演じる難しさもありつつ楽しい現場! 期待の春アニメ「Fairy gone フェアリーゴーン」、マーリヤ・ノエル役の市ノ瀬加那×ヴェロニカ・ソーン役の福原綾香インタビュー!

2019年4月より放送開始される完全オリジナルストーリーのTVアニメ「Fairy gone フェアリーゴーン」。物語の舞台は、妖精が“兵器”として扱われる世界。長きに渡る戦争が終わりを告げて行き場を失った、それぞれの生きる道を選択した「妖精兵」たちの物語が描かれていく。

今回、違法妖精取締機関「ドロテア」の新入隊員として活動するマーリヤ・ノエル役の市ノ瀬加那さん、そして幼少時代にマーリヤとともに戦火に巻き込まれて生き別れ、復讐のため暗殺者となっていたヴェロニカ・ソーン役の福原綾香さんに、本作の魅力を語っていただいた。



「侍系女子」と、「暗殺系女子」では演じ方が全然違うんです(福原)

――まずはオーディションを振り返っていただけますか?

市ノ瀬  マーリヤに最初に持った印象は、「すごく大人っぽい」でした。オーディションの際にいただいた課題のセリフには、その前後にどんなことがあったのかが明記されていなかったんです。そのぶん、私たちの想像力をかき立てられたと言いますか。実際にマーリヤを演じさせていただくことになり、話数が進むにつれてそのセリフが出てきて「この方向で演じるべきだったんだな」というのがわかることもありました。

とてもシリアスな世界観で、こういう世界に生きる人たちを演じてみたいと思っていたので、役をいただけて本当にうれしかったです。

福原 ヴェロニカは復讐を誓う暗殺者です。オーディションではマーリヤと同じくセリフだけが断片的に箇条書きになっていたので、オーディション資料から自分で書き起こした歴史年表とにらめっこしながら「おそらくヴェロニカはここで誰々にこういうことを言われたから出てきたセリフなんだろうな」ということを考えていました。すごく頭を使う作業でしたがその過程がすごく楽しくて。だからこそヴェロニカに縁があったのかな、とも思います。

マーリヤ・ノエル

――完全オリジナル作品ということで、毎回アフレコに臨むうえでの準備が難しいのでは?

市ノ瀬  確かにそうなのですが、先の展開を知らないなりの演技ができると思うんです。その気持ちをキャラクターに乗せることで、リアリティも出てくると思いますし、それはすごく面白いですね。

――改めて、演じたキャラクターの紹介をお願いします。

市ノ瀬  マーリヤは、本来は明るい性格の女の子なのですが、過去に起こったつらい出来事をモノローグという形ですることもあるものの、現在のマーリヤからは今のところ(前野智昭さん演じる)フリーたちに過去のつらい事を話していないので、何かのきっかけで彼女が崩れてしまうんじゃないかというドキドキもあります。

子供っぽさを残しつつも大人に向かっている年齢なので、演じる難しさもありつつ、それ以上に楽しさがある子です。

福原 ヴェロニカもマーリヤと同じように凄惨な過去を背負っているのですが、暗殺者ということで感情を表に出してはいけないんですね。マーリヤへの想いも心の奥底にしまっておかなければならないところに、彼女の抱えてきたさまざまなものが引き立つ要素があるのではないかと思っています。

私の言葉で説明させていただきますが、今まで演じてきた「侍系女子」と、今回の「暗殺系女子」って似ているようで全然違うんです。どちらもクールな部分は似ているのですが、「侍系」は自分の存在感を表に出してこそ、と言いますか。「暗殺系」は先ほども言いましたとおり、逆に感情を表に出してはならないので、そういう意味では演技も難しかったですね。でもやっていくうちに、その演じる感覚がすごく楽しくなりました。

ヴェロニカ・ソーン

ジョナには「すべて持っていかれた感」があります(笑)(市ノ瀬)

――本作ではタイトルにもあるとおり「妖精」を使って戦う「妖精兵」と呼ばれる兵士が登場します。

市ノ瀬  「妖精兵」と言っても妖精だけに戦わせるのではなく、自分も武器を使って戦うので、その連携がすごく斬新で面白かったです。登場人物たちがなぜ妖精を使役するようになったのかも興味深いですし、それにそれぞれが予想もつかない戦い方をするので、興味が尽きないですね。

福原 「妖精」と聞いて、私の中で最初に思い浮かんだのが「眠れる森の美女」の3人の妖精でした。彼らのほうからいろいろと施しをしてくれるので、今作のように使役するのは新鮮でしたね。それと、兵器として扱われることに対して妖精たちがどのように感じているのかもすごく気になります。ヴェロニカに憑依したのか? そのあたりも今後描かれていくのかな……なんて期待しています。

――「Fairy gone フェアリーゴーン」には多くのキャラクターが登場しますが、気になる人物はいますか?

市ノ瀬  ジョナ(ジョナサン・パスピエール)です。詳しくは言えないのですが「すべてを持っていかれた感」がすごくあります(笑)。興津和幸さんが素晴らしい演技をしてくださるので、私を引っ張っていただけて、すごくありがたかったです。どんなキャラクターなのかはアニメをぜひご覧いただき、確かめてください!

福原 寿美菜子さん演じるスゥ(“スウィーティー”ビター・スウィート)です。彼女の居住まいは女性としてとても憧れますし、スゥの存在が作品のテンポをよくしている点でも存在感があります。個人的には「おいしいところをかっさらってほしい」という想いが強いです(笑)。

もし妖精がいたら、何かあった時に相談してみたい(市ノ瀬)

――もし現実世界でフェアリーが現れたら、お2人はどうしますか?

市ノ瀬  リモコンを取ってもらったり、あとは力が強そうなので肩をもんでもらったりもしたいですね。

それ以外にも何かあった時に相談したり、相棒として一緒に暮らせたらいいですね。

福原 普段は小さくなって肩にちょこんと乗っていて、私の非常時には大きくなって助けてくれる、そんな存在であってほしいです。自宅では、加那ちゃんみたいにいろいろとお話を聞いてみたいですね。「お前はどこから来たんだ?」みたいな(笑)。

――マーリヤやヴェロニカが妖精とそんなやりとりをするスピンオフ作品、見てみたいです。

市ノ瀬 四コママンガとか面白そうですよね!

福原 最終的にジョナやスゥがオチ担当になりそうだけど(笑)。

――物語の今後の見どころと、読者に向けたメッセージをお願いします。

市ノ瀬 登場人物がすごく個性的で、演じている私たちもそれに負けないくらいの熱量で演じています。話が進むにつれて各キャラクターが深く掘り下げられていきますし、それぞれの視点で物語を楽しんでいただけると面白さが倍増すること間違いなしです。ぜひ最後までご覧ください!

福原 最初の2話くらいで作品の大まかな世界観がわかっていただけると思います。「Fairy goneフェアリーゴーン」はリアルとファンタジーが絶妙に融合していて、さまざまな見方ができる作品です。場面によってはもしかしたら考える力がいるようなこともあるかと思いますが、だからこその面白さを感じることができる作品であると思っております。妖精のフォルムのカッコよさも感じながら、すみからすみまで楽しんでください!


(取材・文・撮影/佐伯敦史)

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