TVアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス 3」、冲方丁×深見真×吉上亮脚本陣のインタビュー到着!
フジテレビ“ノイタミナ”にて毎週木曜日24:55~25:55拡大枠にて放送中のTVアニメ第三期「PSYCHO-PASSサイコパス3」から、本作の脚本を手掛ける冲方丁さん、深見真さん、吉上亮さんら3名の脚本陣のインタビューが到着した。
「PSYCHO-PASSサイコパス」は、人間の心理状態を数値化し管理する近未来社会を舞台に、正義を問われる警察機構を描くオリジナルSFアニメーション。
近未来警察機構の物語を描き2012年10月~2013年3月にフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて第1期がテレビアニメとして放送。深い人間ドラマと先の読めない展開で人気を獲得し、2014年10月にスタートした第2期では、第1期の最終話から1年半後を舞台にした物語が、そして2015年1月に公開された劇場版では完全新作ストーリーが描かれ、それぞれ話題となった。そして、そして2019年には劇場三部作「PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System」が公開された。2019年10月17日より放送がスタートしたTVアニメ第三期「PSYCHO-PASS サイコパス 3」ではふたりの新人監視官 の物語。慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフは、厚生省公安局の刑事となり、 変わりゆく世界で真実を求めていく。
⇒「PSYCHO-PASS サイコパス 3」、第1話は10/24より放送決定! 新キャストに大塚明夫、諏訪部順一、宮野真守、田中敦子ら!
今回、本作の脚本を手掛ける冲方丁さん、深見真さん、吉上亮さんら3名の脚本陣のインタビューが到着した。
脚本づくりの舞台裏や、新キャラクターの魅力、作品に対する想いなどを熱く語っているので、ぜひチェックしていただきたい。
【オフィシャルインタビュー】
「PSYCHO-PASS サイコパス 3」脚本家座談会
冲方丁(シリーズ構成・脚本)× 深見真(脚本)× 吉上亮(脚本)
──『PSYCHO-PASS サイコパス 3(以下、PP3)』の脚本は3人の作家による共作ということになりますが、どのように脚本づくりは進められたのでしょうか。
冲方 プロデュースサイドや塩谷(直義)監督から、今回のキャラクターを全部新規にして、時間軸をどこ(劇中の時間は第二期から6年後の2120年)にする、といった具体的な注文がありました。それを受けてシリーズ構成を組みあげて、おふたり(深見、吉上)に脚本を書いていただいたというかたちです。
深見 冲方さんと塩谷監督のコンビネーションが良くて。まず、ふたりの中で出来上がっている感じがありました。冲方さんが組み上げられたシリーズ構成がすごく緻密で。こんな緻密な構成は見たことがない! というレベルのものだったんです。そこで僕が最初にやった仕事は「そのシリーズ構成から柱(エピソードのテーマ)を立てて、ハコ書き(シーンの具体的な要素をまとめる)にしてください」というものでした。
冲方 深見さんはさすがだな、と思ったのは僕が投げた球を、曲げて返してくるんですよ(笑)。シリーズ構成にはいないキャラが、足されて返ってくる。たとえば、小畑ちゃん(ファースト・インスペクター梓澤廣一の協力者である小畑千夜)は深見さんだから生まれたキャラクターです。深見さんの変化球がおもしろいから、こちらもさらに曲げて返す。
深見 僕らのシナリオ作業を見て、もっとおもしろくしてやろうと冲方さんが後半のシリーズ構成をさらに書き換えるんです。
冲方 ここぞとばかりにふたりが変化球を投げてくるので。良いリズムで脚本作業ができたと思います。時間はかかったけれど。
深見 冲方さんがおつくりになったシリーズ構成やプロットを読んだときはびっくりしたんです。どこを切っても新しい『PSYCHO-PASS サイコパス』なんです。ビフロストの登場、インスペクターたちの設定。全員がちょっとずつ事件に加担していて、誰も犯罪者と自覚していない仕掛け……。おもしろいものになっていると思います。
──吉上さんは『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1 罪と罰』で脚本に初参加、そして今回TVシリーズの脚本に初参加ですね。
吉上 僕は中盤の話数を担当していたのですが、プロットの段階でみんながどんどんアイデアや要素を盛り込んでいくので、脚本がものすごい文字数になってしまって。
冲方 それは吉上さんのクセだよね。何を書いても、すごいボリュームに仕上げちゃう。
深見 吉上さんの脚本は、どちらかと言うと小説なんですよ。
冲方 わかる! 僕もアニメの脚本を書き始めたころはそうだった。
吉上 冲方さんに脚本の修正を細部の細部まで入れていただき、すごく鍛えられました。
──主人公の慎導灼、炯・ミハイル・イグナトフは、どういったキャラクターでしょうか。キャラクターの特徴や魅力を教えてください。
冲方 最初に塩谷監督、プロデュースサイドから「キャラクター総とっかえ」という話があって、その中で「監視官はバディふたり」で考えてきてほしいと依頼されて。「監視官のバディもの」で「片方が入国者で、ふたりは幼なじみ」「身長差がある」というのも最初から決まっていたと思います。そこから僕が心理担当と戦闘担当のコンビはどうだろうと考えて、メンタリスト(心理分析者)と軍事経験者のバディを提案しました。
深見 最初にホン読み(脚本打ち合わせ)に参加したら、いきなり冲方さんから「深見さんの書いた慎導灼と炯・ミハイル・イグナトフを見たいから、第1話を書いてみてください」と言われたんですよ(笑)。灼は一見、ふにゃっとしているけど頭が良い。へらへらしているけど正解をすぐに見つけて、そこへ走っていく。最初は苦労しましたね。
冲方 下手をするとイヤみな奴になっちゃうんです。
深見 最初は「イヤみな奴に見えても良い」と冲方さんもおっしゃってましたよ。
冲方 しらずしらずのうちに会話をリードして、自分の有利な方向に持っていくキャラクターですからね。
吉上 人たらしなんですよね。そういう意味では一番刑事っぽいかもしれない。
冲方 犯罪者と仲良くなってべらべらしゃべらせて、そして逮捕するっていう良い刑事ですね。
──『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズに参加するおもしろさをお聞かせください。
深見 僕はもともと冲方さんの小説をがっつりと読ませていただいていて。『マルドゥック』シリーズ、『シュピーゲル』シリーズ、そして時代もの……そんな方とご一緒させていただくだけでも刺激になりますよね。頭の良くない言い方になりますが「頭が良い方だなあ」と(笑)。冲方さんと打ち合わせをすると、自分の頭もフル回転させないといけない。この打ち合わせを経たあとだと、脚本の見方が変わるような刺激的な現場だったと思います。
冲方 『PSYCHO-PASS サイコパス』の現場にいると、「クリエイターってみんな頭がおかしいんだな」と思いますね(笑)。もちろん誉め言葉なんですが、第一期を手掛けた虚淵(玄)さんも、深見さんも、吉上さんも、みんなどこか普通じゃない。だから、楽しいものができるんだなと思いますね。
吉上 僕は10代のころから、冲方さん、深見さんの作品を愛読してきて。おふたりからの影響をすごく受けているんです。自分自身にもすごく大きな成長の機会になりましたし、深見さんがおっしゃるように脚本の読み方が変わりました。日本SFエンタメの先端で活躍する作家が集まって、本当にすごいTVアニメがつくられているんだぞ、「みんな、見てくれ!」と断言できる現場でした。
<profile>
冲方丁●うぶかた・とう/小説家、漫画原作者、脚本家。日本SF作家クラブ会員。『PSYCHO-PASS サイコパス 2』のシリーズ構成・脚本を担当。『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞、『天地明察』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞などを受賞した。アニメ『攻殻機動隊ARISE』シリーズ構成・脚本、『HUMAN LOST 人間失格』ストーリー原案・脚本を手掛ける。
深見真●ふかみ・まこと/小説家、漫画原作者、脚本家。『PSYCHO-PASS サイコパス』のTVシリーズ第一期で脚本家としてデビュー。以来、小説家としてだけでなく多くのアニメ作品に関わる。『revisions リヴィジョンズ』ではシリーズ構成を担当。自身が漫画原作を手掛ける『魔法少女特殊戦あすか』のアニメ版も自らシリーズ構成を担当している。
吉上亮●よしがみ・りょう/小説家、脚本家。日本SF作家クラブ会員。日本推理作家協会にも所属。『パンツァークラウン フェイセズ』で作家デビュー。『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズではスピンオフ作品『PSYCHO-PASS ASYLUM』(全2巻)、シリーズの過去を描く『PSYCHO-PASS GENESIS』(全4巻)を執筆。新作として『泥の銃弾』を上梓。
【作品情報】※敬称略
■「PSYCHO-PASS サイコパス 3」
<放送情報>
2019年10月17日よりフジテレビ“ノイタミナ”にて毎週木曜日 24:55~25:55 拡大枠にて放送開始 ほか各局でも放送中
※初回放送は特番、10月24日より第1話(全8話)放送
Amazon Prime Video にて日本・海外独占配信/本編第1話:10月23日24:00 頃より先行配信
第2話以降:毎話フジテレビ放送開始1時間後より配信予定
※特番はフジテレビ放送後に日本配信のみとなります
<STAFF>
監督:塩谷直義
シリーズ構成:冲方丁
脚本:深見真、冲方丁、吉上亮
キャラクター原案:天野明
キャラクターデザイン・総作画監督:恩田尚之
色彩設計:鈴木麻希子美術監督:草森秀一
3D ディレクター:大矢和也
撮影監督:村井沙樹子 撮影視覚効果:荒井栄児編集:村上義典
音楽:菅野祐悟
音響監督:岩浪美和
オープニング・テーマ:Who-ya Extended「Q-vism」(SME レコーズ)
エンディング・テーマ:Co shu Nie「bullet」(ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ)
アニメーション制作:Production I.G
<CAST>
慎導灼:梶裕貴
炯・ミハイル・イグナトフ:中村悠一
雛河翔:櫻井孝宏
廿六木天馬:大塚明夫
入江一途:諏訪部順一
如月真緒:名塚佳織
唐之杜志恩:沢城みゆき
霜月美佳:佐倉綾音
ドミネーター:日髙のり子
法斑静火:宮野真守
代銀遙煕:中博史
裁園寺莢子:田中敦子
小宮カリナ:日笠陽子
ラウンドロビン:森川智之
梓澤廣一:堀内賢雄
小畑千夜:矢作紗友里
狡噛慎也:関智一
宜野座伸元:野島健児
須郷徹平:東地宏樹
六合塚弥生:伊藤静
花城フレデリカ:本田貴子
常守朱:花澤香菜
<あらすじ>
「正義」は、新たな世界を切り開く。
魂を数値化する巨大監視ネットワーク・シビュラシステムが人々の治安を維持している近未来。シビュラシステムの導入後、日本は海外との交流を断ち、長らく事実上の鎖国状態にあった。2120 年、開国政策により変革の刻が迫ろうとしている。変わりゆく世界 で、犯罪に関する数値〈犯罪係数〉を測定する銃〈ドミネーター〉を持つ刑事たちは、犯罪を犯す前の〈潜在犯〉を追う。はたして2人のたどり着く場所は? 世界が待ち望んでいた『PSYCHO-PASS サイコパス』の新時代が幕を開ける。
(C)サイコパス製作委員会
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