど突いてきます。

アオダイショウという新たなヒーローが登場した「清流光神ハクジャオー」は、今もっとも目が離せないヒーローのひとりです。

中国・山陰山陽地方 山口県

最後にハクジャオーのホームタウン、山口県のご紹介をしたいと思います。

中国地方の最西部に位置する山口県の人口は1,368,495人(推計人口、2018年10月1日)。県の木は「アカマツ」、県の花は「夏みかんの花」、県の鳥は「ナベツル」、県の魚「フグ」、県の獣「ホンシュウジカ」。県庁所在地は山口市。県最大の都市は県西端にある下関市。江戸時代は、幕末ファンにはおなじみの長州藩と呼ばれていました。

下関市の唐戸市場は、フグの取引量が日本一。フグ料理は山口県の代表的な郷土料理です。

また、地域により差異はありますが、おおむね全域で山口弁が使われています。

ハクジャオーのストーリーとも密接にかかわってくる、錦川にかかる5連アーチの木造橋「錦帯橋」はあまりにも有名な観光地で、ぜひとも一度は訪れていただきたいスポットです。

ほかにも、周南市にある「周南コンビナートの工場夜景」は日本八大工場夜景都市のひとつに数えられ、工場風景マニア・土木マニア垂涎の人気スポットとして有名で、サブカル系のファンも数多く訪れています。ハクジャオーの活躍を観に行きがてら、風光明美な観光エリアと郷土料理を味わっていただきたいですね。

清流光神ハクジャオーのスペックはこちら

左「清流光神ハクジャオー」ヒーロー 

スペック

・身長:200cm

・体重:90kg

・必殺技:白蛇咆流光波(はくじゃほうりゅうこうは)

白蛇爆流閃光キック(はくじゃばくりゅうせんこうきっく) 

・ビークル:なし

・変身前:倉光セイ/桜木蓮

職業: 市役所職員

ハクジャオーの前に現れた新たな敵「アントヴェイダー 一族」。 ハクジャオーは岩国を、そして山口県を、みんなの夢と希望を守れるのか!!

右「装着機神アオダイショウ(ADS01)

Anti-Ant-vader Defending Suit:対アントヴェイダー・防御スーツ」サイドキック

スペック

・身長:180cm

・体重:120kg

・必殺技:大蛇瀑布砲

・武器:ADSスティック/アオダイショット

・変身前:警備会社セブンセキュリティサービス社員

職業:警備員

ビークル:スーツ搬入用社用ワゴン車

アオダイショウのネーミングは、ハクジャオーが「白蛇」ということから由来しており、白蛇は、アオダイショウのアルビノ化したものである。

次回は広島県のご当地ヒーロー「メープルカイザー」をご紹介いたします。


(文/ヒセキGFX)
©岩国ヒーロー委員会

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