平成最後のウィッチ曲で羽ばたきたい!「ストライクウィッチーズ 501部隊発進しますっ!」OP「空が呼ぶほうへ」石田燿子インタビュー

石田燿子さんのニューシングル「空が呼ぶほうへ」が、2019年4月24日(水)にリリースされる。

表題曲は、好評放送中のTVアニメ「ストライクウィッチーズ 501部隊発進しますっ!」のオープニングテーマ。これまで数々のシリーズ主題歌を担当してきた石田さんが、その澄んだ声で歌い上げた、まさに本シリーズらしさ全開の名曲だ。カップリングには自身が作詞を担当した「あした」を収録。こちらも思いがたっぷりこもった、とてもあたたかな楽曲となっている。

アキバ総研ではリリースを目前に控えた石田さんにインタビュー。楽曲に込めた思いや昨年10周年を迎えた「ワールドウィッチーズ」シリーズのこと、さらには作詞する際の意識の持ち方まで語っていただいた。


安心安定の流れを汲みつつ、この作品の曲なんだなと感じます

――昨年末リリースのアルバム「ソラノウタ」から“石田大尉”の格好をしていますが、とてもお似合いですね。この格好にはもう慣れましたか?

石田 そうですね。この衣装は「ワールドウィッチーズ」シリーズ10周年で描いていただいた“石田大尉”の絵が元になっているんです。ライブでは先日の「みんデキ!2019」で初めて着まして、これからはいつも着てやろうと思っています(笑)。TVアニメ第3期「第501統合戦闘航空団 ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN」も決まっていますし、石田大尉としてどこまで一緒に歩んでいけるのか楽しみです。

――そして、今回はシリーズ最新作の主題歌となるニューシングルとなります。シングルのリリースは久しぶりになりますね。

石田 TVのオンエア的には空いたと思うんですけど、「みんデキ!」とか常に動いているものがありましたし、「ソラノウタ」のレコーディングもあったので久しぶりな感じはしないんですよね。

――ということは、それほど特別な感情になることなく制作できたと?

石田 でも、主題歌という意味ではやっぱり大きいです。今回はスピンオフ作品で、内容の雰囲気が全く違ったものなので曲はどうなるのかな、歌えるかなといった不安はありました。

――内容が日常コメディですからね。そういう作品のオープニングとしてこの曲をいただいた時は、率直にどう感じましたか?

石田 (アニメ本編の)雰囲気が全然違うと聞いていた割には、今までの流れを組んでいるなと(笑)。曲に関してはスピンオフ感があまりないというか、安心安定の「みんなでまた空を飛ぼう!」という飛翔感のようなものを感じましたね。

――曲調だけで言えば、シリーズのド直球という感じがしました。

石田 確かに。このままシリーズの第3期みたいな感じですよね(笑)。でも、オープニングのアニメと一緒に見ると、ひと味違うかもしれないです。ただ流れを組んでいるだけではない、この作品の曲なんだなという感じがすごくあって、納得できると思いますよ。

――レコーディングはすんなりいきましたか?

石田 そうですね。お決まりのサビ始まりで展開していますし(笑)。ただ、この曲はテンポがすごく早いんですよ。「STRIKE WITCHES~わたしにできること~」を歌った時にテンポが早いなと思った気持ちが吹き飛んじゃいました。「STRIKE WITCHES~わたしにできること~」がゆっくりに感じるんですよね(笑)。

――歌う際に意識したことがあればお聞かせください。

石田 基本的にレコーディングはライブだと思って、いつも応援してくれるみんなが目の前にいると想像してやっています。ウィッチ曲の時には「みんデキ!」でみんなが来てくれるのを想像しますね。

――ステージで歌うイメージということは、1曲フルで通して録ったりするのですか?

石田 いえ、さすがに全部通して歌うのは大変なので(笑)。でも、Aメロだけ(録る)というよりは、1コーラス目、2コーラス目という感じに、流れで録りたいタイプです。最初の頃は、「うまく録らなくちゃ」「きれいに録らなくちゃ」という感覚があったんですけど、CDでもライブ感を聴いてもらいたいというか、なるべく雰囲気を壊さずに録りたいなって。もちろん直したりはしますけど。

――歌詞やメロディで特に印象的だったところをあげるならどこでしょうか?

石田 歌詞に「信じる絆と一緒に 飛んでいこう」とあるのですが、ここは応援してくれる人にもキャストにも、みんなに捧げたい部分ですね。シリーズも11年目に入り、応援してくださる人はどれだけ間が空いても応援してくれるし、キャストのみんなとも家族のように付きあわせてもらっていて。チームとしての絆、いつも応援してくれる人との絆、いろいろな意味で長くみんなで作ってきたという気持ちがすごく込められていると感じました。

――本当に作品のよさが込められていますよね。この曲は今後どのように歌っていきたいですか?

石田 やっぱりCDで聴いてもらったりMVを見てもらうのもいいんですけど、ライブで聴いてもらって一緒に空を飛んでいる気持ちになってもらいたい、気持ちを伝えたいというのが一番なんです。なので、イベントやミニライブなど、なるべくたくさんの人に直接歌を届けたいなと思っています。


歌詞はほかの人が書いたと思って掘り下げました


――カップリング曲「あした」についてもお聞きします。この曲は石田さんが作詞されていますが、1曲目というか、「ワールドウィッチーズ」シリーズそのものに通じる思いを感じました。

石田 思いは一緒なので、勝手にアンサーソング的なものだと思っています(笑)。私的にはエンディングの気持ちで書きました。

――そうだったんですね。作詞するにあたってのテーマをお聞かせください。

石田 普段のシリーズ作品は、戦闘シーンがメインでシリアスなところもあるんですけど、今回はスピンオフということで日常風景や性格の裏側のちょっと黒い部分も見える、面白い作品になっています。なので、ウィッチたちが戦いから帰還してきたイメージから入りました。「今日も1日よく戦ったね」「無事に帰ってきてよかったね」というイメージですね。

――だから本作とマッチしているなと感じられたわけですね。

石田 挿入歌とかイメージソングになったらいいですよね(笑)。

――「あした」というタイトルにも、その気持ちがこもっていると。

石田 タイトルはシンプルにしたかったんです。また大変な戦いが始まるかもしれないし、すごく強いネウロイ(敵の名称)が出てくるかもしれない。でも、今日はゆっくり休んでまた明日がんばろうねって。そう思って「あした」にしようと。今回はタイトルを先に決めて、そこから書き始めました。

――作詞する際はいつもタイトルを先に決めるのですか?

石田 その時によって、サビから書いたり。Aメロからずらっと書く時もあります。曲をいただいてから、どうしようかなと考えますね。逆に、その時その時に合わせて書くのが私のやり方といいますか(笑)。

――では、この曲のレコーディングはいかがでしたか?

石田 自分で歌詞を書いているので歌いやすいかと思いきや、逆にそうではなくて。いったん「違う人が書いた」ということにしてから歌いました。

――それはどういうことなのか、もう少し具体的に教えていただけますか?

石田 自分で書いているからわかっている気がして歌うと、なんか歌いづらいんですよね。だから、誰かが書いたと思って「きっとこういう意味で書いたに違いない」「この歌詞の奥にはこういう想いがあるのかも」と妄想するんです。そうするともっと掘り下げて、こうかもしれない、いやこうかもしれない……と思えて歌いやすくなるんですよ。気持ち的には、“作詞家の石田燿子さん”が書いたという感じです(笑)。

 

――その曲の掘り下げ方は面白いですね。ちなみに、作詞をする時に別名義にしようと思ったことはありますか?

石田 それはないです。名前にこだわりがあるわけではなく、自分の中での気持ちの持っていき方が変わればいいという感じなんですよね。



令和もウィッチの世界をずっと歌えたら嬉しい


――昨年「ワールドウィッチーズ」シリーズも10周年を迎えましたが、改めて本シリーズは石田さんにとってどのような作品になりましたか?

石田 私自身は去年デビュー25周年を迎えて、5年後にはキャリアの中の半分がこの作品に関わらせてもらった形になります。2008年に「STRIKE WITCHES~わたしにできること~」のお話をいただいた時、なんて“ザ・アニメソング”な曲なんだろうと思ってすごく嬉しかったんです。久しぶりにキラキラ弾けた、作品のための主題歌を思いっきり歌えるんだと。

でも、その時はまさか10年以上続く作品になり、主題歌を毎回歌わせていただけるとは思いませんでした。プレッシャーはもちろんありますが、信頼していただいている以上に応えなきゃという気持ちがすごく強いですし、歌い手として成長させてくれた作品だと思っています。これからも、10年経っても15年経っても、20年経っても歌っていきたいですね。

――みんなきっと楽しみにしていますよ。

石田 ありがたいことです。歌をキープするだけじゃなく、さらに向上して新しいものを感じてもらえるように、「あー、やっぱりこの声だよね」と言ってもらえるように自分を磨いていかなきゃなって。そうやって背中を押してもらえる作品のひとつだと思っています。

――その歌声を保つ秘訣や、気をつけていることがあればぜひ教えてください。

石田 今でもボイストレーニングは欠かせないです。そうしないと楽なほうに流されて、声の出し方を忘れちゃうんですよね(笑)。先生に調律してもらって軌道修正する感じといいますか。ピアノと一緒で、弾くだけだと音がどんどんおかしくなっていきますから。

――石田さんはアニソンを扱ったラジオ番組「あなたの星空の下で」をやられています。これまで何度も答えてきたとは思いますが、アニソンのよさはどこだと感じていますか?

石田 皆さんの曲の思い出を紹介する「思い出ソングス」というコーナーを何年もやっているんですが、小さい時に聴いていたアニソンって大人になっても不思議と覚えていますよね。今の自分の曲は忘れちゃうのに(笑)。そういう子供の心に残るアニソンってすごいなと思うんですよ。もちろん、大人になってから聴くアニソンもそうですし、当時こんなことがあったとか、その作品が好きだったらシーンを思い出したりして。歌を聴いて、視覚的に思い出すものがあるというのは大きな魅力のひとつだなと思います。

――最後に「平成」から「令和」に元号が新しくなりますので、令和はどんな時代にしたいか意気込みをお願いします。

石田 この曲は平成最後のウィッチの曲となります(笑)。去年は私が25周年で「ワールドウィッチーズ」シリーズが10周年というダブルアニバーサリーの年でしたが、次のアニバーサリーまで気を抜かずにやっていきたいと思っています。第3期も私が歌えるかどうかは令和に発表されると思いますが、どんどん広がるウィッチの世界をずっと歌えたら嬉しいですし、そのためにもいつでも歌える準備をしておきたいです。

――こちらもいつでも作品に帰る準備をしておきます。ありがとうございました!


(取材・文/千葉研一)

【CD情報】CDリリース情報

■TVアニメ「ストライクウィッチーズ501部隊発進しますっ!」オープニング・テーマ「空が呼ぶほうへ」/石田燿子

・発売日:4月24日

・【DVD付限定盤】1,800円(税別)

・【通常盤】1,200円(税別)

【イベント情報】

■TVアニメ「ストライクウィッチーズ501部隊発進しますっ!」オープニング・テーマ「空が呼ぶほうへ」発売記念 石田燿子 ミニライブ&サイン会

・日時:2019/4/28(日)14:00~

・場所:イオンモール新潟南1Fマリンコート

・イベント内容:ミニライブ&サイン会

※ミニライブは観覧自由です。

※その他、参加方法などの詳細は日本コロムビアのHPをご確認ください。

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