【「彼女、お借りします(2期)」特集!Vol.6】「瑠夏の尊さをどうやったら表現できるのか」更科瑠夏役・東山奈央インタビュー!後編

TVアニメ「彼女、お借りします」第2期が、現在、絶賛放送・配信中だ。今回は、更科瑠夏(さらしなるか)を演じる東山奈央さんにインタビューを行った。

「彼女、お借りします」は、宮島礼吏さんによる「週刊少年マガジン」(講談社)で連載中の大人気ラブコメ作品。主人公・木ノ下和也の理想の彼女・水原千鶴は実はレンタル彼女=レンカノで……? という秘密をもった2人と周囲の人々の物語が描かれている。2020年7月にアニメ第1期が放送されて人気を博すと、今夏より待望の第2期の放送が決定した。

今回は前回に続いて、更科瑠夏役の東山奈央さんが登場。東山さんに、瑠夏をはじめとするレンカノたちへの思いを語っていただいた。

【「彼女、お借りします(2期)」特集!Vol.5】「瑠夏の尊さをどうやったら表現できるのか」更科瑠夏役・東山奈央インタビュー&撮りおろしグラビア!前編



次に何をがんばっていいかわからなくなるくらい、瑠夏ってがんばっているんです

──第2期での瑠夏への東山さんの思いというと、どんなものがありますか?

東山 先ほど、瑠夏はけなげだと言ってくださいましたけど、本当にそうなんですよね。瑠夏の置かれている状況って、彼女がコミカルに泣きわめいたり、ポカポカポカーって叩きながら怒ったりするから、そんなに重たくなりすぎずに見ていただけると思うんですけど、改めて彼女の心にぴったりと寄り添って考えてみると本当に苦しくて、けなげなんですよね。どうやっても振り向いてくれないし、こんなにがんばっているのに次に何をがんばっていいかわからなくなるくらい瑠夏ってがんばっているんです。苦しい片思いなんですよね。

それを監督とお話していたときに、すごく腑に落ちたのが「他人が理解に苦しむくらい一生懸命になれるところが瑠夏の尊いところなんです。だから瑠夏はすごいんです」という言葉で、すごくわかるなぁって思ったんです。その尊いという言葉がしっくり来て。元気なだけではないところに皆さん魅力を感じてくれていて、瑠夏を好きといってくれる人が多かったのかなと思いました。

ーーそんな瑠夏に、東山さんがかけたい言葉はありますか?

東山 何とかしなきゃ!って焦っていると思うし、どうしたら振り向かせられるんだろうって四六時中考えていると思うんですけど、待つことを試してみるのもありだよ!っていうのは思います。何かアクションを起こさないと、居ても立ってもいられない気持ちもすごくわかるのですが、「待つ」というのもアクションのひとつだと思えたら、和也からの印象もちょっと変わったりするのかなって思ったりしました。でも瑠夏はまっすぐだからこそ素敵だとも思うので、このアドバイスがいいのかどうか……ちょっと悩むところではあるんですけど。

ーー瑠夏といえば、麻美とのバトルも見どころでした。麻美役の悠木碧さんは、瑠夏は麻美の苦手なタイプだろうと言っていたのですが。

東山 あおちゃん(悠木碧)と共演することは多いですけど、「カノカリ」で会うときのあおちゃんのお芝居は貫禄がありすぎて、ひと言ひと言に身構えてしまう自分がいるんですよね。でも瑠夏は麻美に“ガオーー”って向かっていくから頼もしいなって思います。

第2期では、2人のバチバチのやり取りは見どころなんですけど、私はそういうのが苦手なタイプで、胃がキリキリするんですよ(笑)。原作を読み返しても、そのシーンは「ううっ」ってなる。今どき、男女で分けるのも古いなって思うけど、それを承知のうえで言わせていただくと、女だなぁ、女のやり取りだなぁって思うんですよね。麻美が計算しながらであの手この手で探ってくるのに対して、瑠夏は力技でねじ伏せる。麻美が動揺させようとかまをかけてくるけど、瑠夏はそれに気づかずどんどん本音でひっくり返していくから、とにかくすごいんです!

ーーおそらく酸欠になったのはそのシーンなのかな?とも思います(笑)。もうひとり、あまりからみのない桜沢墨(さくわさわすみ)についても聞きたいのですが、キービジュアルがペンギンと一緒で悔しい!とかでもいいので、何か彼女に対する思いはありますか?

東山 あははは(笑)。ペンギンと一緒でしたね~。私がいますよー、平山さん! しかも私のイチオシのケープペンギンだったんですよ。フンボルトペンギンでもなく、コウテイペンギンでもなく、ジェンツーペンギンでもなく、なぜケープペンギなんだ~! うらやましい~!って思ったんですけど、それはまぁ、置いておいて!(笑)。

墨ちゃんは、私がメンズだったら好きなタイプで、とにかく守ってあげたいし、一生懸命なのがいじらしくてたまらない魅力があると思っています。しかもたまにぶっ飛んだ行動に出る読めなさも、ギュンと胸がつかまれますね。かわいすぎる!ってたまらなくなってしまうところがあるので、大好きです。でも、墨も和也のことが気になっていると思うけど、和也と千鶴のカップリングに対してはどう思っているんですかね。応援している感じもするから、そこも読めない……。今の時点では恋というよりも、自分を理解してくれる人として、和也になついているということなのかなぁ。

ーー少し話はそれますが、この作品タイトルにちなんでの質問です。東山さんが今レンタルしたいもの、借りたいものは何ですか?

東山 レンタルしたいものかぁ。私、結構レンタルスペースを利用しているんですよ。キッチンスペースを借りてYouTubeを撮ったり、声優の友達同士で集まるときに部屋を借りてパーティーをしたり。声優さんは声が通るので居酒屋だと話しづらかったりするけど、そういうところだと自由気ままにお話もできるのでありがたいですね。

ーー第2期の見どころと、ファンへのメッセージをお願いします。

東山 第2期は、いろんなキャラから名言がたくさん飛び出すんですよ。だから情報量がすごくて、かわいいとかドキドキだけでは説明できない人間ドラマの深さがあるんです。

印象的だったのは、和也役の堀江瞬くんがとある話数で瑠夏のことがより好きになったと言ってくれたエピソードがあって、それはお泊りする話なんですけど、瑠夏の印象がガラッと変わるくらい濃いエピソードなんです。みんなの中のかわいい妹系のイメージだけでなく、一歩踏み込んだシーンも増えてくるので、瑠夏自身の成長もありますし、ぜひ多くの方に瑠夏を、もっと好きになってもらえたらなって思います。

第1期の世界観そのままどころか、パワーアップして帰ってきた「カノカリ」であることは、アフレコのときから確信しています。各ヒロインたちがそれぞれ間違いなく輝いていて、見どころを発揮している。女の子としてだけでなく、イチ人間として、それぞれを好きになっていくような、本当に生きているなって思わせてくれるシーンがたくさんあるんです。

和也についても、実は男前かも?って思うシーンが多くて、アンチ和也だった私も今は心から素敵な男の子だなと思っています。行動力があって、本音を言ってくれているだけなのに、その言葉が欲しかったんだ!と思える、嘘偽りない気持ちを相手にぶつけてくれているので、第1期のときに、こいつは~!って思っていた方も、和也のことを好きになっていただけたらいいなって思います。


(取材・文・撮影/塚越淳一)

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