鉄属性にはたまらない!? 廃線から 60 年を経てなお愛される「山梨交通電車線」の鉄印が甲府駅で販売中!

現在、空前の鉄印ブームということで、さまざまな地方路線の電車の鉄印が生まれており、多くのコレクターも存在しているという。 鉄印は通常、現役地方路線鉄道のものが取り扱われているが、すでに廃線となって久しい「山梨交通電車線」の鉄印が甲府駅で販売されている。

「山梨交通電車線」は大正13年、金丸宗之助氏が発起人となり発足した甲府電車軌道株式会社に端を発する。
昭和4年1月、貢川駅で起工式が行われ、同年4月には新造電車が納入され山梨電気鉄道株式会社へと社名を変更する。昭和5年5月に一部開業し、その後、昭和7年に甲府駅前へ乗り入れて全線で運行可能となった。

今諏訪駅 桜と山梨交通電車(山梨交通所蔵※山梨交通OB寄贈)

昭和13年には峡西電気鉄道株式会社として再出発するこ とになるが、昭和20年交通機関の戦後統合命令により、山梨交通株式会社電車線として引き継がれ、バス事業との2本柱で山梨の交通を支えた。しかし、甲府空襲や昭和34年の二度の台風の被害にも負けず運行を続けていたが、自動車の普及に押され、ついに昭和37年6月に廃線となってしまった。
とても苦難が多い電車、それが山梨交通電車線なのだ。苦難や被災を受けてのこの電車は、地元の人々からは愛着を持って「ボロ電」とも呼ばれていた。
そんな地元に根差した路線であることから、廃線から60年を経てなお、郷土の思い出の電車として多くの人にいまだ愛され続けているのである。

山梨交通株式会社代表取締役の雨宮正英氏は、地元の人々のいまだかわらぬボロ電への思いを受け止め、令和2年、貢川駅跡地に旧山梨交通電車線の碑を建立したのをはじめ、2022年には甲府駅前の記念碑を建立。記念碑の横にはバス事業者らしく、路線バスと高速バスにラッピングした自動販売機が設置されている。


その自動販売機で、しっかりと冷やされ販売しているのがボロ電の鉄印なのだ。瓶に入れて販売されているこの商品は、鉄印の他、当時の切符のレプリカも入っているため、当時を懐かしむ人も多いという。
鉄道運行時の山梨電気鉄道と山梨交通の社章が押捺された鉄印と、当時の乗車券のレプリカがセットになって、400円(税込)で販売されている。


2022年は10月28日から3日間、3年ぶりに武田信玄を讃える信玄公祭が開催される予定。この機会に甲府を訪れ、古き鉄道に思いをはせてみてはいかがだろうか。


【商品情報】
■山梨交通電車線鉄印
・販売中
・400円(税込)
・販売場所:山梨県甲府駅南口から出て左側徒歩 1 分 山梨交通ビル横 自動販売機(24 時間販売)
・販売元:山梨交通株式会社

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