アニメライターが選ぶ、2019年春アニメ注目の5作品を紹介!【アニメコラム】

2019年春アニメはアキバ総研調べで60本以上。昨年に比べると約10本ほど少なくなったものの、それでもバラエティ豊かなラインアップとなっている。そこで今回は注目の春アニメをラインアップ。渡辺信一郎監督の最新作「キャロル&チューズデイ」、「週刊少年ジャンプ」連載の「鬼滅の刃」、「プリティーリズム・レインボーライブ」から生まれた「KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-」、注目の異世界転生アニメ「賢者の孫」、「ノイタミナ」のオリジナルアニメ「さらざんまい」を紹介します。

キャロル&チューズデイ

フジテレビの深夜アニメ枠「+Ultra」初の2クール作品は、「カウボーイビバップ」や「坂道のアポロン」を手がけた渡辺信一郎監督の最新作。人類が火星に移り住んでから50年後を舞台に、多くの文化がAIによって作られるようになった世界で、2人の少女・キャロルとチューズデイがミュージシャンを目指す。
オリジナルタイトルゆえに詳細は明かされていないが、公式サイトでは登場人物のプロフィールを公開中。影響を受けたミュージシャンの欄には、ビヨンセやシンディ・ローパーなど実在するアーティストの名前も。PVでは大きなギターを弾くチューズデイが印象的に描かれている。歌唱シーンは全編英語であり、音楽への並々ならぬ思いが感じられる一作だ。



鬼滅の刃

家族を鬼に殺された主人公・竈門炭治郎が、鬼に変異した妹・禰豆子を救うために旅する冒険譚。「週刊少年ジャンプ」連載の人気作を映像化するのは、「活撃 刀剣乱舞」で剣劇アクションを手がけたufotable。第2弾PVでは緊張感あふれる殺陣はもちろん、着物の柄も色鮮やかに表現されており、時代劇アニメとして注目を集めそうだ。
キャストは炭治郎役の花江夏樹、禰豆子役の鬼頭明里をはじめ、豪華なメンバーが勢揃い。臆病者の我妻善逸役は下野紘が担当。AnimeJapanのイベントでは、善逸が発する“汚い高音”を叫んで会場の笑いを誘った。映画館では第1話から第5話までを構成した特別上映版を公開中(※2019年3月29日(金)~2週間限定上映)。初回放送を見て続きが気になった人は、劇場のスクリーンで物語の序盤を堪能できる。




KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-

2016年に劇場公開され、応援上映というスタイルを世に広めた「KING OF PRISM by PrettyRhythm」。歌やダンス、フィギュアスケートを組み合わせたプリズムショーは、通常のライブにはない多幸感が最大の魅力だ。心の飛躍を表現したプリズムジャンプによってライブ会場はイマジネーションの世界に早変わりし、一体どこだかわからない夢の空間へと導かれる。
シリーズ第3弾「Shiny Seven Stars」は一条シンをはじめ、プリズムスタァ候補生たち1人ひとりにスポットを当てて、個性豊かな彼らの成長を描く。本作もオンエアに先駆けて、劇場編集版を公開中。劇場版では観客がアフレコするためのセリフも用意されていたが、TVアニメではどうなっているのかも気になるところ。




賢者の孫

「小説家になろう」から生まれた異世界ファンタジー小説をアニメ化。赤ん坊として転生した主人公・シンは賢者マーリンに拾われて、魔法のエリート教育を受けるうちに規格外の能力を習得。前世の記憶も組み合わせたオリジナルの技法も駆使して、15歳にして祖父を凌ぐ魔法使いに成長を遂げる。そして高等魔法学院に首席で入学した彼は、国家を巻き込んだ騒動に身を投じていく。
圧倒的なパワーを誇るシンだが、マーリンが「常識」を教えるのを忘れていたため、ちょっと世間知らずな一面も。「またオレ何かやっちゃいました?」とばかりに、偉業を次々と成し遂げる超人っぷりをアニメで楽しみたい。EDテーマアーティストを女性バーチャルタレント限定のオーディションで決めるなど、ユニークなプロモーションも話題に。



さらざんまい

「少女革命ウテナ」や「輪るピングドラム」を手がけた幾原邦彦監督が4年ぶりに送る新作オリジナルアニメ。中学生の少年3人組が尻子玉を抜かれてカッパに変身し、元の姿に戻るためにゾンビの尻子玉を探し求めるという、カオスなあらすじが公開されている。カッパ、ゾンビ、浅草という異色の組み合わせが、「つながり」や「欲望」というテーマとどう絡み合うのだろうか。
PVでは雷門や東京スカイツリー、そして金色に輝くフラムドールなどのランドマークも登場。浅草を再現した背景美術も目を奪われる仕上がりだ。メインキャストの村瀬歩、内山昂輝、堀江瞬は、アバンから伏線が張り巡らされていることを明かしており、これまでの“イクニ”作品と同様に、一瞬も見逃せないアニメになるだろう。



(文・高橋克則)

(C) ボンズ・渡辺信一郎/キャロル&チューズデイ製作委員会
(C) 吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable
(C) T-ARTS/syn Sophia/エイベックス・ピクチャーズ/タツノコプロ/キングオブプリズムSSS製作委員会
(C) 2019 吉岡 剛・菊池政治/KADOKAWA/賢者の孫製作委員会
(C) イクニラッパー/シリコマンダーズ

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