イワシといえば光り物? 「バミューダトライアングル~カラフル・パストラーレ~」第9話ゆるふわ感想文

アニメ「バミューダトライアングル~カラフル・パストラーレ~」第9話。前回は末っ子イメージの強いキャロが人間化すると意外と背が高い! 足似合う!というギャップがある回でしたが、今回のキャロは冒頭から髪を下ろした寝姿が新鮮です。もっとも、寝ぐせ直しが手に負えず、カノンに整えてもらう姿はいつものキャロでしたが。

今回はパーレル村に、映画の撮影隊がやってきます。めったにない出来事に、ソナタたちはもちろん大人たちまで興味津々で、村はちょっとしたお祭り騒ぎです。ソナタたちは映画の荷物運びを手伝ったり、撮影スタッフに村の劇場を紹介したりしていました。そんな時、撮影隊のスタッフが注目したのが、いつも楽しそうなキャロの自然体の笑顔でした。キャロへの「映画に出てみない?」の誘いにみんなびっくり! 噂を広めているのがマンタの旦那なのが意外で面白いですね。

パーレル村の住人たちが注目する中、映画に出演するキャロですが、初めての体験と主演女優のオーラにガッチガチ。主役にケーキを勧める「君も食べる?」のたったひとつのシーンを何度も撮り直した結果、フェルマさんの店の在庫がソールドアウト。撮影は翌日に持ち越しになってしまいます。あの食いしん坊のキャロがもうケーキは食べられないとなってしまったのだから非常事態です。

その晩、仲間たちによるキャロのための緊張対策が始まります。セレナは専門用語を交えて映画の技術論を講義し、フィナはいい香りの入浴剤でキャロを温めます。対策がなかなかうまくいかない中、正解だったのはソナタが用意したマンタ印のハーブティーでした。おいしいハーブティーを飲んでほっとしたキャロから出た「みんなも飲んでみる? すっごくおいしいよ!」の言葉と表情こそが、映画で求められているものだったのです。

これで順調に進む、と思われた撮影でしたが、最終日、イワシの大群が村の上方に渦巻く「イワシストーム」という現象によって、村に差しこむ光が遮られるトラブルが起こりました。ラストシーンは屋外で自然光を活用した演出を考えていた撮影隊は、演出の変更を余儀なくされます。

自分のNGで撮影スケジュールをカツカツにしてしまったことに責任を感じたキャロは、自分がイワシストームに突っ込むと意気込んで映画館で大騒ぎ。止めようとしたカワウソのポコが吹き飛ばされた拍子に、なんと映画館の屋根に穴が開いてしまいます。ところが、この出来事が思わぬ結果をもたらします。映画館の映像投影用の照明が天井からあふれ出て、イワシストームの銀鱗を7色に照らし出したのです。それは海のオーロラのような幻想的な光景でした。

無事撮影が終わった後日、ソナタたちの元に届けられたのは、キャロががんばった喫茶店のシーンを切り出したキネオーブでした。そこに映っていたのは硬さが取れたキャロと、撮影中に転びそうになった時の自然な表情。制作の現場に関わって、5人の映画やものづくりに対する興味はさらに深まったようです。

今回のエンディングテーマ「シャボン」は、もちろんパーレル村の主演女優? キャロのボーカル。素朴で元気なかわいさがあって、キャラ別エンディングのよさを改めて感じる歌声でした。

(文/中里キリ)

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