【Steam】買い逃しはない? Steam新作ゲーム3月発売この3本!

アキバ総研をご覧の皆さま、いかがお過ごしでしょうか。ゲーム買いすぎちゃう系ライターの百壁ネロでございます。いよいよ新年度が始まる時期となりました。新生活や新たな環境でバタバタしてしまうこともあるかもしれませんが、こんなときこそ、休みの日にはゲームでしっかり遊んで気力や体力を回復させたいところ。というわけで、今回は3月にリリースされた新作のSteamゲームの中から、オススメのインディータイトルを厳選してご紹介していきたいと思います。

項目
「ONI - 空と風の哀歌」
「笑顔の錬金術師」
「ふりかけ☆スペイシー」

1,打倒桃太郎!?
小鬼と精霊の一心同体アクションがクセになる!「ONI - 空と風の哀歌」


  • 「ONI - 空と風の哀歌」(開発:KENEI DESIGN, 制作協力:集英社ゲームズ, 発売元:株式会社クラウディッドレパードエンタテインメント)
  • ジャンル:アクション
  • 2023年3月9日発売
  • 価格:パッケージ版:4,840円/ダウンロード版:3,850円(2023年3月15日現在)
  • コピーライト:(C)2023 HAYAMA SANGYO, KENEI DESIGN.
  • Licensed to and published by Clouded Leopard Entertainment Inc.
  • Supported by SHUEISHA, SHUEISHA GAMES
  • #

日本で最も有名な昔話といえば、やはり「桃太郎」ではないでしょうか。老若男女問わず皆がしっているというその有名さ故に、アニメやマンガ、ゲームなど、さまざまなコンテンツでアレンジされることの多い昔話ですが、ご紹介する「ONI - 空と風の哀歌」もまた、桃太郎をベースにした作品です。



本作は、桃太郎をストーリーのベースにした3Dアクションアドベンチャーゲームです。
昔話をテーマにしているということもあり、美しくもあたたかみのあるグラフィックが特徴的。まるで子供の頃に読んだ絵本に飛び込んだかのような、どことなく懐かしい気持ちを覚えます。



そんな本作の主人公は、小鬼の「空太(くうた)」。鬼ヶ島の戦いでひとり生き残った小鬼の空太は、かつて桃太郎に敗れて散っていった鬼たちの魂がさまよう島「鬼世島(きせじま)」を訪れ、打倒桃太郎を誓い、強くなるための試練に挑みます。すべては、人にして悪鬼である桃太郎を倒すため……。島で出会った不思議な精霊「風丸(かぜまる)」とともに、小さな島での挑戦が幕を開けるのでした、というのが本作のあらすじ。桃太郎ではなく“鬼”側を主人公にして、「桃太郎を倒すために修行を積む」という斬新な設定が目を引きます。



ゲームの舞台となるのは、鬼の魂が眠る島「鬼世島」。主人公の空太は、この小さな島をめぐりながら、待ち構える数々の試練に挑んでいきます。


昨今のゲーム界では広大なフィールドを冒険するオープンワールドゲームが主流のひとつとなっていますが、本作は小さな島にぎゅっと遊びやこだわりが詰め込まれた“スモールワールドゲーム”。島を歩いて探索しつつ、島に点在する鬼の幻影に触れて専用のステージにジャンプし試練のクリアを目指すという、探索型とステージクリア型が融合した、独特のシステムとなっています。



試練は、現れる敵と戦いながら設定された目的を達成するというもの。空太を操作してこん棒を振るい、敵に攻撃を与えていくというオーソドックスなアクションゲームのスタイルですが、ひとつ大きく違うのが、攻撃だけでは敵を倒せないということ。倒れた敵の体からは「心玉」という球体が浮かび上がるのですが、この心玉を攻撃して「心を壊す」ことで、ようやく敵が消滅するのです。ちなみに心玉は破壊しないと一定時間で敵の体に戻ってしまうので要注意。



複数の心玉がある場合は、ひとつめの心玉を破壊した状態で再度ボタンを押すことで、オートで2つめの心玉を破壊します。これを「心通連撃」といい、うまく決めることで敵を一気に片付けることができるだけでなく、後述する風丸のゲージを素早くためられるなどのメリットもあります。先述のとおり、心玉は一定時間で敵の体に戻ってしまうため、スピード感が重要となりますが、その分、うまく決まったときの爽快感はバツグン! クセになってしまうアクション性が楽しめます。



空太のアクション以外に重要となるのが、オバケのような精霊・風丸を使ったアクションです。
通常の操作では空太を動かしますが、特定のボタンを押したままにすると風丸を操作するモードに切り替わります。


風丸は、敵と重なって敵に吸着し、先述の心玉を吸引することが可能。これにより、近距離の敵は空太で攻撃し、少し離れた距離の敵は風丸で心玉を抜くというような立ち回りが可能。この一心同体のアクションこそ、本作の醍醐味となっているのです。コントローラーの右スティックで風丸を操作しつつ同時に左スティックで空太を動かすという独特のアクションは、慣れるまではやや混乱してしまいますが、その分、うまく操作できるようになったときの爽快感は格別です。



探索パートでは、島に散在する鬼たちの魂を探して、体力値をアップすることができます。しかし、魂は目に見えないため、風丸が放つオーラを用いて発見します。発見された魂は一目散に逃げてしまうので、風丸を操作して追いかけて捕まえるという「ONIごっこ」が発生します。


こうして、魂を捕まえたら島にある地蔵まで持っていかなければならないのですが、魂を持っていると「くろん」という巨大な怪物に襲われてしまうことがあります。くろんは倒せないので逃げるしかなく、ここでも「ONIごっこ」が発生。島内に点在する要石にちかよればくろんから姿を隠すことができるので、うまく要石を経由しつつ目的地まで向かうという、緊張感のあるステルスアクションが楽しめます。


これらの「ONIごっこ」は、試練でのバトルアクションとはまったく異なるタイプの楽しさがあり、本作独特の味になっているように筆者は感じました。



桃太郎の“鬼”にスポットを当てたユニークな世界観と、独特の一心同体アクションが魅力的な「ONI - 空と風の哀歌」。アクションゲームが好きな方はもちろん、本作の絵本のようなグラフィックに引かれるものを感じた方もぜひ、プレイしてみてください。

2,小さな錬金術師の成長物語!
採集・錬金・販売のサイクルにどっぷりハマるシミュレーション「笑顔の錬金術師」

  • 「笑顔の錬金術師」(株式会社アソボックス、KEMCO)
  • ジャンル:シミュレーション
  • 2023年3月3日発売
  • 価格:1,540円(2023年3月15日現在)
  • コピーライト:(C) 2021-2023 Asobox Co.,Ltd. Published by KEMCO.
  • #

ファンタジー系のRPGではおなじみの職業、錬金術師。金属やさまざまな物質を錬成する錬金術の起源は、古代エジプトや古代ギリシアへさかのぼるそうですが、ご紹介する「笑顔の錬金術師」は、そんな錬金術がキーワードとなる作品です。



本作「笑顔の錬金術師」は、育成・収集・合成を楽しみながら物語を読み進めていくシミュレーションゲームです。
明るく鮮やかな色合いとあたたかみのあるドット絵風のグラフィックが特徴的。そんな本作の主人公は少年ネイク。いつも笑顔で明るい彼は、大切な友だちとの約束のために世界一の錬金術師を目指しています。



町に住む有名な錬金術師の先生に弟子入りして修行の日々を送るネイク。しかし、彼にはひとつ、重大な問題があったのでした。それは……ネイクには、錬金術の才能がなかったのです!

そんな衝撃の事実の発覚から始まる「笑顔の錬金術師」。 いきなり才能がないと突きつけられるのは一見悲しい物語の幕開けのようにも思えますが、ネイクは明るく前向きな性格と「絶対にあきらめない」という強い信念、そして周囲の人々に元気を与える“笑顔”を武器に、錬金術師としてどんどん成長を遂げていきます。そんな思わずホッコリするようなネイクの成長物語は、本作の大きな魅力のひとつです。



ゲームの基本サイクルは、「採集」「錬金」「販売」を繰り返しながら、メインストーリーを進めるための条件を達成していくという形になっています。

採集」は、錬金術を行うための素材集め。草原や洞窟など、さまざまな場所に出向いて必要な素材を集めるのですが、ネイクは錬金術師なので冒険は行いません。というわけで、酒場にいる冒険者に依頼して素材を集めてもらいます。

素材の集め方は、ボタンを押して表示されるパネルを消していくというもの。「泉のパネル」からは水が手に入り、「木のパネル」からは木が手に入るといった具合にパネルの種類によって手に入る素材が異なるので、欲しい素材が出そうなパネルを考えながら開いていくのが吉。また、応援パワーを消費してネイクが応援をすることで冒険者のテンションが上がり、素材採集が有利に進むので、パワーの残量に気を配りつつ、どんどん応援をしていきましょう。



続いてネイクの家で行う「錬金」。これは、所持しているレシピを元に、手に入れた素材を使ってさまざまなアイテムを作り出すという工程。レシピは商店で購入や、町の人の依頼をクリアすることで手に入る参考書で増やすことができます。錬金は、ときに失敗したり、大成功したりといったこともあるため、結果がわかるまでドキドキです。



そして商店で行う「販売」。これはその名のとおり、錬金で作り出したアイテムを棚に並べて販売し、お金を入手する工程です。時間経過で自動的にアイテムが売れてお金が入る仕組みになっていますが、集客パワーを消費して集客を行うことで、待ち時間を減らすことが可能となっています。商品が売れるたびにコインがジャラジャラと画面上に増えていく演出は爽快で、思わずクセになってしまうこと請け合いです。



以上の「採集」「錬金」「販売」を繰り返していきながら、ときに町の人の依頼を受けたり、サブストーリーを読んだりしながら、メインストーリーを進めていくというのが本作の流れですが、この「採集」「錬金」「販売」のサイクルが、シンプルながらも非常に気持ちが良く、やめどきを見失ってしまうほどハマります。

さらに本作にはコレクション要素や「シアンの課題」というサブクエスト要素などもあり、一定の条件を達成するたびに報酬が獲得できるため、さらにやめどきがわからなくなり、気付けば延々プレイをし続けている沼状態に……! サクサク遊べるテンポの良さも、ハマれるゲーム性とマッチしているように筆者は感じました。



明るく前向きな気持ちになれるストーリー、好感が持てる個性豊かなキャラクターたち、そしてサクッと遊べてどっぷりハマれるゲーム性が見事に融合した「笑顔の錬金術師」。難しい操作なども必要ないため、普段ゲームであまり遊ばないという人にもオススメできる作品です。

3,狂気のネオ昭和にようこそ!
ネタとパロディがてんこ盛りのハイテンポ・ギャグアドベンチャー「ふりかけ☆スペイシー」

  • 「ふりかけ☆スペイシー」(よんとんトマチン)
  • ジャンル:アドベンチャー
  • 2023年3月1日発売
  • 価格:1,500円(2023年3月15日現在)
  • コピーライト:(C) 2023 よんとんトマチン
  • #

元号が令和になって早数年。いまや『平成レトロ』なんて言葉もあるほどですが、平成の前の昭和となると、さらにレトロでノスタルジーを感じる時代といえるかもしれません。ご紹介する「ふりかけ☆スペイシー」は、そんな昭和のエッセンスが特徴となっているタイトルです。



本作は、“ネオ昭和×ギャグ×ビジュアルノベル”と銘打たれた作品です。
表示されるテキストを読み進めながら物語を楽しむオーソドックスなスタイルのアドベンチャーゲームとなっており、複雑な操作はいっさい必要なく、誰でもすぐに遊べる手軽さが魅力。そんな本作の特徴は、どこかレトロさを感じるグラフィックや音楽、そして演出の数々。古き良き昭和を思わせる懐かしいムードが漂いながらも、展開されるストーリーや、盛り込まれている多数のネタの内容は非常に現代的。その不思議なギャップが本作の味となっているようです。



さて、それではさっそく本作のストーリーをご紹介しましょう。

主人公は、ゴスでブリ(?)なドレスを身にまとい、オタク文化を愛する二浪中の20歳の少女、「さぁたん」。とある小さな田舎の孤島、シャドウガ島で暮らすさぁたんは、2021年春のある日、ひょんなことから謎のワープに巻き込まれてしまいます。



ワープの果てにたどり着いたのは、新宿のようで新宿ではない奇妙な場所。そこは、なんと“ネオ昭和”という謎の時代の奇妙な世界だったのです。
混乱するさぁたんでしたが、偶然にも私立ふりかけ学園に通う少女・竟金かがみと出会い、さまざまな事件やトラブルに巻き込まれていくのでした……というのが本作のあらすじ。
もはやどこからツッコんでいいものか、といった感じですが、本作のストーリーは最初からずっとこの調子。テンポ良く繰り出されるギャグ満載・不条理満載の物語に気付いたならどっぷりとハマってしまいます。ノベルゲームなのにマンガを読んでいるような感覚で楽しめるストーリーは、本作の大きな魅力のひとつといえるでしょう。



ストーリー以外に本作を語るうえで欠かせないポイントは、なんといってもやはりその独特のビジュアル。実は本作のグラフィックは、昔懐かしいブラウン管テレビを思わせる「ネオ昭和フィルター」という独自のエフェクトが掛かっているのです。このエフェクトがあるために、令和に生まれた作品であるにもかかわらず、なんだか昭和のアニメを観ているような奇妙な感覚を味わえます。

ちなみにこの「ネオ昭和フィルター」はオプションから解除することも可能なのですが、本作の摩訶不思議な世界観への没入度を高めるためにも、ぜひフィルターオンのままでプレイしていただくことを筆者は断然オススメします。



さて、ストーリーやネオ昭和フィルター以外にも、本作には気になる部分があります。それは、テキストアドベンチャーゲームとしては一風変わった画面の配置。
キャラクターが表示されるメイン画面とその下のメッセージウィンドウ以外に、左側と右側にそれぞれ縦に長い長方形のウィンドウがあります。それぞれ、左側のウィンドウには、物語が展開されている「現在地」が表示され、右側のウィンドウには、オレンジ色の文字をクリックすることでそのワードの詳細がわかる「ネオ昭和辞典」が表示されます。どちらの内容もおふざけ要素やパロディネタが満載となっており、ただでさえギャグとネタだらけの本編をさらに盛り上げてくれます。とにかく遊んでいて飽きることがない作品に仕上がっています。



先のまったく読めない展開とハイテンポで進んでいくギャグテイストのストーリー、次々に現れる奇天烈なキャラクターたち、そしてこれでもかと散りばめられたアニメやゲームや芸能人などさまざまなジャンルのパロディネタの数々と、魅力たっぷりの「ふりかけ☆スペイシー」。このノリにピンときた方は、ぜひ、実際に“ネオ昭和”を体験してみてください。

ちなみに、セーブやロードといった各種メニューの中にひっそりとまぎれた「占い」も、筆者的にオススメのコンテンツですよ!


新作のオススメSteamタイトル、気になるものはあった?

というわけで、Steamのオススメ新作タイトルをご紹介しました。

今回はアクション、シミュレーション、アドベンチャーとジャンルが異なる3作品をピックアップしました。どれもオススメの作品ばかりなので、気になるタイトルがあった方はぜひ、遊んでみてくださいね!

筆者:百壁ネロ
ゲーム買いすぎちゃう系フリーライター。現在積みゲー300本以上。小説家でもあります。著作は「ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話」(PHP研究所)、「ごあけん アンレイテッド・エディション」(講談社)など。
Twitter:#
Twitch:#
about.me:#

おすすめ記事