「i☆Risの新しい自己紹介曲になれば」TVアニメ「賢者の孫」OPテーマ「アルティメット☆MAGIC」を歌うi☆Risインタビュー!

「異世界転生モノって設定が難しいことがあるけど、この作品は難しくないし入り込みやすい。誰でも気軽に、ストレスフリーな気持ちで見られるところがポイントだと思います!」と語るのは、TVアニメ「賢者の孫」メインキャラクターのひとり・マリア=フォン=メッシーナ役で出演中の若井友希さん。

彼女が所属する声優ユニット「i☆Ris」が歌う、本作のOPテーマ「アルティメット☆MAGIC」も非常に気持ちのいい、爽快でパワフルな1曲だ。今回は、作品のテイストにも、そしてi☆Risというユニットにもばっちりマッチするこの新曲について、メンバーにたっぷりと語ってもらった。

この曲をきっかけにi☆Risを好きになってほしいなと思います(芹澤)

ーー18thシングルの「アルティメット☆MAGIC」は、とても元気な曲になりましたね。そのいっぽうで、かけ合いが多めだったりして、新しさも感じました。

山北早紀(以下、山北) 曲調的には元気でi☆Risらしいと思ったんですけど、歌詞が特にいいなと思ったんです。これまでは元気な歌だと「憧れの対象になろう!」と意気込んで歌うことが多かったんですけど、この曲は歌詞の〈やらかしたらとりまsorry!〉とか、「とりあえずやっちゃえばいいじゃん、失敗してもいいんだよ」っていうのが根本にあるんですよね。それって自分たちにも当てはまることだし、素のi☆Risに一番ピッタリな曲なんじゃないかなって。

山北早紀さん

ーー“とりまsorry”とか、実際に言いそうですしね(笑)。

山北 それもありますけど(笑)、アイドルと声優も全力でやるグループとしては、最初の〈ぶっ飛ばせ常識を 未知の世界へ行こう〉というのが、そのまんまi☆Risを表している言葉なんじゃないかなって感じたんです。

若井友希(以下、若井) 私も最初に聴いたときの印象がよくて、「あ! i☆Risだな」ってビビっと来ました。誰が聴いてもi☆Risの新しい自己紹介曲みたいになるんじゃないのかなって思います。

ーーでも楽曲を提供した廣瀬祐輝さんは、今回初めて関わられた方なんですよね。

若井 そうなんですよ! (廣瀬祐輝さんが)すごくいい曲を生み出してくださって、とっても嬉しかったです。

久保田未夢(以下、久保田) 私はこの曲を聴いたときに「やったー!」って思いました。こういう曲が好きなので、歌いたかったぁ!って。ライブをしているときのi☆Risにすごく近いから、素のi☆Risが乗せられる歌なんです。だからこそi☆Risのワンマンはもちろん、フェスとか、i☆Risを知らない人がいる中で歌うときに武器になるんじゃないかな。まだまだ私たちのことを知らない方は多いので、この曲いい!って思って調べてくれたら、このMVが上がってて、「かわいい6人がいるじゃん!」って思って、私たちのライブに来てくださるきっかけになったらいいなと思います。

久保田未夢さん

ーーしかも今回はTVアニメ「賢者の孫」のOPテーマなので、新たなファン層にも届いてますからね。

茜屋日海夏(以下、茜屋) 「プリパラ」のときも明るい曲は歌っていて、それもi☆Risのよさが出ている大事な曲なんですけど、今回は「ザ・アニソン!」っていう感じの曲だったので、それが嬉しかったです。歌詞も憧れの先というか、失敗しちゃっても大丈夫だよって包み込んでくれるものだったので、私たちにも寄り添ってくれているなって。メロディラインも好きですし、すごく元気になる曲ですよね。

芹澤優(以下、芹澤) その気楽な感じがいいんでしょうね。私もめちゃ好きだなって思いました。何やってもいいよ!みたいな。i☆Risってそういうグループだし、声優の中でも異色な存在でありたいと思ってるんですよ。「あの子発言ミスったな!」って思うようなことも、誰かにとっては面白いと思えたり、失敗しちゃっても、「とりまsorry!」で大丈夫だなと思える。そういうところがピッタリだし、この曲をきっかけに本当にi☆Risを好きになってほしいなと思います。

澁谷梓希(以下、澁谷) あとは、前作の「Endless Notes」からの緩急ですよね(笑)。速いテンポの曲が来たな!って感じで、そのテンポについていけない自分がいるんですよ(笑)。DJとかだとリズムに乗ってればいいけど、言葉を乗せていくと感情が追いつかなくなることが多くて、汗をかきながらレコーディングしてました。あと、ユニットってそれぞれの特徴が楽曲に出がちだと思うんですけど、i☆Risって毎回違うi☆Risをi☆Risらしく見せることができるグループなので、今回も「これまでの曲とはまた違うけど、ポップでキャッチーな感じがいい!」と思いました。

芹澤優さん



ーーボーカルのアプローチはいかがでした?

山北 私は結構素に近い感覚で歌いました。i☆Risだなっていう曲だったので、作らずにいつもの山北で歌ったらオッケーで。でも〈大胆に 斬新に~〉のところはクソガキっぽく歌ったかも。私、i☆Risでいるときってクソガキっぽいので(笑)、そこは出せたかなと。

若井 レコーディングには作り込んでいくタイプですけど、ディレクターさんとも合致して、かわいくというより、自分です!というのを出しました。なので飾らずに歌えましたね。

久保田 私はライブのときの「私!」というテンションで歌いました。でもカッコの中とかはキャラっぽく、癖をつけて歌ったり……そのくらいかな? 英語をすらすら言えないので、平仮名で書いて、その通りに歌ってました(笑)。

茜屋 私は英語の発音をめっちゃ褒められたかなぁ。あと「ここ好きなんだよね」ってディレクターさんに言われたのは〈転んだ数だけ 生まれるアルゴリズム~〉のところですね。異常に褒められたので、ライブでもこだわって歌おうかなと思ってます(笑)。

芹澤 レコーディング終盤に、録ってくださっている方に「芹澤さんのかわいさが欲しいです」と言われたんです。たぶんみんながそのままの声で歌っていて、イケボ感が強かったんでしょうね(笑)。だから私はできるだけ、いつもよりマシマシでかわいく、クセも多めに入れて歌いました。

澁谷 ハモリに関しては職人と言われるほどになってまして(笑)、もはやハモリのラインも聴かせてもらえなくなりました。仮歌でもうっすらハモリが入ってるんですけど、今やそっちがメインで聴こえてくるようになってしまい、どっちを歌ってるかわからなくなるんですよね。この曲に関しては、堂々とハモラーですと言える感じです。

澁谷梓希さん



i☆Ris落ち着いてきたね、って言われたくないもん(山北)

ーー歌詞からの質問なのですが、最近冒険したこと、もしくはやらかしちゃったことはありますか?

芹澤 はい! 私、魚をさばいたんですよ。さばけたんです! 最近そういう動画が好きで、それに触発されて。アジを2尾買って、1尾目は身が小さくなっちゃったからなめろうみたいにしたんですけど、2尾目はしっかりできたので、アジフライにしました! いつか大きい魚をさばいて、すしざんまいしたい(手を広げるポーズをながら)。

若井 私はやらかしたことなんですけど、ツアーで大阪に行ったときに家の鍵をドアに挿したままにして行っちゃったんですよね……。で、帰ってきた時は家に入れなくて、誰かが帰ってくるまで体育座りして待ってたんです。そしたら「鍵挿さってましたよ」って別の部屋の方に言われて、「本当にすんません。とりまsorry!」って感じでした。

ーーそれは、本当に気をつけてください!

山北 去年の冬から加湿器にハマってて、小さいの含めて13個くらい買っちゃったんです。でもさすがに加湿器だらけになったので、4台だけ残して実家に送りました。買いすぎちゃって、とりまsorry!です。

澁谷 私は春から本格的に英会話を始めたんですけど、オンラインで1日2枠までできるんです。ただ、英語を話す人への恐怖心が勝ってしまい、1枠でも十分なくらいメンタルが減るんですね(笑)。なので今、自分のコミュニケーション能力を海外向けに鍛え直しているところです。英会話っていうよりは異文化コミュニケーションに挑戦している感じですけど、i☆Risも海外に行かせていただくことが増えたので、自分の言葉で気持ちを伝えられるようになりたいです。

久保田 私は6枚くらいあったバスタオルを2~3枚捨てたことを忘れて、洗濯しないでもまだ大丈夫だろうと思っていたら、風呂上がりにバスタオルが1枚もない!ってなって、絶望しました。クローゼットに開けてないタオルがあって助かったんですけど……。

若井 でもそれ、トイレットペーパー切らすよりはいいじゃん。

山北 レベルが違う人がいる!!

若井 いやいや、ほんとに切らしたんじゃなくて、そっちのほうが絶望するよねって話だよ!

若井友希さん



ーー安心しました(笑)。では最後に茜屋さん。

茜屋 やらかしてしまったことですけど、大人数で焼肉屋さんに行き、4人と6人くらいで分かれて座って卓ごとにお会計をしたんです。私は4人卓だったんですけど、歳下の子もいたので何でも食べなよって値段を見ずに頼んでたら、6人卓より高い金額になってて。どうやらいいお肉をバンバン頼んでたんですよね(笑)。でも下の子に払わせるわけにはいかないとお金を出したんですけど、値段を見ずに頼むのって怖いなと思いました(笑)。

ーー(笑)。では先ほどかわいいと話していたMVの撮影はどうでしたか?

久保田 撮影地が病院だったんですけど、周りが田んぼで、地元のおばあちゃんが見に来てて、それがすごくかわいかったんです!

若井 かわいかったね。柴犬と一緒にいらっしゃって、ほっこりした。

ーー映像だと、山北さんのネタが豊富だったなと思いました。

若井 ネタ担当なんで!

山北 今回好きに動いていいよって言われてたんですけど、骸骨の置物があって、それが結構鋭利だったので「ひみちゃんみたいだな(笑)」と思って、骸骨を見ながら「ひみちゃん!」みたいなことを言ってたんですよ。そしたらそれがオープニングで使われてました(笑)。

(一同笑)

芹澤 普通にびっくりしてるだけかと思ったけど、「ひみちゃん!」って言葉が入るんだ(笑)。

若井 だけど私が魔法をかけるところで言った言葉は使われてなかった! 残念……。

芹澤 でもこの曲はMVのできあがりを見ても、全員がしっくり来てるんですよ。私はふざけるよりかわいいに徹していたけど、結構みんなふざけてたりもしてて、ある意味リアルな、それぞれの個性が出てていいなと思いました。私ももうちょっとふざければよかったな。

久保田 でも、何回も見たくなるよね。

茜屋日海夏さん


ーーこういうノリが似合いますよね。

芹澤 いつまでもこういうノリでいたいなって思いました。もちろん年齢が上になると歳相応感が出ると思いますけど……。

山北 わかる! i☆Ris落ち着いてきたね、って言われたくないもん。

芹澤 時々ならいいけど、基本アホでいたい(笑)。

山北 クソガキでいたい!

ーーでは最後に、残りわずかとなったツアーについて、見どころを教えてください。

澁谷 今回のライブは、いろいろなライブに行く私が客観的に見ても面白いと思える、ショータイムのようなライブになってます。毎年毎年違うツアーにしたいと言ってるんですけど、今回もまた全然違うライブになってるので、楽しみにしていてください!

芹澤 各公演ごとにセトリが違いますし、その日限り感の強いライブなので、全通してる方がいればその価値はあるし、1公演だけしか来れない人も、ライブを通してまんべんなく楽しめると思います。曲以外でも想像を裏切った行動はしてるんですけど、曲としても期待を裏切ることができていると思っているんです。なので楽曲のセットリスト的なところも、みんなの予想をいい意味で裏切れるんじゃないかなと思っています。

茜屋 新しいっていうのはこれまでも言ってきましたけど、今回はそれを凌駕しているというか、これがやりたかったんだよ!っていうものが入ってて、私たちが楽しいと思えるものをそのままお届けできてるんじゃないかと思ってます。タイトルも「FEVER」で、その世界観は統一されてるし、最初から最後まで楽しんでもらえるライブになっていると思います。

久保田 今回のライブは、おうちでDVDやBDを見るよりも、絶対にライブ会場に来て、大きなサウンドや照明込みで見てもらったほうが楽しいライブショーになってると思うんです。一度来たらもう一回見たい!と思えるくらいのクオリティのものを作っているので、一度は必ず見に来てほしいです。

若井 このライブを見たら、わ~!って思うだろうし、次に何が来るんだろうって、ワクワクドキドキの気持ちを味わえると思います。初めて来る方の方も楽しめるセットリストだし、昔から好きでいてくれている方も喜んでくれるセットリストになっているので、楽しみにしていてください。

山北 これまでのファンの方は、新たなi☆Risの魅力に「鼻血FEVER」になるかもしれないです! いつもライブに来てくださいって言ってるけど、今回は来ないと後悔するよ!と言いたい。そんなツアーになっているので、みんな(鼻血が出たときのための)ティッシュを用意して来てください!

(取材・文/塚越淳一)

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