【アニサマ15年目記念企画!歴代アニサマプレイバック!!】第3回「Animelo Summer Live 2007 Generation-A」さらなる進化、発展を予感させ、「A」の意味を考えさせられた1日!

アニメソング界のトップアーティストが一堂に会する世界最大のアニソンイベント「Animelo Summer Live」(以下、アニサマ)が、今夏開催の「Animelo Summer Live 2019 -STORY-」(以下、アニサマ2019)で15回目を迎える。

そんなアニバーサリーイヤーの「アニサマ」を記念して、アキバ総研がこれまでのアニサマを1年ごとにプレイバック!

当時のアニサマにも参加したアニメ、アニメソング大好きライターに、思い出とともに語っていただき、2019年8月30日、31日、9月1日の3日間にわたり開催される「アニサマ2019」を盛り上げていこう!

というわけで、第3回はさらに多彩な出演者、演出でさらなるパワーアップを果たした「Animelo Summer Live 2007 Generation-A」だ!

今回は、当時、現場でライブを目撃した幡野敬が担当する。
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「Animelo Summer Live 2007 Generation-A」

・開催日:2007年7月7日

・会場:日本武道館

・テーマソング:「Generation-A」作詞・作曲:奥井雅美/編曲:MACARONI☆、Monta

会場は昨年に引き続き日本武道館。アニソン界最大級のライブとして夏の風物詩となったアニサマが迎える3度目の夏。「Generation-A」のテーマのもと、17組のアーティストと、約12,000人のアニソンファンが集結。約5時間、全39曲、年齢、職業、性別に関係なく、アニソンを通して強い絆が生まれた至福の時を、筆者自身が参加した当時の記憶を交えつつ振り返りたい。

奥井雅美、水樹奈々

最初に登場したのは、奥井雅美さんと水樹奈々さん。アニサマではおなじみとなった、オープニングのスペシャルなコラボレーションに大歓声!「輪舞-revolution」で魅せる、アニソン界のディーヴァ2人によるボーカリゼーションに圧倒された。続くは奥井さんのソロ。6人のダンサーを従えて、キレキレのダンスパフォーマンスを見せてくれた。アニサマで踊りたい! そんな奥井さんの想いが伝わってくる「-w-」は、とてもスタイリッシュなナンバー。踊りといえば、テーマソング「Generation-A」も、奥井さんの作詞・作曲で、キャッチーなディスコサウンドになっていた。遊び心もたっぷりで、アーティストごとに歌い分けがされている歌詞に、その人をイメージさせるフレーズが散りばめられた明るいナンバーで、バラード(「ONENESS」)、ロック(「OUTRIDE」)に続く、新たな音楽性を持つテーマソングとしてフレンドリーな雰囲気を醸し出していた。

桃井はるこ

初出演のアーティストも多数参加、印象的なステージを見せてくれた。まずは、MCでアニソンへの想いをたぎらせた桃井はるこさん。アニソンへの愛と感謝が詰まった「WONDER MOMO-i」は、“萌えはロックだ”を具現化するようなキラーチューンで、激アツだった。前年SOS団の一員としてアニサマにゲスト参加、「ハレ晴レユカイ」でスーパーダンスを披露した茅原実里さんも「純白サンクチュアリィ」で、念願だった歌手活動を再開させ、この大舞台に戻ってきた。初々しさもありつつ、堂々としたステージングだった。「恋のDice☆教えて」を歌ったCy-Rim rev.もまばゆくはじけていた。ヴォーカルのmiruさんのメガネにレンズが入ってないのが気になっていた人もいたとかいないとか。

茅原実里

Cy-Rim rev.

「夢想歌」、そして“魂込めて歌いたいと思います”と告げて歌った「キミガタメ」でのエモーショナルな歌声でオーディエンスを圧倒したSuaraさん、これ以後のアニサマのステージを大いに盛り上げることになるmotsuさん(m.o.v.e)もこのときが初登場。もも上げ大会(!)に、前転、ブリッジ、そして高速ラップと強烈なパフォーマンスで 大きすぎるほどの爪痕を残した。

m.o.v.e


さらに、アニソン界を代表するロックユニット「サイキックラバー」が「XTC(エクスタシー)」で、激音をかき鳴らし、そのボーカル・YOFFYさんから“深く、切なく、だけどアツいユニット”と紹介された、男女ユニット「樹海」は、「あなたがいた森」「咲かせてはいけない花」とドラマチックなサウンドを奏でる。このように初出演組だけを見ても、アニソンというジャンルの懐の深さを感じさせるが、その多様性は「令和」という新時代になった今も進化し続けていて、ある意味アニサマはスケールの大きいショーケースの場として、とても刺激的で面白いものとして、その歴史を重ねてきたと言えるかもしれない。

サイキックラバー

樹海

そしてアニサマといえば、ゲストにも注目。スペシャルゲストとして、ダンスパフォーマンスグループ「Panicrew」がエンターテインメント性あふれるステージングで盛り上げ、ユニークなダンスが「ニコニコ動画」で話題となった矢部野彦麿&琴姫 With 坊主ダンサーズも独自の世界観を演出した。茅原さんと同じく、前回SOS団でアニサマに参加した平野綾さんも、パンクアレンジを施したアニサマ仕様の「冒険でしょでしょ?~パンクでしょversion~」で彩りを添えた。

矢部野彦麿&琴姫 With 坊主ダンサーズ

平野綾

会場が驚きと歓声に包まれたシーンといえば、高橋洋子さんの登場の時。サプライズゲストとして、「魂のルフラン」、さらに平成で最もカラオケで歌われた曲の上位に名を連ねる「残酷な天使のテーゼ」をメドレーで披露。レジェンドの存在感たっぷりに、改めてアニソンの持つパワーを体感させてくれた。

高橋洋子


これまでのアニサマを彩ってきたアーティストも、もちろん見逃せない。「てのひら」を歌い終えた高橋直純さんは、“10曲くらい歌いたくなっちゃう”と楽しさを抑えきれず、本人言うところの「なにやら変なテンション」になってしまったとのこと。アニソン界でエロかっこよさ独占の栗林みな実(現・Minami)さんは、出演を重ねるたびに少なくなっていく衣装の布面積に反比例するかのように、人見知りも克服し、明るさがパワーアップ。桃井さんとのコラボ「うしろゆびさされ組」では涼宮遥(ゲーム「君が望む永遠」)のコスプレサービスも!

栗林みな実(現・Minami)、桃井はるこ


初参加のときは、緊張のあまり歌い終わった後、楽屋で泣き出してしまった近江知永さんからは、とても楽しんでいる様子が伝わってきた。「ロックリバーへ」を歌い終えたあと、ラスカルのぬいぐるみを客席に投げ込むはずが、最前列通路に叩きつけてしまったシーンは、今も語り継がれるアニサマ珍場面かもしれない。

ドラァグクイーンとともに耽美な世界へ誘ってくれるALI PROJECTは、日本刀を手にした宝野アリカ様が神々しかった。“みなさんも暗い青春をお送りのことと思います”と、アリカ様ならではのMCもスパイスが効いていた。でも、そんな日々を潤すのがアニソンだということは間違いなく、「跪いて足をお嘗め」など、独特な空気感を持ったナンバーが異彩を放っていた。

クライマックスに向けて、ステージ、客席ともどんどん熱量が増していった。最後の2組も圧巻だった。「Break Out」「VICTORY」、そして“MOTTO!MOTTO!”が炸裂した「SKILL」の3連コンボのすさまじさと言ったら! JAM Project(影山ヒロノブ・松本梨香・遠藤正明・きただにひろし・奥井雅美・福山芳樹)の魂の込もった歌が観客のハートをつらぬく、この光景はアニサマの代名詞といえるものになった。炎が上がり、みんな飛び跳ねる。アニサマとは、いわば気合いと体力のぶつかりあい。そんなエキサイティングな表情もあわせ持つ最高のエンターテインメントということが伝わってきた。

水樹奈々

3年連続でトリを務めたのは水樹奈々さん。「今日は奈々ちゃん、大忙しなんで期待しててください」と、オープニングで奥井さんがそう話していたが、奥井さんとだけでなく、ALI PROJECTの「聖少女領域」をアリカ様とコラボするなど大活躍。このアニサマが行われたのは7月7日の“奈々の日”ということで気合いが入りまくり! ソロでも「Justice to Believe」「SECRET AMBITION」「Heart-shaped chant」といったバリエーションに富んだ3曲を歌い上げた。

水樹奈々、宝野アリカ

最後は奥井さん、影山さんが出演者を呼び込み、テーマソング「Generation-A」を歌った。ここで本編は終わるのだが、もちろんアンコールの声が起こった。この楽しい時間を終わらせたくない。そんな想いが武道館を包み込んだ。再び出演者がステージに現れ、前回のテーマソング「OUTRIDE」(作詞・奥井雅美、作曲・影山ヒロノブ)を歌った後、アーティストひとりひとりがあいさつをするのだが、感極まって泣いている人もいるほど。最後は再び「Generation-A」。みんなの笑顔、会場が一体となり、大合唱が響き渡った。

翌年にはさいたまスーパーアリーナでの2days開催と、アニサマはさらにスケールアップすることになるのだが、改めて“A”とは何だったろうか。それはもちろんアニメ、アニソンのことであり、かつ始まりを予感させるような、何かが動き出すときの期待感や強い意志を感じさせてくれるもの。これから先も一緒に歌っていきたい、ここからは未来に向かって走り出す! そんなアニメ、アニソンを愛するすべての人が「Generation-A」として、新たな歴史を刻んだ、素晴らしい1日になった。

(文/幡野敬)

【出演者】(敬称略)

ALI PROJECT、近江知永、奥井雅美、栗林みな実、サイキックラバー、Cy-Rim rev.、JAM Project、樹海、Suara、高橋直純、茅原実里、水樹奈々、m.o.v.e、桃井はるこ

【スペシャルゲスト】(敬称略)

平野綾、矢部野彦麿(でんちゅう)&琴姫(MOMOEIKA)

【サプライズゲスト】(敬称略)

高橋洋子、PaniCrew

【セットリスト】

1.輪舞-revolution / 奥井雅美、水樹奈々(アニメ「少女革命ウテナ」OP)

2.-w- / 奥井雅美

3.空にかける橋 / 奥井雅美(アニメ「テイルズ オブ エターニア THE ANIMATION」OP)

4.Romantic summer / 桃井はるこ(アニメ「瀬戸の花嫁」OP)

5.WONDER MOMO-i / 桃井はるこ(ゲーム「太鼓の達人」シリーズ)

6.純白サンクチュアリィ / 茅原実里(アニメ「キディ・グレイド2 」パイロットDVD テーマソング)

7.君がくれたあの日 / 茅原実里(インターネットラジオ「茅原実里のradio minorhythm」テーマソング)

8.恋のDice☆教えて / Cy-Rim rev.(ゲーム「CircusLand I」主題歌)

9.聖少女領域 / 宝野アリカ、水樹奈々(アニメ「ローゼンメイデン トロイメント」OP)

10.てのひら / 高橋直純

11.君に会えてよかった / 高橋直純(ラジオ「RADIOアニメロミックス」ED)

12.Yell! / 栗林みな実(アニメ「スーパーロボット大戦OG -ディバイン・ウォーズ-」ED)

13.翼はPleasure Line / 栗林みな実(アニメ「クロノクルセイド」OP)

14.夢想歌 / Suara(アニメ「うたわれるもの」OP)

15.キミガタメ / Suara(アニメ「うたわれるもの」ED)

16.Float〜空の彼方で〜 / 近江知永(アニメ「SoltyRei」ED)

17.ロックリバーへ / 近江知永(アニメ「あらいぐまラスカル」OP)

18.うしろゆびさされ組 / 栗林みな実、桃井はるこ(アニメ「ハイスクール!奇面組」OP)

19.Systematic Fantasy / m.o.v.e(テレビ番組「激走!GT」ED)

20.Gamble Rumble / m.o.v.e(アニメ「頭文字D Third Stage」OP)

21.レッツゴー! 陰陽師 / 矢部野彦麿&琴姫 With 坊主ダンサーズ(ゲーム「新豪血寺一族 -煩悩解放-」)

22.特捜戦隊デカレンジャー / サイキックラバー(特撮ドラマ「特捜戦隊デカレンジャー」OP)

23.XTC / サイキックラバー(アニメ「ウィッチブレイド」OP)

24.あなたがいた森 / 樹海(アニメ「Fate/stay night」ED)

25.咲かせてはいけない花 / 樹海

26.勇侠青春謳 / ALI PROJECT(アニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」ED)

27.暗黒天国 / ALI PROJECT(アニメ「かみちゃまかりん」OP)

28.跪いて足をお嘗め / ALI PROJECT(アニメ「怪物王女」ED)

29.メドレー / 高橋洋子

魂のルフラン(映画「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生」主題歌)

残酷な天使のテーゼ(アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」OP)

30.冒険でしょでしょ?〜パンクでしょversion〜 / 平野綾(アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」OP)

31.Break Out / JAM Project(アニメ「スーパーロボット大戦OG -ディバイン・ウォーズ-」OP)

32.VICTORY / JAM Project(ゲーム「スーパーロボット大戦MX」OP)

33.SKILL / JAM Project(ゲーム「第2次スーパーロボット大戦α」OP)

34.Justice to Believe / 水樹奈々(ゲーム「ワイルドアームズ ザ フィフスヴァンガード」OP)

35.SECRET AMBITION / 水樹奈々(アニメ「魔法少女リリカルなのはStrikerS」OP)

36.Heart-shaped chant / 水樹奈々(ゲーム「シャイニング・ウィンド」OP)

37.Generation-A / アニサマフレンズ

-アンコール-

1.OUTRIDE / 出演者全員

2.Generation-A / 出演者全員

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