女子必見の「キミだけにモテたいんだ。」最速レビュー! 思わず応援したくなる、どこか“残念”なイケメン男子高校生たちの初恋に胸キュン!

2019年10月25日(金)、オリジナルアニメーション「キミだけにモテたいんだ。」が劇場公開された。

脚本・構成は「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」や「心が叫びたがってるんだ。」を手がけてきた岡田麿里さん、キャラクター原案は「告白実行委員会 ~恋愛シリーズ~」シリーズなどで知られるHoneyWorksのヤマコさん、監督は「牙狼〈GARO〉-炎の刻印-」「ハンマーヘッド」などで助監督を努めた新進気鋭の久藤瞬さん。そして企画・原作は秋元康さんというチームによって送り出される本作。その魅力を紹介しよう。

物語の主役は不器用男子

見た目はいいのにどこか“残念”な男子高校生たちが、「モテメン甲子園」への出場を通して恋を知り、友情を知り……。繊細に描かれたその変化はとても愛しいもので、男子5人はもちろん、ホリコ(=堀ノ宮早紀子。CV.石川由依)のこともつい応援したくなってしまうのがこの作品。

全国の男子高校生が、5人ひと組でモテる所作を競う一大イベント「モテメン甲子園」。優勝賞金はなんと1,000万円。女子から人気の後藤田駿(CV.梅原裕一郎)は、幼い頃から執事的存在としてお金持ちのお嬢様・ホリコのそばで過ごしてきたが、詐欺メールに引っかかって借金を抱えてしまったホリコを救うべく、賞金獲得のため「モテメン甲子園」に出場することになる。そこで仲間として選んだのが、見た目はいいのに残念な男子高校生4人──古田時夫(CV.斉藤壮馬)、葦田茂一(通称アシモ。CV.内山昂輝)、戸島幸太郎(CV.富園力也)、佐橋亜紀(CV.松岡禎丞)だ。駿に拉致され堀ノ宮家へと連れてこられた4人は、そこで初めて「モテメン甲子園」出場を知らされる。

クールなルックスだが、女子が苦手で冷たい態度を取ってしまう時夫。

細身の筋肉質でフレンドリーな性格だが、言動が子供すぎるアシモ。

見た目が少しかわいらしく、そのかわいさゆえに女子を傷つけてしまう幸太郎。

高身長でモテそうではあるが、女子どころか人間そのものに興味を持てない亜紀。

特にアシモは、その元気さゆえに他人を「高い高い」したり、教室内で目から牛乳を出して騒いでいたりと目立つ言動が多く、女子がドン引きするほど。何なら、アシモと仲のいい時夫も冷たくあしらっている。

よりによってなぜ彼らが選ばれたのか……。

目標が「モテメン甲子園」の優勝であるならば、本当にこのメンバーで大丈夫なのか……。

クラスメイトだったら、友達だったら、不器用で残念な男子たちもかわいいもの。しかし、恋人としては? ……そう考えるとつい先行きを心配してしまうが、そんな心配は無用だったと思えるくらい、ここから彼らは着実に成長していく。ちなみに、彼らが選ばれた理由は、駿いわく4人が「モテメンの原石」だから。駿が筆頭メンバーとなり、その原石は磨かれていく。

山分けした賞金が欲しい、ホリコがかわいい、モテてみたい、と動機はさまざまだが出場を受け入れた3人。金にもモテにも興味がない時夫も、ある理由から出場を決意する。そして、5人で「小田原城星高校モテメン部」を立ち上げる。

不器用な男子高校生たちが恋と友情を知り、成長していく

SNSを活用した、観客によるジャッジが行われる「モテメン甲子園」。トーナメント予選を勝ち上がった6組が本戦にコマを進めるということで、特訓を開始したモテメン部は、まずファッション、ヘアスタイルを変えてルックスを強化。フェミニンなルックスの幸太郎までも、ホリコから「かっこいい」と褒められる。

モテメンにさらに一歩近づいたことで、少しずつ自信をつけていく4人の真っ直ぐでピュアな姿が胸に響いてくる。思わず「がんばれ……!」とつぶやきたくなるのは、本作の魅力のひとつだ。

本の虫で、「モテメン甲子園」の出場を決めたあと「同じ本を読んで、同じフレーズにふれて、同じ気持ちになれる女子がどこかにいたら……」とモテメンに思いを馳せていた時夫。彼の場合、ホリコの引っかかった詐欺メールが、過去に自分も受信した物語のようになっている連作のメールだと教えてもらうと、運命を感じ鼓動が高まっていく……。優勝を目指してモテメンへと成長していく中、こういった小さな出来事から、それぞれがホリコに対する恋心に気づき始める。

学校中の女子生徒からモテるようになっても、彼らの想いの先にあるのは、ホリコという存在だ。ある意味ライバルではあるが、一度決裂しそうになったときも、ホリコへの想いからまた心がひとつになる。最初は他人同士だったメンバーも、いつしか“仲間”として友情をはぐくみ、「モテメン甲子園」の後も友達として一緒に過ごすようになる。

人間にさえ興味を持なかった亜紀が人を好きになる。

女子に苦手意識があった時夫がホリコを想う。

4人がモテメンへと急成長を遂げたのは、きっとホリコへの一途な想いもあってこそ。これも応援したくなるポイントだ。この気持ちの変化は、指導係であった駿の功績……ではなく、各々がホリコに出会ったことで“恋”を知ったから。それが短い上映時間の中にぎゅっと詰まっていて、一致団結したラストシーンは心が温まるし、青春模様があまりに眩しい。みんなの表情を見ているといつの間にかすっかりと感情移入してしまい、自分では体験し得なかった青春を追体験できた気がする。そんな変化を目の当たりにした直後に流れる小田原城星高校モテメン部による主題歌「ハイスクールプリンセス」もまた素晴らしく、5人の気持ちを綴った歌詞が沁みる。もちろん、幸太郞を演じた富園力也が所属しているハイスクールチルドレンによる挿入歌「愛の鎖」も要注目。

5人がホリコを想ういっぽうで、ホリコも「自分の気持ちに気づけたのは時夫くんのおかげ」……と思わせぶりな発言をしていた。6人の心境の変化、成長をぜひ劇場で感じてもらいたい。

(文/友安美琴)


■入場者プレゼント決定!

劇場でしか手に入らない、入場特典が決定!
キャラクター原案・ヤマコさん(HoneyWorks)描き下ろしSDキャラクターのシークレット缶バッジが来場者にプレゼント!

※サイズ:57mm
※1回のご鑑賞、入場者お一人様につき1つ差し上げます。
※絵柄はお選びいただけません

【作品情報】
■劇場アニメ「キミだけにモテたいんだ。」 2019年10月25日(金)全国公開
・監督:久藤瞬
・脚本構成:岡田麿里
・キャラクター原案:ヤマコ(HoneyWorks)
・脚本:岡田麿里 和場明子 樋口七海
・キャラクターデザイン:まじろ
・モニターグラフィックスデザイナー:松根マサト
・美術監督:峯田佳実
・色彩設計:田中美穂
・3D ディレクター:中島竜生
・撮影監督:杉山大樹
・編集:本田優規
・音響監督:えびなやすのり
・アニメーション制作:SIGNAL.MD
・企画協力:Vizm
・製作:「キミモテ」製作委員会
・配給:東宝映像事業部

・キャスト
 古田時夫:斉藤壮馬
 葦田茂一:内山昂輝
 戸島幸太郎:富園力也
 佐橋亜紀:松岡禎丞
 後藤田駿:梅原裕一郎
 堀ノ宮 早紀子:石川由依
 司会:梶 裕貴


(C) 2019「キミモテ」製作委員会

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