TVアニメ「弱虫ペダル LIMIT BREAK」最終回直前企画! 岸尾だいすけ(手嶋純太役)×阿部敦(泉田塔一郎役)キャプテン対談!前編

放送中のTVアニメ「弱虫ペダル LIMIT BREAK」がいよいよ最終回を迎える。

高校1年生でのインターハイで、総北高校を総合優勝へと導いた小野田坂道が、今泉俊輔や鳴子章吉とともに2年生へと進級し、新キャプテン・手嶋純太率いる新チームで連覇を目指す夏のインターハイはついに最終日へ突入した。昨年の雪辱に燃える王者・箱根学園の快進撃により、再び挑戦者となり苦境に立たされる総北。栄光のゴールをつかみ取るのは、総北か箱根学園か……。

そんなクライマックスを目前に控えたタイミングで、総北を率いるキャプテン手嶋純太役・岸尾だいすけさんと、箱根学園のキャプテン泉田塔一郎役・阿部敦さんにインタビュー。これまでの戦いをチームの成長や変化とともに語っていただきました!

ーー 5期の放送も最終話を迎えます。待ちに待った第5期がもう終わってしまうのかというファンの声も多いと思いますが、お2人の今の心境を教えてください。

岸尾 5期ができたことは本当に嬉しかったです。2年目のインターハイを最後までやることを熱望していましたから。ちょっと時間はかかってしまいましたが、まずはここまでできたことに満足しています。大変ではありましたけれど、5期ができたことで、積み上げてきたものが見事に昇華されて、まずはひと安心。3年目もできたら嬉しいけれど、ひと段落、ふた段落になるのかな、感無量のLIMIT BREAKでした。

阿部 白熱したインターハイ2年目の2日目も終わり、「さあ、3日目が始まったぞ!」というところでアニメはいったん終わっていたので、とりあえず3日目まではやるだろうとは思っていたのですが、5期が動き出したときは、待ちに待ったという心境でした。視聴者の方も続きを観たいだろうし、僕らにもやり切りたいという思いがあったので、4年越しでそれがかなったことはやっぱりすごいなって思います。これだけ間が空いてもできるのは、観たいと思ってくださる方々の応援があったからこそ。その思いに応えるためにも、一生懸命やりたいという気持ちでした。

ーー 4期もいいところで終わっていましたし、アフレコで熱量を思い出すのは大変だったのではないでしょうか?

岸尾 楽しい気持ちのほうが大きかったです。むしろ、1話目からすごく盛り上がった状態で始まったので、観ている人が着いてこれるかなという気持ちはありました(笑)。

阿部 確かに、そうですよね。

岸尾 キャストは続きを熱望していたので、「やっときたか」「やっとできるぞ」という気持ちが強かったと思います。なので、楽しんでやっていた人のほうが多いんじゃないかな。

阿部 「弱ペダ」ってこれまでも、「ここで終わるのか!!」というところでシリーズが終わり、半年とか数か月空いてから、「ここから始まるの?」というのを繰り返してきたので、多分、僕たちは慣れていたのだと思います。急に熱量の高いところから来ても大丈夫になっているんです(笑)。

ーー インターハイ3日目は、まさに見どころ盛りだくさんでした。特に手嶋の見せ場はズルいくらい多かったという印象です。

岸尾 さっき渡辺(航)先生が「このシリーズは手嶋のためのインターハイだから」とおっしゃっていたとうかがったんです。なるほど、じゃあ、手嶋がどれだけ目立っても活躍してもいいんだ、って思いました。

阿部 アハハハ。

岸尾 先生がそう言ってるなら、大手を振って「私(手嶋)が主役でした!」と言えると思ったし、実際にほぼ裏主役と言えるくらいの活躍はしていたので、演技のしがいがあり、とにかく楽しかったです。

ーー 葦木場(あしきば)拓斗(CV:宮野真守)とのシーンも印象的なものが多かったですよね。

岸尾 葦木場はニュータイプ。本当にすごいと思いました。会話していないのにしゃべっているような感覚になることは、「弱ペダ」ではこれまでもちょこちょこありましたが、葦木場はもう完全に言葉で返してきていましたから。完全なニュータイプです。手嶋は完全なオールドタイプなので、ニュータイプVSオールドタイプの戦いだなという気持ちでやっていました。

「弱ペダ」に限らず、戦っている同士がしゃべらずに思いが通じるような描写は、それこそガンダム等々で見られることではあったのですが、葦木場は完全な答えを出してくれました。「君のことがわかるんだ、君の考えがわかるんだ」という感覚が研ぎ澄まされていましたよね。昔からの戦友であり、友達であり、ライバルであった関係性から、考えていることがわかるというモノローグで会話ができてしまう関係になれたことに満足しています。

ーー 泉田もキャプテンとしてチームを率いる中で、覚醒したような部分も描かれていましたが、いかがでしたか?

阿部 スプリンターなので最後までついていけないという「キャプテンとしてそれはどうなのか問題」はありますが、2日目の過去回想で実はこんなことがありました、という話も描かれていたので、最後は信じて託して送り出すところに説得力も出たし、僕自身も納得できました。破れかぶれではなく、本当に信頼しているから「お前なら大丈夫だろう」と託すことができる。山岳の平たん区間で700mもの差をつけてクライマーチームを送り出せたのはすごくいいシーンだったんじゃないかなと思っています。(新開)悠人(CV:内田雄馬)に背中を見せて、「箱根学園とはこうだ!」と無言で語ることができたあのシーンは、個人的にもかなり気に入っています。

ーー 前年のインターハイとはまた違う気持ちだったのでしょうね。

阿部 1年目と同じセリフもあったりして、思いは同じ部分もあるけれど、1年目から2年目に引き継いだもの、自分の中に生まれた覚悟が乗ることで、似ているけれどちょっと違うものになっている、そういった部分の描写には“アツさ”を感じたし、いいシーンだなって思いながら演じていました。

ーー 相手チームの魅力についてはどのように感じていますか?

岸尾 個人のレベルに関して言えば、箱根学園のほうが絶対的に上なので、そこは本当にいいなって思います。

阿部 フフフ。

岸尾 劇中のセリフにもありますが、6人全員がゴールを狙えるエースみたいなところがあるので、10点満点が6人揃っていたら、それはうらやましいに決まってます(笑)。だって、誰をどこに配置しても失敗する確率が少ないわけでしょ? 最良の采配をすれば無敵のチームです。だけどうちが勝ってるから、なんとも言えないところもあるんですけれど……。

阿部 確かにね。

岸尾 でも、個々のレベルの高さは本当にすごいと思っています。

ーー もし、誰かを引き抜けるなら?

岸尾 いいところを補える人がいいので、オールラウンダータイプが来てくれるとありがたいかな。黒田(雪成)(CV:野島健児)になるのかな。立てられる作戦が増えると思うので。

阿部 箱根学園って、なんだかんだ言ってもある種完璧なチームだと思っています。黄金聖闘士(ゴールドセイント)っぽいかなって。青銅聖闘士(ブロンズセイント)感とかもあるんですけれど、意外性というのかな、幅があるのがいいなって思うところ。何より、会話がほがらかなのがいい。箱根学園はみんな確立しちゃってるから、会話がどこかかっちりしている印象がありますね。最近は楽しい会話も増えている気もするけれど、やっぱり総北のワチャワチャした感じはうちのチームにはないから、その辺はちょっとうらやましいかな。

ーー できあがっているチームに新たなメンバーを引き抜いてくる必要はなさそうですが……。

阿部 引き抜くなら、鳴子(章吉)(CV:福島潤)かな。彼が入ってきたらほがらかなチームになりそうな気はします。銅橋(正清)(CV:小野大輔)とも面白い会話をしそうだし、葦木場ともなんかいいボケとツッコミの関係性が成り立ちそうな気がします。

ーー 手嶋、泉田の変化や成長についてはいかがですか?

岸尾 キャプテン同士だけど、ぶっちゃけあんまりからんでないからね(笑)

阿部 確かに。

岸尾 でも泉田と言えば、どうしても筋肉の話になってしまって。一緒に収録したときも筋肉話で盛り上がった気はしています。真面目だけどおかしい人だね、みたいな。キラーワードを持っているところはキャラクターとしてうらやましいです。

阿部 変化か……、髪が伸びましたね。

岸尾 何か願掛けがあったのかな?なんて思ったりもしました。でも、まあ、2人ともキャプテンとしてそれぞれのチームづくりをしたという印象はあります。スプリンターとクライマーで、タイプも全然違う2人。大きく変化したというよりは、それぞれがいいところをブラッシュアップして、それぞれが思う最強のチームに仕上げた気はしています。がんばったね(笑)。

阿部 めちゃくちゃセリフの量も増えたという物理的な変化もありましたね。アツさ、消費カロリー数も群を抜いて変わったのは手嶋じゃないかな? 手嶋と泉田は極端に違う2人だから、その対照的な感じも作品の面白さだったりするのかなと思っています。


インタビュー後編ではライバルにしたい「弱ペダ」から、プライベートな話題までたっぷり語っていただきました。こうご期待!

(取材・文/タナカシノブ)

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