「なにが陰キャでなにが陽キャなのか……」明暗分かれた!? キャスト陣の青春エピソードの数々! 2022年秋アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」放送開始直前! 青山吉能×鈴代紗弓×水野朔×長谷川育美インタビュー【後編】

人気コミック「ぼっち・ざ・ろっく!」(原作:はまじあき/芳文社「まんがタイムきららMAX」連載中)が待望のTVアニメ化。2022年10月8日より放送・配信をスタートする。

極度の人見知りで陰キャな少女・“ぼっちちゃん”こと後藤ひとりが、とあるきっかけから《結束バンド》というバンドに加入し、伊地知虹夏・山田リョウ・喜多郁代ら個性的なメンバーとともに成長していく姿を描く本作。

TVアニメの制作はCloverWorks、監督は斎藤圭一郎さんが務め、《結束バンド》の個性豊かなメンバーたちの日常がアニメでどう描かれるのか注目される。

その放送開始を目前に控え、《結束バンド》のメンバーを演じる青山吉能さん(後藤ひとり役)、鈴代紗弓さん(伊地知虹夏役)、水野朔さん(山田リョウ役)、長谷川育美さん(喜多郁代役)へインタビューを行った。

前編に続いて、メインキャストの抱腹絶倒インタビューをお楽しみいただきたい!


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「会話しないで」「明るくお花畑な感じ」など個性を出すためのディレクション

――それぞれのキャラクターの魅力や、どのように演じようと思ったのかお聞かせください。

青山 ひとりのオーディションで「本質的に陰な方、お願いします」と書いてあったとお話ししましたが、“きらら作品”と“本質的な陰”がどうしても結びつかなかったんです。だから、諦めの気持ちでオーディションではガチの陰キャっぽいお芝居をしたんですね。でも、奇跡的にご縁をいただいたので、きらら作品でもこんなにやっちゃっていいんだと思いました。

アフレコでは音響監督や監督に細かくディレクションをいただき、「陰キャとは?」を突き進めていきました。「会話しないでください」とか「もっと床を見てしゃべっている感じに」とか言われて、今までの声優人生でやってこなかった引き出しをガツガツ引き出されています。私自身の人生もずっと明るかったわけではないので、陽キャへのあこがれ、ネガティブ感情の塊がこうやって生きているんだなって感じますね(笑)。

青山吉能さん

鈴代 虹夏ちゃんは、いろんなタイプの子といる中でも本質的な部分は陽というか、4人の中で一番一般的でしっかりしている子だなって思います。

オーディションでは明るくてみんなを引っ張っていく感じで演じさせていただきましたが、アフレコ時では、それプラス、彼女のバックボーンにある部分をより深く考えました。一見重たく聞こえてしまうような内容でも、それを変に構えさせずに相手に聞かせることができる。それって彼女がもともと持っているおおらかさとかやさしさなのかなとアフレコを通して感じ、そういう雰囲気を声にも乗せていきたいなと思いながら収録させていただきました。

水野 リョウちゃんは最初、クールでダウナーな感じの子なのかなと思っていました。もちろん、そういうところもありますけど、彼女ってすっごい変人じゃないですか(笑)。お金を貸してほしいと言うところとか、草を食べるところとか、私自身ちょっと理解できないことが結構あるんです。

ディレクションでは「あまり感情に起伏をつけすぎないで」とよく言われました。いろいろ指摘していただくことで、徐々にリョウちゃんのことがわかるようになりましたが、ぶっ飛んでいる部分はどのぐらいやっていいのかわからなくて。でも、物語が進むにつれて、もっとやっていいと気づいてからは一気に殻を破れたというか、ぶっ飛んだ方向にいけました。そこも楽しみにしてほしいです。

水野朔さん

長谷川 喜多ちゃんはメンバーで一番わかりやすいかもしれない。完全なる陽キャです。ディレクションでも「もっと明るい感じで、あんまり何も気にしないお花畑な感じで大丈夫です」と言われて、私が思うよりもハッピーで割と天然でマイペースな子だと思いました。

彼女は、「楽しそう!」「いいね!」で行動できるんです。大人になると、変に理由をつけてためらったりやめちゃったりすることが増えるじゃないですか。そうやって自分の心に正直に、プラスの気持ちで動けるのってすごく魅力的だと思いますし、すっごくうらやましいです。

4人の陰キャ&陽キャエピソードが明らかに!

――作品にちなんで、皆さんの陰キャエピソードと、逆に最大限の陽キャエピソードをお聞かせください。

青山 自分の中では普通だと思っていたことが「え?それあんまりやらないよ?」みたいなことはありますね。よく言う「ひとり焼肉」とか「ひとりファミレス」とか。

――そのくらいは普通だと思いますよ。

青山 そうですよね。あまりにも自分が陰キャとして普通に生きすぎて、なにが陰キャでなにが陽キャなのかわからなくなっちゃいます。自分はやっぱりInstagramよりもTwitterのほうが向いているなと思うし(笑)。

――そんな青山さんの陽キャエピソードは?

青山 私、実は結構多才で、書道をやっていたりスキーで国体に出たり、小中高はコーラス部でずっと合唱をやっていたり。合唱ってひとりではできないじゃないですか。その集団になじめていた自覚はあります。これは絶対に陽キャじゃなきゃできないですよね!

長谷川育美さん

――確かに。ちなみに、ぼっちの“ギターヒーロー”のように動画投稿サイトでなにかやりたいですか?

青山 昔やっていました。ぼっちと同じく承認欲求の塊だったので。でも、「歌ってみた」とか投稿しても150回再生とかで……情けない。

長谷川 「歌ってみた」は私もやってみたいです。声優はアーティストデビューしている人じゃないと基本的には自分自身で歌う機会がないから、そういうのもやってみたいなって。

――長谷川さんの陰キャだなと思うエピソードも教えてください。

長谷川 私、高校1年の時にちゃんと生きていなかったというか、ぼーっと生きていたんです(笑)。夏休みになると、やることがなくて片手で数えられるぐらいしか家を出なくて。それぐらい人と会っていないと、家族以外としゃべるのが嫌になっちゃって、学校が始まるのが嫌になるんです。憂鬱な気持ちで席についてぼーっとしていたら、クラスの陽キャ女子たちが「私、マジで夏休み1日しか家にいなかったわ」とか言っていて。その瞬間、「私の存在ってなんなんだろう、帰りたい……」ってめちゃめちゃ思いました(笑)。

――それは思っちゃいますね。逆に陽キャなところは?

長谷川 なんだろうなぁ……でも、最近は割と陽な気がします。やっぱり関わる人が明るいと、それに引っ張られるというか。私は全然アウトドアなタイプではなかったんですけど、外に連れ出してくれる人が周りにいるので、それこそ(鈴代)紗弓とか。最近はすごく陽に慣れてきている気がして充実感があります(笑)。

鈴代 私は、たぶん陽ですかね!?(笑) というか、陽とか陰とか考えたことがないかもです。でも原作を読んで、ひとりの心情に共感できる部分もいっぱいあったから、本質的にはそういう陰と言われる部分もあるんだと思います。余談ですが、これまで一緒にいた人たちは面白い人が多く、“愉快な仲間たち”みたいな環境で育ってきたので、どこか抜けているのはそういうことじゃないかなと思います(笑)。



鈴代紗弓さん

――愉快な仲間たちと、一般的には陽キャと思われる感じだったと。

鈴代 部活もチア部だったから陽キャだと言われることは多いですけど、全然そんなことはなくて。面白い人たちが周りにいたから、その人たちがワイワイしているのに引っ張られた感じですね。そうじゃないタイプでも話や波長の合う子はたくさんいたし、どちらとも楽しい日々を送ってきました。

――水野さんはいかがですか?

水野 私は趣味がゲームで、ひとりでゲームをするのが好きなので、根本的にあまり家から出たくないんです。そこは陰キャ寄りかなと思っています。

――ちなみに、どんなゲームが好きですか?

水野 FPS(First-Person Shooter/一人称視点のシューティングゲーム)が好きですね。最近は「Apex Legends」を一番やっています。ホラーゲームも好きですし、ゲーム実況をしたいです。

――実況配信で“ギターヒーロー”のように別の名前をつけるとしたら?

水野 すごく無難な名前にしたいですね。花子とか斉藤とかがいいかなって思います(笑)。

――そんな中で最大限陽キャだなと思うところは?

水野 高校生のとき、1回だけですが文化祭でバンドをしました。クラスにドラムを叩ける子がいて、その子がどうしてもやりたいというので、ギターを弾きながら歌も少し歌うという喜多ちゃん的なポジションをやったんです。これって陽キャですよね(笑)。

――間違いないですね。では最後に、メッセージをお願いします。

青山 皆さまにどのように受け取っていただけるのか、正直、楽しみと不安が五分五分というか。「後藤ひとりの声は、こんなんじゃない」とネットで叩かれたり、さらされるスレが立ったりするのを想像しながら生きているのと、これだけキャストもスタッフも魂を込めて作っているから認められないのはおかしい!という強気の自分が毎日毎日戦っています。これまでもこれからも作品への愛を忘れずに、ともに作品を愛してくれる皆さんと一緒に歩めたらと思っています。

鈴代 座長(青山さん)は不安もあるとおっしゃっていましたが、最初からギアを上げてくれたのは間違いなくよっぴーだと思っています。それに周りのみんなも私自身もついていって、スタッフの熱とキャストの熱、全部がすごくいい相乗効果となって作品づくりをさせていただけたと思っています。脚本だけでもかなり面白くて笑っちゃっていたので、それがどういう感じにアニメになるのか、私自身もすごく楽しみです。肩の力を抜いて楽しんでいただけたら嬉しいです! よろしくお願いいたします!!

水野 お2人が言っていたように、たくさんの方が魂を込めてやっているのをひしひしと感じています。それはこのキャスト4人も同じで。特によっぴーさんが本当に魂を込めているのを間近で聴いていたから、面白くないはずがないです!

青山 上げるな、ハードルを(笑)。

水野 いや、本当に面白いんですよ。アフレコの時点で笑いをこらえるのに必死だったので、皆さんにもお腹が痛くなる覚悟をしていただけたらと思います。

長谷川 そうだよね。毎話毎話、家でVチェックをしても笑って、アフレコ現場でみんなのお芝居を聞いても笑って。特によっぴーですよね。こんなにいっぱい引き出しを持っているんだ!ってぐらい、青山吉能(の演技)は抱腹絶倒ですから。

青山 みんなひどい! 覚悟しとけ(笑)。

長谷川 (笑)。でも、お芝居も映像も、本当にたくさんの表現が見られる作品になっていると思います。毎回、収録の直前に音響監督さんが「楽しんでやっていきましょう」と声をかけてくださいますし、制作陣の面白いものを作ろうという気合いがアフレコを重ねるたびに伝わってくるんです。私もその気合いに応えていかねば!という思いでやっています。バンドものですから音楽面が気になっている人もいるでしょうけど、そこもすごく気合いが入っていますので期待してください!

(取材・文/千葉研一、撮影/金澤正平)

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