【ネタバレ注意】映画「フレームアームズ・ガール~きゃっきゃうふふなワンダーランド~」公開記念! 映画を見た人必読の、もう一度見たくなる見どころガイド 監督・川口敬一郎さん&プロデューサー・杉山学さん対談(後編)

完全自律型ミニサイズのロボット、FA(フレームアームズ)ガールたちと暮らす、普通の女子高生・源内あおとの日常を通じた感情の物語「フレームアームズ・ガール」。そのTVシリーズを新規シーンも加え再構成した映画が、現在好評公開中だ。
あおとFAガールたちが繰り広げてきたドタバタな想い出を、オーディオコメンタリー的にみんなでにぎやかに振り返る内容だが、新規のFAガール総出演のライブシーンはもとより、TVシリーズ最終回でインパクト絶大だったキャラソンを用いたライブシーンもたっぷり見せる、歌謡ショーのような雰囲気も魅力だ。
そんな、映画「フレームアームズ・ガール~きゃっきゃうふふなワンダーランド」について、後編の今回はスタッフ目線での見どころを監督の川口敬一郎さんとプロデューサーの杉山学さんにノーリミットで思う存分語ってもらった。

巨大ロボット物っぽい、SE付きのOP


──TVシリーズを振り返るに当たって、川口さんが「入れたい」と思っていたシーンは?

川口 最終回での、轟雷にみんなが力を貸してフレズヴェルク=アーテル(フレズ)と戦う「友情・努力・勝利」みたいなところですね。まぁ、あそこが切られることは絶対にないんですけど(笑)。それと、劇場で上映するうえではカッコいいシーンが多いほうがいいと思ったので、3話のマテリア姉妹と轟雷・スティレットのタッグバトルは入れておきたいなって。やっぱりホビーアニメの基本は、バトルを多く入れてプラモデルが欲しい! って思ってもらわないと(一同・笑)。

杉山 見て、買いたくなってもらいたいですからね!(笑)。

川口 それと、この映画では念願かなって、OPに爆発音とかのSEが入ってるんですよ。TVでも最終回で入れたいと思ってたんですけど、できなかったので(笑)。

──これぞ、ロボットアニメという感じですね(笑)。

川口 そうです! だから最初っから「やってやったぞ!」感があります(笑)。また今回、5.1チャンネルで音響をやり直しているので、映画館で見ると効果音とかはかなり違っているのがわかると思います。それからEDには、あおの幼い頃の思い出がからむ話(TV8話Bパート)とか、映画の本編に入れられなかったTVでのサブエピソードを、できるだけ入れ込んでます。

──新規パートの原画マンとして、キャラデザインの川村幸祐さんもクレジットされていますが。

川口 あおと武希子の歌のパートです。そこの歌に合わせてクルクル回る立て看板みたいな2人の絵を描いてもらってます。いっぱい描きたかったらしくて、絵コンテよりも絵が増えてます。またキャラ以外の作画は、TVのキーアニメーターの北川大輔さんが描いてくれていて……プラモを作るとか北川さんしか描けないようなカットが多いので(笑)、2人の共作みたいな感じになってるんです。ちなみにそのシーンはあえてチープさや楽曲の昭和感も狙っていて。そんなところも楽しんでもらいたいパートです。

杉山 あおと武希子には、TVシリーズのときは歌がなかったので、ここは作ってあげたいよねという感じでしたね。それで監督にどういう歌がいいですか? と相談したところ、「昭和感が欲しい」と。

川口 それで、ビューティ・ペア(70代後半に人気を博して歌手活動もしていた女子プロレスラーコンビ)みたいな歌とこちらかオーダーしまして(笑)。止め絵で腕を組んでるところも、ビューティ・ペアっぽく……あはは! でも川村くんはビューティ・ペアはまったく知らなかったです。あの2人の歌もすごくいいですよね。

──ところで冒頭の新規パートで、マテリア先生が持っているウドラ柄の箱のデザインは?

川口 作画用デザインは原画の稲津辰宣くんですが、コトブキヤさんのグッズのウドラのノートを参考にしてます。

杉山 こちらから「ウドラのノートを使ってください」とお願いしたんです。

川口 さらに、穴のところはセッションベースのデザインになっていたりとか、いろいろと仕込んでます。そうしておけば、きっと商品化されるだろうと思って(笑)。


杉山 なるほど!(笑) なぜ、あの箱でウドラを推したかと言えば、穴の中に入っていくアイテムなので、うど室(うど栽培のための穴蔵)と引っかけたくて! そういうわかりにくい、完全に上級編の立川ユーザーにしかわからないネタをひとつ入れたかったんですよ!(笑) それで、あの箱は「ウドラの柄で」と言ってたんです。

川口 そこは、自分も全然知らなかった。

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