80年代ロボアニメで「主人公メカの量産タイプ」といえば、「特装機兵ドルバック」のキャリバー(グンゼ産業)しかないよね!?【80年代B級アニメプラモ博物誌第24回】

グンゼ産業の「特装機兵ドルバック」(1983年)シリーズって、なぜかこの連載には何度か登場してます。
「PAC-48 ガーディアン」
「ボナパルト・タルカス」
それぞれ1/24と1/100、今回の「VV-54A キャリバー」は1/72スケール。ガーディアンは人間の着用するパワードアーマーだからいいんだけど、ボナパルト・タルカスとキャリバーは同じ“バリアブルマシン”というカテゴリーのロボットなんだから、スケール統一してほしかった……というか、「メーカーとして統一しなくてよかったんですか?」と思ってしまうよね。

過去の記事でも触れたように、このキャリバーは主人公ロボであるムゲン・キャリバーの量産タイプ。「機動戦士ガンダム」でいう、ジムみたいなもんなんです。

▲ 説明書の解説によると、「ドルバック隊隊長・高城大佐の進言で、ムゲン・キャリバーをもとに量産化されたバリアブルマシンです。新型バズーカ砲とアーマーライフル、ジャンピングブースターつきのほか、各関節が可動し……」と、途中からキットの説明になる

既存キットの成型色をミリタリー風にしただけでなく、武装が追加パーツで入ってるっぽいね。「ジャンピングブースター」というのは、背中にしょったバックパックのことだろうか? とりあえず、ランナーを見ていこう。

▲ 手足のパーツは、どうやら元となったムゲン・キャリバーのキットと同じようだ。それにしてもモールドはシャープで美しく、「えっ?」と驚くほど細いパーツが混じっているのが、このシリーズの特徴である気がする

▲ バックパックのパーツは胴体と同じランナーに彫られているので、これもムゲン・キャリバーと共通。しかし、細長いランナーには手首と一体化した銃器がモールドされており、このランナーに新規パーツが集まっているようだ

ランナー追加によるバリエーションキットの大好きなおじさんは、この手の細長いランナーを発見すると「し、新規パーツ!!」と、目を見開いて鼻血を垂らしてしまうわけだ。しかし、この細長いランナーには頭までモールドされている……ということは、量産型キャリバーの頭部って、元になったムゲン・キャリバーと違うのか。知らなかった、なるほど。
おっと、忘れてはいけない。「ドルバック」シリーズを買ったら、どうしても確認せずにおれないパーツ、それはオレンジ色の派手なポリキャップだ。

▲ ポリキャップは、再販時でも必ずオレンジ色で成型されているらしい。デカールにはあまり興味がないのだが、これもムゲン・キャリバーとは別に新しく刷ったのだろうか? 適当な英語が刷ってあるわけではなく、実にそれっぽい用語が並んでいる

どうして、ポリキャップ(説明書ではポリブッシュ)をこんな派手な色にするんだろうね? 店頭で開けたとき、「ホラ! このキットにはポリキャップが付いてますよ!!」とアピールする目的だろうか? 1983年の他社製品ではバンダイの「ガンダム」MSVシリーズ、タカラの「装甲騎兵ボトムズ」シリーズともに、低価格帯キットにはポリキャップが付属していなかった。なので、グンゼ産業さんとしては、「うちのキットは別格ですよ」と、自慢したかったのかもしれないな。
いつまでもポリキャップのことをダラダラと考えてないで、組むか! 抹茶のような渋い成型色の量産型キャリバーを! オレンジ色のポリキャップを挟み込みながら!!

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