【インタビュー】ますます高まる表現力。東山奈央の2ndアルバム「群青インフィニティ」がすごいことに!

日本武道館での1stライブを成功させてから約1年、東山奈央が2ndアルバム「群青インフィニティ」をリリースする。シンガーとしての飛躍の年だった2018年を越えて完成させた今作は、全11曲中10曲が新曲という聴き応えのある内容に。しかも、アッパーなタイトル曲「群青インフィニティ」と、バラードの「はじまりの空」というタイプの違う2曲を、彼女自身が作詞・作曲。ソングライターとしての才能もいかんなく発揮されている。夏には、全国3都市を巡る1stライブツアーも決定。それに合わせ、ライブで盛り上がる楽曲が多いのも今作の特徴だ。
「空」をテーマにした2ndアルバム「群青インフィニティ」は、その名にふさわしい広がりのある1枚になった!

みなさんに元気と勇気を届けたいという思いで、作詞・作曲しました


──2ndアルバムはタイトルが「群青インフィニティ」ということで、ジャケットやアーティスト写真も、青が基調ですね。

東山 1stアルバム「Rainbow」よりも大きなテーマにしたいということで、今回のアルバムは「空」をテーマに作っていこうという話を、最初にスタッフさんとしたんです。それでイメージカラーが青になりました。歌手デビューにあたって、アーティストカラーは何色がいいか、私を応援してくださるみなさんにアンケートを取らせていただいたことがあって、白の次に多かったのが青だったんです。私のもうひとつのアーティストカラーという感じもあって、「今回は、青がいいね」ということになりました。

──そこから、「群青インフィニティ」というアルバムタイトルが生まれたんですか?

東山 アルバムタイトルにも「青」を入れることは、最初は意識していませんでした。まず、リード曲の「群青インフィニティ」が生まれて、それがそのままアルバムタイトルになりました。

──「群青インフィニティ」は1曲目に収録されていて、まさにアルバムの顔です。しかも、作詞・作曲は東山さんご自身ですね。

東山 手探りで歌手活動を始めてからずっと、みなさんの温かい応援に元気や勇気をいただいてきたので、今度は私からみなさんに元気と勇気を届けるような「応援ソング」をリード曲にしようというのが出発点になって、じゃあ、曲調はロックだねということになりました。「(自分で)作ってみる?」と言われて、できるかな、どうかな? と思ったんですけど、ガイドとなるコード進行やテンポをWEST GROUNDさんが作ってくださったので、それを元にまずは作曲して、歌詞を考えていきました。

──どんな曲になったと思っていますか?

東山 最初のイメージ通り、今までで一番ロック色が強い曲になりました。と言っても、ゴリゴリしたロックではなく、やっぱり私が歌う曲ということで、強さよりも伸びやかさを大切にしたメロディーラインになりました。

──作詞はいかがでしたか?

東山 歌詞も今までになく強い語気の言葉が多くて、いい意味で私らしくないものになったと思います。今まで書いてきた詞は、私が普段から使ってもおかしくない言葉だったんですけど、今回は、「踏み出せないならば 追い風になろうか」とか、「掲げた夢やプライド 自分の手で挫くなよ」とか、まるでイケメン! って言葉が多くて(笑)。ロックに寄せた歌詞を作ることができた、という感じです。

──「群青インフィニティ」という熟語と英単語の組み合わせも、ロックっぽいです。

東山 いろいろ考えた末、最後に出てきたタイトルで、力強い言葉が出てきてよかったーって(笑)。アルバムタイトルとしても、いいものになったと思います。

──「群青インフィニティ」はボーカルもすごくエモーショナルで、東山さんをロックシンガーとして感じることができました。

東山 この曲のレコーディングは大変でした。高音も多いし、力を感じさせるものにしたかったので、1日で録りきるはずが途中でエネルギーが尽きちゃったんです。それでも底力を発揮して、歌いきったんですけど、この曲はもっともっとやれるはずだって思って。ダメもとで「もう1日、録らせていただけませんか?」って、ディレクターさんにお願いしました。さすがに驚かれましたが、「東山がそう言うんだったら、やってみよう」と。

──自分が一番満足できなかったんですね。

東山 みなさんを応援する曲なのに、自分の気持ちが上向いてなかったらいけない! って。それで日を改めて歌い直したら、「確かによくなった」とディレクターさんに言っていただけて。自信を持って送り届けられる曲になりました。

──この曲の迫力は、そうやって生まれたんですね。特にラストの盛り上がりはすごかったです。

東山 最後のサビは、ほかのサビよりも一段と感情を爆発させました。ちょっと変わった歌い方をしているので、大丈夫かな? という気持ちもあったんですけど、バンドのみなさんからも、「ここのフレーズ、めっちゃエモいです」と言っていただけて、うれしかったです。

──いや、本当に「めっちゃエモい」です。聴いていて、思わず体が前のめりになりました。

東山 うれしい! ありがとうございます!(笑)。

──「群青インフィニティ」はミュージックビデオ(MV)になっていて、ショートバージョンがすでにネットで公開されています。海のそばでバンドと一緒に歌っているシーンと演技のシーン、それぞれ見応えがありました。

東山 撮影日の朝まで雨が降っていたんですけど、演奏シーンを撮影する頃にはきれいな青空になってくれました。冬なのに、雲がまるで夏のように厚みがあって。神様が最高のロケーションをプレゼントしてくれました。


──バンドと一緒にジャンプするところが、かっこよかったです。

東山 ありがとうございます。1stアルバムの1曲目「君と僕のシンフォニー」もそうだったんですけど、東山のアッパー曲はサビ前でジャンプしがちなんです(笑)。今回のMVではジャンプしたところで一瞬スローになるのが大好きです。

──演技パートもよかったです。カフェでスプーンを手に歌い出すシーンとか。

東山 バイト先のカフェでコーヒーを作る練習をしていて、「うまくいかないなぁ、ハァ。じゃあ、スプーンを手に歌っちゃおう!」って感じです(笑)。

──もうひとつインパクトがあったのは、部屋にジャージ姿でいて、台本を投げつけるシーンです。

東山 いけないですよね、乱暴で(笑)。監督さんに言われて、「え、叩きつけていいんですか? えい!」ってやったら、思いのほかすごい音がして、自分で自分が恐かったです(笑)。MVには映っていないんですけど、そのときの「すごい音だった…」っていう薄ら笑いがメイキングには入っているので、ぜひ見ていただきたいです。それから、私が持っているカメラは「NAOCAM」ってロゴが入っているんです。気づいていただけましたか?

──いや、レトロでおしゃれなカメラだなーとは思いましたが、ロゴまでは見ていませんでした。

東山 スタッフさんが、架空のメーカー名のシールを作って貼ってくださったんです。私が身につけているネックレスも、空の写真を固めて作った一点もので、小物もすごくこだわって作っていただけました。

──何度も見て、細部まで味わいたいMVです。

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