今年中国で公開された日本のアニメ劇場版の明暗と中国の4月新作アニメ事情【中国オタクのアニメ事情】

中国オタク事情に関するあれこれを紹介している百元籠羊と申します。
今回は中国の動画サイトで配信されている日本の4月の新作アニメの話題作の動向や、最近中国で立て続けに公開された、日本のアニメ映画の状況などについて紹介させていただきます。

アニメ制作会社による前評判も目立つ、中国の新作アニメの人気動向


日本のような原作マンガや小説などの展開がない中国では、放映開始前に新作アニメの出来を予想する場合、原作の情報だけでなくキャラクターデザインの好みやクリエイターの評判などが日本と比べて重要な判断材料になっているそうですが、それに加えて近頃は
「どこのアニメ制作会社が関わるのか」
という情報からも、アニメの出来や面白さに関して予想したり期待したりする動きが目立つようになってきているそうです。

現在の中国のオタク界隈では、「京都アニメーション」「トリガー」をはじめ、「ufotable」「ボンズ」などの制作会社に対する高い評価と固定の支持層が出ているそうで、4月の新作アニメに関してもufotableの「鬼滅の刃」や、ボンズの「キャロル&チューズデイ」が、制作会社関連の話題の盛り上がりも加わって順調な滑り出しを見せているとのことです。

もちろん現在の中国で人気になるには作品自体のパワーや話題性が必要です。「鬼滅の刃」の人気に関しては、少年ジャンプ連載の王道少年マンガ原作のアニメとして注目を集めていたうえで期待を裏切らない出来だったといった理由がありますし、「キャロル&チューズデイ」に関しても、アニメ的でありながら外国の雰囲気とSFの雰囲気が漂う中で魅力的に動くキャラクターたちが好評だそうです。

しかし、アニメに限らず娯楽コンテンツ全般において、作品の入れ替わりが激しく、関連する話題も埋もれがちな現在の中国の環境では、前評判や初動などに関しては作品のパワーだけでなく、制作会社のブランドによる注目、話題性というのが無視できない要素となっているのも確かなのだとか。

そしてこの2作品のほかにも、中国のオタク界隈ではさまざまな4月新作アニメの注目作が出ています。

まず続編系では大本命とされ、商業化される前のWebマンガ時代から根強い人気が続いている「ワンパンマン(第2期)」、女性からの支持を中心に堅調な人気を維持している「文豪ストレイドッグス(第3シーズン)」などが好調のようです。
また、クロスオーバー元の4作品すべてが中国で高い人気を獲得しているのでキャラもネタもわかる人が多いことから「異世界カルテット」が何かと話題になっているそうですし、「ぼくたちは勉強ができない」「川柳少女」などの学園ラブコメディ作品も手堅く再生数を稼いでいる模様です。

さらに中国のオタク層に与えた「衝撃」という面では、中国にも根強いファンを持つ幾原邦彦監督の新作ということで注目を集めていた「さらざんまい」が、心の準備をしていた現地のファンですらイロイロな意味で驚く内容だと受け止められている模様です。
それ以外にも「ULTRAMAN」は、中国でも非常に知名度の高い「ウルトラマン」が原作ということや、実質的に一括配信となった配信形式など、イロイロな面で興味深い話題の広がり方、注目の集まり方となっているとのことです。

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